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gordonschumway 2011年06月13日(月) 16:02:04履歴
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【18禁】【BL】【アクション】
(店の喧騒)
伶 「ありがとうございましたー!またお越しくださいませー(営業スマイル)
ふぅ、これで一段落……か……」
水斗「………そうみたいだな……ったく…まじたりぃ……」
伶 「って水斗!お前もっと笑えよー!
仮にもここはスマイルが売りのファーストフード店なんだぜ?」
水斗「とはいってもなぁ……
だいたい俺達がこんな接客をしてるのも、全ては依頼のためだぜ?
ここにだって一時的にしかいないのに、
なんでそこまでする必要があるんだよ……」
伶 「お前……何その屁理屈。
いくら仕事のためとはいえ、仮にも俺らは店員をやってるんだぜ?
だったら、演技でも笑うのが筋じゃねぇか」
水斗「……って言われてもなぁ……」
伶 「ったく何なんだよお前は!!」
詩織「あはははは。なかなか面白い話してるじゃない」
伶 「…!景山(かげやま)……さん……」
詩織「確かに仙石(せんごく)君の言う通りよねー。
いくら一時的とはいえ、オペレーションならまだしも、
仮にもカウンターパーソンなんだから、笑顔笑顔」
水斗「…………」
伶 「ほら!マネージャーさんもそう言ってる…じゃ……」
詩織「んー?どうした?」
水斗「………お前、どこまで知っているんだ……?」
詩織「あ。やっぱりw知っているってゆーか、二人の会話を聞いてて、
多分二人とも裏稼業の人なんじゃないかなーって思っただけ」
水斗「なぜ…俺達がそうだと……?」
詩織「ん〜……女の感ってやつかな。多分二人ともガチで殺し屋(ニヤニヤ)」
水斗「!……どうしてわかるんだ……?」
詩織「まぁしいていうなら……雰囲気…かな……。
実はあたしもちょっと裏稼業に足突っ込んでてね、
その相方と同じ臭いがするっていうか……まぁそんな感じかな」
伶 「そう……だったのか……」
水斗「はっ…まさか同族ね方がいらっしゃるとはね……
ほんと、世間は狭いとゆーかなんと言うか……」
詩織「あはは、まぁ突っ込んでるっていっても、
相方のパートナーが不能な時に手伝ったり、
直接手を下すのは相方だしさ、あたしはあくまで手助けをしてるだけ……
そんな感じだけどねー」
水斗「なるほどな……」
詩織「ところで仙石くん」
水斗「あ?何?」
詩織「攻めはどっち?」
水斗「……………………はい?」
詩織「だから、あんた達って恋人同士でしょ?やる時はどっちが上?って話」
伶 「………………(絶句)」
水斗「え……そ、そりゃあ俺が上だけど……って何言わせるんだよっ!!」
詩織「あ、やっぱりー!二人の感じからして、
笠原君は多分受けなんじゃないかなってずーっと思ってたんだよねー。
あーやっぱりそうかー。あたしの目利きも捨てたもんじゃないわね」
水斗「あ…はは…はは……よくご存知で……」
伶 「………………(ワナワナしてる感じ)」
詩織「でなきゃ二人でコンビ組んでうちの店長狙ったりしないわよねー」
二人「!?」
伶 「どうして……それを……」
詩織「だってうちの店長、本社の金使い込んだり、
結構派手にあくどい事やってるからねー。
いつか狙われるんじゃないかと思ってたけど、
どうやらあんた達の方が先だったみたいね」
水斗「どういう……事だ……?」
詩織「さっき話したあたしの相方もさ、実はここの店長、
依頼されてマークしてたのよねー」
伶 「何だって!?あの依頼主……」
詩織「まぁうちの相方に依頼した依頼主と、
あんた達のとこに依頼に来た依頼主が同一人物……かはわからないけど、
もし違う人物だとしたら、相当恨み買ってんのねー。うちの店長www」
伶 「それ…笑い事か……?」
詩織「だって今の店長、ぜんっぜん仕事出来ないし、いるだけ邪魔って感じ?
なんであんな奴が店長になれたんだか…
不思議でたまんないわ。ま、どーせ上手いこと上司に取り入って、
実力もないくせに店長に昇格したんだろうけど……
ほんとなんでうちの店に来たのかしらね。
使えない店長なんかよこすなっての」
水斗「あ…ははは……景山さん、相当店長に鬱憤がたまってるんだな…(苦笑)」
詩織「当然よ。まだアシスタントの方が使えるわ。
だから相方の所に店長暗殺の依頼が来た時はほんと嬉しかったわぁ」
伶 「(………やっぱり…女って怖い……(ガクガクブルブル)」
水斗「(この人だけは…絶対に敵にまわすまい……)」
詩織「まぁそんなわけだからさ、二人とも、派手にやっちゃっていいからね(にっこり)」
水斗「は、はぁ………」
詩織「ん〜、でもま、見た所……笠原君は…まだ学生よね?」
伶 「学生っていっても、もう大学生だけど……」
詩織「そう。とはいえ、あんたまだ未成年でしょう?
まったく…未成年にこんな仕事させるなんて、世も末ね……
辛くないの?」
伶 「別に……俺は……この仕事でしか生きられないから……
そんな感情なんて、もう随分前に捨てた……」
水斗「伶………」
詩織「ま、言ってる事はかっこいいんだけどねぇ……
とにもかくにも今回の件、十分注意するのよ」
水斗「……あ…?」
詩織「うちの店長相当あくどいから、一筋縄じゃいかないって事よ。
あ、それともう一つ忠告。
うちの店長、相当変わった趣味の持ち主だから、特に仙石君、注意するのよ」
水斗「それ…どういう意味だ……?」
詩織「そのまんまの意味よ。ま、もし仕事中にうちの相方とバッティングしたら、
遠慮なくうちの相方を頼りなさい。
相方には、あたしから話しておくから。
さ、無駄話しはここまで。次のピークが来る前に、リカバリ完璧にしましょ」
伶 「次のピークって、まだあるのか!?」
詩織「この時間は特に、結構突発的なピークが起こりやすいのよ。
だからいつそれが起きてもいいように、
常に準備をしておくの。わかった?」
伶 「……わかった…」
詩織「ならよろしい。じゃ、あたしは厨房よりになるから、カウンターは二人でよろしくー」
(歩いて行く音)
伶 「なんだか……面白い人だな……景山さんって……」
水斗「あれは……面白いっていうのか……?」
(場面は数日後)
(店の喧騒)
水斗「はぁ……やっぱり、景山さんの言った通りだったな……」
伶 「だな……流石にここまでガードが固いとは……思ってなかった…」
菖 「おい、注文いいか?」
伶 「あ、はい!いらっしゃいませー!店内ご利用ですか?」
菖 「いや、お前が…笠原伶か?」
伶 「は、はいそうですが……」
菖 「これ、詩織に頼まれたここの店長の調査結果だ……」
伶 「!?……わかりました。ありがとうございます」
菖 「これでもあいつと苦労して集めたデータだ。
きっとお前らの役に立つはずだ。無くすんじゃねーぞ」
伶 「もちろんですよ」
菖 「それと、仙石」
水斗「……何すか…」
菖 「……なるほど。確かにいい目をしているな……だが、命を粗末にだけはするなよ……」
水斗「…………」
菖 「お前もだ笠原。とにかく仙石、いざという時は、こいつを守ってやれ……」
水斗「言われなくても、全力でそうするよ」
菖 「ならいいが……俺からも忠告しておく。
ここの店長には十分気をつけろ。相当やばいぞ……」
水斗「……あぁ。わかってる……」
菖 「じゃ、詩織によろしく伝えておいてくれ。俺はこれで」
(歩いて行く音)
伶 「なんか…すごいかっこいい人だったな……」
水斗「……………」
伶 「水斗?どうかしたのか?」
水斗「いや…何でもない……」
伶 「なら……いいけど……」
水斗「(あいつ……似てる………)」
(場面はまた数日後)
水斗「おい伶、ちょっといいか?」
伶 「ん?何…?」
水斗「たまにはさ、俺の家でお茶でも飲まねぇ?今日は仕事も入ってないし、それに、
例の情報についてももう一度詳しく話し合いたいし」
伶 「悪い……今日は急遽、店にでないといけなくなったんだ……」
水斗「えぇ…?なんでまた……」
伶 「何か店員の一人が風邪で寝込んだらしくて、店がまわらないんだって。
他に出られる奴がいないみたいでさ、
仕方なく引き受けたんだ」
水斗「そう…か……」
伶 「それに、今日は珍しく店長もいるらしくて、丁度いいと思ってな」
水斗「……その連絡は、店長からか……?」
伶 「そうだよ」
水斗「……………」
伶 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。罠である可能性も考えたけど、
あいつが俺達の事に気付いているとは考えにくいし…」
水斗「でも、少し都合がよすぎやしねぇか…?」
伶 「……考えすぎだと思うけど?まぁいざという時の為に、お前にこれを渡しておくよ」
水斗「これ……携帯……?」
伶 「そ。その携帯はちょっと特殊な作りになってて、
俺が持つ発信機をGPSで感知する機能が着いてるんだって。
だから、俺にもしもの時があった時は、その携帯でわかるようになっているんだ」
水斗「お前……そんなもんどこから……」
伶 「景山さんから貰った。いつ何が起きてもいいようにって、この前渡されたんだ」
水斗「あのマネージャー…一体何者よ………」
伶 「だから心配すんな。もし俺に何かあったとしても、
お前が来てくれるって……信じてる……」
水斗「伶……!」
伶 「水斗……愛してるよ……」
水斗「ぇ……」
伶 「じゃ、そろそろ時間だから………またな」
水斗「伶……!!」
水斗「(N)その時、なぜ伶があんなことを言ったのか、
別れ際のあの悲しい笑顔に、何か言い知れぬ不安を感じつつも、
俺はただ彼を見送るしか出来なかった……
この不安が現実の物にはならぬことを…願いながら……」
(場面は店の事務所)
伶 「おはようございまーす…」
店長「あぁ笠原くん、今日はすまなかったね。急に入ってもらっちゃって…」
伶 「いえ。他に入れる人がいないなら、仕方ないです」
店長「そう言ってもらえると助かるよ。まだ入ったばかりなのに、すまないねぇ……」
伶 「別に。自分の稼ぎにもなるんで。それに勉強にもなりますし…」
店長「そうか。いや本当にいい新人さんが入ってくれたと思うよ。
今日もよろしく頼むよ」
伶 「はい。頑張りまーす」
店長「ところで笠原君」
伶 「はい。なんでしょうか…」
店長「君は……本当に美しいね……」
伶 「は?何言って……っ…!腕を……離せ……」
店長「あぁ…この君の細い首筋も……たまらなく美しい……」
伶 「…ぁ……店長…やめてください……!」
店長「笠原くん……君の美しい体を……いただいていくよ……」
伶 「…んっ…!!(これは……クロロホルム……やっぱ…罠…だったんだ……)」
(倒れる音)
店長「さぁ……美しい殺し屋さん……僕と楽しい夜を……過ごそうね……」
(場面は店)
(店の喧騒)
詩織「ん〜、今日はいやに客足が少ないわねぇ…
何かあるのかしら……って、あら?仙石くん?どうしたの?
今日は確か入ってないはずだけど」
水斗「あの…景山さん。伶は、いるか?」
詩織「笠原くん?今日は確か入ってないはずだけど……」
水斗「え?確か今日は風邪で一人休みになって店が回らないから、
伶が入ることになったって……」
詩織「はぁ?今日は誰も休んでないわよ?むしろ客足が少なくて多すぎるぐらいよ。
てゆーかそれ、誰から聞いたの?」
水斗「伶の奴が…店長から電話があったって……」
詩織「えぇ!?あの馬鹿…!だから気をつけろって言ったのに……」
水斗「やっぱ…罠だったんだな……」
詩織「恐らくは……まずいことになったわね……
あの店長、まさか笠原くんを先に狙うとは……
私もまだまだ読みが甘かったみたいね……」
水斗「伶……」
詩織「でもまぁ、あいつには発信機を渡してあるし、居場所ぐらいは……」
水斗「それが、さっきからまったく同じ場所から動かねぇんだよ……!」
詩織「えぇ!?ちょ…これ事務所じゃない……まさか……!!
滝山さん、ちょっと店お願い!事務所に行ってくる」
滝山「はーい。わかりましたー!」
詩織「仙石くん、行くわよ!」
水斗「あ、あぁ!!」
(場面は事務所)
(ドアが勢いよく開く音)
詩織「店長!いますかっ!?」
水斗「誰も…いない……」
詩織「ちっ……発信機も…やっぱおいてきぼりか……あの店長…
こういうのをみつけるのほんと得意だから……ったく……」
(携帯でかける音)
詩織「……あ、高山くん?悪いんだけど、あたしの代わりに店入ってくんない?
緊急事態なの。悪いけどよろしく!」
(携帯きってすぐかける音)
詩織「あ、菖?悪いけど緊急事態なの。
笠原くんが店長に拉致られたのよ。至急、応援よろしく!」
水斗「景山さん……」
詩織「こういう時は、誰でもいいから頼るもんよ。特にあんたみたいな人はね」
水斗「俺には……伶ですら助ける力がないのかよ……!」
詩織「残念ながら、今のあなたには無理ね…。
特に今回の敵は……下手したら笠原くん……死ぬわよ……」
水斗「!?そんな……!!」
詩織「まぁあくまでこれは最悪のパターンだけどね……
ただうちの店長、男だろうが女だろうが、
気に入った獲物にはとことん執着して、
その類い稀なる変態っぷりを発揮するから…
それに笠原くんがどこまで耐えられるか……
命が助かったとしても、精神面は完全にやられるか……
いずれにせよ、あいつに捕まったら、
まず普通の精神じゃ帰ってこれないわよ……」
水斗「………でも、景山さん…あんたはなんでそんなに詳しいんだ……?」
詩織「あたしの元カレもね、あいつに殺されたの……
この店のマネージャーでね、あたしにイロイロ仕事教えてくれて……
でも今の店長に目付けられてね、散々ボロボロにしたあげく、
やっと戻ってきたと思ったら…
もう……以前のような彼ではなかった……
結局、彼は精神病院にいれられたけど……自殺したわ……
屋上から飛び降りて……」
水斗「そんな……」
詩織「で、当時は結局犯人がわからなくて……そんな時に菖達に出会ってね、
イロイロ調べてもらってるうちに
うちに店長を暗殺してほしいって依頼が来てね……
更に調べをすすめていくと、
あたしの元カレをあんな姿にしたのが店長だってわかったの。
そんな折にあんた達が店にきて……
はじめは仙石くんの方を狙うと踏んでたんだけどね……見事にハズレってわけ」
水斗「まさか……あの、この話しを伶には……?」
詩織「えぇ。したわよ。だからこそ、彼に発信機を渡したの。何があってもいいように…
ま、それもあいつにはお見通しだったみたいだけどね……」
水斗「伶……まさか……俺の身代わりに……?」
詩織「身代わり…?……でもそう考えると、
確かに納得が行くわね……ほんと、どこまで馬鹿なのかしら…あの子……」
水斗「…………あの馬鹿…!!」
(ドアがあく音)
菖 「詩織!!あの坊やが拉致られたって……」
詩織「菖!えぇ。正確には、自ら進んでのようだけど」
菖 「自ら進んでって……………なるほどな。こいつか……」
詩織「どうやらそのようね」
菖 「ったく…どうしておまえらみたいなガキはいつもそうなんだよ……
架瑠(かける)といいあの坊やといい……
どうしてこう死にたがるんだ…!」
水斗「命をかけても惜しくない相手だから……」
菖 「え?」
水斗「自分の命を犠牲にしてまでも守りたい存在だから……だと思うぜ……」
菖 「でも、それで死んじまったら、何の意味もねぇだろ……
とりあえず、架瑠と泪(るい)にも連絡して、
今あいつの居場所を探してる所だ。
ただあの野郎、相当雲隠れがうまい奴だからな……
なんせあの泪ですら、今回の情報を集めるのに相当苦労したみたいだからな……」
詩織「ほんと、厄介な奴ね……ともかく、私達も独自のルートで調べましょう。
何か手掛かりがないか、徹底的にね……」
水斗「…あぁ!」
(場面は店長の隠れ家?みたいなとこ)
伶 「…ん……ここ…は……」
店長「気が付いたかい?笠原くん……」
伶 「店長………っ…!鎖…ですか……随分といい趣味をお持ちで……」
店長「お褒めにあずかり光栄だよ。
本当は麻縄でもよかったんだけど、手始めに鎖にしてみたんだ。
鎖だと締め上げた時に骨が折れるかもしれないだろ?
あの音が堪らなくてねぇ……」
伶 「……この変態がっ…!」
店長「変態とは失敬な。
僕の美しい趣味だと言っておくれ……でもねぇ…安心していいよ。
君のような白い柔肌には、麻縄がとても映えるんだよ……
だからまず鎖で十分締め付けた後に、
次に麻縄できつく縛り上げてあげる……
そして君を犯し続け、喘ぎ泣き叫ぶ姿を映像に収めて、
仙石くんに送り付けてあげるよ……」
伶 「や、やめろっ!!あいつには…何も関わらないと約束しただろ!?」
店長「えー?そんな約束したっけぇ……?」
伶 「貴様っ……!」
店長「口約束なんてのはね、全く当てにならないものなんだよ?
せめて書面じゃなきゃね……
大丈夫。君の骨を砕くのは1番最後だよ…
まずは存分に君の体を味わったあとに、最後に潰してやるんだ……
あぁ…切り刻んでもいいよね……
でも決して殺さない……生きながらにして味わう苦しみを……
存分に与えてやるのさ……ひゃはっ…考えただけでもよだれが出るよ……
あひゃ…ひゃは……はははぁっ……!!
たまんない……たまんないよぉぉぉぅぅ!!」
伶 「こいつ……狂ってる………」
店長「やだなぁ笠原くぅ〜ん……僕は正常だよぉぅ〜?」
伶 「っ……来るなっ!!」
店長「駄目だよ逃げちゃぁ……ほらぁぁ……感じて……」
伶 「…っ…ぁ……ん……や…だ……」
店長「嫌じゃないだろう…?」
伶 「あっ…んっ……はぁ……ぁ……ぅ……ん……」
店長「ははっ……いいよぉぅ……いいよぅ
笠原くん……もっと……もっと感じてぇ!!」
伶 「やぁっ……ぁ…ん……ぅ……あんっ……
ぅあぁっっ……んっ……あっ……水……斗……」
店長「あはははははっ!!いいよぉぅ!!思わず出てしまう恋人の名前っ!!!
最高だよっっ!!!たまんないねっ!!
ほら…もっと呼んでみたらどうだい!?
例え大声で叫んだとしても、決して届く事はないけどね!!!
あはは…あはははははは!!!(最後はもう狂ったように発狂してください)」
(場面は水斗サイド)
詩織「で?何かわかりそうなの?」
菖 「いや…あの野郎……完全に雲隠れしやがったらしい……
今までの隠れ家を徹底的に洗っても、
何もでてこなかった……何か共通性でもあれば話しは別なんだが……」
詩織「なるほど……見た所住所もバラバラ…か……地図には当て嵌めてみた?」
菖 「地図?」
詩織「よく推理アニメとかでもあるでしょ?
連続殺人の場合、その事件が起こった場所を地図上で繋げていくと、
何かのマークになってたり、暗号になってたり……」
菖 「残念ながらそれはもう検証済みだ。特に関連性は見当たらなかった」
詩織「そう………」
水斗「でも、この隠れ家があった場所って…皇居を中心に広がってねぇか……?」
詩織「え?ちょっと見せて……」
菖 「……何かあるのか…?」
詩織「これ……もしかしていわゆる東京を守る結界がある所じゃない…?」
菖 「結界……?」
詩織「皇族っていうのはね、昔っから魑魅魍魎どもに狙われやすくて、
それを防ぐためにイロイロな魔法陣を組んで皇居を守ってるのよ。
まぁ所謂風水の類いだけど……」
菖 「つまり、今までのあいつの隠れ家は、
その結界の場所にあると……そう言いたいんだな?」
詩織「多分ね…」
泪 「さっすがは詩織ちゃん!いい感してるね」
菖 「泪…!」
泪 「あ、君が仙石君だね?噂はかねがね聞いてるよん腕の立つ殺し屋さんがいるって」
水斗「は…はぁ……そいつはどうも……」
泪 「いやぁ、それがまさかこんな美人さんとはねぇあ、俺情報屋の泪、よろしく(゜▽゜)/」
菖 「おい泪、いい加減にしろ。話しが続かない…」
泪 「あぁ、ごめんごめん。
えっとね、さっき詩織ちゃんが言ってた結界の件、大正解みたいよこの店長、
相当そういう系統のマニアらしくてね、こっちも偶然地図の場所からその法則を見つけてさ、
今、架瑠君が片っ端からあたってるとこ」
菖 「そうか。じゃあ架瑠に連絡をとって俺達も行こう。その結界とやらがある場所が複数なら、
手分けした方が早いだろう。泪、当然その場所の一覧はリストアップしてんだろうな?」
泪 「もち!でなきゃ架瑠君を行動させたりしないよ」
菖 「わかった。詩織、仙石、行くぞ」
詩織「オッケー」
水斗「ああっ!!」
泪 「あ、そうそう。ひとつ言い忘れてた!
あの店長、黒魔術とかそっち系にも長けてるから、十分気をつけなよ」
菖 「黒魔術?」
詩織「ちょ……まじ!?たちわるいわねぇ……
悪魔でも呼び出された日には、神父でも呼ばないと太刀打ち出来ないわよ…?」
泪 「ま、そんなこともあろうかと、応援を頼んでおいた」
菖 「応援?」
泪 「警視庁の隠密隊である通称『新撰組』に、更には警視庁の頭脳集団『BLOOD』、
巨大企業の裏の顔、チーム『ZOID』……ついでに補助要因として、
東京の陰陽師、蒔田家にも応援を要請しといた」
菖 「なっ………」
詩織「それって、東京のありとあらゆる裏のエキスパート達じゃない!!一体どうやって……」
泪 「ま、俺の顔の広さってやつ?いずれにせよ、
今回の件…というかこの店長、色んな所からマークされてたみたいでね。
結構前から派手なことやってたみたいだし、
今回の件を引き金に、一大捜査網がひかれたって感じかな」
水斗「でも…なんで今まで動かなかったんだ…?もっと早くに彼らが動いていれば、
景山さんの彼氏だって…死ななくて済んだはずだ……!!」
泪 「残念ながら…あいつの場合は救出された後の自殺だったしね、
それに当時は本当に情報がなかったし、
ぶっちゃけ、手も足も出なかったんだよ……もちろんそれは彼らも同じなわけで……
笠原くんの拉致をきっかけに、事がどんどん動いていったってわけさ」
水斗「じゃあ伶は……そいつらの餌にされたってわけか……!?」
泪 「ま、結果的にはそうなるかな。
彼としては、ただ千石君を守ろうとしただけなんだろうけどね〜」
水斗「そんな……皮肉すぎんだろっ!!」
詩織「仙石くん……だからこそ、絶対に笠原君を助けだしましょう。
今ならまだ間に合うわ!彼らとの連絡は?」
泪 「ばっちり。ベースには『BLOOD』が誇る天才ハッカー君が待機してるし、
各部署との連携はばっちりだよ」
詩織「わかった。それにしても、まさか一介の店長にここまでのマークがつくなんて……
よっぽどの危険人物だったのね……でも仙石君、ありがとう」
水斗「いや…俺は別に……」
菖 「よし、とにかく俺達はピンポイントで当たっていこう。
泪、何かあったらよろしく頼むぞ」
泪 「えぇ。皆さんもお気をつけて」
菖 「誰に向かって言ってるんだ?詩織、仙石!行くぞ!」
詩織「了解!」
(走っていく音)
泪「それにしても今回の件……犠牲者が増えなければいいんだけどね……
くれぐれも……気をつけなよ……」
(場面は店長サイド)
店長「ふーん……警視庁だけでなく、とうとう「ZOID」まで動き出したのか……
なかなかやるね〜咲川泪(さきかわるい)くん……」
伶 「……ぁ……ぅ…ん……はぁ…ぁ……あ……」
店長「ん〜?どうしたんだい?笠原くん……」
伶 「ぅあっ……ん…っ…ぁ…いか……せ…て……」
店長「駄目駄目〜。もうしばらくはそのままだよ……
簡単にイかせてあげたらつまらないじゃないかぁ……」
伶 「っ……あんっ……やめ……ん…はぁ…あぁっ……」
店長「まったく……仕方ないなぁ……お仕置きとして、もう一個いれてあげるよ……」
伶 「なっ……やめっ……あぁ…ん…ぅあぁっ…あぁぁ…!!」
店長「ほーら入った……本当に淫乱だなぁ笠原くんは………」
伶 「ぅ…あ……ん…もう……や…だ………」
店長「嫌なわけないだろう?こんなにくわえこんで……しばらくはそのままだよ」
伶 「そん…な………ぁ…ん…くっ……ぅ…あ………」
店長「あははははは。ほんとにたまんないね…最高だよ………
さて…奴らも動き出しだしたとなると、
そろそろ僕も本気を出そうかな……
一大勝負といこうじゃないか……咲川泪………」
(場面は水斗サイド)
水斗「伶……どうか無事で……無事でいろよ…!!」
菖 「ちっ……ここもハズレか……」
詩織「どうやらそのようね……
それにしても、泪が上げてくれたリストはここで最後よ。
何か…見落とした点はないかしら……」
水斗「……例えばの…話しだけど……」
詩織「何かわかった?」
水斗「こうは考えられないか?
今まで俺らが当たってきた場所のどこかに店長はいて、その場所を、
結界か何かで隠している……」
詩織「結界かぁ……確かにありえない話じゃないわね……」
菖 「しかし、そんなことが可能なのか?」
詩織「可能よ。もちろん、空間移動の結界を使うには、相当の力が必要だけどね……」
菖 「それを見破る方法は?」
詩織「どこかに結界の綻びを見つかるか、
結界を支えてるお札、もしくは印を見つけるか……
少なくとも、私達バンビーには絶対無理な芸当よ……」
菖 「くそっ……なんて奴だ……」
詩織「そのてに関しては、恐らく蒔田家当主に頼むのが妥当じゃないかしら。
菖、泪に連絡とれる?」
菖 「今やってる…」
詩織「さすが!それにしても、仮に結界の綻びを見つけたとして、
その結界が破れればいいんだけど……」
水斗「結界って、そんなに強い物なのか?」
詩織「まぁ結界を張った本人の力にもよるけど、
流石に専門職には叶わないとは思うわよ?
いくら店長がどんなに力を持っていたとしても、
所詮は素人の知識にしか過ぎないはず…」
水斗「……でもさっき、黒魔術がどうのこうのって……」
詩織「まったくだわ…東洋だけでなく、西洋にも精通してるとなると……
蒔田家当主だけでは手に負えなくなるかもしれないわね…
念のため、チーム『ZOID』にも協力してもらった方がいいかもね。
せっかく日本中の裏家業のエキスパートが集結したんだから、
使える時につかわないと。
こんな機会、滅多にないだろうし……」
水斗「いや若干語弊がある気もするがな……」
菖 「よし、とりあえず蒔田家当主と、『ZOID』の連中に動いてもらってる。
その結界とやらが東洋なのか西洋なのか……
隠れ家が見つかり次第、新撰組と『BLOOD』が動くらしい。
もちろん俺らもな……」
詩織「おk。把握したわ。とりあえずは、連絡待ちってことね……そういえば……」
菖 「ん?どうした詩織…」
詩織「仙石君ってさ、菖の事、避けてる……?」
水斗「んなっ……別に…そういう訳じゃねぇけど……似てるんだよ…
俺を、育ててくれた恩人に………」
詩織「へ〜……そうなんだ。何?そんなに似てるの?」
水斗「……あぁ……」
菖 「なぁ……そいつの名前は……?」
水斗「え?」
詩織「あらやだ。菖にも何か心あたりがあるわけ?」
菖 「……まぁ……まさかとは思うが……少し…気になってな……」
水斗「……名前は……栂真弥(とがのしんや)……
もう何年も前に死んじまったけど……」
詩織「栂(とがの)って……まさか…菖と同じ苗字……」
水斗「え……それじゃあ……」
菖 「……あぁ。栂真弥(とがのしんや)は、俺の腹違いの兄だ……」
詩織「うっそ!?何それ……いくらなんでも偶然すぎない?」
菖 「あぁ。俺も相当驚いた。
まさか兄貴の名前を、お前の口から聞くなんてな……そうか……
兄貴がいってた秘蔵っ子って、お前のことだったのか………」
水斗「…………」
詩織「あらま……ほんとに世界は狭いというか何て言うか………」
菖 「まったくだな……こんなところで出会うなんて、何か運命でもあるのかね……」
詩織「運命なんて、菖にしてはいやにロマンチックじゃないwww」
菖 「うっせーな。ただ偶然とはいえ、こいつと行動することになったのも
、何かの縁なのかなって思ってさ……
兄貴が…導いてくれたのかもしれねーし……」
詩織「ふむ……まぁ運命ってゆーのも理屈じゃ語れない所もあるしね〜」
菖 「兄貴が……いつも言ってたんだ…
俺に何かあった時は、お前が俺の秘蔵っ子を守ってくれって……」
水斗「真弥さん………」
菖 「だからっていうのも何かよくねぇけど、
仙石…今回の件がケリがついても、何かあったら、いつでも俺を訪ねてこい。
兄貴の変わりってわけにもいかねぇが、架瑠と一緒に面倒見てやるよ」
水斗「俺、そこまでガキじゃねぇし……
それに俺には、命をかけて守らなければいけない奴がいる。
そいつのためにも、俺は強くなければならない……。
お前の気持ちは嬉しいけど、いつまでも誰かに頼ってはいられない……」
菖 「仙石……わかった。
けどな、世の中にはどう足掻いてもどうにもならないこともある。
それにお前はまだ若い。
前にも言ったと思うが、決して命を粗末にするな……
それだけは、約束してくれ………」
水斗「…………わかった」
菖 「よし、いい子だ……ん…?泪からか………どうした、見つかったか!?」
泪『うん。やっとこさね……今蒔田家当主が結界を破ってる。
流石は日本が誇る陰陽師の一族だよ……
やっぱ格が違うよ(苦笑)それと、新撰組と『BLOOD』も
こっちに向かってるみたいだから、菖達も急いで来て。
今から地図転送するから』
菖 「わかった。詩織、仙石…俺達も向かうぞ」
詩織「了解」
水斗「あぁ」
(場面は店長の隠れ家)
店長「ふーん……結界が破られたか……
流石は蒔田家当主…といった所かな……」
伶 「……ん……ぅ……んん……」
店長「だいじょーぶだよ伶くん……例え結界が破られても、
僕達の居場所がわかるはずがないから……」
伶 「…っ……ん……」
店長「あぁ……さるぐつわから漏れ聞こえる喘ぎ声も堪らないね……」
伶 「ぅ……ん……んん〜……んっ………(水斗……)」
店長「さて……そろそろショータイムといこうか……君の相手は、この魔物だよ……」
伶 「んんっ…!!んっ……んん〜〜!!」
店長「さぁ……可愛がっておやり……」
伶 「んんっ…!!(気持ち悪い……やだよっ!!こんなのやだよぉっっ!!)」
店長「くくく……触手というのもなかなかいい物だろう……?」
伶 「……んっ……ぅ……んん〜〜………んん〜……
(こんなの……冗談じゃねぇよ……助けて……水斗……助けてよ………)」
店長「ふふふふふ………ん……?
まさか……こっちの結界も……破られた…だと……?ふん…なるほど……
だてに裏社会のエキスパートをやってるわけじゃないってことか……参ったな……
ここが見つかるのも時間の問題…か……
一応入口には門番がいるけど、それも当てにはならないな……
仕方ない…もう少し楽しめるかと思ったんだけど……
大人しく身を引いておくかな……
その魔物は…置き土産としておいていくよ……
あとは……そっち系の人に助けてもらうんだね。
じゃ、僕はこれで!」
(何か音と同士にドアの開く音)
水斗「伶っ!!!!無事かっ!!!!」
伶 「んんっ……んん〜!!!」
詩織「うっは。触手凌辱ktkr!!」
菖 「馬鹿言ってる場合か!!!水斗っ!!どけっ…!!!!」
(ずきゅんずきゅんする音)
菖 「ちっ……やっぱ普通の銃じゃだめか……」
詩織「あったりまえでしょ!?
とにかくあたしがその魔物を引きつけるから、その間に笠原君を助けなさい!!
後は専門職の人に任せるわよっ!!!ほら魔物っ!!
こっちに美味しそうな獲物がいるわよっ!!」
(ズルズルした音)
水斗「す…すげぇ……言葉理解した……」
詩織「ほーら……こっちへおいで〜………」
(ズルズルした音)
詩織「よし…!!今よっ!!!」
水斗「伶…!今助けるからな……!!」
伶 「っ……ぷはっ……水斗……水斗っ…!!」
菖 「よし!さっさと面かるぞっ!!!」
詩織「後は専門職…!頼んだわよっ…!!」
(なんか攻撃する音)
(少し間)
(場面は外へ)
詩織「はぁぁ〜〜〜、なんとか助かったぁ………」
菖 「ったく……現実離れしすぎだぜ……」
詩織「ほんと……今回ばかりは…相当やばかったわね………」
泪 「お疲れ〜!!いや無事でよかったよ〜……」
詩織「泪……」
泪 「ほんとあの店長、雲隠れの天才だね……また逃げ出したって。
今新撰組が追いかけてるらしいけど、
またやられたよ……」
詩織「また?どういう事?」
泪 「僕とあの店長は、所謂うさぎと亀の関係でね、
長年追いかけっこを繰り返してるんだよ。
今回の件でそれにケリをつけたかったんだけど、また逃げられたみたい……」
詩織「なるほど……
でも流石にこれだけ裏社会のエキスパート達が集まってるんだから、
いかんせんあの店長といえど、追い込まれるでしょ……」
泪 「ならいいんだけど……とりあえず、僕はもう行くよ。
まだ完全に終ったわけじゃないし……
あの二人にもよろしくね」
詩織「はいはい。伝えておくわ…」
泪 「じゃっ!」
(走って行く音)
詩織「ふぅ……それじゃあ菖、私達も行くわよ。後は、あの二人の問題だしね…」
菖 「あぁ、そうだな……ま、落ち着いたら挨拶ぐらいはこいよ…水斗」
水斗「あぁ……」
詩織「じゃ、後はごゆっくり〜」
(二人の歩いて行く音)
水斗「伶……」
伶 「水斗………水斗っ!!!」
水斗「よかった…お前が無事で……ほんとに…よかった………」
伶 「水斗……俺…信じてた……お前が助けにきてくれるって……」
水斗「当たり前だ!お前が店長にさらわれた時、
本気でだめかと思った……お前が……
俺のためにわざとつかまったって知った時も……
心臓が止まるかと思った……」
伶 「だって……俺には…お前がいなくなるなんて堪えられない……から……
店長がお前の事狙ってるって聞いて……
俺がかわりに店長の物になれば、
お前がいなくなることはないって……そう思った……」
水斗「馬鹿だな。それは俺だって一緒だよ……
お前がいなくなるなんて……考えたくもない!」
伶 「水斗……愛してる……」
水斗「あぁ……俺もだ……」
伶 「んっ……」←キスした
水斗「(N)こうして……この非現実的な事件は、枕を閉じる事となる……。
数日後、俺は菖に言われた通り、伶をつれて挨拶に行った。
結局あのあとも店長は捕まらず、相変わらず逃亡中らしい。
だが今回の事もあり、だいぶ追い詰められてれのは確かで、
処分されるのも時間の問題とのことだ。
今回の件で菖とも繋がりが出来、イロイロと助けてもらってる。
こういう仕事をしている以上、
幸せなんて言葉は使えないけど、俺は心から思う。
このままの日々が続けばいいと……」
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【18禁】【BL】【アクション】
登場人物 | 詳細 | 配役 |
水斗 [ミナト] | 霧島夏希 | |
伶 [レイ] | ベア | |
詩織 [シオリ] | 谷風結香 | |
菖 [ショウ] | 霧島夏希 | |
店長 | 霧島夏希 | |
触手 | 霧島夏希 | |
泪 [ルイ] | 岩月十夜 | |
滝山 [タキヤマ] | 長谷川絢香 |
(店の喧騒)
伶 「ありがとうございましたー!またお越しくださいませー(営業スマイル)
ふぅ、これで一段落……か……」
水斗「………そうみたいだな……ったく…まじたりぃ……」
伶 「って水斗!お前もっと笑えよー!
仮にもここはスマイルが売りのファーストフード店なんだぜ?」
水斗「とはいってもなぁ……
だいたい俺達がこんな接客をしてるのも、全ては依頼のためだぜ?
ここにだって一時的にしかいないのに、
なんでそこまでする必要があるんだよ……」
伶 「お前……何その屁理屈。
いくら仕事のためとはいえ、仮にも俺らは店員をやってるんだぜ?
だったら、演技でも笑うのが筋じゃねぇか」
水斗「……って言われてもなぁ……」
伶 「ったく何なんだよお前は!!」
詩織「あはははは。なかなか面白い話してるじゃない」
伶 「…!景山(かげやま)……さん……」
詩織「確かに仙石(せんごく)君の言う通りよねー。
いくら一時的とはいえ、オペレーションならまだしも、
仮にもカウンターパーソンなんだから、笑顔笑顔」
水斗「…………」
伶 「ほら!マネージャーさんもそう言ってる…じゃ……」
詩織「んー?どうした?」
水斗「………お前、どこまで知っているんだ……?」
詩織「あ。やっぱりw知っているってゆーか、二人の会話を聞いてて、
多分二人とも裏稼業の人なんじゃないかなーって思っただけ」
水斗「なぜ…俺達がそうだと……?」
詩織「ん〜……女の感ってやつかな。多分二人ともガチで殺し屋(ニヤニヤ)」
水斗「!……どうしてわかるんだ……?」
詩織「まぁしいていうなら……雰囲気…かな……。
実はあたしもちょっと裏稼業に足突っ込んでてね、
その相方と同じ臭いがするっていうか……まぁそんな感じかな」
伶 「そう……だったのか……」
水斗「はっ…まさか同族ね方がいらっしゃるとはね……
ほんと、世間は狭いとゆーかなんと言うか……」
詩織「あはは、まぁ突っ込んでるっていっても、
相方のパートナーが不能な時に手伝ったり、
直接手を下すのは相方だしさ、あたしはあくまで手助けをしてるだけ……
そんな感じだけどねー」
水斗「なるほどな……」
詩織「ところで仙石くん」
水斗「あ?何?」
詩織「攻めはどっち?」
水斗「……………………はい?」
詩織「だから、あんた達って恋人同士でしょ?やる時はどっちが上?って話」
伶 「………………(絶句)」
水斗「え……そ、そりゃあ俺が上だけど……って何言わせるんだよっ!!」
詩織「あ、やっぱりー!二人の感じからして、
笠原君は多分受けなんじゃないかなってずーっと思ってたんだよねー。
あーやっぱりそうかー。あたしの目利きも捨てたもんじゃないわね」
水斗「あ…はは…はは……よくご存知で……」
伶 「………………(ワナワナしてる感じ)」
詩織「でなきゃ二人でコンビ組んでうちの店長狙ったりしないわよねー」
二人「!?」
伶 「どうして……それを……」
詩織「だってうちの店長、本社の金使い込んだり、
結構派手にあくどい事やってるからねー。
いつか狙われるんじゃないかと思ってたけど、
どうやらあんた達の方が先だったみたいね」
水斗「どういう……事だ……?」
詩織「さっき話したあたしの相方もさ、実はここの店長、
依頼されてマークしてたのよねー」
伶 「何だって!?あの依頼主……」
詩織「まぁうちの相方に依頼した依頼主と、
あんた達のとこに依頼に来た依頼主が同一人物……かはわからないけど、
もし違う人物だとしたら、相当恨み買ってんのねー。うちの店長www」
伶 「それ…笑い事か……?」
詩織「だって今の店長、ぜんっぜん仕事出来ないし、いるだけ邪魔って感じ?
なんであんな奴が店長になれたんだか…
不思議でたまんないわ。ま、どーせ上手いこと上司に取り入って、
実力もないくせに店長に昇格したんだろうけど……
ほんとなんでうちの店に来たのかしらね。
使えない店長なんかよこすなっての」
水斗「あ…ははは……景山さん、相当店長に鬱憤がたまってるんだな…(苦笑)」
詩織「当然よ。まだアシスタントの方が使えるわ。
だから相方の所に店長暗殺の依頼が来た時はほんと嬉しかったわぁ」
伶 「(………やっぱり…女って怖い……(ガクガクブルブル)」
水斗「(この人だけは…絶対に敵にまわすまい……)」
詩織「まぁそんなわけだからさ、二人とも、派手にやっちゃっていいからね(にっこり)」
水斗「は、はぁ………」
詩織「ん〜、でもま、見た所……笠原君は…まだ学生よね?」
伶 「学生っていっても、もう大学生だけど……」
詩織「そう。とはいえ、あんたまだ未成年でしょう?
まったく…未成年にこんな仕事させるなんて、世も末ね……
辛くないの?」
伶 「別に……俺は……この仕事でしか生きられないから……
そんな感情なんて、もう随分前に捨てた……」
水斗「伶………」
詩織「ま、言ってる事はかっこいいんだけどねぇ……
とにもかくにも今回の件、十分注意するのよ」
水斗「……あ…?」
詩織「うちの店長相当あくどいから、一筋縄じゃいかないって事よ。
あ、それともう一つ忠告。
うちの店長、相当変わった趣味の持ち主だから、特に仙石君、注意するのよ」
水斗「それ…どういう意味だ……?」
詩織「そのまんまの意味よ。ま、もし仕事中にうちの相方とバッティングしたら、
遠慮なくうちの相方を頼りなさい。
相方には、あたしから話しておくから。
さ、無駄話しはここまで。次のピークが来る前に、リカバリ完璧にしましょ」
伶 「次のピークって、まだあるのか!?」
詩織「この時間は特に、結構突発的なピークが起こりやすいのよ。
だからいつそれが起きてもいいように、
常に準備をしておくの。わかった?」
伶 「……わかった…」
詩織「ならよろしい。じゃ、あたしは厨房よりになるから、カウンターは二人でよろしくー」
(歩いて行く音)
伶 「なんだか……面白い人だな……景山さんって……」
水斗「あれは……面白いっていうのか……?」
(場面は数日後)
(店の喧騒)
水斗「はぁ……やっぱり、景山さんの言った通りだったな……」
伶 「だな……流石にここまでガードが固いとは……思ってなかった…」
菖 「おい、注文いいか?」
伶 「あ、はい!いらっしゃいませー!店内ご利用ですか?」
菖 「いや、お前が…笠原伶か?」
伶 「は、はいそうですが……」
菖 「これ、詩織に頼まれたここの店長の調査結果だ……」
伶 「!?……わかりました。ありがとうございます」
菖 「これでもあいつと苦労して集めたデータだ。
きっとお前らの役に立つはずだ。無くすんじゃねーぞ」
伶 「もちろんですよ」
菖 「それと、仙石」
水斗「……何すか…」
菖 「……なるほど。確かにいい目をしているな……だが、命を粗末にだけはするなよ……」
水斗「…………」
菖 「お前もだ笠原。とにかく仙石、いざという時は、こいつを守ってやれ……」
水斗「言われなくても、全力でそうするよ」
菖 「ならいいが……俺からも忠告しておく。
ここの店長には十分気をつけろ。相当やばいぞ……」
水斗「……あぁ。わかってる……」
菖 「じゃ、詩織によろしく伝えておいてくれ。俺はこれで」
(歩いて行く音)
伶 「なんか…すごいかっこいい人だったな……」
水斗「……………」
伶 「水斗?どうかしたのか?」
水斗「いや…何でもない……」
伶 「なら……いいけど……」
水斗「(あいつ……似てる………)」
(場面はまた数日後)
水斗「おい伶、ちょっといいか?」
伶 「ん?何…?」
水斗「たまにはさ、俺の家でお茶でも飲まねぇ?今日は仕事も入ってないし、それに、
例の情報についてももう一度詳しく話し合いたいし」
伶 「悪い……今日は急遽、店にでないといけなくなったんだ……」
水斗「えぇ…?なんでまた……」
伶 「何か店員の一人が風邪で寝込んだらしくて、店がまわらないんだって。
他に出られる奴がいないみたいでさ、
仕方なく引き受けたんだ」
水斗「そう…か……」
伶 「それに、今日は珍しく店長もいるらしくて、丁度いいと思ってな」
水斗「……その連絡は、店長からか……?」
伶 「そうだよ」
水斗「……………」
伶 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。罠である可能性も考えたけど、
あいつが俺達の事に気付いているとは考えにくいし…」
水斗「でも、少し都合がよすぎやしねぇか…?」
伶 「……考えすぎだと思うけど?まぁいざという時の為に、お前にこれを渡しておくよ」
水斗「これ……携帯……?」
伶 「そ。その携帯はちょっと特殊な作りになってて、
俺が持つ発信機をGPSで感知する機能が着いてるんだって。
だから、俺にもしもの時があった時は、その携帯でわかるようになっているんだ」
水斗「お前……そんなもんどこから……」
伶 「景山さんから貰った。いつ何が起きてもいいようにって、この前渡されたんだ」
水斗「あのマネージャー…一体何者よ………」
伶 「だから心配すんな。もし俺に何かあったとしても、
お前が来てくれるって……信じてる……」
水斗「伶……!」
伶 「水斗……愛してるよ……」
水斗「ぇ……」
伶 「じゃ、そろそろ時間だから………またな」
水斗「伶……!!」
水斗「(N)その時、なぜ伶があんなことを言ったのか、
別れ際のあの悲しい笑顔に、何か言い知れぬ不安を感じつつも、
俺はただ彼を見送るしか出来なかった……
この不安が現実の物にはならぬことを…願いながら……」
(場面は店の事務所)
伶 「おはようございまーす…」
店長「あぁ笠原くん、今日はすまなかったね。急に入ってもらっちゃって…」
伶 「いえ。他に入れる人がいないなら、仕方ないです」
店長「そう言ってもらえると助かるよ。まだ入ったばかりなのに、すまないねぇ……」
伶 「別に。自分の稼ぎにもなるんで。それに勉強にもなりますし…」
店長「そうか。いや本当にいい新人さんが入ってくれたと思うよ。
今日もよろしく頼むよ」
伶 「はい。頑張りまーす」
店長「ところで笠原君」
伶 「はい。なんでしょうか…」
店長「君は……本当に美しいね……」
伶 「は?何言って……っ…!腕を……離せ……」
店長「あぁ…この君の細い首筋も……たまらなく美しい……」
伶 「…ぁ……店長…やめてください……!」
店長「笠原くん……君の美しい体を……いただいていくよ……」
伶 「…んっ…!!(これは……クロロホルム……やっぱ…罠…だったんだ……)」
(倒れる音)
店長「さぁ……美しい殺し屋さん……僕と楽しい夜を……過ごそうね……」
(場面は店)
(店の喧騒)
詩織「ん〜、今日はいやに客足が少ないわねぇ…
何かあるのかしら……って、あら?仙石くん?どうしたの?
今日は確か入ってないはずだけど」
水斗「あの…景山さん。伶は、いるか?」
詩織「笠原くん?今日は確か入ってないはずだけど……」
水斗「え?確か今日は風邪で一人休みになって店が回らないから、
伶が入ることになったって……」
詩織「はぁ?今日は誰も休んでないわよ?むしろ客足が少なくて多すぎるぐらいよ。
てゆーかそれ、誰から聞いたの?」
水斗「伶の奴が…店長から電話があったって……」
詩織「えぇ!?あの馬鹿…!だから気をつけろって言ったのに……」
水斗「やっぱ…罠だったんだな……」
詩織「恐らくは……まずいことになったわね……
あの店長、まさか笠原くんを先に狙うとは……
私もまだまだ読みが甘かったみたいね……」
水斗「伶……」
詩織「でもまぁ、あいつには発信機を渡してあるし、居場所ぐらいは……」
水斗「それが、さっきからまったく同じ場所から動かねぇんだよ……!」
詩織「えぇ!?ちょ…これ事務所じゃない……まさか……!!
滝山さん、ちょっと店お願い!事務所に行ってくる」
滝山「はーい。わかりましたー!」
詩織「仙石くん、行くわよ!」
水斗「あ、あぁ!!」
(場面は事務所)
(ドアが勢いよく開く音)
詩織「店長!いますかっ!?」
水斗「誰も…いない……」
詩織「ちっ……発信機も…やっぱおいてきぼりか……あの店長…
こういうのをみつけるのほんと得意だから……ったく……」
(携帯でかける音)
詩織「……あ、高山くん?悪いんだけど、あたしの代わりに店入ってくんない?
緊急事態なの。悪いけどよろしく!」
(携帯きってすぐかける音)
詩織「あ、菖?悪いけど緊急事態なの。
笠原くんが店長に拉致られたのよ。至急、応援よろしく!」
水斗「景山さん……」
詩織「こういう時は、誰でもいいから頼るもんよ。特にあんたみたいな人はね」
水斗「俺には……伶ですら助ける力がないのかよ……!」
詩織「残念ながら、今のあなたには無理ね…。
特に今回の敵は……下手したら笠原くん……死ぬわよ……」
水斗「!?そんな……!!」
詩織「まぁあくまでこれは最悪のパターンだけどね……
ただうちの店長、男だろうが女だろうが、
気に入った獲物にはとことん執着して、
その類い稀なる変態っぷりを発揮するから…
それに笠原くんがどこまで耐えられるか……
命が助かったとしても、精神面は完全にやられるか……
いずれにせよ、あいつに捕まったら、
まず普通の精神じゃ帰ってこれないわよ……」
水斗「………でも、景山さん…あんたはなんでそんなに詳しいんだ……?」
詩織「あたしの元カレもね、あいつに殺されたの……
この店のマネージャーでね、あたしにイロイロ仕事教えてくれて……
でも今の店長に目付けられてね、散々ボロボロにしたあげく、
やっと戻ってきたと思ったら…
もう……以前のような彼ではなかった……
結局、彼は精神病院にいれられたけど……自殺したわ……
屋上から飛び降りて……」
水斗「そんな……」
詩織「で、当時は結局犯人がわからなくて……そんな時に菖達に出会ってね、
イロイロ調べてもらってるうちに
うちに店長を暗殺してほしいって依頼が来てね……
更に調べをすすめていくと、
あたしの元カレをあんな姿にしたのが店長だってわかったの。
そんな折にあんた達が店にきて……
はじめは仙石くんの方を狙うと踏んでたんだけどね……見事にハズレってわけ」
水斗「まさか……あの、この話しを伶には……?」
詩織「えぇ。したわよ。だからこそ、彼に発信機を渡したの。何があってもいいように…
ま、それもあいつにはお見通しだったみたいだけどね……」
水斗「伶……まさか……俺の身代わりに……?」
詩織「身代わり…?……でもそう考えると、
確かに納得が行くわね……ほんと、どこまで馬鹿なのかしら…あの子……」
水斗「…………あの馬鹿…!!」
(ドアがあく音)
菖 「詩織!!あの坊やが拉致られたって……」
詩織「菖!えぇ。正確には、自ら進んでのようだけど」
菖 「自ら進んでって……………なるほどな。こいつか……」
詩織「どうやらそのようね」
菖 「ったく…どうしておまえらみたいなガキはいつもそうなんだよ……
架瑠(かける)といいあの坊やといい……
どうしてこう死にたがるんだ…!」
水斗「命をかけても惜しくない相手だから……」
菖 「え?」
水斗「自分の命を犠牲にしてまでも守りたい存在だから……だと思うぜ……」
菖 「でも、それで死んじまったら、何の意味もねぇだろ……
とりあえず、架瑠と泪(るい)にも連絡して、
今あいつの居場所を探してる所だ。
ただあの野郎、相当雲隠れがうまい奴だからな……
なんせあの泪ですら、今回の情報を集めるのに相当苦労したみたいだからな……」
詩織「ほんと、厄介な奴ね……ともかく、私達も独自のルートで調べましょう。
何か手掛かりがないか、徹底的にね……」
水斗「…あぁ!」
(場面は店長の隠れ家?みたいなとこ)
伶 「…ん……ここ…は……」
店長「気が付いたかい?笠原くん……」
伶 「店長………っ…!鎖…ですか……随分といい趣味をお持ちで……」
店長「お褒めにあずかり光栄だよ。
本当は麻縄でもよかったんだけど、手始めに鎖にしてみたんだ。
鎖だと締め上げた時に骨が折れるかもしれないだろ?
あの音が堪らなくてねぇ……」
伶 「……この変態がっ…!」
店長「変態とは失敬な。
僕の美しい趣味だと言っておくれ……でもねぇ…安心していいよ。
君のような白い柔肌には、麻縄がとても映えるんだよ……
だからまず鎖で十分締め付けた後に、
次に麻縄できつく縛り上げてあげる……
そして君を犯し続け、喘ぎ泣き叫ぶ姿を映像に収めて、
仙石くんに送り付けてあげるよ……」
伶 「や、やめろっ!!あいつには…何も関わらないと約束しただろ!?」
店長「えー?そんな約束したっけぇ……?」
伶 「貴様っ……!」
店長「口約束なんてのはね、全く当てにならないものなんだよ?
せめて書面じゃなきゃね……
大丈夫。君の骨を砕くのは1番最後だよ…
まずは存分に君の体を味わったあとに、最後に潰してやるんだ……
あぁ…切り刻んでもいいよね……
でも決して殺さない……生きながらにして味わう苦しみを……
存分に与えてやるのさ……ひゃはっ…考えただけでもよだれが出るよ……
あひゃ…ひゃは……はははぁっ……!!
たまんない……たまんないよぉぉぉぅぅ!!」
伶 「こいつ……狂ってる………」
店長「やだなぁ笠原くぅ〜ん……僕は正常だよぉぅ〜?」
伶 「っ……来るなっ!!」
店長「駄目だよ逃げちゃぁ……ほらぁぁ……感じて……」
伶 「…っ…ぁ……ん……や…だ……」
店長「嫌じゃないだろう…?」
伶 「あっ…んっ……はぁ……ぁ……ぅ……ん……」
店長「ははっ……いいよぉぅ……いいよぅ
笠原くん……もっと……もっと感じてぇ!!」
伶 「やぁっ……ぁ…ん……ぅ……あんっ……
ぅあぁっっ……んっ……あっ……水……斗……」
店長「あはははははっ!!いいよぉぅ!!思わず出てしまう恋人の名前っ!!!
最高だよっっ!!!たまんないねっ!!
ほら…もっと呼んでみたらどうだい!?
例え大声で叫んだとしても、決して届く事はないけどね!!!
あはは…あはははははは!!!(最後はもう狂ったように発狂してください)」
(場面は水斗サイド)
詩織「で?何かわかりそうなの?」
菖 「いや…あの野郎……完全に雲隠れしやがったらしい……
今までの隠れ家を徹底的に洗っても、
何もでてこなかった……何か共通性でもあれば話しは別なんだが……」
詩織「なるほど……見た所住所もバラバラ…か……地図には当て嵌めてみた?」
菖 「地図?」
詩織「よく推理アニメとかでもあるでしょ?
連続殺人の場合、その事件が起こった場所を地図上で繋げていくと、
何かのマークになってたり、暗号になってたり……」
菖 「残念ながらそれはもう検証済みだ。特に関連性は見当たらなかった」
詩織「そう………」
水斗「でも、この隠れ家があった場所って…皇居を中心に広がってねぇか……?」
詩織「え?ちょっと見せて……」
菖 「……何かあるのか…?」
詩織「これ……もしかしていわゆる東京を守る結界がある所じゃない…?」
菖 「結界……?」
詩織「皇族っていうのはね、昔っから魑魅魍魎どもに狙われやすくて、
それを防ぐためにイロイロな魔法陣を組んで皇居を守ってるのよ。
まぁ所謂風水の類いだけど……」
菖 「つまり、今までのあいつの隠れ家は、
その結界の場所にあると……そう言いたいんだな?」
詩織「多分ね…」
泪 「さっすがは詩織ちゃん!いい感してるね」
菖 「泪…!」
泪 「あ、君が仙石君だね?噂はかねがね聞いてるよん腕の立つ殺し屋さんがいるって」
水斗「は…はぁ……そいつはどうも……」
泪 「いやぁ、それがまさかこんな美人さんとはねぇあ、俺情報屋の泪、よろしく(゜▽゜)/」
菖 「おい泪、いい加減にしろ。話しが続かない…」
泪 「あぁ、ごめんごめん。
えっとね、さっき詩織ちゃんが言ってた結界の件、大正解みたいよこの店長、
相当そういう系統のマニアらしくてね、こっちも偶然地図の場所からその法則を見つけてさ、
今、架瑠君が片っ端からあたってるとこ」
菖 「そうか。じゃあ架瑠に連絡をとって俺達も行こう。その結界とやらがある場所が複数なら、
手分けした方が早いだろう。泪、当然その場所の一覧はリストアップしてんだろうな?」
泪 「もち!でなきゃ架瑠君を行動させたりしないよ」
菖 「わかった。詩織、仙石、行くぞ」
詩織「オッケー」
水斗「ああっ!!」
泪 「あ、そうそう。ひとつ言い忘れてた!
あの店長、黒魔術とかそっち系にも長けてるから、十分気をつけなよ」
菖 「黒魔術?」
詩織「ちょ……まじ!?たちわるいわねぇ……
悪魔でも呼び出された日には、神父でも呼ばないと太刀打ち出来ないわよ…?」
泪 「ま、そんなこともあろうかと、応援を頼んでおいた」
菖 「応援?」
泪 「警視庁の隠密隊である通称『新撰組』に、更には警視庁の頭脳集団『BLOOD』、
巨大企業の裏の顔、チーム『ZOID』……ついでに補助要因として、
東京の陰陽師、蒔田家にも応援を要請しといた」
菖 「なっ………」
詩織「それって、東京のありとあらゆる裏のエキスパート達じゃない!!一体どうやって……」
泪 「ま、俺の顔の広さってやつ?いずれにせよ、
今回の件…というかこの店長、色んな所からマークされてたみたいでね。
結構前から派手なことやってたみたいだし、
今回の件を引き金に、一大捜査網がひかれたって感じかな」
水斗「でも…なんで今まで動かなかったんだ…?もっと早くに彼らが動いていれば、
景山さんの彼氏だって…死ななくて済んだはずだ……!!」
泪 「残念ながら…あいつの場合は救出された後の自殺だったしね、
それに当時は本当に情報がなかったし、
ぶっちゃけ、手も足も出なかったんだよ……もちろんそれは彼らも同じなわけで……
笠原くんの拉致をきっかけに、事がどんどん動いていったってわけさ」
水斗「じゃあ伶は……そいつらの餌にされたってわけか……!?」
泪 「ま、結果的にはそうなるかな。
彼としては、ただ千石君を守ろうとしただけなんだろうけどね〜」
水斗「そんな……皮肉すぎんだろっ!!」
詩織「仙石くん……だからこそ、絶対に笠原君を助けだしましょう。
今ならまだ間に合うわ!彼らとの連絡は?」
泪 「ばっちり。ベースには『BLOOD』が誇る天才ハッカー君が待機してるし、
各部署との連携はばっちりだよ」
詩織「わかった。それにしても、まさか一介の店長にここまでのマークがつくなんて……
よっぽどの危険人物だったのね……でも仙石君、ありがとう」
水斗「いや…俺は別に……」
菖 「よし、とにかく俺達はピンポイントで当たっていこう。
泪、何かあったらよろしく頼むぞ」
泪 「えぇ。皆さんもお気をつけて」
菖 「誰に向かって言ってるんだ?詩織、仙石!行くぞ!」
詩織「了解!」
(走っていく音)
泪「それにしても今回の件……犠牲者が増えなければいいんだけどね……
くれぐれも……気をつけなよ……」
(場面は店長サイド)
店長「ふーん……警視庁だけでなく、とうとう「ZOID」まで動き出したのか……
なかなかやるね〜咲川泪(さきかわるい)くん……」
伶 「……ぁ……ぅ…ん……はぁ…ぁ……あ……」
店長「ん〜?どうしたんだい?笠原くん……」
伶 「ぅあっ……ん…っ…ぁ…いか……せ…て……」
店長「駄目駄目〜。もうしばらくはそのままだよ……
簡単にイかせてあげたらつまらないじゃないかぁ……」
伶 「っ……あんっ……やめ……ん…はぁ…あぁっ……」
店長「まったく……仕方ないなぁ……お仕置きとして、もう一個いれてあげるよ……」
伶 「なっ……やめっ……あぁ…ん…ぅあぁっ…あぁぁ…!!」
店長「ほーら入った……本当に淫乱だなぁ笠原くんは………」
伶 「ぅ…あ……ん…もう……や…だ………」
店長「嫌なわけないだろう?こんなにくわえこんで……しばらくはそのままだよ」
伶 「そん…な………ぁ…ん…くっ……ぅ…あ………」
店長「あははははは。ほんとにたまんないね…最高だよ………
さて…奴らも動き出しだしたとなると、
そろそろ僕も本気を出そうかな……
一大勝負といこうじゃないか……咲川泪………」
(場面は水斗サイド)
水斗「伶……どうか無事で……無事でいろよ…!!」
菖 「ちっ……ここもハズレか……」
詩織「どうやらそのようね……
それにしても、泪が上げてくれたリストはここで最後よ。
何か…見落とした点はないかしら……」
水斗「……例えばの…話しだけど……」
詩織「何かわかった?」
水斗「こうは考えられないか?
今まで俺らが当たってきた場所のどこかに店長はいて、その場所を、
結界か何かで隠している……」
詩織「結界かぁ……確かにありえない話じゃないわね……」
菖 「しかし、そんなことが可能なのか?」
詩織「可能よ。もちろん、空間移動の結界を使うには、相当の力が必要だけどね……」
菖 「それを見破る方法は?」
詩織「どこかに結界の綻びを見つかるか、
結界を支えてるお札、もしくは印を見つけるか……
少なくとも、私達バンビーには絶対無理な芸当よ……」
菖 「くそっ……なんて奴だ……」
詩織「そのてに関しては、恐らく蒔田家当主に頼むのが妥当じゃないかしら。
菖、泪に連絡とれる?」
菖 「今やってる…」
詩織「さすが!それにしても、仮に結界の綻びを見つけたとして、
その結界が破れればいいんだけど……」
水斗「結界って、そんなに強い物なのか?」
詩織「まぁ結界を張った本人の力にもよるけど、
流石に専門職には叶わないとは思うわよ?
いくら店長がどんなに力を持っていたとしても、
所詮は素人の知識にしか過ぎないはず…」
水斗「……でもさっき、黒魔術がどうのこうのって……」
詩織「まったくだわ…東洋だけでなく、西洋にも精通してるとなると……
蒔田家当主だけでは手に負えなくなるかもしれないわね…
念のため、チーム『ZOID』にも協力してもらった方がいいかもね。
せっかく日本中の裏家業のエキスパートが集結したんだから、
使える時につかわないと。
こんな機会、滅多にないだろうし……」
水斗「いや若干語弊がある気もするがな……」
菖 「よし、とりあえず蒔田家当主と、『ZOID』の連中に動いてもらってる。
その結界とやらが東洋なのか西洋なのか……
隠れ家が見つかり次第、新撰組と『BLOOD』が動くらしい。
もちろん俺らもな……」
詩織「おk。把握したわ。とりあえずは、連絡待ちってことね……そういえば……」
菖 「ん?どうした詩織…」
詩織「仙石君ってさ、菖の事、避けてる……?」
水斗「んなっ……別に…そういう訳じゃねぇけど……似てるんだよ…
俺を、育ててくれた恩人に………」
詩織「へ〜……そうなんだ。何?そんなに似てるの?」
水斗「……あぁ……」
菖 「なぁ……そいつの名前は……?」
水斗「え?」
詩織「あらやだ。菖にも何か心あたりがあるわけ?」
菖 「……まぁ……まさかとは思うが……少し…気になってな……」
水斗「……名前は……栂真弥(とがのしんや)……
もう何年も前に死んじまったけど……」
詩織「栂(とがの)って……まさか…菖と同じ苗字……」
水斗「え……それじゃあ……」
菖 「……あぁ。栂真弥(とがのしんや)は、俺の腹違いの兄だ……」
詩織「うっそ!?何それ……いくらなんでも偶然すぎない?」
菖 「あぁ。俺も相当驚いた。
まさか兄貴の名前を、お前の口から聞くなんてな……そうか……
兄貴がいってた秘蔵っ子って、お前のことだったのか………」
水斗「…………」
詩織「あらま……ほんとに世界は狭いというか何て言うか………」
菖 「まったくだな……こんなところで出会うなんて、何か運命でもあるのかね……」
詩織「運命なんて、菖にしてはいやにロマンチックじゃないwww」
菖 「うっせーな。ただ偶然とはいえ、こいつと行動することになったのも
、何かの縁なのかなって思ってさ……
兄貴が…導いてくれたのかもしれねーし……」
詩織「ふむ……まぁ運命ってゆーのも理屈じゃ語れない所もあるしね〜」
菖 「兄貴が……いつも言ってたんだ…
俺に何かあった時は、お前が俺の秘蔵っ子を守ってくれって……」
水斗「真弥さん………」
菖 「だからっていうのも何かよくねぇけど、
仙石…今回の件がケリがついても、何かあったら、いつでも俺を訪ねてこい。
兄貴の変わりってわけにもいかねぇが、架瑠と一緒に面倒見てやるよ」
水斗「俺、そこまでガキじゃねぇし……
それに俺には、命をかけて守らなければいけない奴がいる。
そいつのためにも、俺は強くなければならない……。
お前の気持ちは嬉しいけど、いつまでも誰かに頼ってはいられない……」
菖 「仙石……わかった。
けどな、世の中にはどう足掻いてもどうにもならないこともある。
それにお前はまだ若い。
前にも言ったと思うが、決して命を粗末にするな……
それだけは、約束してくれ………」
水斗「…………わかった」
菖 「よし、いい子だ……ん…?泪からか………どうした、見つかったか!?」
泪『うん。やっとこさね……今蒔田家当主が結界を破ってる。
流石は日本が誇る陰陽師の一族だよ……
やっぱ格が違うよ(苦笑)それと、新撰組と『BLOOD』も
こっちに向かってるみたいだから、菖達も急いで来て。
今から地図転送するから』
菖 「わかった。詩織、仙石…俺達も向かうぞ」
詩織「了解」
水斗「あぁ」
(場面は店長の隠れ家)
店長「ふーん……結界が破られたか……
流石は蒔田家当主…といった所かな……」
伶 「……ん……ぅ……んん……」
店長「だいじょーぶだよ伶くん……例え結界が破られても、
僕達の居場所がわかるはずがないから……」
伶 「…っ……ん……」
店長「あぁ……さるぐつわから漏れ聞こえる喘ぎ声も堪らないね……」
伶 「ぅ……ん……んん〜……んっ………(水斗……)」
店長「さて……そろそろショータイムといこうか……君の相手は、この魔物だよ……」
伶 「んんっ…!!んっ……んん〜〜!!」
店長「さぁ……可愛がっておやり……」
伶 「んんっ…!!(気持ち悪い……やだよっ!!こんなのやだよぉっっ!!)」
店長「くくく……触手というのもなかなかいい物だろう……?」
伶 「……んっ……ぅ……んん〜〜………んん〜……
(こんなの……冗談じゃねぇよ……助けて……水斗……助けてよ………)」
店長「ふふふふふ………ん……?
まさか……こっちの結界も……破られた…だと……?ふん…なるほど……
だてに裏社会のエキスパートをやってるわけじゃないってことか……参ったな……
ここが見つかるのも時間の問題…か……
一応入口には門番がいるけど、それも当てにはならないな……
仕方ない…もう少し楽しめるかと思ったんだけど……
大人しく身を引いておくかな……
その魔物は…置き土産としておいていくよ……
あとは……そっち系の人に助けてもらうんだね。
じゃ、僕はこれで!」
(何か音と同士にドアの開く音)
水斗「伶っ!!!!無事かっ!!!!」
伶 「んんっ……んん〜!!!」
詩織「うっは。触手凌辱ktkr!!」
菖 「馬鹿言ってる場合か!!!水斗っ!!どけっ…!!!!」
(ずきゅんずきゅんする音)
菖 「ちっ……やっぱ普通の銃じゃだめか……」
詩織「あったりまえでしょ!?
とにかくあたしがその魔物を引きつけるから、その間に笠原君を助けなさい!!
後は専門職の人に任せるわよっ!!!ほら魔物っ!!
こっちに美味しそうな獲物がいるわよっ!!」
(ズルズルした音)
水斗「す…すげぇ……言葉理解した……」
詩織「ほーら……こっちへおいで〜………」
(ズルズルした音)
詩織「よし…!!今よっ!!!」
水斗「伶…!今助けるからな……!!」
伶 「っ……ぷはっ……水斗……水斗っ…!!」
菖 「よし!さっさと面かるぞっ!!!」
詩織「後は専門職…!頼んだわよっ…!!」
(なんか攻撃する音)
(少し間)
(場面は外へ)
詩織「はぁぁ〜〜〜、なんとか助かったぁ………」
菖 「ったく……現実離れしすぎだぜ……」
詩織「ほんと……今回ばかりは…相当やばかったわね………」
泪 「お疲れ〜!!いや無事でよかったよ〜……」
詩織「泪……」
泪 「ほんとあの店長、雲隠れの天才だね……また逃げ出したって。
今新撰組が追いかけてるらしいけど、
またやられたよ……」
詩織「また?どういう事?」
泪 「僕とあの店長は、所謂うさぎと亀の関係でね、
長年追いかけっこを繰り返してるんだよ。
今回の件でそれにケリをつけたかったんだけど、また逃げられたみたい……」
詩織「なるほど……
でも流石にこれだけ裏社会のエキスパート達が集まってるんだから、
いかんせんあの店長といえど、追い込まれるでしょ……」
泪 「ならいいんだけど……とりあえず、僕はもう行くよ。
まだ完全に終ったわけじゃないし……
あの二人にもよろしくね」
詩織「はいはい。伝えておくわ…」
泪 「じゃっ!」
(走って行く音)
詩織「ふぅ……それじゃあ菖、私達も行くわよ。後は、あの二人の問題だしね…」
菖 「あぁ、そうだな……ま、落ち着いたら挨拶ぐらいはこいよ…水斗」
水斗「あぁ……」
詩織「じゃ、後はごゆっくり〜」
(二人の歩いて行く音)
水斗「伶……」
伶 「水斗………水斗っ!!!」
水斗「よかった…お前が無事で……ほんとに…よかった………」
伶 「水斗……俺…信じてた……お前が助けにきてくれるって……」
水斗「当たり前だ!お前が店長にさらわれた時、
本気でだめかと思った……お前が……
俺のためにわざとつかまったって知った時も……
心臓が止まるかと思った……」
伶 「だって……俺には…お前がいなくなるなんて堪えられない……から……
店長がお前の事狙ってるって聞いて……
俺がかわりに店長の物になれば、
お前がいなくなることはないって……そう思った……」
水斗「馬鹿だな。それは俺だって一緒だよ……
お前がいなくなるなんて……考えたくもない!」
伶 「水斗……愛してる……」
水斗「あぁ……俺もだ……」
伶 「んっ……」←キスした
水斗「(N)こうして……この非現実的な事件は、枕を閉じる事となる……。
数日後、俺は菖に言われた通り、伶をつれて挨拶に行った。
結局あのあとも店長は捕まらず、相変わらず逃亡中らしい。
だが今回の事もあり、だいぶ追い詰められてれのは確かで、
処分されるのも時間の問題とのことだ。
今回の件で菖とも繋がりが出来、イロイロと助けてもらってる。
こういう仕事をしている以上、
幸せなんて言葉は使えないけど、俺は心から思う。
このままの日々が続けばいいと……」
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