石田衣良の小説。「池袋ウエストゲートパーク」

池袋ウエストゲートパーク第十作目「PRIDE」の二話目。

自転車事故がテーマ。

地球温暖化と不景気のおかげで、池袋に大増殖しているものがなにか、あんたにわかるかな?

そいつは朝になると一番左の車道を埋め尽くし、金属の蟻のように駅まえの一等地に群がる。

ウサイン・ボルトみたいな脚力がなくても、一滴のガソリンもつかわずに時速四十キロの世界をたのしませてくれる便利な道具だ。

このところ急にやわらかになった春の風を切り裂いて、あんたは池袋の路地を駆け抜けるだろう。

時には流行の歌をハミングしながら。サイクリング、サイクリングなんてね。

こいつには渋滞も一方通行も関係ない。いつだって流れはスムーズだ。

こたえは当然自転車なんだが、いまや池袋では北京の朝と同じくらい自転車が走りまわっている。

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