石田衣良の小説。「池袋ウエストゲートパーク」

池袋ウエストゲートパーク第六作目、短編集「灰色のピーターパン」の二話目。

『街を歩いていて、野獣と出会ったらどうする?

ケダモノはなにくわぬ顔をして、春の通りを歩いているだろう。やつは確かにあのときの男。

だが、記憶のなかにあるように凶悪でも残酷でもない。あたりまえの若いガキに見えるのだ。

あんたの心のなかに、復讐を求める怒りとあのときの苦痛と感情がわきあがる。

アドレナリンがサプリメントにして売れそうなくらい大量に放出されて、あんたはこぶしをにぎり締める。

だが、あんたにないしょであんたのことを愛する誰かが復讐しようとしたら、どうする?

もっともっと厳しい罰、棒と鞭が必要だ。

なにせやつは人間ではなく、あんたから大切なものを奪ったただの野獣なのだから。

登場人物

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