ついに『約束された勝利の剣』に匹敵する程に成長した『勝利すべき黄金の剣』。それを手にするアーサーの前に、自身を「アーサー・ペンドラゴン(以下ARTHUR)」と名乗る騎士(アルトリアでも良い)と、それに従う「円卓の騎士」が現れ、さらにアーサーに付き従っていたマーリンが離反してしまう。実は彼女はマーリンではなく、ARTHURの姉のモルガンであり、アーサーに華々しい旅を送らせる事で真の騎士王であるARTHURから民の注目を反らし、その間に彼らの考えた「ブリテン救済計画」を準備する事が目的であった。
その準備が終わった以上影武者は必要無い、と襲いかかる騎士達。アーサーも応戦するが、技量でも数でも勝る相手には防戦一方にすら持ち込めず、絶体絶命の窮地に追い込まれる。しかしそこに突然花吹雪が舞い、その隙にアーサーは撤退する。
アーサーを救ったのはなんと、真のマーリン。彼曰く、ARTHUR達が表舞台に出てきたことで自分もようやく動けるようになったとの事。そして彼はARTHUR達の「ブリテン救済計画」について語る。
そもそもブリテンの地は世界で唯一、未だに神代が続く地であった。しかし世界中から神秘が失われる中ブリテンにも滅びが近付いており、もう100年も保たないとされていた。そこでブリテンの王、ペンドラゴンが考えた「ブリテン救済計画」───それはブリテン以外の全てを焼却し、唯一絶対の理想郷としてブリテンを残し続けようというもの。小のために大を切り捨てる計画。マーリンはその計画に対し、流石に難色を示したため幽閉されていたのだった。
それを聞いたアーサーは憤り、計画を止めようとするが、如何せん戦力差がありすぎる。いくらポジティブとは言え、ここで行ける気がする程能天気ではない。どうすればいいんだ、と苦悩している彼らの前に一人の「円卓の騎士」が現れる。
彼の名はモードレッド。ARTHURとモルガンの間に生まれた子であり、生まれながらに叛逆の騎士とされていながらもARTHURに仕えてきた騎士。しかしモードレッドは一度剣を交えたアーサーの事を気に入り、ARTHURに反旗を翻そうと言うのだ。他に戦力の当ても無く、時間も無い。モードレッドを受け入れたアーサー達はARTHURの計画を食い止めるべく、彼らの拠点である城塞キャメロットへと向かう。
一方のARTHUR側もモードレッドの離反とアーサーの動きを察知しており、計画に万全を期すために迎撃の布陣を敷く。決戦の地はカムランの丘。
そして決戦の刻。立ち塞がる円卓の騎士達と戦いつつ、『夢来の騎士王』スキルにより彼らの武具、そして技術を騎士の理想として取り込んでいくアーサー。ついにARTHURの元に辿り着く。
ついに交わる『勝利すべき黄金の剣』と『約束された勝利の剣』。性能は互角、技量はこちらが上と嘯くARTHURだが、しかしアーサーのカリバーンに押し切られる。確かに聖剣としての性能は互角。アーサーが円卓の騎士の技術を吸収したと言え、技量面でも未だ互角と言えるだろう。しかし、カリバーンにあってエクスカリバーに無い、アーサーにあってARTHURにない性質。それは所有者が真の王に近付く程強くなるというもの。
諸国を旅し、その中で多くの民を助けてきたアーサーは、ブリテンの民にとって既に真の王であった。王を支える民の想いに答え、天を衝く程の光刃となるカリバーン。それを防ぐ術はARTHURに残されていなかった。
消滅の間際、お前は自身の民を裏切り、外の世界を救うのかと問うARTHUR。しかしアーサーは首を横に振る。旅の中で多くのものを目にしてきたアーサーは、確かにブリテンから神秘が消えていっていると理解していた。しかし、それでも民は瞬間瞬間を必死に生きていたのだ。彼らならばきっと、神秘が消えたとしても滅びたりはしない。そう信じている。
「──そうか。私は結局、民を想いながらも信じることができなかったのか…嗚呼、それでは王様失格だな───」
自身の敗北に納得したARTHURは、かつて自分を導いた真マーリン。息子であるモードレッド。そして次代の王として認めたアーサーに王の聖剣と民の未来を託し、この世を去る。
──時は流れ。一度は枯れたブリテンの地に、民達は逞しく生き続けていた。
確かに農産物は育たなくなったが、それならば海産物がある。鉱物資源もある。燃料もある。足りないものは近隣国から輸入し、余るものは輸出すればいい。土地はあるのだから、観光産業も良い。塔の麓に美しい花々が咲き乱れる理想郷なんて、ピクニックにはうってつけだ。
そして、王となったアーサーに家臣からの報告が届く。ブリテンに作物が実ったと。それはわずかに残っていた神代の残滓が流れきり、新たな時代の訪れを告げる物だった。
かつてその残滓を守るために世界を滅ぼそうとした、それでも民を想っていた先王に思いを馳せながら、次王は次の時代に歩を進めるのだった──
基本情報
【原典】オリジナル
【クラス】ライダー/セイバー
【真名】キング・アーサー(次代王)
【性別】男
【身長・体重】174cm・62kg
【肌色】白 【髪色】金 【瞳色】碧
【外見・容姿】金と銀に輝く鎧を纏った青年
【属性】秩序・善
【天地人属性】人
【その他属性】人型・王
【ステータス】筋力:A 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:B 幸運:A 宝具:EX
対魔力:A
どのような大魔術であろうと、A以下の魔術は全て無効化する。
事実上、現代の魔術師では傷をつけられない。
騎乗:A+
騎乗の才能。すべての乗り物、獣を自在に操る事ができる。それは生きていた時代に存在していなかったものも例外ではない。
ダブルクラス:C
ライダーとセイバー、2つのクラスを併せ持っている。
アーサー本来のクラスはライダーなのだが、『勝利すべき黄金の剣』の性能を最大まで引き出したことと、ARTHURから『約束された勝利の剣』を継承した事から後天的にセイバークラスの能力を得た。
王の直感:B+
直感の発展スキル。
通常の直感スキルが戦闘時に自身にとって最適の展開を感じ取るスキルであるのに対して、この『王の直感』は内政面や他者など、様々な者にとって最適な展開を見出す事ができるスキル。時に突拍子も無い行動に出る事もあるアーサーだが、それもこれも全て直感の導きであり、その先には良い未来が待っている。多分。
「なんか…いける気がする!」
王様特権:B
本来所有していないスキルを短期間獲得することができる。
該当するスキルは騎乗、剣術、カリスマ、軍略など多岐に渡るが、流石に肉体面の負荷(神性など)は獲得不可。
王となる前に諸国を旅していた時に得た経験を元にしたスキルであり、名称とは裏腹に『皇帝特権』より『専科百般』などのスキルを使い分けるスキルに近い。
黄昏を齎す魔王:EX
彼は、アーサー王伝説に終止符を打ち、ブリテンの神秘を滅ぼした王である。
その後のブリテンの惨状は語るまでもない。土地は枯れ、民の暮らしは荒れ、各地で混乱が起きた。
そのような災いを引き起こした王は、まさしく『魔王』と呼べるだろう。
幕間の物語「ニューキングダム0537」クリアで解放
黄昏を切り拓く真王:EX
──この選択で民が苦しむことは初めからわかっていた。それでも進まなければならない道だった。
だからこそ、王となってからも彼は戦い続けた。旅の中で得た技術、知識を惜しまず使ってブリテンを復興させ、戦乱の兆しがあれば自ら赴き食い止め、民と共に、民の隣で歩み続けた。
そうして、ブリテンは蘇った。神秘に頼るのではなく、人の力で滅びを脱した。神や妖精が導く綺麗な道ではなく、民の一人一人が築いていく凸凹な道をこそ愛した次代王は、きっと『真の王』なのだろう。
『次冠聖剣・黄金の輝き』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
このルートにおける『勝利すべき黄金の剣』の最終形態。剣としての姿を失い、最早ただの光と化している。
蒼銀の騎士王が有する聖剣の拘束が全解除された時に匹敵する威力を持つが、円卓の騎士の議決により拘束解除される彼の聖剣とは違い、この力を解き放つのに必要なのは民の想い。「どれほど強力な力であっても、王はそれを民のために振るうだろう」という信頼があって初めて行使することができる王の証。
なお、ARTHURとの最終決戦でこの宝具を使った際に『勝利すべき黄金の剣』は膨大な魔力に耐えきれず消滅してしまったが、サーヴァントとして召喚された際には復活しており、『次冠聖剣・黄金の輝き』も一度の召喚に一度だけの大技として使用可能。謂わば聖剣を使った『壊れた幻想』であり、その威力は言わずもがな。
『継承された勝利の剣』
ランク:A++ 種別:対城宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
ARTHURから受け継いだ王の聖剣。機能はアルトリア・ペンドラゴンが保有しているものと同一。
サーヴァントとしては『勝利すべき黄金の剣』と『継承された勝利の剣』の二刀流で戦うのが主なバトルスタイルになる。