ランク:A 種別:対人 レンジ:〆切6日前 最大捕捉:60ページ
「さぁ出ておいで! 我が愛しの頼れる6人の息子たち!!
あの時のようにこのお父さんのピンチを助けてくれ! ……いやマジで助けて!」
生前、魚に飲み込まれた際に6人の息子に助けてもらい
その恩返しとして月を作り上げたという逸話が元になった宝具。
ピンチの、ピンチの、ピンチの連続になったそんな時に彼が願うと、
彼、もしくは彼アナンシに習合された文化英雄の血を引く子孫からランダムに6人の存在が、
幻霊未満の亡霊として霊基を確立させ召喚される。宝具は持たず、代わりに単独行動:EとB+相当の固有スキルを持ってくる。
この子孫の中には彼自身の信頼する息子である6人も入っており、大体は(彼の我儘に応えてくれる的な意味で)その6人が来る。
その6人の息子でもどうにもできなさそうな場合に限り、子孫が彼の息子の名義を借りてやってくる……という具合である。
だが、彼の息子でないとアナンシの我儘に付き合ってられるかと契約放棄して帰る場合が非常に多い。
此度は入稿前の地獄のハードスケジュールという状態で召喚される。
目の良い長男は「相変わらず計画性ねぇなぁ親父!」と悪態をつきながらもトーン貼りを手伝い、
手先が器用な四男は「たーのしー!!」と遊び半分で背景を仕上げてくれている。他の息子たちはまぁ普通。
そして原稿が仕上がると、空にはアナンシの感謝の気持ちが具現化された大きな月が打ちあがる…………
のだが、皆徹夜明けでグロッキーになっているせいでほとんど見れていなかったとかいたとか……。
もし、アナンシが神格のクラス等で召喚された場合、
あるいは何らかの手段によって神格のクラスへと変質した場合、
例え彼がどのクラス、どの宝具を取捨選択していたとしても、この宝具は使えなくなる。
それどころではない。神格になった彼は、この宝具どころか"彼に息子がいた、という事実すら忘失"してしまう。
当然だ。 神に人の子など在り得ない。人と神は分かたれるべき存在。
故に、神格となった彼は、神格になったが故に、神としての防衛本能が、彼の内から人としての彼の記憶を焼失させるのだ。
現在彼が神格のクラスとして顕現している脚本(かのうせい)は一つのみ。その場に於いて彼は、一人のマスターを気に掛ける。
まるで己の子のように、されど兄弟のようにその身を案ずる。これはもしかしたら、その自身の子を忘れたという無意識下の罪悪感が、
その未知を求めるマスターに対して向いているのかもしれない。