猪早太
鵺退治の供を務めた部下。
……今でも鮮やかに記憶が蘇る。
己が射落とした怪物に、疾風の如く飛び掛かり音もなく息の根を止めてみせたあの手並み。
ただその一瞬のためだけに生み出された技は、一つの名歌にも匹敵する美しさがあった。
もしも、今一度逢えたのならば――。
……ところでその剣そんな名前だっけ。
源頼光
高祖父であり宝具の雷上動の元の持ち主。(ただし頼光自身はこの弓を使わなかったそうだが)
怪異殺しとしても偉大な先達にあたり、尊敬している人物。
しかし鬼だの鵺だの、何故こうも源氏は妖のものと縁があるのだろうか。
那須与一
何故こうも源氏は弓の無茶振りと縁があるのだろうか――いやこっちは無茶を振った方が源氏だが。
平清盛
一時は良い関係を築いたものの、最終的には反旗を翻し打ち倒そうとした相手。
何故か竜だった。
何故だ。
養由基
雷上動の大元の持ち主。
なんと養由基の娘が頼光の夢の中に現れ弓と二矢を授けたと言うのだから、どんな弓の腕より妖怪よりもそれが一番の驚きである。
モザイク市において
モザイク市『御苑』治安維持部隊、通称『KBEC』の羅生門屯所小隊所属隊員。
大抵は弓を一張と矢を二本持って羅生門の上に登り、そこから市内を眺めつつ京の平和を守るため治安維持に尽力している。
多発する辻斬り事件の幾つかの犯人を捕らえた実績も持つ。
何の因果か従三位を従えることとなった新撰組局長の心境たるや如何に。
平氏にあらずんば人にあらずな世の中を生きた源氏の男である頼政としては、同じ京都の警察組織であっても京都見廻組からは何かと下に見られていた新選組に対して共感を持ってはいるのだが。
現在は文学青年の血が騒ぎ、ある噂を聞きつけて興味の湧いた本を取り寄せ熟読中。
待ってまだ煉獄篇の途中だからネタバレやめて!