kagemiya@ふたば - 若紫赦惆


「新たなりし、五十四よりの迷い子よ。わたくしが、あなたを掬って差し上げましょう」


基本情報

【氏名】若紫 赦惆
【性別】女性型
【製造場所】阿蘇
【身長】173cm
【肌色】つるりとした白磁色
【髪色】艶やかな黒
【瞳色】澄み渡る翠
【スリーサイズ】78/60/84
【外見・容姿】緋色の法衣を纏い、常に周囲に蛍を浮かべた温和な女性

【属性】秩序・善
【魔術系統】民間信仰
【魔術属性】木、金
【魔術特性】絡繰、付喪、蛍
【魔術回路】質:B+ 量:C++ 編成:人造
【起源】-

【所属】弦糸五十四家・中道派、分家の五『若紫』
【階位・称号・二つ名】『蛍伽藍の大僧正』

来歴

わかむらさき しゃうら。
分家の五、若紫家の現当主を務める、古の絡繰。
かつて絡繰技師の家系であった若紫家が、当時の有力家や外部の人間などの技術を編み纏め作り上げた、最高傑作の絡繰人形。
魔術は刻印を継ぐことで神秘が薄まり弱体化することを桐壺から知った当時の若紫当主が、『今の時点での最高傑作』を形にして永久に、当主の後見役として残すことによって自分達の術の劣化を防ごうとした結果誕生した。
阿蘇の大自然が育む優秀な地脈から吸い上げる駆動魔力、糸の魔術の応用で得られた飛躍的な燃費の良さなどで半永久的な稼動が可能となり、製作と共に建てられた伽藍と共に在る限りはその役目を果たし続けられると目されていた。

だが、雲隠事変に発端を起こす動乱の中、若紫家はその力を他家に疎まれ本拠地で籠城戦を強いられることとなる。
その際、地脈により魔力を補える赦惆以外の若紫家は飢えや枯渇で全滅。
以後も赦惆のみは抵抗を続け危機を脱するも、最早主も無い絡繰は、ただ寂れた伽藍に籠もり続けた。

…時は流れ、第二次世界大戦後。
すっかり存在を忘れ去られ、けれども自己意志で朽ち果てる事も出来ずただ伽藍の仏を見上げ続けるだけであった赦惆の前に、数人の人間が現れた。
曰わく、米国の接収から宝の大太刀を持って逃げていた最中、この伽藍に辿り着いたのだと言う。
そして、彼らの放った「助けてくれ」という一言を自己意志で否定できるほど、赦惆に心の形成はなされていなかった。
…彼らのことを匿って暮らす内、赦惆は伽藍にあった仏法の話を、少しでも安らぎになれば、と彼らに説いた。
だが絡繰故の穏やかな、一定な語り口とその優しげな振る舞いは、彼らに赦惆を生き仏と見紛わせるに相応しかったのだろう。
伽藍の周辺に住み着き俗世を絶った彼らは赦惆の事を大僧正として祀り上げ、件の太刀も赦惆へと譲り渡される(奉納と言った方が近いか)こととなった。

…だが、その平穏も長くは続かず、若紫の遺構を求めた五十四家の手の者が、彼らの里へと干渉を始める。
赦惆は、今度は同じ過ちを繰り返すまいとして───その大太刀、即ち表舞台から失われし名刀、『蛍丸』を振るうことを決めたのである。
現在は、桐壺・空蝉両家からの干渉をひたすらに防ぎつつ両家の争いに関わりたくない弦糸関係者を里に匿っており、若紫の総合戦力は中道派の中でも一二を争う状態となっている。

魔術・特殊技能・特性など

『伽藍』

地脈を万全に活用できる、彼女の力の源泉。
伽藍と共にある限りは神仏の加護も含む多数の術式による強化を受け続け、こと防戦ならば英霊級の要塞と化す。
地脈の優秀な場所へなら伽藍ごと移転することも可能だが、現状する必要も意志もない。

『蛍』

常に彼女の周囲に浮かんでいる無数の蛍。
彼女と融合した『蛍丸』が付喪神の一種と化しているもの。
自身や刃を蛍にし、また戻すこともでき、回避や全方位への攻撃に使用できる。
元の刀の体積を遥かに超える物量となっており、攻撃時には刃が雪崩の如く相手を襲う。

礼装・装備など

『蛍丸』

第二次世界大戦時に表の世界から姿を消した、欠けた刀身が蛍となり再生する逸話を持つ大太刀。
本来ならば逸話通りゆっくりと刃の欠片が蛍に変成、飛翔して自己再生する術が組み込まれた礼装の一種。
だが、赦惆の内包する魔力と神秘の影響を受け一種の付喪神に近い存在と化し、刃と蛍の相互かつ高速度での形態変化が可能となった。

『絡繰』

糸の魔術や傀儡術、呪術などによる複合式絡繰機巧からなるボディ。
それらの術をある程度行使できるほか、様々な物事の成功判定が高く、また魂に干渉する即死効果の影響を受けにくい。

外見・容姿の詳細など

法衣を纏ってはいるが髪は長く、本職の者が見れば正式な役職の者でないことは明らか。
絡繰であるが故に人間離れした美しさを持ち、蛍に照らされるその姿は一種の芸術品のような空間を作り出す。
関節等は法衣で隠されているため分かりづらいが、手などは曲げた際のみ分割線が見える。
顔がどうなっているのかはあまり深く突っ込んではいけない。

人物像


イメージカラー:仄かな蛍光
特技:防衛、説教、千切り
好きなもの:人、平和
苦手なもの:無益な争い
天敵:対地ミサイル
願い:一連の騒動の根本的な解決

【一人称】わたくし
【二人称】あなた、そなた、苗字呼び捨て
【三人称】様付け、さん付け、苗字呼び捨て

性格

平和を尊び、力無き人々、弱き人々を守ることを最善とする性質。
故に争いを続ける桐壺・空蝉のどちらかに組するつもりは無く、再び両家が結託するまでは中道を貫く姿勢を見せる。
また、そこに感情的な思考はなく、与えられた『自身の保持』という役目、そして孤独の間に唯一取れる行動であった書物から得た教えを、機械的に行っているに過ぎない。
だが蛍丸を手にし、半ば一体化することで僅かに妖怪じみた存在となっており、より『まるで魂を持っているような』行動が増加している。

行動規範・行動方針

自身から大きな行動を起こすことはなく、駆け込みや攻め込みに対しての対応をする事が主。

参戦理由

自身のいる場所で聖杯戦争が起こった場合、自衛のためにサーヴァントを召喚する。

サーヴァントへの態度

通常の人間への対応となんら変えることはなく、味方側の優秀な戦力として見る。
主にキャスタークラスを召喚しての籠城戦を得意とするため、方針に軋轢が生まれることはほぼない。

役どころ・コンセプトなど

物語上で敗退した弦糸の駆け込み寺。
強めの中道。

因縁キャラ


桐壺新太郎:彼が未だ「弦糸」であった頃、製造初期段階ではあったが面識がある。
とはいえ当時は普通の人間と認識していたため、現在まで生き残っているとは露ほども思っていない。

夕顔茂森:桐壺派の大役として注視。
数度の邂逅経験があり、性格上の話は合うものの協力的な関係にはなっていない。

空蝉瞳:空蝉派の主魁として注視。
夕顔より好戦的であると認識しており、空蝉派からの面会は基本的に謝絶している。
だが赦惆の製造には現在の空蝉側の力も多く使われており、協力はしたくないが表立った敵対もしたくない。

火垂謡:本人との面識はないが、自身の製造に携わった火垂家の子孫として注視。

雲隠虚:事件についての情報は持ち合わせていないが、動乱の原因に「雲隠」の家が関わったこと、そして虚が優秀な人物であった、という記録のみは知っている。

帚木輝日宮:中道派の中でも大きな力を持つ存在として注視。
数度コンタクトを取ったことがあり、家同士の騒乱を大規模に収める際には互いに協力をするようにした。
かつての帚木の立ち位置については深くは知らないが、当時はあまり表に出てこない家だったという程度に認識している。

夢浮橋子の刻:一番何をするか、しているかわからない危険分子として注視。
現在は、情報戦で牽制をし合う間柄。

台詞例

「わたくしは、若紫家当主、若紫赦惆と申します。あなたは、どういったお名前ですか?」

「夕顔、幾度言われようとも、わたくし達はどちらの派閥に就くつもりも御座いません。…ですが、このまま潰し合うのみと云うのも些か非合理的です。可能であれば、桐壺と空蝉、お互いの争点だけでも明らかにすべきだと言わせて頂きましょう」

「ホトケサマは云われました。この世は苦難の世であり、魂は極楽にて救われる、と。…果たして、心無き絡繰わたくしに極楽は在るのでしょうかね?」

「照明、調理、害獣駆除、折檻、監視…。真、この蛍には感謝してもし切れませんね」

「大僧正、などと謂われましても…。わたくしは、あくまでホトケサマの教えを盗み見ただけに過ぎませんのに、皆様がそう呼ぶものですから…」

「そなたたちは、何時も通りにしていなさい。応対はわたくしが致します」

「…蛍丸、往きましょう。わたくし達の平穏の為、わたくしの保持の為、わたくしは彼の者達を殲滅します」

コメント

史実武器使う鱒をと