完全に自己満足の漢字学習wiki by 丞相 since 2011

2013/08/05 ページ開設

やや難解な論題で、まだまだ調査が浅いですが、備忘録程度にメモしておきます。

『漢検要覧』のQ&A項目にも同類の論題が収められているので、参考になります。
(「1級用漢字音訓表」に載っている「予」という漢字は、常用漢字の「予」と全く同じ形に見えるが、どのように違うのか?)


当用漢字表の公布により字体が改められ、元々存在している別の漢字と衝突した例

音訓元々の字体新字体
ゲイ
う-える
わざ

常用漢字
ウン
かおりぐさ
くさぎ-る

※笹原宏之氏の『現在日本の異体字』にも、この衝突の話に触れられている。
Wikipedia「芸亭」項目でも、「藝(芸)」と「芸」の衝突について触れられています。

音訓元々の字体新字体解字
ケツ
か-ける
か-く

常用漢字
【漢字典】
形声。
缶(かめ)と音を表す夬(ケツ。かける意→決(ケツ))とで、
かめがかける意を表す。
【新漢和大字典】
会意兼形声。
缺は「缶(ほとぎ、土器)」+音符「夬(カイ)」。
夬とは、コ型のくぼみに手をかけてえぐるさまで、抉(ケツ。えぐる)の原字。
缺は土器がコ型に欠けて穴のあくことを示す。
欠と缺は意味が似ているため混用され、
欠を缺に代用するようになった。
ケン
あくび
【漢字典】象形。
人が大きな口を開けているさまにかたどり、「あくび」の意。
借りて、不足する意に用いる。
缺と意味が似ているため、その俗字として用いる。
【新漢和大字典】
象形。
欠(ケン)は、もと缺(ケツ)とは別の字で、
人が口を開け、体をくぼませて屈んださまで、
くぼむ、欠けて足りないなどの意を含む。
欲(腹がうつろで物がほしい)や、歌(体をかがめてうたう)に含まれる。

音訓元々の字体新字体解字
カン
かま

常用漢字
【漢字典】
形声。
缶(かめ)と、音を表す雚(カン。水をそそぐ意→灌(カン))とで、
水を注ぎ入れるかめ、ひいて、広く入れ物の意。
【新漢和大字典】形声。「缶(ほとぎ)+雚(カン。音符)」。

ほとぎ
【漢字典】
象形。
腹がふくらんで、口のつぼんだ素焼きのかめの形にかたどる。
罐の俗字としても用いる。
【新漢和大字典】
象形。
まるく腹がふくれて、中に包み込むような形をした土器を描いたもの。
広く土器をあらわす意符として用いられる。
日本の常用漢字の缶は、罐の右側を省略した略字により、
罐と同じに用いたもの。

その他

音訓元々の字体新字体
ベン
わ-ける
わきま-える

常用漢字
ベン
と-く
かた-る

常用漢字
ベン
うりのなかご
はなびら

常用漢字
ベン
※「辮髪・弁髪」のは、弁を新字体としていないので注意。但し、「弁髪」の表記は許容のようである。

音訓元々の字体新字体解字

あま-る
あま-す
ほか

常用漢字
【漢字典】
形成。
食(食物)と、音を表す余(ヨ。ゆとりがある意→舒(ジョ))とで、
食物がありあまる、ひいて「あまる」意。
俗に、「余」は「餘」の略字として用いられ、常用漢字もこれによる。
【新漢和大字典】
会意兼形声。
「食+余(音符)」。
食物がゆったりとゆとりのある意を示す。
ゆとりがあることから、あまってはみ出るの意。

われ
【漢字典】
象形。
木で屋根を支えた建物の形にかたどり、ゆったりする家の意。
舎(シャ)の原字。
借りて、自称代名詞「われ」の意に用いる。
【新漢和大字典】
象形。
「スコップで押し広げるさま+八印(分散させる)」。
舒(ジョ。のばす。ゆったり)の原字。
ゆったりと伸ばし広げるの意を含む。
余・予をわれの意に用いるのは当て字であり、原意には関係が無い。

音訓元々の字体新字体解字

かね-て
あらかじ-め

常用漢字
【漢字典】形声。
象と、音を表す予(ヨ。のびる意→舒(ジョ))とで、もと、大きい象の意。
借りて、「たのしむ」「あらかじめ」の意に用いる。

あた-える
ゆる-す
われ
【漢字典】象形。
機(はた)の横糸を通す道具の形にかたどる。
杼(チョ)の原字。
左右にわたすことから、ひいて「あたえる」、借りて「われ」の意味に用いる。
常用漢字では豫の略字として用いる。


コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます