東京外国語大学の総合科目「生涯学習論」を受講している学生のフォーラムです。生涯学習の理論と実践に関心のある方なら誰でもアクセスできます。

 成人教育諮問委員会
The Consultative Committee on Adult Education


 第1回CONFINTEAから第2回CONFINTEAまでの11年間にわたって継続的に活動した、UNESCOの成人教育分野における専門委員会。その課題は、成人教育推進国際委員会によって発展的に継承された。

1 結成までの経緯
 1948年11月26〜28日、第1回CONFINTEA開催に先立って、その内容や組織を検討し、準備するための成人教育諮問専門家会議が開かれた。出席者は、アメリカ、イギリス、フランス、デンマーク、チェコスロバキアの5か国代表5名とUNESCO事務局職員であった。このように少人数であったが、彼らは直接的、間接的に全世界の成人教育情報を収集してCONFINTEAに備えようと努力した。おそらく、この体験が成人教育専門の常置委員会の必要性を痛感させたと思われる。
 
1949年6月に開催された第1回CONFINTEAでは、成人教育の国際協力を課題とする第4委員会で「継続的協力のための国際的装置」の問題が検討された。委員会は、成人教育のための常設機関の設置は時期尚早であるとしたうえで、成人教育問題に関してUNESCOに助言すると共に、CONFINTEAの決定を実行するための諮問委員会の速やかな結成を勧告した。委員の人選に際しては国際的な成人教育団体を代表する専門家を地域的なバランスも考慮して任命することとした。
この勧告を受けたUNESCO事務局が委員の委嘱などの準備をして1949年10月(17-21日)に成人教育諮問委員会の第1回会議が開催された。

 2 10回にわたる会議の開催
 委員会は1949年以降58年を除いて以下のように毎年5日間ほど会議を開催した。会場は第5回以外全てパリのユネスコ会館である。

第1回 1949年10月17-21日 
第2回 1950年12月11-15日
第3回 1951年11月5-9日
第4回 1952年12月15-19日
第5回 1953年8月12-14日(会場 La Brévière)
第6回 1954年1月11-15日 
第7回 1955年8月29日-9月2日 
第8回 1956年3月19-23日
第9回 1957年7月22-26日 
第10回 1959年5月11-15日 

3 委員の構成
 第1回会議に参加した委員は合計8名で、これにポール・ラングランを含む3名のユネスコ職員が加わった。委員の国籍、肩書は以下の通りである。

Messers. C.H. Barbier (Switzerland)  国際消費者生協連合執行委員
J. Dumazedier (France)       『人民と文化』会長
Ernest Green (U.K.)  国際労働者教育協会会長
Herbert Hunsaker (USA)       全米成人教育協会会長
J. Novrup (Denmark)  教育省特別審議官
K.G. Saiyidain (India)         ボンベイ州政府教育審議官
Fernand Tude de Souza (Brazil)    ラジオ放送教育局長
Elsayed Zaki (Egypt)         人民大学 事務局長

 第1回CONFINTEAの出席者も欧米中心であったが、この委員会構成も 8名中4名がヨーロッパである。これは当時のユネスコの国際成人教育活動の現実を反映しているといえよう。むしろ、地域的バランスを取ることに努力して、アジア、南米、アフリカからも委員を選んでいるのである。実は東欧地域からも1名(ハンガリー)予定していたが政府の許可が下りずに実現しなかったという経緯もある。もっともこのような委員会の構成は固定していたわけではない。例えば第6回(1954年)には11名の委員が出席したが、全員欧米の団体、政府関係の代表であった。
 参加者が最大だったのは、第2回CONFINTEA準備のための第10回会議で、15名の委員が参加した。その内訳は西欧地域8名、北米2名、アジア2名、イスラエル1名、アフリカ1名である。この会議には、それ以外に、様々な国際組織から30名のオブザーバーも参加していた。
















コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

生涯学習論の広場

受講生の部屋



ようこそ

Lifelong Educationという概念がUNESCOで議論され始めてから半世紀、今や世界各地で多様な生涯学習が実践されています。しかし生涯学習が何を意味するかは依然として曖昧なままです。その意味を一緒に考えてみましょう。

    広場世話人 
    谷 和明(東京外国語大学)



連絡先
〒183-0034
東京都府中市朝日町3-11-1
東京外国語大学
留学生日本語教育センター
   谷研究室


【メニュー編集】

メンバーのみ編集できます