哲学カフェに関する11のテーゼ
LUTZ VON WERDER
1 人々はこれまで借り物の思考をしてきたが、今や自分で考えることができる。
2 各人は自分自身の、意識されない生活哲学を持っている。それは哲学的に書くことにより意識的に深められることができる。
3 哲学的に書くことの第一歩は、各人の独話における内的思考を書き表すことである。
4 偉大な哲学者たちの思索を筆写することは幸福、神、死という大きな問題に思いを巡らすことであり、そこから自己の思想が発生してくる。
5 カフェにおいては幸福、神、死という問題と書くことによって対決することが思考の公共的言語への入り口を開く。
6 実践的カフェ哲学にとって、哲学史とは自立思考者のための書きかつ考える方法の歴史である。
7 哲学カフェはアカデミックな哲学屋の会合などではなく、誰もが哲学的に自分で考える場所である。
8 今日支配的な哲学は生活と実存から乖離している。哲学カフェでは自分で考えることが当然であり、自明である。
9 哲学カフェは脱工業社会における思考の中心であり、すべての実存的な問題を沈黙のとばりから引き出すのである。
10 哲学カフェは今日の性急な思考に対し、ゆっくりとした作文と読解によって、ブレーキをかけるのだ。
11 哲学カフェは一杯飲み屋でもケーキ店でも実現できるし、事務所、学校、大学、市民大学、女性センターでも、ラジオやテレビ番組でも実現できる。
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