ライトノベルズ

「おれたち、そろそろ潮時かもな―」がーん。そんな、別れろ切れろは歌姫の時にいう言葉…今のあたしには、いっそ死ねといって!…なんて冗談やってる場合じゃないわね。まったくバスったらとんでもないことをいいだすもんだわ。たしかにこのメンバーでパーティーを組んでからちょっと不幸なことが続いたけどさ、それが全部あたしのせいってわけじゃないじゃない。ねえ?ああ~、なぜかみんなの視線が痛い~。そう、わかったわ。それならここで一発でかい仕事を成功させて、リーダーとして凄いところを見せてあげようじゃないの。

しーっ。静かに!音を立てちゃダメ。なぜって?あたしたち、いま脱獄の真つ最中なのよ。見つかったらまずいでしょ。なによ、その目は。いっとくけど、捕まったのはあたしのせいじゃないんだからね。すべてキムのヤツが悪いのよ。あの馬鹿が…って、ほら見つかっちゃったじゃない!それになに?あの空に浮かぶでっかい船は!?こらっ、バス!腹が減ったからって騒がない!トレグもピーピー泣かないの!あ~もう!あたしたち、どうなっちゃうの~!人気のクロスオーバーファンタジー、はみだしぶりにますます拍車がかかる第三弾。

キ、キャーッ!!ちょっと、ちょっと、ちょっと!なんであたしが道の真ん中で素っ裸になってなきゃならないわけ!?ほらガティ!ボオッとしてないでなんとかしてよ!(ガティたちの影に隠れてごそごそと服を着る)―はいはい、野次馬たちは散った散った。まったくこのナイスバディをただで見ようなんて考えが甘いのよね。ところでここはどこなのよ。あたしったちは温泉にいたはずじゃない?一見王都のようだけど、何となく街並みが変なのよね。ほらこのあいだの事件で壊れたはずの王宮が綺麗なままだわ。ねえどう思う?…ってあんたたちなんで二人ずついるの!?今度はパラレルワールドで大暴れ!絶好調のユーモアファンタジー第4弾。

ええー!ガティが宇宙人!?明かされた意外な事実にあたしは仰天した。正確には先祖、初代トーネン家の家長が宇宙人らしいのよね。しかもその人はなんと銀河パトロールの創始者なんだって。おお、なんかスッゴク偉そうな感じじゃない!うーん、これってなんかお宝の臭いがするわよね。よし、決めた。ガティ、宇宙人だからって落ち込む必要はないわ。お宝さえあればすべてオッケーよ!さあみんな、ガティの城へレッツゴー!!絶好調!はみだし冒険者たちの活躍と騒動を描くクロスオーバーファンタジー第5弾。

ちょっと聞いて!今あたしことクリスは、空のさらに上に広がる最果ての海にいるんだけど、この世界のどこかに“幸運の星”と呼ばれる秘宝があるんだって!それさえあれば、あたしに掛けられた不幸の呪いが解けるかも?解けるに違いない?解けるに決まってるわ!見事な三段論法で、“幸運の星”を手に入れることに決めたあたしは早速行動を開始した。“幸運の星”のある場所を知っているタッカーを脱獄させ、銀河警邏隊のキムの追跡を振り切り、ガティの宇宙船で最果ての海に飛び出すあたし。多少の無茶は承知の上よ。だってみんな不幸が悪いんだもーん!絶好調!ファンタジックSFコメディ天衣無縫の第6弾。

ちょ、ちょっとちょっとちょっと!なんであたしがガティに裏切られなくちゃなんないわけ!?まったく身に覚えが…二、三個はあるかな?あはははは…。で、でも!裏切りはダメよね、裏切りは。あたしがやっとの思いで手に入れた“幸運の星”をよりによってショーンとタッカーと組んで横からかっさらって行くなんて、天が許してもあたしが許さないわ!なんだかタッカーの計略で、周りは宿敵の海賊たちに囲まれちゃってるけど、こいつらなんてすぐに蹴散らして、絶対に追いついてやるからね~!!史上最強のクロスオーバーファンタジー、問答無用の第7弾。