ライトノベルズ

始まりは“夢”だった。燦星のりえが見た夢は、二足歩行の蜥蜴人間や空飛ぶ昆虫人間に殺されかける悪夢。そしてそれは、異世界ヌ・アックへの招待状だった―3国が覇を争す戦乱の世界ヌ・アックに、のりえは聖なる戦士として招喚された。なぜ?ただの女子高生なのに?とまどう彼女の許に、敵国の昆虫兵士インスク襲来の報が届く。熾烈な戦いに否応もなく巻き込まれたのりえ。インスクの剣が迫る。その瞬間、すさまじい閃光の中に、クリスタルの甲胄を身にまとった伝説の将軍NORIEが現れたのだった。

オ・ラプロの危機。敵国ダル・ヴァントの昆虫兵士が、オ・ラプロ最大の秘密“ズアド”の大いなる力を得ようとしている。急を知ったのりえたちは伝説の魔道士ドワンの助力を求めた。老師が魔道の力で呼び出した“ホプター”を使い、一行は吸血森へと向かう。だが、森にはインスクの伏兵が潜んでいた。空中戦を得意とする昆虫兵士の攻撃を受け、“ホプター”は墜落。奇跡的に九死に一生を得たのも束の間、陰鬱とした森の中で彼らを待ち受けていたのは獰猛な民・コボ族であった。果たして彼らは味方なのか。一難去ってまた一難。無敵の女子高生将軍のりえの戦いは、まだまだつづく。

その少女は、ハ・ノ・ウェレ山脈の奥にいる。伝説の将軍のりえをも倒すという“ガモスの魔剣”は、フェアルの少女ピットが鍵となる―。名実ともに王国の実力者たらんと画策する宰相ガジャ・ゴーランは、いずれは己れの妨げとなるであろうのりえを亡き者にするため、魔剣を掌中に納めようとしていた。一方、宰相の企みを知った魔道士ムト・ハウラは、将軍の待つ吸血森へと道を急ぐ。王国を揺るがす陰謀の前に、のりえの命の灯も揺れ動いていた。高千穂遥が贈る壮大なるヒロイニック・ファンタジー『異形三国志』シリーズ「ガモスの魔剣」篇、登場。

誰も足を踏み入れぬ開かずの塔―かつてひとりの英雄に滅ぼされた魔道士の魂が、さまよっているという。人はそこを“斬首塔”と呼ぶ。塔に蠢く闇は、永劫に閉ざされるはずだった。だが、封印は解かれた。オ・ラプロ宰相ガジャ・ゴーランの野望のために。重く澱む空気の中を流れる呪文によって、地獄から蘇ったのは魔道士ヴァン・グフ。邪悪な美しさをその身にまとった彼こそ、誰ひとり制すことのかなわぬ血に飢えた悪魔であった。風雲急を告げるオ・ラプロの未来を、女子高生将軍のりえは救うことができるのであろうか。

のりえたちは、暗黒の魔道士の待ち受ける王宮に辿り着いた。「死ぬがいい」魔道士―ヴァン・グフが咆哮する。手には、ひとふりの佩刀。「ガモスの魔剣…」クリスタルの剣を構え、のりえは呟きを漏らす。金属の激突音が王宮の最上階に反響する。聖戦士の力すらも、容易く超える圧倒的な魔力の前に、彼女は死を覚悟した。果たして、世界は魔に支配されてしまうのか…。異形の者たちが蠢く世界―ヌ・アック。その存亡を懸けた最後の戦場を女子高生のりえが、いま駆け抜ける。高千穂遙が贈るヒロイニック・ファンタジーここに衝撃の完結。