ライトノベルズ

ここは「央華」。我々の住む世界とは別の場所、別の時間に存在する異世界である。「西遊記」や「封神演義」に描かれる古代中国とよく似たこの世界には、不老不死の肉体をもち、不可思議な術を使って善行をなす仙人や、悪業の限りを尽くして人々を苦しめる妖怪どもが存在する。この魔可不思議な世界に、現代の日本から一人の少女が迷い込んだ。彼女の名前は来星晶(央華ではらいせいしょうと呼ばれる)。仙人に拾われた少女はもとの世界に戻るため仙術の修業を始めるが…。異境にくりひろげられる驚天動地奇想天外の大冒険。

現代の日本から央華ワールドに迷い込んだ少女=来星晶は、仙人の伯工命師匠のもとで、元の世界に戻るために仙術の修行を積み、頼りになるけど皮肉屋の飛翔や、セクシーでいたずら好きな瑠螺とともに旅を続けていた。そんなある日、星晶に秘密があることを知った妖怪が伯工命師匠の洞府に忍び込んだ。この妖怪、女の子をたぶらかしては裏切り、その悲しみで陰気を蓄えようっていうひでえ奴だった。一方、夜な夜な出現しては人々の首を切り落とす妖怪の噂を聞きつけた星晶たちは、早速その邑に訪れるが…。

現代の日本から、仙人や妖怪どもが往き交う央華ワールドに迷い込んだ少女=来星晶(央華ではらいせいしょうと呼ばれる)。彼女は、央華の世界で自分に何ができるのか?何をすればよいのか?を自らに問う旅を続けていた。一方、厚い氷に閉ざされた央華の北の果てでは、『燃える星の宿命』のラストで“三昧狂火”を手に入れた邪仙郭杏たちが、炎の力で氷の下に眠る存在、全てを貪り尽くす邪悪なものの復活を企てていた。炎の力を強めるため、密命を受けた暗愚は知略を巡らせて再び星晶たちに近づく…。

邪仙の手から助けた娘“淑桃”が再び妖獣たちとともに姿を消した。“淑桃”を信じて手がかりを追い求める星晶たちの前に、黒いつやつやとした甲殻を持つ巨大な幼虫“餓無獅”が現れる。次々と邑を襲い徹底的に破壊しながら、まっすぐに突き進む“餓無獅”の上には、邪仙たちに心を操られ、木人形に姿を変えた“淑桃”の姿があった…。

多くの命を傷つけ失わせ、多くの運命を狂わせてきた邪仙郭杏。そのどす黒い復讐を思い止まらせるため、飛翔の制止を振り切り、仲間たちと離れ郭杏と行動をともにする星晶。どんな罪を犯したものであれ救うことはできると、故郷(現代日本)の価値観で信じ、安らぎを与えることで傷ついた心を癒し、彼を立ち直らせようと懸命に努める星晶。しかし、そんな思いを打ち砕く新たなる陰謀が…。それは星晶が央華にやってくることになった秘密とも深くかかわっていた。そして今、星の扉が開かれる。友野詳の痛快!仙人冒険ファンタジー央華封神、第1部堂々の完結編。