ライトノベルズ

「休憩だ」―ロード軍曹が力無く呟くと、帝国陸軍準魔術歩兵小隊第三小隊、通称双角小隊(ロング・ホーンズ)のメンバーは、やれやれといった面もちで腰を下ろした。「起きてください!隊長」衛生兵が、牛乳瓶の底のようなぐりぐり眼鏡の奥でぐるぐる目を回して倒れている少女に向かって声をかけた。そう、(貧血で)倒れた彼女こそが天下無敵(?)の双角小隊を率いる新米隊長・キティ・アン少尉、その人である。「はれっ、…大丈夫よ。全然平気よ」スベンソン一等兵の背中で、キティはなおも強がっていた―「ほんとに平気なんだから…とりあえず、出撃よっ!」…はい、はい―って、ほんとにこんなんでいいのか、誇り高き双角小隊?彼らに輝ける明日はあるのか。

“将軍が前線に視察にくる”新米隊長・キティはその情報に一人作戦を練っていた。これは双角小隊が他の部隊よりも、ビシっとしたところを見せつける大チャンス。ひょっとしたら勲章なんかもらえちゃうかも。「そうだ!これよ、これ!」が、彼女の突発的かつ狂気的な計画は、街中にかつてない脅威をもたらすのだった。果たして常に結果オーライなキティと双角小隊はどこへゆく!?誰にも真似できない我が道を爆走する風まかせファンタジー。