今思い返せばよく生きて帰れたと思う。
その魔女の結界の中は赤い肩の悪魔が蠢く地獄だった。
私の銃は撃っても撃ってもハネ返され、逃げ回ることしか出来なかった。
どこまで逃げても鉄の足音と、大昔に自転車のCMで聞いたことがあるような気がするけたたましい行進曲が追ってくる。
やがて力尽きて倒れた私を鉄の悪魔が取り囲む。
無機質なターレットレンズから何故か生々しい欲望の視線を感じ、私は全身が総毛立った。
鉄の腕が伸びてくる。
見かけによらず繊細な動きで私を掴みあげた鉄人形は、タマネギの皮を剥くように私を裸にしていった。
そして帽子とブーツを残し、生まれたままの姿にされた私の…私のアソコに手にしたライフルの、太さが大人の腕ほどもある銃身をねじ込んできた。
私は恥も外聞もなく泣き叫んだ。
激痛に身体が引き裂かれそうだった。
それだけでも耐え難い責め苦だというのに、お尻の穴にもライフルを突っ込まれた。
死ぬかと、いや、いっそ死を望んだ。
さんざん嬲りものにされ、叫び声も出なくなったところで姿を現した魔女を火事場のクソ力で仕留め、私は現実に帰還した。
家に帰って飲んだ紅茶はコーヒーのように苦かった。

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