最終更新:ID:x1jHWA3BLg 2011年10月23日(日) 17:38:45履歴
71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/09/04(日) 05:36:42.90 ID:E3jpA3nz [1/7]
杏子×サラリーマンのオッサン(オリキャラ)で投下。
苦手な方はスルーしてください。
72 名前:杏子のオヤジ[sage] 投稿日:2011/09/04(日) 05:37:57.11 ID:E3jpA3nz [2/7]
私は一人で生きていく。
自分の事だけを考えて自業自得にしちゃえばいいのさ。
「いってて…あのクソオヤジ、しこたま殴りやがって…魔法少女じゃなかったら死んでっぞ」
その日、私はとあるネグラを追い出された。
私みたいな若い娘が住む家もなくフラフラしてるのは、小金を稼いで寂しさをもて余すオッサンたちには受けが良い。
「キミの事が心配だから」
初めは誰だって人当たりもよく優しいさ。
私だって鬼じゃない。雨風を凌ぐネグラの代わりに
寂しさを紛らわしてやってんだ。
まぁ、財布から時々無断で諭吉をちょろまかしたりしたけどイーブンだろ?
私がトチったのはオッサンにバレたこと。
献身的な奴程、信頼の見返りがないと壊れちまう。それを誰よりわかっていた筈なのに、油断してトチっちまった。
「恩を仇で返しやがって…!
出てけ、クズが!」
灰皿で殴りながら言ったオッサンの捨て台詞が親父とダブる。
悪いとは思ってんだ。だから黙って殴られてやったんだ。
これでも一応魔法少女の端くれだからな。
私は足をよろめかせながら街中を適当に流した。
若い娘が顔を腫らせて歩ってんだ、新しい保護者(カモ)はすぐ見つかるだろ。
そう思っていたが甘かった。
私が思ってる以上に、この腫らした顔は無力な一般人にはドン引きするらしい。
どいつもこいつも、遠巻きに視線を合わせない「同情」をしてくれる。おまけに雨まで降ってきやがる。
ウゼェ。超ウゼェ。
こんな時に魔女に遭遇したら終わりだな、
私は自嘲しながら何度目かもわからないお腹の鳴る音を聞いた。
財布を取る暇もなく着の身着のまま追い出されたからな。
久し振りにATMでもぶっ壊そうか…なんて考えていると。
「おい?!大丈夫か?」
寒さと空腹で朦朧する意識の中、カモの声がした。
「ふーっ、ごっそーさん」
スーパーの惣菜を平らげ横になる。
あれから、私は新しいカモの部屋をネグラにしていた。
ワンルームの殺風景な部屋だが贅沢は言わない。所詮、ただの繋ぎだ。
「なぁ、何かゲームとかねーの?テレビもアナログだしさぁ、暇なんだよ」
部屋のすみで小難しい小説を読んでるオッサンに声をかけた。
見たとこ20代後半〜30代前半ってとこか。
「…DVD の映画ならたくさんあるだろ」
「眠くなるのばっかだろ」
私が口を尖らせると、沈黙が訪れる。
なんなんだよ、やりにくいな、チキショウ。
同居して三日。
オッサンは今までのオヤジたちと何か違った。
私の事情をアレコレ詮索しないし、親身になったお節介も、したり顔の説教もしない。
あるのは居心地の悪い無関心だけだ。
「あぁ、悪い。コッチのお礼がまだだったな。
一本抜くかい?」
そう言ってシャツを脱いだら、乱暴にタオルケットを投げつけられた。
「…次やったら追い出すからな」
「はぁ?何マジ切れしてんだ。こんなの挨拶みてーなもんだろ?!」
オッサンはしたり顔の説教はしないと思ってた分、余計にムカついた。
「…お前みたいな子供に誘われて男が全員喜ぶって訳じゃないぞ」
今までの綺麗事を並べるオヤジたちは軒並み飛びついたってのに
私に女として魅力が無いとでも?ふざけんな。
「じゃあ何か?
オッサンは見返りがないのにホームレスな小娘の面倒みるって?!ねーから!
まさか、自分を大切にしろ、とか寒い説教しないよな?!」
「俺はそんな大層な聖人君子じゃない、お前を拾った理由も思いま出せないし
仕事で疲れてるから眠いんだよ…
発情してんなら余所の男に相手して貰え、俺は寝る」
そう言ってオッサンは私に背を向けて、一瞬で子供みたいな寝息を立てた。
「っ、ふ、ふっ、ふざけんなっ!」
私は全力でオッサンの背中を蹴り、夜の街に飛び出した。
杏子×サラリーマンのオッサン(オリキャラ)で投下。
苦手な方はスルーしてください。
72 名前:杏子のオヤジ[sage] 投稿日:2011/09/04(日) 05:37:57.11 ID:E3jpA3nz [2/7]
私は一人で生きていく。
自分の事だけを考えて自業自得にしちゃえばいいのさ。
「いってて…あのクソオヤジ、しこたま殴りやがって…魔法少女じゃなかったら死んでっぞ」
その日、私はとあるネグラを追い出された。
私みたいな若い娘が住む家もなくフラフラしてるのは、小金を稼いで寂しさをもて余すオッサンたちには受けが良い。
「キミの事が心配だから」
初めは誰だって人当たりもよく優しいさ。
私だって鬼じゃない。雨風を凌ぐネグラの代わりに
寂しさを紛らわしてやってんだ。
まぁ、財布から時々無断で諭吉をちょろまかしたりしたけどイーブンだろ?
私がトチったのはオッサンにバレたこと。
献身的な奴程、信頼の見返りがないと壊れちまう。それを誰よりわかっていた筈なのに、油断してトチっちまった。
「恩を仇で返しやがって…!
出てけ、クズが!」
灰皿で殴りながら言ったオッサンの捨て台詞が親父とダブる。
悪いとは思ってんだ。だから黙って殴られてやったんだ。
これでも一応魔法少女の端くれだからな。
私は足をよろめかせながら街中を適当に流した。
若い娘が顔を腫らせて歩ってんだ、新しい保護者(カモ)はすぐ見つかるだろ。
そう思っていたが甘かった。
私が思ってる以上に、この腫らした顔は無力な一般人にはドン引きするらしい。
どいつもこいつも、遠巻きに視線を合わせない「同情」をしてくれる。おまけに雨まで降ってきやがる。
ウゼェ。超ウゼェ。
こんな時に魔女に遭遇したら終わりだな、
私は自嘲しながら何度目かもわからないお腹の鳴る音を聞いた。
財布を取る暇もなく着の身着のまま追い出されたからな。
久し振りにATMでもぶっ壊そうか…なんて考えていると。
「おい?!大丈夫か?」
寒さと空腹で朦朧する意識の中、カモの声がした。
「ふーっ、ごっそーさん」
スーパーの惣菜を平らげ横になる。
あれから、私は新しいカモの部屋をネグラにしていた。
ワンルームの殺風景な部屋だが贅沢は言わない。所詮、ただの繋ぎだ。
「なぁ、何かゲームとかねーの?テレビもアナログだしさぁ、暇なんだよ」
部屋のすみで小難しい小説を読んでるオッサンに声をかけた。
見たとこ20代後半〜30代前半ってとこか。
「…DVD の映画ならたくさんあるだろ」
「眠くなるのばっかだろ」
私が口を尖らせると、沈黙が訪れる。
なんなんだよ、やりにくいな、チキショウ。
同居して三日。
オッサンは今までのオヤジたちと何か違った。
私の事情をアレコレ詮索しないし、親身になったお節介も、したり顔の説教もしない。
あるのは居心地の悪い無関心だけだ。
「あぁ、悪い。コッチのお礼がまだだったな。
一本抜くかい?」
そう言ってシャツを脱いだら、乱暴にタオルケットを投げつけられた。
「…次やったら追い出すからな」
「はぁ?何マジ切れしてんだ。こんなの挨拶みてーなもんだろ?!」
オッサンはしたり顔の説教はしないと思ってた分、余計にムカついた。
「…お前みたいな子供に誘われて男が全員喜ぶって訳じゃないぞ」
今までの綺麗事を並べるオヤジたちは軒並み飛びついたってのに
私に女として魅力が無いとでも?ふざけんな。
「じゃあ何か?
オッサンは見返りがないのにホームレスな小娘の面倒みるって?!ねーから!
まさか、自分を大切にしろ、とか寒い説教しないよな?!」
「俺はそんな大層な聖人君子じゃない、お前を拾った理由も思いま出せないし
仕事で疲れてるから眠いんだよ…
発情してんなら余所の男に相手して貰え、俺は寝る」
そう言ってオッサンは私に背を向けて、一瞬で子供みたいな寝息を立てた。
「っ、ふ、ふっ、ふざけんなっ!」
私は全力でオッサンの背中を蹴り、夜の街に飛び出した。
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