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monosaku183 2011年02月14日(月) 22:05:09履歴
マミの死後、まどかとさやかはキュウべえに促され、ぼとぼと商店街を歩いて家路についていた。
「さあらっしゃっいらっしゃい!!今日はなんと牛ロース肉100グラム100円だよ!!」
肉屋の親父の呼び込みに、思わず物言わぬ肉片と化したマミの壮絶な最後がまどか達の脳裏によぎる。
「うううっ、マミさん、マミさぁぁぁぁぁんっ!!」
「どうして、どうしてこんな事にっ!!マミさあぁぁぁんっ!!」
まどかとさやかは人の多い商店街で人目もはばからずに抱き合って泣きだす。
周囲の通行人たちは突然泣き出した女子中学生2人を訝しげに見ている。
「……お肉屋さんの前で泣かれるのって、なんだか複雑なんだけど……。でも私の為に泣いてくれてるのよね。許してあげる」
どれくらい泣いていたのか、不意にかけられた、聞き覚えのある優しい声にまどかとさやかが振り向くと、そこには死んだはずのマミが微笑んでいた。
「「マ、マミさん……」」
「ごめんね、怖い思いさせちゃって」
そう言って微笑むマミ。
「「ひいぃぃぃぃっ!!マ、マミさんのおばけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」
まどか達の前に現れたマミは、頭に黄色の輪っかを浮かべて、空をふよふよと浮いていた……。
☆
「そ、それじゃ別に化けて出たわけじゃないんですね」
人気のない公園に場所を移し、さやかが恐る恐る尋ねる。
「ええ、肉体は滅んでしまったけれど、私の魂はまだ滅んでないの。こんな姿になってしまったけれど私はまだ、魔法少女の巴マミよ」
「マミ、君の肉体は残念だったね」
「仕方ないわ。油断した私が悪いのだし」
「マミさんは、まだこれからも戦うんですか?」
「もちろんよ。私が戦わないと、さっきまでのあなた達みたいに悲しむ人達が出るから」
「「マミさん……」」
死して尚、正義の味方であろうとするマミにまどかとさやかは感動した。
そんな3人を無表情で見つめながら、ぽつりと誰にも聞こえないようにキュウベエは呟いた。
「……たかが死んだくらいで契約から逃れられる訳ないじゃない」
「さあ、今日はもう遅いわ。二人とも帰りましょう」
「「はい」」
「それじゃ、まどか、マミさんまた明日」
「ええまた明日」
「さやかちゃんまた明日ー」
さやかと別れ、まどかとマミは再び歩き出す。
「……ねえ、鹿目さん」
「なんですか?」
「その……鹿目さんじゃなくて……まどかちゃんって呼んでもいい?」
どこか恥ずかしそうにモジモジしながらまどかに尋ねるマミ。
「えっ?別にかまいませんけど……」
「うれしい!!これからもよろしくね!!まどかちゃん!!」
まどかの返事に満面の笑みを浮かべながら、まどかの両手を握って喜ぶマミ。
「さ、一緒に帰りましょ!!」
嬉しそうに、まどかの手を引きながら鹿目家の方角へ向かうマミ。
(アレ? もしかして私、マミさんにとりつかれてる!?)
超笑顔のマミに引っ張られながら、まどかはそんなずれた事を思うのだった……。
翌朝。
「まどかちゃん、起・き・て」
「んゅ……。ひゃわぁ!!マ、マミさん……」
「おはよう、まどかちゃん。かわいい寝顔だったわよ」
まどかの眼前でマミは嬉しそうにそう言ってほほ笑む。。
「あ、あはは……おはようございます……」
あと数センチで唇が触れ合いそうな距離なのに気付いたまどかは慌てて、ベッドから這い出るのだった。
☆
着替えと朝食を済ませて、家を出たまどかとマミ。キュウべえはまどかの肩の上で女の子二人の会話を聞き流し、まどか達はまどかの家族の事などを話しながら通学路を歩いている。学校までの道を半分ほど進んだ頃、さやかが元気に駆け寄ってきた。
「おはよー、まどか、マミさん」
「おはよーさやかちゃん」
「おはよう」
さやかはまどかの側に浮いているマミを上から下まで確認すると顎に手を当てながら言う。
「あー、やっぱり夢じゃないんだなぁ……。ねえマミさん、幽霊になるのってどんな感じなの?」
「ちょ、さやかちゃん!?」
「いいのよ、まどかちゃん。そうね、なんて言ったらいいかしら」
さやかの不躾な質問をまどかが咎めようとしたその時、冷たい表情のほむらが現れて、マミに言い放った。
「何故貴女がいるの?」
「ほむらちゃん!?」
「貴女も魔法少女ならわかるでしょ?」
挑発するような口調で返すマミ。
「……まどかから離れなさい、悪霊」
不快感を隠そうともせずマミを睨みつけるほむら。
「ちょっと。人聞きの悪い事言わないでくれるかしら。まどかちゃんはね、一生私の側にいてくれるって言ってくれたんだから」
ほむらと同じく相手への不快感を隠そうともせず、マミはまどかを抱き寄せて言い返す。
「えぇぇぇっ!?そ、そこまでは言ってないような……」
「……そうなの?」
刺すような視線で睨まれて、マミの腕の中で小さくなるまどか。
「ほ、ほむらちゃん、目が怖いよ……。その、側にいるっていうか一緒に戦うとは言ったけど……」
「そういう事。貴女の付け入る隙なんてないのよ。早く消えてくれるかしら」
まどかを抱きしめる腕に力を込めながらほむらに冷たく言い放つマミ。
「ふざけないで。死者はさっさとあの世に行きなさい。まどかは私が守る」
「いやよ。まどかちゃんは私が守る。貴女こそ消えなさい。このストーカー」
「……」
「……」
ゴゴゴゴゴコゴゴゴゴ……。 バチバチバチっ……!!
マミとほむらのお互いにお互いを刺すような殺意の籠った視線にまどかは恐怖し、マミの腕の中でブルブルと怯えるだけだった。
(ど、どうしてこうなっちゃうのかな……)
つづかない
「さあらっしゃっいらっしゃい!!今日はなんと牛ロース肉100グラム100円だよ!!」
肉屋の親父の呼び込みに、思わず物言わぬ肉片と化したマミの壮絶な最後がまどか達の脳裏によぎる。
「うううっ、マミさん、マミさぁぁぁぁぁんっ!!」
「どうして、どうしてこんな事にっ!!マミさあぁぁぁんっ!!」
まどかとさやかは人の多い商店街で人目もはばからずに抱き合って泣きだす。
周囲の通行人たちは突然泣き出した女子中学生2人を訝しげに見ている。
「……お肉屋さんの前で泣かれるのって、なんだか複雑なんだけど……。でも私の為に泣いてくれてるのよね。許してあげる」
どれくらい泣いていたのか、不意にかけられた、聞き覚えのある優しい声にまどかとさやかが振り向くと、そこには死んだはずのマミが微笑んでいた。
「「マ、マミさん……」」
「ごめんね、怖い思いさせちゃって」
そう言って微笑むマミ。
「「ひいぃぃぃぃっ!!マ、マミさんのおばけぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」
まどか達の前に現れたマミは、頭に黄色の輪っかを浮かべて、空をふよふよと浮いていた……。
☆
「そ、それじゃ別に化けて出たわけじゃないんですね」
人気のない公園に場所を移し、さやかが恐る恐る尋ねる。
「ええ、肉体は滅んでしまったけれど、私の魂はまだ滅んでないの。こんな姿になってしまったけれど私はまだ、魔法少女の巴マミよ」
「マミ、君の肉体は残念だったね」
「仕方ないわ。油断した私が悪いのだし」
「マミさんは、まだこれからも戦うんですか?」
「もちろんよ。私が戦わないと、さっきまでのあなた達みたいに悲しむ人達が出るから」
「「マミさん……」」
死して尚、正義の味方であろうとするマミにまどかとさやかは感動した。
そんな3人を無表情で見つめながら、ぽつりと誰にも聞こえないようにキュウベエは呟いた。
「……たかが死んだくらいで契約から逃れられる訳ないじゃない」
「さあ、今日はもう遅いわ。二人とも帰りましょう」
「「はい」」
「それじゃ、まどか、マミさんまた明日」
「ええまた明日」
「さやかちゃんまた明日ー」
さやかと別れ、まどかとマミは再び歩き出す。
「……ねえ、鹿目さん」
「なんですか?」
「その……鹿目さんじゃなくて……まどかちゃんって呼んでもいい?」
どこか恥ずかしそうにモジモジしながらまどかに尋ねるマミ。
「えっ?別にかまいませんけど……」
「うれしい!!これからもよろしくね!!まどかちゃん!!」
まどかの返事に満面の笑みを浮かべながら、まどかの両手を握って喜ぶマミ。
「さ、一緒に帰りましょ!!」
嬉しそうに、まどかの手を引きながら鹿目家の方角へ向かうマミ。
(アレ? もしかして私、マミさんにとりつかれてる!?)
超笑顔のマミに引っ張られながら、まどかはそんなずれた事を思うのだった……。
翌朝。
「まどかちゃん、起・き・て」
「んゅ……。ひゃわぁ!!マ、マミさん……」
「おはよう、まどかちゃん。かわいい寝顔だったわよ」
まどかの眼前でマミは嬉しそうにそう言ってほほ笑む。。
「あ、あはは……おはようございます……」
あと数センチで唇が触れ合いそうな距離なのに気付いたまどかは慌てて、ベッドから這い出るのだった。
☆
着替えと朝食を済ませて、家を出たまどかとマミ。キュウべえはまどかの肩の上で女の子二人の会話を聞き流し、まどか達はまどかの家族の事などを話しながら通学路を歩いている。学校までの道を半分ほど進んだ頃、さやかが元気に駆け寄ってきた。
「おはよー、まどか、マミさん」
「おはよーさやかちゃん」
「おはよう」
さやかはまどかの側に浮いているマミを上から下まで確認すると顎に手を当てながら言う。
「あー、やっぱり夢じゃないんだなぁ……。ねえマミさん、幽霊になるのってどんな感じなの?」
「ちょ、さやかちゃん!?」
「いいのよ、まどかちゃん。そうね、なんて言ったらいいかしら」
さやかの不躾な質問をまどかが咎めようとしたその時、冷たい表情のほむらが現れて、マミに言い放った。
「何故貴女がいるの?」
「ほむらちゃん!?」
「貴女も魔法少女ならわかるでしょ?」
挑発するような口調で返すマミ。
「……まどかから離れなさい、悪霊」
不快感を隠そうともせずマミを睨みつけるほむら。
「ちょっと。人聞きの悪い事言わないでくれるかしら。まどかちゃんはね、一生私の側にいてくれるって言ってくれたんだから」
ほむらと同じく相手への不快感を隠そうともせず、マミはまどかを抱き寄せて言い返す。
「えぇぇぇっ!?そ、そこまでは言ってないような……」
「……そうなの?」
刺すような視線で睨まれて、マミの腕の中で小さくなるまどか。
「ほ、ほむらちゃん、目が怖いよ……。その、側にいるっていうか一緒に戦うとは言ったけど……」
「そういう事。貴女の付け入る隙なんてないのよ。早く消えてくれるかしら」
まどかを抱きしめる腕に力を込めながらほむらに冷たく言い放つマミ。
「ふざけないで。死者はさっさとあの世に行きなさい。まどかは私が守る」
「いやよ。まどかちゃんは私が守る。貴女こそ消えなさい。このストーカー」
「……」
「……」
ゴゴゴゴゴコゴゴゴゴ……。 バチバチバチっ……!!
マミとほむらのお互いにお互いを刺すような殺意の籠った視線にまどかは恐怖し、マミの腕の中でブルブルと怯えるだけだった。
(ど、どうしてこうなっちゃうのかな……)
つづかない
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