不思議・不可解なニュース

山形県新庄市で１０月に予定していた柔道家井上康生さんの「サイン会」と「柔道教室」が中止となった問題で、イベントを主催した同市のボランティア団体「防風林再生プロジェクト実行委員会」は８日、一連の事態は全て、同実行委事務局員の自作自演で、井上さんを招く話自体が存在しなかったと発表した。

発表によると、問題発覚後、実行委では事務局員への聞き取り調査を実施。事務局員は「井上さんの知人と連絡が取れなくなってしまったので詳細はわからない」などと答えていた。

しかし、イベント開催を仲介したとされる「知人」と電話のやり取りをしていたのは事務局員本人だけだったうえ、その後の調査で、「知人」とされる氏名の人物は存在しない可能性が高いことがわかった。

事務局員は１０月下旬頃から姿を見せなくなり、現在、音信不通の状態が続いている。事務局員の家族も行方を捜しているという。

問題から１か月半が過ぎ、同実行委では「完全な解明には至っていないが、これ以上報告を遅らせるわけにはいかない」と説明。井上さんが新庄に来るという最初の話から、サイン会当日に「到着が遅れる」などとされた話の全てが「事務局員の一人芝居」と判断した。

同実行委では「子どもたちの夢を壊し、協力いただいた関係者には多大な迷惑をかけてしまい、改めて心からおわび申し上げる」としている。

問題発覚後、内容を知った井上さんは、「来年初めにも新庄市を訪れたい」との意向を示している。
（2011年12月9日07時54分 読売新聞）