2chエロパロ板「大人しい女の子が逆レイプ」スレのまとめwikiです

【豚クズの登校 その1】

 想君に制服を着せていたら、女神様が入ってきました。
「あら、あはよう」
「あ、おはよう……ございます……?」
 どちら様ですか? という目で想君が私を見ています。
「えーっとね、親戚のお姉さん。ニート暮らしで実家を追い出されて、今こっちにいるの」
「……」
 もっとマシな説明は無かったのか、と女神様が睨んでます。
「よろしくね。想君でよかったかしら?」
「は、はい。よろしくお願いします」
 ぺこりと頭を下げます。出来た子ですね。

「はい、お弁当」
「あ、こりゃどうも」
 うわぁ、お弁当だ……何年ぶりだろう。
「想君のもあるわよ。良かったら食べて」
「え、あ、そんな、悪いです……」
「いやいや、少年、ここで貰わないのはさらに悪いと思うけど」
「あ、そ、そうですね。すいません、ありがとうございます」
 並んでお弁当持たされる私と想君。
「ほら、もう行く時間でしょ。遅刻しないようにね」
「はーい」
 な、なんだこのキャラは……世話焼きお姉さんみたいになってますけど。

「……お弁当の中、何か入れたんですか?」
 小声で女神様に聞いてみます。
「……あんた、発想が本当にクズね。何も入れてないわよ。
 料理くらいしないと、私のこの家での立場が無くなるでしょうが」
「……なるほど」



「優しいお姉さんですね」
 隣を歩く想君が言いました。
「え? 惚れたの?」
「え、い、いえ、そういうことじゃないです」
「気をつけて。ああ見えてあの人、あばずれだから」
「あば……ずれ?」
「学校で国語の先生に聞くといいよ」

 しかし、あの。
 人と並んで歩くの、難しいですね。
 私が普段、いかに早歩きなのか分かります。
 ゆっくり歩くと、学校への道のりがすごく遠くに感じます。
 まぁ、このまま永遠に着かなくてもいいんですけど。

「あ、想君ごめん、コンビニ寄って行っていい?」
「はい」
 漫画の立ち読みをして、飲み物を買って行きましょう。



 今日はマガジンの発売日です。
「やっと一歩が新展開ですねー」
「せんぱい、漫画読むんですか?」
「あ、うん、朝の儀式なんです。遅刻しても立ち読みだけはします」
「マイペースすぎですよ……」
「月曜なんて三誌ありますからね。ジャンプにヤンマガにスピリッツ。大変ですよ」
「す、すごい、ですね…………すごいのかな」
「よし、終わり」
「あ、早いですね」
「一歩と絶望先生と生徒会しか見てないんですよ。さて」
「あ、行きますか」
「次はサンデーですね」
「えー」
「ハヤテと神のみだけですから大丈夫です」



 学校が近づいて来ました。
 想君と登校していると、なんだかいけない事をしている気分になります。
 かの名セリフ「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし」が理解できます。
 私なんかが想君と一緒にいたら、当たり前ですけど煙が立ちますよね。
「うぅぅ……」
「? どうしたんですか、せんぱい?」
「い、いえ、なんでもないわ」
 かといって、いきなり離れて歩くわけにもいきませんし。

「あの……せんぱい、お昼休みに、先輩の教室に行ってもいいですか?」
「え、いいけど……あれ、私の教室、わかる?」
「は、はい……」
「……え、なんで知ってるの?」
「……。あの、怒らないで下さいね。前に、先輩のこと、追いかけて……」
「……想君、ストーカーさん?」
「ご、ごめんなさい……先輩のこと、知りたくて」
「……」

 あーっはっはっは!

 あまりの破壊力に私の頭がはじけ飛びそうになりました。
 これが、これこそが、ラブの力ですか。
 全てがどうでも良くなりました。人に噂される? 関係ねぇやい。

「それじゃお昼ご飯一緒に食べようか」
「は、はい」



 そしていつも通りの現実が始まります。

 教室に着くと、私はいつも通りすることがありません。
 おはようの声を掛けてくる人もいません。
 まぁ、いいんですけど。
 PSPでモンハンしてもいいですけど、絡まれるのが嫌ですし。
 結局いつも通り、窓の外を見て妄想にふけります。
 今日の妄想はいい調子です。
 想君をどうやっていじめるか、というテーマがありますから。
「ふふ……」「くすくす……」
 女子グループC(このクラスの女子は3グループに分かれています)がこちらを見てクスクス笑ってます。
 いつものことです。
 あんな風に、群れなければ何も出来なくて、見下さなければ安心できない人にはなりたくないですね。

 朝のHR。
「模試の結果返すぞー」
 担任がドサっと模試の成績表を持ってきました。
「お前は相変わらずすごいな。東大にでも行くつもりか?」
「いえ……」
 不必要な一言コメントをいただきました。
 あぁ、また余計な波風が……。
 朝のハッピー気分で溜まったハッピーゲージが、ガリガリ削られていきます。



「ねーねー、模試何点だったのー?」
「あ、ちょ」
 グループAの……名前分からないや。ナントカさんが私の成績表を奪っていきました。
「う、うわっ、すごい、なんだこれ!?」
「あ、か、かえしてください……」
 人が私の周りに集まってきます。
 背中にぶわっと嫌な汗が。
「うわ、すごーい!」「9割!?」「あたまいー」
「あ……」
 視線、視線、視線。
 チラチラと、私を直接見るわけでもないその視線。
 たとえば、外国人に向けられるような種類の視線。
 人垣の向こう、グループCから、また視線。
 羨望? 妬み? 敵愾心?
 好意的な視線が何一つ感じられないのは、私がねじれているからなんでしょうか。



 授業中は安心します。黙って勉強していればいいんですから。
 休み時間は胃が痛くなります。どうしてこの10分が、もっと早く過ぎないのか。
 トイレに逃げ込むのはダメです。あそこは集団で行くのがルールなんです。
 個室を待っている間がつらいんです。
 一人で行くと『あんた一人? プフッ』っていう世界なんです。

 この学校という豚小屋システムは何時になったら崩壊するんでしょうか。
 豚に餌をやる感覚でシステマティックに人間を育てられる、という考えがそもそも間違いなんです。
 豚同士が餌を取り合って喧嘩するに決まってるじゃないですか。

「あれ? 今日はお弁当なの?」
「……はい」
 私を目の敵にしているのか、グループCに取り込みたいのか分かりませんが、Cのリーダーが
話しかけてきました。
「お昼、一緒に食べる?」
「……いえ、先約がいますので、すいません」
「あっそう」

 ったく、飯くらい一人で食えんのか、こいつ等は。



 お昼休み。
 私は珍しく、机にぽつんと座って、お弁当箱を眺めています。
 お昼はいつも購買のパンばっかり食べていましたからね。
  お昼休み→購買に買いに行く→そのまま一人で食べる→お昼休み終了
 が、普段の流れでした。
 正直、お弁当箱があると、何をしていいのか分からなくなります。
 混乱レベルがMAX状態です。
 その時、グループAのナントカさんが話しかけてきました。
「ねぇ、あなたに可愛らしいお客さんが来てるよ」
「え? あ」

 なぜか凍て付く教室内。
 オドオドしてる想君。
 立ち上がる私。

 ――想君!

「ここじゃ食べにくいでしょ、どこか行こう」
「あ、はい」

 ドッと、私達が教室から離れると、喧騒が沸きました。

「ふぇ!?」
 想君、驚いたのか振り向きました。



 購買に隣接した休憩スペース。
 私達みたいに、カップルが多いのが特徴です。
 やっぱり、カップルは教室だと食べにくいですよね。
「あの……さっきのあれ、何だったんですか?」
「ああ、あれね……。ほら、私達先輩と後輩じゃない。
 やっぱり話題性があるんじゃないかしらね」
 まぁ真相は、私なんかが男を連れて、しかも年下、ということの意外性なんでしょうが。

「席、開いてないですね」
「そ、そうだね。どうしようか」
 棒立ちの私と想君。なんだかマヌケです。
 オイコラバカップルども、30円やるから席どけや。
 くっそ、人の話を聞く態度のカップルがいやしねぇ。

「あ、そうだ。放送室行こうか?」
「え――」
「ふふっ、今いやらしいこと考えた?」
「かかか、考えてないです!」
「ほほーぅ、それじゃ、行こうか」
「うぅぅ……でも……」
「だーいじょーぶ、何もしないから、ね」
 何か私、ラブホテルに女を連れ込む男みたいになってますね。
 あながち間違ってはいない、のかな。
 でも、今はとにかく、想君と二人でご飯が食べたい。
 エロいことよりも、そんな純粋なことを考えていました。
 どうして、でしょうかね?


【豚クズの登校 その1】 了

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