2chエロパロ板「大人しい女の子が逆レイプ」スレのまとめwikiです




第一話「道」

 「俺、君のこと好きなんだけど……」
歯切れの悪い言葉だった。告白というには、あまりに無骨である。
「付き合ってくれない?」
そう口にした後で、彼自身も思った。なんと頼りない告白だろうか。
だが彼にとっては、そもそも告白という行動自体が解せないものだった。もし失敗したら、気まずくなってしまうからだ。
とはいえ、今回は失敗するわけはないと確信していた。というのも、友達の話によると、こういうことらしい。
「この前千沙ちゃんに聞いてみたんだよ。お前のことどう思ってるのかって。まぁ、普通にいけるよ。告っちまえ」
友達のてきとうな言い方に一瞬だけ不信感を抱いてしまった彼であったが、すぐにそれを振り払う。物事を深く考えない、しかし考えが浅いわけではない。
彼の長所である。
 彼の名前は、桐原浩司といった。そして意中の相手の名前は、小林千沙。
二人は同じ大学に通う学生であり、ついでにサークルも一緒である。出会いは、そこからだった。
「……え? ほんと? ほんとに……? 」
おざなりな告白であったが、彼女は大きめの瞳に涙を堪えると、わんわんと泣き出した。
「えぐっ……よろしく……お願いしますっ」
泣くほどうれしかったらしい。一応「内定」をもらっていた身とはいえ、浩司の身を幸福感が満たしていった。
彼女ができたからではない。「好きになれる女性」ができたからだ。
中学高校と、彼は彼女を作ろうと思えば、「彼女」には不自由しなかっただろう。彼はノリがいい性格をしており、自然とグループの中心にいる存在だった。
顔も悪くないし、スポーツだってできた。ついで、頭もかなりよかった。そのおかげで、彼が今通っている大学は、私立の中では最難関に位置する大学である。
 今まで、彼の人生では大きな失敗はなかった。いや、一つだけ、あったと言えばあったかもしれない。





第二話「過去の傷跡」


 「俺、彼女できたわ」
浩司は、カフェでとある人物に昨夜のことを報告していた。彼の報告を聞くと、相手は祝福するかのようにほほ笑んだ。
「おめでとう。よかったね、浩司君」
さながら、それは妖精の微笑のように美しかった。しかしその一方で、その顔は瑞々しい幼さを失ってはいない。
彼女の名前は、黒埼小雪といった。桐原浩司とはいわゆる同い年で幼馴染という間柄である。そして、現在彼と一緒の大学に通っている。
あまり運動は得意ではないが、頭脳明晰で、浩司のできない家事を軽々とやってのける。そして、身体の起伏は年相応なものの、
その顔だちは男を惹きつける、美しいものであった。
性格も優しく努力家で、誰もが好印象を持つであろう人物である。
そして、浩司が負い目を、責め苦を背負っている人物でもあった。
あれは、浩司と小雪が小学2年生の時であった。マンション住まいであった二人は、他のマンション住まいの子供たちと、よく一緒に遊んでいた。
部屋にいるときはゲームやおもちゃで遊んだり、外にいるときは、もっぱらマンション全体を使った鬼ごっこをやったり。その中でも特に、鬼ごっこはよくやった。
都会っ子には珍しく、彼らは身体を動かす遊びを好んだ。
 その日も、いつものように鬼ごっこをやっていた。浩司も小雪も鬼ではなく、必死にマンション内を逃げ回っていた。特に浩司は、いつも以上に神経を張り詰め、逃亡していた。
最近よくつかまっていたので、そのことを気にしての行動である。
――よし、ここにもいない――
浩司は足音を殺し、ゆっくりと移動していた。今日こそは捕まらないぞ!そう自分に言い聞かせて。
2階の踊り場について周りを見渡すと、小雪が階段に座っていた。走りつかれたのだろうか。声をかけようと思った浩司だったが、ふとあることを思いついた。
――いいこと思いついた――
浩司は今まで以上に抜き足差し足で、休憩している小雪の背後に移動する。
そして「わっ!」という瞬間だった。本当に、他意はなかった。単なる子供心でのいたずらであった。
そのはずだった。だが、ふと、小雪が立ち上がったのである。
あ。という瞬間には、バランスを失った小雪が階段を転げ落ちていた。どうしようもなかった。
「小雪……? 」
恐怖も何もなかった。人ごとのようだった。
そのあと小雪は病院に運ばれた。診察を待っている時間が、嘘のようだった。まるで夢を見ているようだった。
「現実感」が圧倒的に不足していたのだ。子供だから仕方がない。
どうであれ、この時点では、浩司はこの事の重大さを理解していなかった。
しばらくして診察室から看護師がでてきて、小雪の両親をよんだ。何やらおじさんとおばさんが怖い顔してる。
浩司は、そんな認識だった。
しばらくして、彼女の両親が診察室からでてきた。
小雪は両足を悪くしていた。
――治らないかもしれない――
――一生車いすの生活かもしれない――
小雪の親から、そう言われた。

>798続き
第三話「不安の千沙」

「ねぇ、浩司君。そういえば浩司君って幼馴染さんいたよね?ほら、あの結構美人な子」
デートが終わり、千沙は浩司の家にきていた。浩司は散らかってるから!と一度は断ったのだが、無理やりともいえる勢いに負け、結局千沙を招き入れた。

「あーうん。いるけど」
浩司は少し緊張しつつ、答える。部屋に小雪以外の女の子を入れたのは久しぶりであるし、しかも彼女である。浩司も男であるし、そういった行為には人並みに興味を持っている。
かといって付き合い始めて数日しかたっていない今、もしそういう雰囲気になった場合彼女を抱いていいのか、と苦悩していた。
「どうしてあの子と付き合わなかったの?」
千沙に目を向けると、彼女はじっと、浩司を凝視していた。
浩司はそれに少したじろいだが、気を取り直して答えた。
「どうしてって言われてもね……。千沙のこと好きになったから千沙と付き合った。それだけだよ」
実際、どうして好きになったとか、付き合わなかったとか、そんな質問をされても
明確な答えは出せない、と浩司は思った。確かに千沙の顔は可愛い。それも彼女を好きになった
要素の一つではあるが、根本はそうではない。フィーリングだ。浩司はそう思った。
「ふーん……。そっか」
浮気を疑われているのか、単に彼女が不安になっているだけなのか分からないが、彼女の素っ気ない返事に、浩司は少しめんどくさい、と感じた。
実際、そういうのであれば、千沙のほうこそどうして他の男と付き合わなかったのだろうか。サークルで出会ったのは確かだが、正直なところ浩司はこのサークルを楽しんでいるわけではないし、
あまり出席しているわけでもない。
遊ぶ友達ももっぱらサークル外の友達であるし、浩司には千沙が自分に惚れる理由こそわからなかった。
「まぁ、なんにせよ、俺が今一番好きなのは千沙だから。それは確かだから」
歯の浮くようなセリフだったが、千沙には効いたようである。
千沙は顔を真っ赤にすると、浩司にすり寄り、身体を預けた。
とはいえ、その日浩司と千沙が身体を重ねることはなかった。



第四話「小雪の憂鬱」

 「はぁ〜……」
黒埼小雪は、今日もため息をついていた。ここ数日、ずっとため息ばかりだ。
理由は、彼女にも、周りの人間にも自明だった。浩司に彼女ができたからだ。
周りの人間は、浩司と話す時の小雪の笑顔が一番美しいと知っていたし、
二人は良く一緒にいた。周囲の人間には、浩司と小雪は付き合っているという認識の者も少なくなかったし、ついでにいうと結婚するんじゃないか、
と思っていたものもいた。
その矢先に、この事件である。
「小雪、あんたさぁ、このままでいいわけ?」
小雪とは高校時代からの友人である中川綾子が、たまらず問いかけた。
どう考えても、いいわけがない。今の小雪は、ここのところ毎日元気がなかった。
ここ数日小雪と浩司が一緒にいるところを見たことがなかったので問い詰めた結果、浩司に彼女ができたという事実を知ることになった。
――だいたい、桐原も桐原だ――綾子は、浩司の屈託のない笑顔を思い浮かべては、憎々しく思った。
浩司が小雪の思いに気づいていないわけない。それをわかっていながら、浩司は他の女と付き合った。綾子は、いや綾子だけでなく、周りの人間はおおむねそう認識していた。
周囲の人間の中には、そのことに「おいおい……」といった感情を持つものもいたし、その中でも、綾子の怒りは格別だった。
「私は……浩ちゃんが幸せなら、それでいい……かな」
小雪は弱弱しくほほ笑む。それは風前のともしびのように頼りなかった。
そして、誰の目から見ても無理していることはバレバレである。
綾子のいら立ちを助長しているのが、この小雪の煮え切らない態度であった。誰がどう見ても、小雪は我慢しているようにしか見えなかったし、自分は高校時代から二人の仲を見てきている。
それだからこそ、こんな状態を看過することはできなかった。
だが、肝心の小雪がこうでは、話が進まない。綾子は、わからなかった。
「どうして? ねぇ小雪、あんた悔しくないの?あんたね、隠しているつもりなのかもしれないけど、あんたが桐原のこと好きなのはバレバレなんだよ? なのに……」
一気にまくしたてても、あくまで小雪はほほ笑みを崩さなかった。しかし、一瞬だけ、遠くを見るような眼をして、ぽつりとつぶやいた。
「もうね、私は足手まといにはなりたくないの」
それは、どこまでも儚げで、それでいて現実であった。
「もしも……もしもね。浩ちゃんが幸せじゃないんだったら、その時は、ね。だから心配しないで」
綾子は思った。「その時」はいつくるのだろうか、と。いつかは別れるのだろうが、今の浩司と千沙の状態はどうみてもラブラブで、しばらくは別れそうにはなかった。
綾子は小雪が死んでしまわないか、本気で心配した。それくらい、今の小雪は脆いガラス細工のように、儚げだった。
しかし、それは杞憂に終わることとなる。
転機は、綾子が思ったよりずっとずっと早かった。

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