POG-6：第3試合

対戦カード

入場

　先に入場してきたのは青コーナー「ブルー・ジャスティス」の面々。戸次ちあきのテーマソング「Good-bye crisis」に乗って、戸次・小湊・望月の三選手が入場してくる。

三選手ともいつもより幾分固い印象。いつも淡々と入場する戸次はともかく、普段は愛想のいい小湊・望月の二人も今日は観客の声援にそれほど応えることもなくリングインしていく。それだけ、この一番にかけているということか？
　対する小悪魔軍団。入場からの奇襲もあるか？と思われたが、ここでの動きはなし。続いて琴野・魅那・そして“X”組がコールされ、入場曲が流れる。

　入場曲が流れると同時に会場がざわつく。流れてきた曲は琴野のテーマでも、魅那のテーマでもない。となれば必然的に“X”のテーマソングとなるのだが……。

　右に琴野、左に魅那を従え、入場口から姿を見せたのは望月琴美！　かつて極東女子プロレスで頂点を極めたレスラーの登場に会場からは驚きと興奮が入り混じったような歓声が響く。
　強力なパートナーを得て余裕の表情で入場する琴野と魅那。対する青コーナー側、戸次と小湊は予期せぬ相手に動揺は隠せない様子。唯一美芳だけがいつもの調子でアップをしているが、これは事前に知っていたからなのか？　それとも平静を装っているのか？

▼写真＝小悪魔軍団を従え入場する琴美。女子プロレス界のレジェンドがPLUS ONE Girlsのマットで今ベールを脱ぐ！

レポート

　青コーナー側はあらかじめ美芳が先発と決めていたのか、早々に小湊と戸次はエプロンに下がる。対して赤コーナー側はその様子を見て琴美が琴野と魅那の両者を抑え先発を買って出る。いきなりの母娘対決の実現に早くも会場はヒートアップ！
　母娘同士のにらみ合い、先に仕掛けたのは母の琴美。地獄突きを娘の喉笛に叩き込むと怯んだところにボディブロー一閃！　「胃袋クラッシャー」の強烈な一撃に美芳は苦悶の表情。なんとかフロントスープレックスで琴美を投げ飛ばし小湊にタッチするもダメージはかなり深刻な様子。
　変わった小湊は勢いよく飛び出しヒップアタックを琴美をなぎ倒す！　さらに攻勢に出ようとグラウンドに持ち込むが、ここは逆に琴美が小湊をスリーパーに捕える！　さらに琴美はボディシザーズでじっくりと小湊の体力を奪うと動きの鈍った小湊の股間に急所キック一閃！　急所を蹴られ悲鳴を上げて崩れ落ちる小湊。格下のレスラー相手にも容赦のない琴美の攻撃に会場からは大ブーイング！
　小湊はなんとかフランケンシュタイナーを決め、戸次にタッチするもエプロンからそのままマット下にエスケープ。琴美の非情な攻撃に戦闘不能にまで追い込まれてしまった様子。
　赤コーナーも琴美から魅那に変わったがここからは戸次が奮闘。自身の大きい身体を活かしたボディアタックで魅那をなぎ倒すと、さらにボディスラムで叩きつけ一気にグロッキーに追い込む！　たまらず魅那は琴野にタッチ！
　タッチを受けた琴野は手数で攻めていくが一発一発が軽くなかなかダメージを与えられない。逆に戸次はショルダーアタックで琴野を吹き飛ばし一撃で優位な状況を作り出していく。
　このまま戸次ペースで試合が進むかと思った矢先、不用意に近づいた戸次の股間に琴野の拳が炸裂！　思わぬ一撃に悶絶する戸次を尻目に琴野は悠々と琴美にタッチ。
　悶絶した戸次とコーナーで十分に体力回復した琴美では勝負にならない。琴美はまずはアイアンクローでじっくりと戸次を痛めつけると、続いて得意の胃袋攻撃であるニーリフトを叩き込む！　横隔膜がよじれるような一撃に呼吸の自由を奪われ苦悶の表情を見せる戸次。その喉笛に琴美のコブラクローが襲い掛かる！　薄れいく意識の中で何とかパートナーの救援を待ちたい戸次だったが、小湊は未だ場外でセコンドの介抱を受けている状態、マット内に入ろうとした美芳も小悪魔軍団の襲撃を受け救援不可能な状態。前回大会の再現のような展開に心折れてしまったか、たまらず琴美の身体をタップし降伏を宣言。琴美の独壇場と言ってもいい展開で小悪魔軍団がブルージャスティスを下した。