| クエスト名 | ステージ (CP) | 出 題 ジ ャ ン ル パ ネ ル | 消 費 ス タ ミ ナ | 取 得 経 験 値 | 取 得 ラ ン ク ポ イ ン ト | 取 得 ワ ン ダ ー ポ イ ン ト | 取得 ゴールド (目安) | 入手可能 ワルキューレ | 入手可能 モンスター ランク(Lv) | 進行率 | 必要ランク |
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回 数 | % |
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1 | 迷い込んだ世界 | 迷い込んだ世界★ (1.00) | 地 水 火 風 | 10 | 34 | 1 | 10 | 2305 | (UC)紅蓮の拳 紅葉(3問/60秒) | 緑うさっぴ(15) | 3 | 33% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:アースビースト HP:1万 単体2500ダメージ/初回4ターン⇒以降4ターン 報酬:(R)疾風の業 シャティ(45) (初回のみ) | ドロップなし |
2 | 三獣士とイタズラ | 三獣士とイタズラ★ (1.10) | 地 水 火 風 | 20 | 77 | 1 | 22 | 2460 | (R)翠風の奇跡 ミフィ(3問/60秒) | 青うさっぴ(15) ブルーコボルト(12) リトルキャット(10) | 3 | 33% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:海賊少女 レイナ HP:5万 単体2500ダメージ/初回3ターン⇒以降3ターン 報酬:(SR)犬の裁判官 ロイネ(30) (初回のみ) | ドロップなし |
3 | 彷徨える一行 | 彷徨える一行★ (1.20) | 地 水 火 風 | 30 | 84 | 1 | 36 | 12202 | (UC)忠義の侍 ひなぎく(4問/50秒) | ブルーコボルト(15) | 5 | 20% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:大海原の姫 メーマ HP:15万 全体3000ダメージ/初回2ターン⇒以降3ターン 報酬:(R)二律背反 ルアリル(45) (初回のみ) | ドロップなし |
4 | 料理対決! | 料理対決!★ (1.25) | 地 水 火 風 | 40 | 84 | 1 | 50 | 18122 | (R)勇気と戦斧 ロトア(4問/50秒) | リトルベア(15) ダークガーゴイル+(12) マジカルベア(10) | 5 | 20% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:誇り高き部族 スー HP:20万 全体4000ダメージ/初回4ターン⇒以降3ターン 報酬:(SR)気功の神髄 アラシア(30) (初回のみ) | ドロップなし |
5 | 女王の正体 | 女王の正体★ (1.35) | 地 水 火 風 | 50 | 84 | 1 | 65 | 18622 | (UC)紅蓮の拳 紅葉(5問/45秒) | アイスガーゴイル+(12) レッドコボルト(15) フレアガーゴイル+(12,15) マジカルドッグ(10) ファイアビースト(8) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:炎の料理人 リュテ HP:25万 全体3000ダメージ/初回3ターン⇒以降3ターン 報酬:(SR)犬の裁判官 ロイネ(30) (初回のみ) | ドロップなし |
6 | 野望崩壊 | 野望崩壊★ (1.40) | 地 水 火 風 | 20 | 104 | 1 | 28 | 18520 | (R)翠風の奇跡 ミフィ(4問/50秒) | フレアガーゴイル+(12) (12,15) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:小さな妖精 リーディ HP:50万 全体4000ダメージ/初回3ターン⇒以降3ターン 報酬:魔力の石 1個(初回のみ) | ドロップなし |
7 | 女王の深層世界1 | 女王の深層世界1 (1.50) | 地 水 火 風 | 30 | 104 | 1 | 45 | 25228 | (R)放つ螺旋弾 フリス(5問/40秒) | マジカルドッグ(14) フレアキマイラ(14) ブルーコボルト(15) アイスガーゴイル+(18) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:ファイアジェネラル HP:60万 全体4000ダメージ/初回4ターン⇒以降3ターン 報酬:魔力の石 1個(初回のみ) | ドロップなし |
8 | 女王の深層世界2 | 女王の深層世界2 (1.50) | 地 水 火 風 | 40 | 104 | 1 | 60 | 33924 | (UC)治癒の薬師 ナディ(5問/45秒) | イエローコボルト(15) アースビースト(14) ダークキマイラ(14) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:ダークジェネラル HP:75万 全体4000ダメージ/初回3ターン⇒以降3ターン 報酬:魔力の石 1個(初回のみ) | ドロップなし |
9 | 女王の深層世界3 | 女王の深層世界3 (1.60) | 地 水 火 風 | 50 | 104 | 1 | 80 | 31826 | (R)朱き灼剣 ルヴィア(5問/40秒) | グリーンコボルト(15) スタンガーゴイル+(18) マジカルラビット(14) ウィンドビースト(12) スタンキマイラ(14) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:サンダージェネラル HP:90万 全体5000ダメージ/初回2ターン⇒以降2ターン 報酬:魔力の石 1個(初回のみ) | ドロップなし |
10 | 女王の深層世界4 | 女王の深層世界4 (1.66/) | 地 水 火 風 | 60 | 104 | 1 | 100 | 29416 | (R)翠風の奇跡 ミフィ(5問/40秒) | イエローコボルト(15) ブルーコボルト(15) アイスガーゴイル+(18) マジカルキャット(14) アイスビースト(12,14) アイスキマイラ(14) | 6 | 16% | 駆け出し マスター 以上 |
BOSS:アイスジェネラル HP:100万 全体5000ダメージ/初回1ターン⇒以降2ターン 報酬:魔力の石 1個(初回のみ) | ドロップなし |
★:茶番(会話イベント)有り
茶番(ネタバレ注意)
★1-1「迷い込んだ世界」クリア時
マスター「──ロイネ、ロイネ!」
ロイネ「ふしゃあっ!? マ、マスター!?」
アラシア「ああ、やっと起きてくれたぁ〜!これで起きなかったら、百年後には爆発するけど、一発で起きるツボを押さないといけないところだったよ、もう」
ロイネ「ま、またよく分からないけど怖いツボがぁ・・・・・・!」
ラルネ「ロイネ〜目を覚まして良かったにゃぁ・・・・・・!」
ロイネ「ラルネも・・・・・・? ここは、どこ?」
レフネ「そいつはレフネ達も聞きたいぜ」
マスター「俺達も、ここがどこなのか、分からないんだ」
そこは、穏やかな丘陵地帯だった。地平線の向こう側に続くような野原と樹木。頭上にはどこまでも続く青い空。名前の知らない鳥が静かに飛んでゆく。
酷くのどかで、牧歌的な情景がどこまでも続いていた。
ロイネ「こ、ここ、どこ・・・・・・? さっきまで僕達がいたとこじゃない!?」
マスター「そうなんだ。俺達も気付いたらここにいてね。とりあえず一通り調べてみたんだけど、どこまで行っても同じ風景なんだ。人の気配も無い」
ロイネ(もしかして、リーディの魔導書が原因で・・・・・・!?あの黒いのからして、絶対にそうだぁ・・・・・・!ど、どどど、どうしよう! とりあえず黙って・・・・・・)
アラシア「ねね、ロイネ、これって絶対に、あの魔導書だよね!?」
マスター「魔導書・・・・・・?」
ロイネ「そ、それはねぇ〜! えっと〜!?」
その時、鋭い銃声が響き、さっきまでロイネがいた場所に、弾丸が撃ち込まれた。
マスター「銃!? 誰だっ!?」
レイナ「今のよく避けたわね! さすがと言っておくわ、女王様の野望を邪魔する愚か者共!」
レフネ「レイナ!? レイナもここに来てたのっ!?」
ラルネ「待つにゃ! 様子がおかしいにゃよ!」
アラシア「そもそも女王様って?」
マスター「いや、俺に聞かれても分からないよ」
レイナ「聞きしに勝る不敬者め! さぁ大人しくなさい! 苦しみが増すだけよ!」
マスター「くそ、やるしかないか!」
★2-1「三獣士とイタズラ」クリア時
レイナは加減をして倒せるような相手じゃない。けれど、こっちは五人だ。レイナを傷つけないように注意しながら、制圧する事ができた。
アラシア「睡眠のツボを押したから、これで一週間は目を覚まさないよ」
マスター「い、一週間もか。でも、これで安全だね。でも、女王様か。しかも俺達、女王の邪魔をする勇者になってるし・・・・・・」
ラルネ「レイナ、こっちの言う事を全然聞いてくれなかったにゃ。明らかに普通の雰囲気じゃなかったにゃ!」
レフネ「ロイネ! さっきアラシアが言ってたリーディの魔導書ってどういう事だ!?」
ロイネ「そそそそそそれはそのーっ!」
マスター「ロイネ。怒らないし叱らないから、話してくれないかな?」
優しく頭を撫でながら、ロイネから話を聞き出す。
マスター「リーディの魔導書から黒いモヤのようなもの、か」
アラシア「マスターは知ってるの?」
マスター「うん、ちょっとね。だとすれば、こいつは厄介だぞ。魔導書を持ち出すと、往々にしてロクな事にならないっていうのに。あの魔導書は明らかに危険なものだ」
ロイネ「ごめんなさい、マスター・・・・・・皆も、ごめんなさい・・・・・・」
レフネ「気にするな気にするな! 三獣士とイタズラは切っても切れない熱い関係なんだぜ! なぁラルネ!」
ラルネ「そうだにゃ! というか、どうして声をかけてくれなかったんだにゃ!?」
ロイネ「レフネ〜ラルネ〜!」
マスター「はいはい、そういうのは事態を打開してからね?」
アラシア「マスター、こういう時は情報収集が大切だよ。レイナをけし掛けた女王について調べよう!」
マスター「・・・・・・そうだね。ラルネ、レフネ、君達は二人で東の探索を。僕とアラシアとロイネは西を調べる。三時間後、またここで落ち合おう」
ラルネ「分かったにゃ!」
レフネ「任せてよ!」
ロイネ「頑張る!」
アラシア「やりますよ〜! で、レイナちゃんはどうする?」
レイナは静かに寝息を立てて、暴れ出す気配は無い。
マスター「武器だけ隠して、どこかに寝かせておこう。一週間も起きないなら大丈夫だろう」
こうして俺達は二手に分かれて、この謎の世界の探索を始めた。ロイネとアラシアを連れて、東に伸びる小さな道を進み始める。だが、どれだけ進んでも同じ風景がどこまでも続いていた。
マスター「・・・・・・これ、結構滅入るね」
ロイネ「お弁当があればピクニックって感じだったんだろうけど・・・・・・」
アラシア「何か刺激があればいいんだけどなぁ」
ロイネ「レイナみたいに仲間に襲われるのは嫌だよ!」
モンスター「グゥルルゥゥゥゥゥ!」
突然だった。何の前触れもなく、俺達の前に魔物の群れが現れた。
ロイネ「ど、どこからっ!? 全然匂いなんてしなかったよ!?」
マスター「やるしかない! 皆、油断するな!」
三人でカバーし合いながら、突如現れた魔物の群れを撃破してゆく。魔物達はそれほど強くはないが、何も無い所から、いきなり出てきた。警戒しながら戦うのは、意外と神経を消耗させてくれる。
ロイネ「これで最後!」
モンスター「グギャアアアアアア!」
最後の一匹が倒れた時、今度はメーマがどこからともなく現れた。
メーマ「偉大なる女王様から授かった魔物達を、よくも・・・・・・!」
アラシア「メ、メーマちゃん、目がすっごく怖い事になってるぅー!」
マスター「メーマも女王様か。女王様って一体何者なんだ・・・・・・?」
ロイネ「マスター、来るよ!」
メーマ「女王様の為にぃぃぃぃぃぃーっ!!!」
★3-1「彷徨える一行」クリア時
メーマ「むぎゅぅ〜・・・・・・」
マスター「ふぅ、なんとかなったか」
アラシア「じゃ、レイナちゃんと同じように、睡眠のツボを押しておくね!」
マスター「ああ、頼む」
アラシア「ふふ〜ん、実は人魚のツボって興味あったのよね〜♪身体の構造が人間と絶妙に違うっていうか・・・・・・あ、あれ」
ロイネ「どうしたの?」
アラシア「思った以上に骨格とかが違ってて・・・・・・ん〜! ここ!」
『ズビュシッ!』
マスター「ちょ! アラシア、ツボ押すって音じゃなかったよ今!?」
アラシア「起きられるとよくないからね。ちょっと強く押しただけだよ。大丈夫だって! ・・・・・・多分」
マスター「おい」
メーマ「んぅ〜マスタぁ〜わたしの王子様ぁ〜むにゃむにゃぁ〜」
アラシア「ほ、ほら、寝言はいつものメーマになってる!」
これ、絶対に結果オーライだろ・・・・・・でも、メーマが幸せそうに眠っているのは事実だ。
マスター「しかし、レイナといい、メーマといい、明らかに普通じゃなかったぞ」
ロイネ「ぼく達の話も聞いてくれなかったし・・・・・・女王様って奴に操られてるのかな?」
マスター「かもしれないね。でも、一体何者なんだろう。この空間を作っているのは、あの魔導書だと思うんだけど」
情報が欲しいところだけれど、話を聞けそうな人間がどこにもいない。まさか襲ってきた魔物に聞く訳にもいかないだろう。ラルネとレフネは大丈夫だろうか。
アラシア「マスター、メーマはどうする? またどこかに寝かせておく?」
マスター「いや、俺が背負っていく。この空間、何が起こるか見当もつかないからね。もう少し先を調べたら、一旦戻ろう。ロイネ、モンスターの匂いに注意して」
ロイネ「もちろんだよ!」
こうして俺達は先に進み始めた。だけど、この牧歌的な情景は、やはりどこまで進んでも変わらなかった。
あまりに変化に乏しい時間の流れに、外にいるはずなのに、まるで迷宮の中を彷徨い歩いているような錯覚すら感じるようになってきた。
ロイネ「マスタぁ〜、ぼく、目が回ってきたぁ・・・・・・!」
マスター「俺も、平衡感覚がおかしくなってきたところだよ」
アラシア「時間的にも戻らないと駄目だね、これは」
マスター「よし、じゃ元いた場所に戻ろうか」
踵を返そうとした時、ロイネの犬耳がぴくんと跳ねた。
ロイネ「マスター!」
マスター「魔物かっ!?」
ロイネ「ううん、この匂いは・・・・・・!」
スー「お前達かっ!? 我が女王様に盾突く勇者共というのは!?」
アラシア「今度はスーか!?」
スー「女王様はこの世界を支配するお方だ! じ・・・・・・じひぶかく? あれ、そうめいな? え、えっと・・・・・・と、とにかくすっごく良い人だ!そんな女王様を倒そうなんて、このあたしが許さないぞ!」
スー「でも、すぐにごめんなさいするなら、女王様に許してやってくれって言ってやってもいいよ?」
マスター「・・・・・・自己防衛の為だって言っても駄目かな、これは・・・・・・」
スー「じこぼーえいって、なんだ?」
ロイネ「スーにむつかしい言葉は通じないよぉ〜マスタ〜!」
スー「あ〜馬鹿にしてっ! ふん、気が変わった!やっぱりお前達は女王様の敵だ! ここでやっつけてやる!」
ロイネ「わんわん! そういう訳にはいかないもん!」
★4-1「料理対決!」クリア時
スー「じ、女王様ぁ〜ごめ〜んっ・・・・・・!」
マスター「ふう、何とかなったな」
スー「くっ、ころせ〜!」
ロイネ「それ、スーの台詞じゃないような気がする」
アラシア「ねね、マスター。スーに開発中のツボを試したいんだけど、いい?」
マスター「命の危険に関わりそうだから却下」
アラシア「そんな危ないツボは開発しないって!眠気覚まし用のツボなんだけどね。脳が一気に覚醒するから、正気じゃなくなってる人に効くかなって思ったんだけど」
なるほど。脳に刺激を与えるツボなら、意識操作をされている人間に何かしらの効果が望めるかもしれないという訳か。
マスター「・・・・・・他に情報を得られる状況じゃないしな・・・・・・よし、分かった。アラシア、お願いできるかな?」
アラシア「まっかせて! さぁロイネ、スーを押さえて!」
ロイネ「はぁ〜い!」
スー「な、なに? なになにやめっ──!」
アラシア「ダイジョウブヨーイタクナイヨーヘイキダヨー」
スー「ひっ──ひやあああああああああああああああっ!」
『ズビュシッ!』
何故だろう。ツボを押したはずなのに、また凄い音がしたぞ。
アラシア「あ」
マスター「あ、ってなに!? あ、ってなんなんだい、アラシア!?」
アラシア「だ、大丈夫大丈夫! スーが暴れたからちょっと手元が狂ったとか、押すと一生横歩きしかできなくなるツボを間違って押しちゃったとか、そういう事じゃないから!」
ロイネ「ええぇっ!? それって、スーがカニみたいになっちゃうって事!?」
アラシア「そこでカニが出てくるところはロイネらしいと思うけど!?と、とにかく大丈夫だって! ほら、スーを見て!」
スー「う、うぅぅ〜・・・・・・!」
マスター「いや頭抱えて唸ってるけど!? やっぱり何か間違えたんじゃないの!?」
アラシア「わたしがそんなミスする訳ないじゃない! まぁ見てて!」
スー「・・・・・・あれ、あたし、なんで・・・・・・マスター酋長?」
ロイネ「マスター! スーが正気に戻ったよっ!」
マスター「スー、大丈夫? 痛いところはない?」
スー「頭が割れちゃうくらいいたぁい・・・・・・!」
マスター「そんな時にごめん。どうしても君に聞きたい事があるんだ。スーはさっき、俺達を女王様の敵だって言って襲ったんだけど覚えてる?」
スー「じょ、女王様? なにそれ・・・・・・いっ〜っ! やっぱり頭痛いよ〜っ!」
マスター「あぁ、ごめん! でも、そっか、覚えてないか・・・・・・」
アラシア「どう、マスター、スーを正気に戻せたでしょ!?」
マスター「う、うん。ありがとう、アラシア。疑ってごめん」
アラシア「いいっていいって。・・・・・・あー手元狂って良かった。カニ歩きと目覚ましのツボを間違えてたわ」
もの凄く聞こえちゃいけない呟きが聞こえたぞ・・・・・・!?やっぱり失敗してたじゃないか! 結果オーライ論だぞ、それ!
よし、決めた。肩凝りになっても、アラシアに指圧を頼むのはやめよう。そう硬く心に誓うと、静かになったスーが顔を上げた。
スー「マスター酋長・・・・・・こ、ここはどこ?あたし、部屋で斧の手入れしてたはずなんだけど・・・・・・」
困惑の表情で周囲を見渡すスー。その表情からして、嘘を言っているように思えない。どうやら俺達と同じように、突然この世界に来てしまったようだ。
マスター「ありがとう、スー。辛かったら眠っていいよ」
スー「う、うん、そうする・・・・・・なんか、ごめん・・・・・・」
そう言って、スーはすぐに寝息を立て始めた。アラシアにお願いして、彼女を背負ってもらう。
マスター「よし、今度こそラルネ達と合流しよう」
魔物達を警戒しながら、最初にいた場所まで戻る。行きもそうだったが、帰りも風景が変わらないので、戻っている感覚が無かった。
マスター「気が滅入るなぁこれ。出口の分からない迷路を進んでるって感じだ」
アラシア「マスター、お腹空いたよぉー」
マスター「俺もだよ。合流したらご飯の事も考えないと」
ふと、ロイネが足を止めた。くんくんと鼻を鳴らしている。
ロイネ「マスターマスター! すっごく良い匂いがする! こっち!」
マスター「あ、こらロイネ!」
駆け出したロイネを追いかける。ロイネは野原の中に突っ込み、自由気ままに進んでゆく。
アラシア「ボールを投げられた犬みたいね!」
マスター「でも、確かに良い匂いがするぞ」
やがて野原が消えて、どこからともなく屋内に辿り着いた。
マスター「こ、これは・・・・・・!?」
そこにあったのは、厨房だった。道のど真ん中に、立派な厨房が置かれている。しかも調理中らしく、火にかけられた鍋はぐつぐつと揺れていた。
アラシア「・・・・・・もう、何がどうなってるの、ここ・・・・・・!?」
マスター「ロイネはあの厨房の匂いに誘われたのか?」
ロイネ「マ、マスター! ラルネとレフネがっ!」
厨房の上──正確にはまな板の上に、ラルネとレフネが簀巻きにされ、寝かされていた。気を失っているのか、微動だにしない。
マスター「いけない! 二人を助けるぞ!」
???「ちょ〜っと待ったぁっ!」
マスター「その声は・・・・・・!?」
リュテ「女王様の料理番リュテさぁーっ!女王様への献上品に手をつけるたぁ良い度胸じゃないか!」
マスター「献上品って・・・・・・! リュテ、ラルネとレフネを忘れたの!?」
リュテ「あんたが何を言ってるか、あたしには分からないね!あたしは女王様の料理番として、女王様にご満足いただける料理を作るだけさ!」
ロイネ「ダ、ダメだよ! ラルネもレフネも食べちゃダメぇ!絶対にお腹壊しちゃうから!」
アラシア「説得して聞いてもらえるような雰囲気じゃないけど、どうするの!?」
マスター「くっ・・・・・・仕方ない、スー達と同じように実力行使で・・・・・・!」
リュテ「おっと、下手に動くと、この食材達に傷が入っちゃうかもよ?」
ロイネ「リュテ〜やめてよ〜!」
リュテ「そこまでやめて欲しいのなら、あたしと料理勝負しな!もしあんた達が勝ったら、この二人は返してやる!」
マスター「・・・・・・もし、俺達が負けたら?」
リュテ「そっちの犬っ娘を貰うよ」
リュテは一人前の料理人を自認するほどだ。彼女が作る料理で美味くなかったものは無い。料理対決をしたところで負けは目に見えている。
マスター「でも、やるしかないか」
ロイネ「マスター、ここはぼくが頑張る! 料理なら、ちょっとだけ自信あるもん!それに、こうなっちゃったのは、魔導書を持ち出したぼくのせいだから・・・・・・!」
マスター「ロイネ・・・・・・分かった、君に任せる!」
ロイネ「ありがとう、マスター! さぁリュテ! ぼくが相手になるぞ!」
リュテ「じゃ勝負よ! お題は豆腐料理!」
マスター「・・・・・・どうして豆腐料理?」
★5-1「女王の正体」クリア時
マスター「ど、どうしてだろう・・・・・・料理勝負を見ていたはずなのに、リュテと戦っていたような疲労感が・・・・・・!」
アラシア「ところで、この勝負の勝ち負けって、誰が決めるの?こういう料理勝負って、審査員みたいなのがいないと決着つかないと思うんだけど」
リュテ「安心しな! こっちでこれ以上無い審査員をお呼びしてるから!」
???「──良き豆腐料理があると聞いて来たのじゃが、ものはどこじゃ?」
リュテ「お待ちしておりました、リーディ女王様!」
リーディ女王「くるしゅうない、面(おもて)を上げい」
アラシア「リ、リーディ!?」
マスター「じょ、女王様ってリーディの事だったのかっ!?」
リュテ「様を付けよ無礼者共め!」
リーディ女王「良い良い、報告は聞いておる。なんでも私を知らぬ者達というではないか。無知は憐れんでも良いが、怒りを向けてはならぬ」
マスター「す、すごく優雅な喋り方だ・・・・・・!」
リーディ女王「して、我が料理番よ。豆腐料理はどこじゃ?」
リュテ「ははっ・・・・・・! ではまずリュテがお作りしたものから!こちら、豆腐ハンバーグにございます!」
ロイネ「ぼ、ぼくはマーボー豆腐だよ!」
リーディ女王「ふむふむ・・・・・・湯豆腐以外はとんと食べぬが、双方、良き匂いをさせておる」
リュテ「リーディ様! どうかどちらの豆腐料理が優れているか、御身の舌を持って判定を下していただきたく存じます!」
リーディ女王「我が料理番が負けるとは思えぬが・・・・・・まぁ、良かろう。ではまず豆腐ハンバーグから頂こう」
どこからか箸を取り出したリーディは、ほかほかと湯気と匂いを燻らせる豆腐ハンバーグを口に運ぶ。正直、メチャクチャ美味しそうだった。
リーディ女王「ふむ・・・・・・この歯応え、味、匂い、どれを取っても一級品じゃ」
リュテ「ははっ! 身に余る評価にございます!」
リーディ女王「では次にマーボー豆腐を頂こう」
ロイネ「うん! ちょっと辛めにしたけど、そこがアクセントになってて、とっても美味しいよ!」
リーディ女王「そうかそうか。ではその味のほどは──」
リーディはロイネのマーボー豆腐を口に運んで、そのまま一時停止した。瞬く間にリーディの顔は真っ赤になる。
リーディ女王「辛ぁああああああああああああああああああああああああっ!!!???」
空に地面に所狭しとのたうち回る。それこそ口から火を噴きそうな勢いだ。よく見ると、ロイネのマーボー豆腐は、マグマのような赤色だった。
アラシア「うわ、超辛そう・・・・・・!」
ロイネ「え、そんなに辛い? ぺろっ・・・・・・んーちょっとピリって来るくらいだと思うけど」
リュテ「な、なんて卑劣な罠を・・・・・・! リーディ様、水です!」
リーディ女王「あばばばばばばばばばば」
アラシア「・・・・・・頭からコップに突っ込んでる」
ロイネ「ねーマスター、食べる!?」
マスター「だだだだだ大丈夫だよロイネ! 僕はお腹空いてないからっ!」
ロイネ「でも、さっきお腹空いたって言ってたよ?」
リーディ女王「き、貴様らぁぁぁぁぁあーっ! 図りおったなぁっ!妾を毒殺するつもりであったろうっ!?」
マスター「反応からしてショック死を狙ってたって感じじゃないかな・・・・・・?」
リーディ女王「許さん、絶対に許さんぞ! 貴様らの首、すべてはね飛ばしてくれる!」
リュテ「女王様! どうかお気をお鎮めになられて下さい!この不敬共はこのあたしが!」
アラシア「隙アリ!」
『ズビュシッ!』
リュテ「ふにゃあっ!? はぅぅっ〜〜」
膝から崩れ落ちたリュテは、そのまま気持ち良さそうに眠ってしまった。
アラシア「またつまらぬツボを押してしまった・・・・・・っ!」
マスター「いや便利なんだけどね。もう熟練の通り魔みたいな速さだよね」
リーディ女王「我が料理番を! おのれぇぇぇえええええええええっ!!!」
★6-1「野望崩壊」クリア時
リーディ女王「ば、馬鹿なぁ! このリーディ女王がぁぁぁああああああっ!」
マスター「もう思いっきり悪役だぞ、リーディの奴」
アラシア「どーする? スーみたいに目覚めのツボ、押してみる?妖精のツボって押した事無いけど」
マスター「だったらなおさら任せられないよ! ってそうじゃなくて・・・・・・レイナ達みたいに、リーディは操られてるって感じがしないんだ」
リーディ女王「な、何を訳の分からん事をっ・・・・・・! 妾は女王! この世界の主! 女王が誰に操られるというのか!」
ロイネ「じゃ、この世界を創ったのは、リーディなの?」
リーディ女王「富が、お金と豆腐が絶える事無く妾に献上される世界!誰も妾を羽虫と呼ばぬ世界! 妾を女王と敬う世界! これこそ、妾が望んだ世界よ!」
マスター「欲望一色じゃないか! 建前だったのかもしれないけど、世界平和も少しは大事にしようよっ!?」
ロイネ「・・・・・・そっか。そうだったんだ」
地面の上で怨嗟の声を上げているリーディに跪くように、ロイネが膝を折る。
ロイネ「ごめんね、リーディ。ぼくが魔導書を持ち出したりしなかったら、リーディの世界の邪魔をせずに済んだんだ」
リーディ女王「お、おのれぇ・・・・・・夢の中くらい、好きなだけ、お金と豆腐が、欲しかった・・・・・・! チヤホヤされたかったぁっ!」
リーディの手が力尽きたように落ちる。その瞬間、ぐらっと世界が歪んだ。
マスター「こ、これはっ・・・・・・!?」
足元からすべてが崩れてゆく感覚。視界はすぐに暗転して、ロイネやアラシア、リーディの姿も気配も掻き消されてしまった。
俺の意識も闇の中に落ちていった──。
ロイネ「マスター!」
マスター「う、ん・・・・・・ここは・・・・・・?」
アラシア「あ〜良かった、起きてくれたぁ。もう少しで目覚めのツボを押すところだったよ」
マスター「い、命拾いしたのかな・・・・・・!?」
周りを見渡すと、ラルネとレフネ、スー達が倒れていた。
ロイネ「大丈夫、みんな眠ってるだけだから」
マスター「リーディは?」
ロイネ「ここ」
ロイネが魔導書を抱えていて、その上でリーディが眠っていた。その寝顔は、随分と幸せそうだった。
アラシア「さっきまでウンウン唸ってたんだけどね。マスターが目を覚ます少し前から、こんな顔になってた」
マスター「・・・・・・あの世界、リーディの夢に影響された魔導書が創ったものだったのか?」
ロイネ「マスター。ぼく、リーディに・・・・・・」
マスター「・・・・・・そうだね。ロイネがその魔導書を持ち出さなかったら、リーディはちゃんと管理できていたかもしれない」
ロイネ「・・・・・・うん」
マスター「リーディが起きたら、まずはちゃんと謝る事。その上で、魔導書をどうするか決めよう。いい?」
ロイネ「うんっ!」
その後、リーディはすぐに目を覚ましたが、夢の事は何も覚えていなかった。ただ、魔導書を封印しようという俺の言葉に素直に従った。理由を聞くと。
リーディ「夢は見てないはずなんだけど、な〜んか最近、夢見が悪いのよ」
魔導書は無事封印。悪用される事は無いだろう。ちなみに俺やロイネ、アラシア達がリーディに優しくなり、それをリーディが気味悪がったのは、また別の話だ──。
このページへのコメント
とりあえず今回も犬の裁判官 ロイネでポイント増加はちゃんとあった。
アラシアは持ってないけど多分あるだろう。
この期間限定クエストは属性がわからずにヒデー目にあった。どこぞのエリアみたいに属性を入れてほしい。対策ができずにスタミナを大量に失った。
10:青
9:緑
8:黄
7:赤
6:緑
10は水ボス
9-1ルヴィア 5問40秒
10-1 ミフィ 5問40秒