極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

76 :セントアリシアの悲鳴が耳から離れない:2007/06/05(火) 04:30:45 ID:K273amJq
投下します。

・LIVE A LIVE
・アリシア姫陵辱
・死姦
・電波
・あんまりグロくないかも



日は沈みかけていた。
殺風景な山頂の風景を飾る巨大な魔王の像が、二人の男の上に大きな影を落としている。
王国に伝わる伝説の魔王。だが、魔王など実在したのか?今はもう分からない。
血に濡れた抜き身の大剣を携えたまま、オルステッドは感情の全くこもらない目でかつての親友を見下ろしていた。
肩口から胸にかけて大きく切り裂かれた傷跡からは止めどなく血が溢れ出している。
致命傷だ。放っておけばいずれ死ぬだろう。
裏切り者にはそれが相応しい末路のような気がした。誰一人訪れる者のいない山の頂で、孤独の内に腐り落ちていけばいい。
オルステッドはその場に崩れ落ちた。全身の感覚がない。酷く疲れていた。
ここにたどり着くまでに、あまりにも多くのものを失いすぎた。
勇者ハッシュは死んだ。ウラヌスは殺された。そしてストレイボウはオルステッドが手にかけた。
それもこれも、全ては姫を助け出すためだった。
アリシア姫。魔王に連れ去られたオルステッドの婚約者。
彼女のことを愛していた。何もかもを失った今、オルステッドにとって彼女が全てだった。
彼女はこの山のどこかにいるはずだった。
探しに行かなければ、と思うが身体に力が入らない。全身の筋肉が悲鳴をあげ、間接が軋んだ音を立てていた。
ふと、顔を上げると、目の前にアリシア姫が立っていた。呆然とした表情で、倒れ伏したストレイボウを見つめている。
探しに行く手間が省けたことに、オルステッドは安堵した。傷つけられてはいないようだ。それだけで十分だった。
後は立ち上がって、こう言うだけだ。「全て終わりました。姫、帰りましょう」と。
王国を追われた今、帰る場所などどこにもになかったが、それでもそう言わなければならないような気がしていた。
よろめく身体でなんとか立ち上がると、もう一度、オルステッドはアリシアを見つめた。彼女は小刻みに震えていた。
「ストレイボウ……」
彼女の赤い唇から、予想外の言葉が洩れた。驚き、近付いたオルステッドを制止するようにアリシアが叫んだ。
「来ないで!」
拒絶の言葉は氷の矢のようにオルステッドの胸に突き刺さる。その瞬間、彼は全てを理解した。


アリシアはストレイボウの遺体の方へ歩み寄り、オルステッドは後退った。
「オルステッド……なぜ……来てくれなかったの?私は待っていたのに……」
彼女の視線は全てストレイボウに注がれていた。
呆然とするオルステッドを一瞥もせずに、独り言のような呟きだけがその唇から洩れだしている。
「この人は……ストレイボウは来てくれたわ!」
咎めるような口調。だが彼女は本当に来なかったことを咎めているわけではないことが、オルステッドには分かっていた。
アリシアは、ストレイボウを、彼女の愛する男を殺したことを責めていたのだ。
「この人は……いつもあなたの陰で苦しんでいたのよ……
 あなたには……この人の……負ける者の苦しみなど分からないのよ!!」
悲嘆がアリシアの心を覆い尽くしていた。いつの間にか溢れ出していた涙を隠すかのように、アリシアは両手で顔を覆った。
オルステッドに勝利したい。ストレイボウの願いは最後に一つだけ叶えられた。
アリシアはオルステッドよりもストレイボウを選んだのだ。
怒り、悲しみ、そして憎しみ。様々な想いがオルステッドの心に去来した。
「アリシア……」
口の中で低く呟く。それに続く言葉が見つからなかった。
自分を捨ててストレイボウに乗り換えたアリシアを責めてやりたいと思う。
だが、そうしたところでアリシアの心が自分に向くことはないだろう。
手に入れたいと思ったものはもはや手の届かない場所にある。
絶望的な眼差しで、オルステッドはアリシアを見た。
アリシアは、ストレイボウの遺体を抱きかかえ、愛しげに頬を撫で上げた。
「ストレイボウ……もう、何も苦しむことはないわ……」
恋人同士が睦言を交わし合うように、アリシアは死者に語りかける。
オルステッドは絶望に貫かれ、その場から動くことが出来なかった。
「私が……」
だから、アリシアが懐からナイフを取り出した時も、駆け寄ることさえ出来なかったのだ。
「ずっといっしょにいてあげる!」


小さなナイフは、アリシアの左胸に突き刺さっていた。
溢れ出す血は、アリシアの白いドレスを紅く彩り、やがては地面へと染み込んでいく。
見る見るうちに生気を失い青白くなっていく彼女の顔は、ストレイボウの上に被さるように倒れ伏す直前、一瞬だけ微笑んだ。
その微笑みを見た瞬間……オルステッドはアリシアに駆け寄っていた。
形の良い胸からは絶え間なく鮮血が流れ続けていた。
だがその量は決して多くはなく、すぐに治療すれば運が良ければ命だけは取り留めるかもしれない。
現に、彼女の唇からは苦しそうな息が洩れている。
オルステッドは、分かっていながらもそうすることをしなかった。
しなかったのは、彼の意思だった。
彼女が最後に見せた微笑みが、まるで二人の絆を断ちきれない自分を嘲笑っているかのように感じられたからだ。
信じていたもの全てが音を立てて崩れ落ちていった。アリシアという存在は、オルステッドの中で硝子細工のように崩壊した。
悲嘆を越える憎しみは徐々にオルステッドの内で膨らみ、暴走していった。
自分を裏切った女、今はただ、目の前のこの女が憎かった。
聖女の振りをした売女。自分に愛を囁いたこの唇が、いつの間にか他の男と愛を交わし合っているなんて。
許す、許さない。もはやそういった次元ではない。この場にこの女が存在していて、息をしている。それだけで罪悪だと思った。
オルステッドは剣を抜いた。赤い液体のこびり付いた白刃を丁寧に拭い、女の首筋に当てる。
そのひやりとした感触に、女は「ひっ」と悲鳴をあげた。……ような気がした。
空耳かもしれない。
次の瞬間、ごとりと何かが転がる重たい音がした。
これは現実だった。



日はすっかり落ちきっていた。
暗闇の中でオルステッドはのろのろと立ち上がり、二人が住んでいたらしい岩室の中へと足を踏み入れた。
藁を敷き詰めた、簡素な寝床。男と女の交わりの放つ、淫らな臭いがこびりついているような気がして、嫌悪感に眉を顰める。
実際、二人はここで幾度も交わり合ったのだろう。そして寝物語にあの男は女に語ったのだ。
親友に追いつくことの出来ない自分の無様な過去を。惨めさを。苦悩を。苦痛を。
汚らわしい。
オルステッドは手探りで火を起こし、種火を藁の中に放り込んだ。炎は瞬く間に二匹のつがいの生き物の巣を呑み込み、焼いた。
燃え上がる炎の赤。オルステッドの空虚な瞳は、その色だけを映していた。
やがて炎が燃え尽き岩室が“浄化”されると、オルステッドは別々に切り離された女の首と身体を運び込んだ。
岩壁の窪んだ部分に女の首をはめ込むと、それはまるで初めからそのくぼみにあつらえて作られたかのようにぴったりとはまった。
オルステッドの胸の高さから、目を見開いたまま骸となった女が、少し見下ろすように床を眺めている。
その横に蝋燭を置いた。明かりに照らされて、暗闇にぼんやりと浮かび上がる女の顔。
次に、燃え尽きた藁床の上に女の首から下を寝かせた。女の首から、自身の身体が良く見えるように。
オルステッドは無言でそのドレスを引き千切った。細い肢体が露になる。胸元の傷口から流れ出した血は既に乾いていた。
白い肢体を赤く染め上げた血。心臓に真っ直ぐ突き立てられた傷口から零れ出したのは、彼女の血、それだけだろうか?
彼女は心をオルステッドに奪われることを拒んで、自らその心の臓を破ったのではないだろうか?
痛みが、オルステッドの心を苛む。
その痛みを振り払うかのように、オルステッドは自らの性器を取り出して、奮い立たせるべく手を掛けた。
愛を育むための行為。だが今オルステッドを突き動かしているのは純粋な憎しみだった。
肉の凶器は狂気に導かれ弓なりに反り返る。惑うことなくオルステッドはそれを女の秘所に突き入れた。
熱のない秘所は既に固く、だが、依然とろりとした湿り気を帯びていた。
その意味に思い当たり、上目遣いに女の顔を見上げ、声にならない叫びを上げる。
一片の快楽すら見出せない行為。一つ一つ、自身の知らなかった真実に辿り着くたびに、オルステッドの中から何かが失われていく。
機械的に腰を動かしながら、オルステッドの全身はじっとりと汗ばんでいた。
やがて叫びが途切れ、オルステッドは女の固い肉の中に精を放った。
だが、彼が失ったものは何も得られなかった。
疲労感だけが重く全身に残っていた。



その日から、オルステッドは来る日も来る日も女を“犯し”続けた。
腐りゆく女の身体を。
そんな光景を、ものも言わず交わりを見つめる女の首も、また、腐り始めていた。
美しかった女の顔は爛れ、瞳は白く濁っていく。それでもかまわなかった。いや、どうでも良かった。
そこに女の首がある、ということだけが重要だった。
日々、オルステッドは蛆の湧いた腐肉の塊を蹂躙した。
何も感じなかった。腐った肉は死んだばかりの肉よりも多少柔らかだ、と思った。
臓物は肉よりも腐りやすい。それは女の秘所もまた同じようだった。
腐りかけ、異臭を放つ秘所に、オルステッドは繰り返し繰り返し狂気を注ぎ込んだ。
変色した肉が絡みつき、精液と腐った肉から滲み出る汚液の混じったものが秘所から幾度も流れ出した。
腰を抑える指が、柔らかな皮膚を裂き腐った肉の中に埋もれた。
秘所の腐肉はこねくりまわされ、削れ、薄くなった。オルステッドは仕方なく、乳房に穴を開けてそこに凶器を押し込んだ。
乳房の肉も、腐りきってしまえば秘所の肉と大差なかった。
来る日も来る日も、オルステッドは女を犯し続けた。




月日は流れ、女は腐り落ち、白骨へと姿を変えた。
とうに眼球など失ってしまった髑髏が、ぽっかりと空いた目でオルステッドを見下ろしていた。
犯すべき肉を失って、オルステッドはゆっくりと顔を上げた。
精悍だった青年の顔は見るも無残にやつれはて、髑髏と変わらぬ容貌へと変化を遂げていた。
美しい髪だけを戴いた醜い髑髏。その眼窩と目が合い、オルステッドは突然無性に笑い出したくなった。
衝動に突き動かされるように、声を上げて笑った。
美しかった彼女の姿は完全に失われてしまった。
言われなければ、誰一人としてこれがかつてルクレチアの王女であったアリシア姫であるとは分からないだろう。
だがそれが何であろう。見てくれの美しさなどかりそめのものだ。髑髏となった今こそ、彼女は本当に自分のものになった。
もう彼女はオルステッドを裏切らない。もう誰も彼女を奪わない。
オルステッドは笑った。笑い続けた。狂ったように笑った。
ずっと愛していた。アリシアはオルステッドの全てだった。そしてようやく取り戻した。愛を、全てを。
オルステッドは立ち上がり、震える手で髑髏に触れた。
冷たく物言わぬ彼女を、もう二度と放さぬように強く強く抱きしめた。

管理人/副管理人のみ編集できます