極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

112 名前: ◆/W8AnhtEnE [sage] 投稿日:2009/05/14(木) 19:34:39 ID:rv9cBF84 [1/8]
労働者の多くの方は、ゴールデンウィークでたるんでしまった身体を平日に鞭打たれている
今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
前作を御読みくださった方、レスを下さった方々ありがとうございます。
では、今から7レスに渡って「黄金天女 後編」を投下させていただきます。



「あっ……うぅっ……」
日曜日の夜、闇に包まれた部屋の中で静けさを乱すようにかすかな呻き声が聞こえていた。
声の主は壁際に置かれた寝台に横たわっている女だ。
彼女は堅く閉じられた瞼、眉をぎゅっとよせ苦悶に耐えるような表情をしている。
布団をはだけさせ裸体を晒している彼女、その左の腕は肩から断ち切られていた。
 彼女の名前は黄金天女、木曜日との戦いで深手を負った彼女はこの部屋―特務機関RKKが
所有する空きビルの一室―に匿われていた。
ヘイジツーシスターズ連戦でホリデーのほとんどを消費した彼女、ホリデークリスタルから
生み出されるホリデーを数日分使い、ようやく断ち切られた右腕を再生させることが出来た。
しかし、まだ左腕をはじめとして身体の多くを損なったままの彼女は戦士ではなく数多の傷の
苦しみに悶える女でしかなかった。

 部屋のもう一つの人影が現れる。
そっと寝台に向け歩みを進める人影は女だ。
青い髪を腰まで伸ばし、メタリックブルーのスーツに身を包んだ女。
ノーフレームの眼鏡越しに気遣わしげな視線を横たわる黄金天女に向ける。
女の名はキュウ、魔力ロウドウーの適正な管理と聖なる力ホリデーの保護を図る特務機関
「RKK(Roudou Kijun Kantokusho)」に属する休日特別執行官だった。
 容貌は真面目な学生、オフィスレディという清廉な印象を放っていたが、身に纏う金属から出来た衣
そして左腰に嵌め付けている青色の無骨な拳銃が目を引く。
拳銃の名はホリデーハンドガン、聖なる力ホリデーから精製された弾丸を放つ対ヘイジツーシスターズ用の
特殊武器である。既にその弾丸はシスターズの一人、金曜日を撃ち抜いていた。
 寝台の傍らに立ったキュウは、布団を黄金天女の身体の上に掛け直してあげた。
その時黄金天女の瞼が開き、驚きの表情を見せるキュウ。
「…き、きょうは…何曜日?」
「……土曜日です、黄金天女様。もし何かあっても姉さんと私がお守りしますからゆっくりと休んでください。」
一瞬返答を言いよどむキュウ、しかしすぐに冷静な声を出す。
それを聞いた黄金天女は安心するように再び瞼を閉じた。

 部屋から出て静かに扉を閉じるキュウ。
「黄金天女さまの様子はどうだった?」
彼女に横の壁に背をつけて立っている女が問いかける。
「うん、とても戦える状態じゃないわ。姉さん。」
彼女と色違いなだけのメタリックレッドの鎧に身を包み、ショートカットの黒髪に強気そうな目鼻立ちをした
その女こそもう一人の休日特別執行官、名をユウと言った。
ユウとキュウ、彼女達はRKKによって製造された休日獲得用人造人間である。
同じラインで製造されたため便宜上姉妹としての意識を植え付けられていた。
そして、素晴らしい実力を持つ休日特別執行官のコンビに与えられるコードネーム「UQシスターズ」を
与えられた選ばれし戦士でもあった。

「先ほどセンサーに反応があったよ。」
オーバルタイプの眼鏡を光らせながら言葉を発するユウ、それを耳にしたキュウの顔がこわばる。
「月曜日が出現したの?」
「そう、濃密なロウドウーの発生源を感知した。」
ユウは淡々と言葉を紡ぐ。だが妹の表情に目をやると僅かに顔を綻ばせる。
「怖いのかい、キュウ?」
「……ええ、姉さんは怖くないの?」
「そりゃあ怖いさ、でも黄金天女さまを守れるのは僕らしかいない。黄金天女さまを失ったら長きに渡って
人々はロウドウーに苦しめられる、そうあの未来予想装置KRD(karenda-)が予測しているじゃないか。」
RKK本部にある特別な装置の名を口にするユウ。
彼女は凛とした表情になってしまったことに気づくと、あわてて顔を緩ませ冗談を発する。
「ふふ、ピンチになったら姉ちゃんが守ってあげるからな、僕の妹。」
「ね、姉さんこそ足手まといにならないでくださいよね!」
姉の気遣いを感じ、調子を合わせるキュウ。

「フフ、さあ行こう、すべてはUQのために!」
「クスッ、……はい、すべてはUQのために!」
笑顔を取り戻したところでUQシスターズのモットーを声を合わせ口にする姉妹、そして彼女たちは戦いの場へ向かった。



「お姉さんたち、蓮弓天女じゃないね?」
センサーが感知した敵の出現場所は大きな公園の広場、そこに到着したUQシスターズに
先着者から声が投げかけられる。
立ち止まり、武器を構える姉妹。
キュウはホリデーハンドガンを手にし、ユウは背負っていた真紅の長銃―火曜日を撃ち果たした武器
その名もホリデーショットガン―を構える。
「僕たちは特務機関RKK所属、休日特別執行官UQシスターズだ!」
「人々の安寧を破る悪の姉妹を倒す正義の姉妹、それが私たちです!」
姉に続いてキュウも名乗る。
「アハッ、天女の紛い物か。残念、せっかく黄金天女をいたぶれると思ったのに。」
落胆した声を発しながら姿を現した先着者は少女だった。
腰まで伸びた長い黒髪、同色の黒いゴスロリドレス。まるで人形のような整った美貌を持っている。
少女の名は「月曜日」、ロウドウーを用いる悪の五姉妹「ヘイジツーシスターズ」の長女だった。

「そんなことはさせない!黄金天女さまは僕たちが守ってみせる!」
「あら、あなた天女の居場所を知っているのかしら?」
「ね、姉さん!?」
思わずユウの口から出た言葉の揚げ足を取る月曜日。
「っ!?い、いや…しら、知らないよ……ただ、言葉のあやで。」
彼女は顔を蒼白にしながらしどろもどろに答えるユウを見て可笑しげな笑みを浮かべる。
「まぁいいわ、後で身体に聞いてあげる。天女って隠れてしまっていたらホリデーを感知して
探さなくちゃいけないから面倒なのよね。」
「余裕有り過ぎっ!キュウ、やっちゃうよ!」
「了解、姉さん!」
銃を月曜日に向けるUQシスターズ。
その口が火を吹いた。

 UQシスターズは瞬く間に月曜日を蜂の巣に出来ると思っていた。しかし
「ああっ……」
「う、嘘だよね……」
絶望的な声を漏らすユウとキュウ。
月曜日に向けて放たれる無数の銃弾、だがその全てが彼女の身体をすり抜けて背後に飛び去っていく。
「こ、これも特殊能力なのか?」
目の前の光景が信じられず、蒼白な顔で呟くユウ。
「特殊能力!?勘違いしていない?これはただ単に高速で移動して避けているだけ、立って銃弾を受けているように
見えるのはただの残像よ。そんなことも気づかないのかしら?」
嘲るようにユウに答える月曜日。
「ご希望なら私の特殊能力を見せてあげる、マンデーハンド!」
月曜日の声と共に、上空に彼女の身体から禍々しいロウドウーが立ち上る。
そのロウドウーが雲のように集まり、やがて巨大な右手の形を取り始めた。
指の長さが人の脚ほどもある巨大な右手、手首から先のただの手が空中に浮いている。

「マンデーハンドは私から逃れようとする者を捕らえる魔法の手、これが私の特殊能力の一つよ。」
「危ないっ!キュウ!」
目の前の光景が信じられず呆然と立ち尽くすキュウの肢体をマンデーハンドが握ろうとした。
その瞬間、横から勢い良く飛んだユウが彼女の身体を弾いて魔手から救う。
「あぐっ!」
「姉さん!」
妹を救った代償に自らの身体がマンデーハンドに捕われてしまったユウ。
握られたまま高々と空中に持ち上げられる。
彼女は脚からお腹までを握られており、胸から上そして両腕は自由が利くがホリデーショットガンを
取り落としてしまっていたため抗う術はなかった。
「あら、あなたには妹が苦しむさまを見てもらいたかったのに。」
月曜日は驚いたように言葉を発する。



「思い通りにいかなくて、残念ね。っ!?ぎぃ、あぎぎぎいいぃぃぃぃぃいいっっ!」
捕われの身になったとはいえ、余裕を感じさせるシニカルな笑みを浮かべていたユウ。
だが突如劈くような悲鳴を上げる。
「ね、姉さん!」
キュウの瞳に映ったのは目を見開き、髪を振り乱す姉の姿。
マンデーハンドが力を込めて彼女の身体を握り締めたのだ。
「マンデーハンドの握力はギュウギュウの通勤電車で味わう圧力の350倍あるんだよ。
どう、味わってみた感想は?」
「ぎいいぃぃぃいいいっ!あががあぁぁぁああああっ!」
ユウの装甲衣装に瞬く間にヒビを入れ、スラリとした肢体の全身の骨を砕かんとする魔手。
彼女は身体を襲う激痛にただ悲鳴を上げることしかできなかった。

「姉さん、くそっ!」
キュウがホリデーハンドガンをマンデーハンドに向けて放つが魔手はビクともしない。
「いぎぎぎいいぃぃぃいいいっっ!」
頭を勢い良く振り乱していたためユウの眼鏡は外れ飛び、限界まで見開かれた瞳、満々と湛えられた
涙が頬を流れ落ちる様子が露わになっていた。
「さあ、黄金天女の居場所を教えなさい。そうしたら一思いに殺してあげる。」
僅かに魔手の締め付けを緩め、ユウに尋ねる月曜日。
「あがぁっ……お、おしえないよ。こんなのへっちゃら、ぐっ!あごごごおおおぉぉぉおおっ!」
掠れた声で拒絶の意思を示したユウ、その代償は更に強く握り締められることだった。

「あがああぁぁぁあああっ!」
自由が利く両腕も全身の痛みで全く動かせず、ユウは泣き叫ぶことしか出来ない。
一際締め付けを魔手が強くしたように感じた次の瞬間、両脇腹、両脚の何箇所から同時に乾いた音が
彼女の頭に響く。そして
「ギィッ!ギヤヤャァァアアッッッッ!」
骨を砕かれた痛みに脳髄を焼かれるユウ。
すると一際甲高い悲鳴を上げた彼女の肢体を魔手は手放した。
落下する肢体。
慌てて駆け寄ったキュウが間一髪、姉の身体を抱き止める。
「アギギギィィィィイッッッッ!」
地面に落ちることよりははるかに少ない衝撃とはいえ再度、悲鳴を上げるユウ。
「姉さんっ!しっかりして!」
キュウは涙を零しながら傷ついた姉の身体を優しく抱く。
目を白目にし、意識を失ったユウの姿は無惨なものだった。

「美しい姉妹愛ね。」
冷ややかな声がキュウの耳に届く。
その声の主、月曜日を彼女は姉をかばうようにして睨み付ける。
「さて、次はあなたの身体に聞いてみようかしら?マンデーハンド!」
そう月曜日言った瞬間、もう一つ、左手の形をした魔手が彼女の上空に出現する。
「あぁ……ひぃっ!」
自分に近づく2つの魔手を隠しきれない恐怖を含んだ眼差しで見つめるキュウ。
月曜日に抗う術は何もない、傷ついた姉と一緒であったら逃げることもままならない。
もちろん姉を置いていく事など出来ない。
彼女はただ姉の身体を抱きながら、自分に降りかかる運命を待つことしか出来なかった。



「い、いやぁ!痛っ!」
魔手に両腕を捕まれ、座り込んでいた身体を持ち上げられるキュウ。
そのまま姉と引き離され空中に吊るされる。
「わ、私も何をされても、姉さんと同じく決して屈しない!」
キュウは決意の叫びを上げる。立派な言葉だが口調の震えは隠しきれなかった。
「そう言うと思った。クスッ、いい事思いついたわ、まずはあなたに悲鳴をあげてもらいましょうかしら。」
宙に浮いたキュウと地に伏せたままのユウ。姉妹に目をやると顔に笑みを浮かべた月曜日。
彼女の思考に従い、マンデーハンドはキュウの両腕を雑巾でも絞るようにねじり上げる。
「アガガガガァァァァアアッッッッ!」
キュウの頭に両腕を断ち切られるかのような激痛が走った。
 痛みにショートしかける神経が彼女の身体のあちこちで弛緩と緊張を繰り返させる。
そして膀胱と括約筋にも影響が及び、陰部から小水が漏れ出す。
股間の部分は青い装甲が覆っているため、彼女の肌の上を流れ落ちる尿は太腿のボディースーツから染み出していく。
滴となって落ちていく尿、それはちょうどユウの顔の上に落ちた。

意識を失っているユウ、だが顔に当たる水滴、そして遠くから聞こえる叫び声に呼び起こされる。
「アギェェエエッ!ェ、ェザン、ダズゲッ…ギャアアアァァッッッ!」
耳に入ったのは何かに救いを求めている濁った叫び声。
 まだ霞がかかったままの彼女の瞳に、頭上で繰り広げられる地獄絵図が映し出される。
捕われの女の四肢のどれかを気まぐれに掴む2つのマンデーハンド、その度に引き伸ばされ、ねじられ
彼女の手足は破壊されていく。
見覚えのある女の姿、聞き覚えのある女の声。
「アギィッ!ヤメデェ…ネエザン、タスケテェ…アギャアアァァァッッ!」
その言葉を聞いた瞬間、彼女の意識が覚醒する。
「えっ…キュウ!やめろ、キュウに何てことをしてるんだぁ!」
「あら、お目覚めね。」
妹が絶叫する姿を目にし取り乱すユウ。
そんな彼女に語り掛ける月曜日。
「さて、黄金天女の居場所を教えてくれたらあなたの妹は苦しませずに殺してあげるわ。どうする?」

「えっ、あ?」
思いも寄らぬ提案に呆然とするユウ。
月曜日は妹と黄金天女、彼女が守るべき2つの存在を天秤にかけてきたのだ。
どちらにしろ月曜日に敵うはずはない。どうせ皆殺されてしまうのだ。
そう気力を失い、絶望に捕われた彼女は少しでも楽に皆が死ぬ道を取ろうとした。
「……黄金天女さまは―」
「っ、ねえさん…だめっ!」
その時、制止の叫びが響く。
血の気を失った顔をしたキュウが声を上げたのだ。
驚いて視線を向ける彼女の姉にたいしてキュウは続ける。
「わ、わたしなら、大丈夫。だから…姉さんも正義を貫いて…かっこいい姉さんで、いて欲しいの。」
弱々しくも美しい笑顔を見せるキュウ。

「しらけちゃった、美しすぎる姉妹愛ね。じゃ、御望みどおりにトコトン苦しめてあげる。」
UQシスターズに冷や水を浴びせるような月曜日の声。
マンデーハンドの指がキュウの左手を摘まみ―
「いぎああああぁぁぁっ!」
茹でた豆を押し潰すように、無造作に彼女の五指から手首までを破壊した。



「キュウっ!」
「ねぇさん…わ、ギッ…わたしは、耐えてみせる……」
涙を流しながら妹に呼びかけるユウ。だか彼女の妹は静かに首を振って答える。
その彼女の今度は右手を―
「あっ、ぎおおおおぉぉぉぉっ!」
マンデーハンドが押し潰した。
髪を振り乱しながら叫ぶキュウ。
「まけないっ!アグッ、例え四肢をもぎ取られようと私は屈しないっ!」
キュウは悲鳴を出来るだけ抑えるように怒鳴り声で壮絶な決意を叫んだ。

「あなた、なかなか壊しがいがあるわね!でも蓮弓天女じゃないから再生の力も無いし
不死でもないんでしょう?それが残念よね。」
 月曜日が言ったようにUQシスターズは人造人間とはいえ、類まれな戦闘能力とある程度強化された
肉体を持っているだけでホリデークリスタルの加護を受けた蓮弓天女のように不死ではないのだ。
そのため月曜日も幾らかセーブした暴虐を加えなければいけなかった。
「四肢切断なんかしたら死んじゃうかもしれないからダメよね。あなたが苦しむ様を見て、お姉さんが
屈服してくれないと困るし。」
ニンマリとした笑みを浮かべで月曜日はキュウに右腕を向ける。
「だから、取っておきの特殊能力をもう一つ披露してあげる。マンデーノイズ!」

 月曜日が叫んだ瞬間、彼女の手首、腕とドレスの隙間から細い触手2本が飛び出た。
赤褐色のヌメヌメとした表皮を持つそれは、空中でマンデーハンドに捕われたキュウを目掛けて伸びていく。
顔の側まで伸びると、するりと触手は彼女の耳に侵入する。
「あぉっ!な、なに!?」
耳の中のまさぐる触手に思わず艶やかな喘ぎを口にしてしまうキュウ。
「ひゅぃ、耳の中が変になっちゃう……お、音?ギイイイイエエエエエェェッッッ!」
戸惑いの声を続けるキュウ、だが突如その声が苦悶の絶叫に変わる。
「き、キュウ!?どうしたの!?」
「アギャヤヤヤャャァァァァァッッッッッ!!」
姉の問いにも答えられず、目を白目にし、口から叫びと泡を吹き出して苦悶を露わにするキュウ。
彼女の耳の中では触手があげている大音量の特有の泣き声が響いている。
その泣き声こそ月曜日第2の特殊能力「マンデーノイズ」だった。

「どう、マンデーノイズの聞き心地は?このノイズは人の脳細胞に蓄えられたホリデーを苦痛と共に破壊して
ロウドウーに変換してしまうの。今、あなたには普通の人に聞かせる270倍の音量で聞かせてあげてるよ。」
恐るべきマンデーノイズ。通常は「サザエさんのエンディングテーマ」、「笑点のテーマ」などで偽装されて
人々の耳を侵している。
「ギャヤヤァァァァガガガァァアアアアアァァァ!」
手脚を壊れた操り人形のようにバラバラに振り動かしただ絶叫するキュウ。
「さぁ、早く黄金天女の居場所を教えないと妹さんの脳味噌、グチャグチャになっちゃうよ。」
「あぁ……うぁ……」
ユウは目の前の絶望的な光景に涙を零す。
「イギャヤヤァァッ!ユルジデェェェ!ダ、タズゲデェェェェッ!オネガ、エッ、ギギヤアァァァッッッ!」
悪に屈しない決意を持ったキュウ、だがその決意は心ごとマンデーノイズに打ち砕かれた。
壮絶な責めに彼女は耐えられず、無様に憎むべき敵に許しを請う。

「やめてっ!教えます、教えるから!もうキュウを苦しめないで!」
ユウの悲痛な叫びが響く。
彼女も繰り広げられる光景にもう耐えられなかったのだ。
その言葉に応じ、キュウの耳から引き抜かれる触手。
「ガァッ……ァ……ゥ…」
苦悶の形相から、生気を失った表情を浮かべるキュウ。
「じゃあ、黄金天女の居場所を教えて?教えてくれたらご褒美に妹は楽に殺してあげるわ。」
「は……はい…黄金天女さまは――」
震える声で黄金天女の居場所を告げるユウ。

こうして正義の姉妹、UQシスターズは悪に屈したのだった。


「うぅ……あっ」
暗い部屋の中、まどろみを続けていた黄金天女は目を覚ました。
失ったホリデー、傷ついた身体は幾らか回復したがまだ戦えるものではなかった。
「っ!?」
その時、彼女は部屋の扉が静かに開かれたことに気づく。
開け放たれた扉の向こうも暗いが、闇の中に人影が立っているのが見て取れた。
人影を自分を木曜日の窮地から救い保護してくれた姉妹、UQシスターズのどちらかかと思った
黄金天女は一番気にしていることを問いかける。
「今日は…何曜日なの?」
 身体を回復させるため長く睡眠をとっていた彼女は日付の感覚があやふやになっていた。
だが、今日が仮に日曜日なら襲い来る月曜日に備えて戦いの準備をしなければならない。
自分の今の状態では勝利することは非常に厳しいだろうが、蓮弓天女の定めに従い、戦いから逃れることは
考えもしなかった。

「あぐっ!えっ!?」
答えの代わりに何かボールのような物が人影から投げられ、黄金天女の胸に当たる。
驚き、反射的にそれを手で抱き止めた彼女。

「今日は何曜日かって?月曜日だよぉ!」
突如、電灯がつけられ光に照らし出される部屋。
声の主は可愛らしい少女、だが黄金天女はそれがヘイジツシスターズの長女だと悟った。
「黄金…天女さま……申しわけ…あ、ありません……」
彼女の右腕で髪を掴まれ、引き摺られている女。
手足をあらぬ方向に折り曲げられた彼女は、UQシスターズの姉ユウだった。
「そんな……いっ!?いやああぁぁぁああっ!」
もう一人のキュウは?そんな疑問を持った黄金天女、ふと視線を先ほど月曜日から投げつけられたモノに
向けた彼女は悲鳴を上げる。
抱き抱えたモノの正体、それはキュウの生首だった。

「このおおおぉぉぉおおっ!」
自分が眠っている内に無惨に散った姉妹。
自らの不甲斐無さ、そして月曜日への憎しみで黄金天女の心が滾る。
即座に戦士としての表情を取り戻し、右腕に力を込め月曜日に飛び掛る。
「……だめ…逃げて…」
力なく呟くユウ。
「黄金天女奥義、ゴールデン―」
黄金天女の右腕は光り輝き、月曜日に繰り出されようとする。だが
「マンデーハンド!」
「ナッ、アグウウゥゥッッッッ!」
突如空中に出現した黒い右手に叩き飛ばされる黄金天女。
壁をぶち破り、さらに隣の部屋の壁に叩きつけられる。
「グゥゥゥッ…アグッッ!」
頭を強く打ったため朦朧とした意識、そして全身から響く痛みで黄金天女は立ち上がることすら出来ない。



「さて、ホリデークリスタルはどこにあるの?」
「お…おしえない、グウゥゥゥッッッ!」
黄金天女の身体をマンデーハンドで掴み上げ、問い掛ける月曜日。
意に反した答えをした彼女を握り締める。
「グアアァァァァッッッ!」
「ま、いいわ。答えないならクリスタルごとあなたを握りつぶしてあげる。」
無造作に告げる月曜日。
そのマンデーハンドの指の隙間からはとめどなく黄金天女の血が流れ落ちていく。
やがてボロボロと赤褐色の肉片も共に落ち始める。

「アギギギギィィィィッッッ!」
自らの肢体が潰されていく痛みに絶叫する黄金天女。
 胸の膨らみの谷間に隠されている彼女の力の源、ホリデークリスタル。そのクリスタルも胸骨や肋骨ごと
押し潰されようとしていた。
パキィッ!
乾いた音が黄金天女の身体の中で響く。その瞬間、彼女は自らの力の喪失を悟った。
ホリデークリスタルがとてつもない圧力に負け、砕かれたのだ。
もはや耳も聞こえず、視界も暗さを増していく。

(ああ、ごめんなさい……UQシスターズの力を借りても……ここまでが限界…で……す……)
霞む視界で彼女は、月曜日自らの腕で首を握りつぶされるユウの姿を捉える。
それが彼女の瞳が映した最後の光景だった。

こうして3人の戦士は破れ、作者にとっての黄金の日々は終わりを告げたのである。

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