極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

300 :おにたけ ◆UtuOniTAKE :04/06/23 19:41 ID:vDg0257k
では、とりあえず投稿させてもらいます。
どうも、このスレには初投稿の「おにたけ」と申します。

実のところ、二次創作モノは苦手ですがなんとか書き上げましたので
駄文でよろしければご覧下さい。

CCさ○ら的猟奇系?
主な登場人物
・大道寺 知世 : 言わずとしれた、お嬢様。
・大道寺 園美 : 知世の母親。大道寺コーポレーション社長。

結構長めで、約22分割になると思いますが、スレ汚し御容赦。
では、"知世のスナッフビデオ大作戦"どうぞ。



◆Scene.1: 要求
大道寺園美の元に一通の小包が宅配で届いたのは、4月1日の夕方ことだった。
差出人欄には《大道寺知世》とある。
「知世ちゃんが私に小包? どういうことかしら?」
母子で、かつ同居しているにも関わらず宅配で送るものとはなんだろうか。
娘からのプレゼントだとしても、今日は園美の誕生日や記念日ではない。
疑問を持ちながらも、小さな段ボールを開けてみると、中には一通の便箋と
一本のビデオテープが入っていた。
「あら、これは知世ちゃんが撮ったのかしら?」
取りあえず園美は便箋を読んでみることにした。
便箋には鉛筆書きの手書きの文字が書かれていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
娘は預かった。返して欲しければ、ナンバー不揃いの現金1000万円と 金の延べ棒20Kgを用意しろ。連絡先はビデオを見ろ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「知世ちゃん、エイプリルフールのジョークのつもりかしら」
園美は眉をひそめながら呟いた。冗談にしては随分とたちが悪い。
そもそも、こんな冗談をするような娘ではないはずだが…
少し不安を感じながら、園美はビデオテープを見てみることにした。
ビデオテープはなんの変哲もないもので、ラベルには手書きで
《大道寺知世 販促ビデオ 》と記述されている。園美はとにかく再生してみた。
砂嵐が数秒写し出された後に、ブルーバックの画面にテロップが表示された。
《本日の商品: 大道寺知世 11歳 販売価格:4000万円》
冗談が過ぎると園美は、ますます眉をひそめた。
ジョークにしても愛娘が、まるで商品の様に表現されるのは気持ちの良いもの
ではない。
数秒後にテロップは消え、画面にはどこかの室内が映し出された。
窓は無く無機質なコンクリートの壁、同じくコンクリートの壁。
他には床にも壁にもなにも映っていない。
そのアングルのままで、画面は止まっている。


画面の右下には、ビデオカメラの録画時刻表示が表示されている。
《04/01 13:05》というその表示が確かならば、ほんの数時間前に撮られた
映像ということになる。
「何のつもりかしら?」
園美がコンクリート壁の映像に飽きてきた頃、マイクが小さな音を拾った。
『むむむ…』
小さい声だが、くぐもったような呻きがTVのスピーカーから流れてくる。
園美は少しボリュームを上げてみた。
あわせて『ギシギシ』という何かがリズミカルに軋むような音も聞こえる。
やがてカメラはゆっくりと右へとパンしはじめた。
カメラが右へ首を振るにしたがって、床に落ちている物が画面に入ってきた。
画面に映し出されたそれは、脱ぎすてられた制服のように見える。
その制服をよく見ると、赤いラインの入ったセーラー服と白いプリーツスカート
であり、知世が通う友枝小学校の制服に良く似ている。
さらにカメラはゆっくりと右へと向いていく。
制服の次にカメラに映し出されたのは、脱ぎ捨てられた白いキャミソールで
キャミソールの肩紐は切断されているようだ。そして白いショーツも床に…。
いずれも特徴の無いものだが、サイズは明らかに大人のものではない。
園美は少し青ざめながらも画面を食い入るように見つめた。
やがてカメラはそのフレーム内にベッドとその上で蠢くモノを映し出した。
だが、画面には男のものと思われる下半身と臀部、そして少女のものと
思しき両足しか映っておらず、男女が一体誰なのか良く分からない。
二人の様子は、開脚した女性の上に覆いかぶさるようにして男が乗っている
状態、つまり正常位の性交を男の背面部から映しだしたアングルのようだ。
画面の男はしきりに腰を動かし、それに合せて少女の白い足とベッドが
揺れている。
『ギシギシ』という音の正体は、どうやらこの二人の行為によるもののようだ。
揺れに合せて聞こえる『うぅぅ…むぅっ…』という呻き声は苦悶しているよう
にも感じとれる。


男の下で、されるがままの少女の足首には黒いロープが巻きつけられどこかに
固定されている。
ビデオの少女の顔は一切見えないが、太股や、ふくらはぎの大きさからして
成年女性のものとは思えない。
そう、ちょうど小学校高学年ぐらいの大きさに見える。
果して、このような映像を知世が冗談で撮って送ったりするものだろうか?

「まさか…そんな…」
園美は顔を蒼白にしながらも、画面から目が離せないでいた。
やがてカメラはベッド上の二人の接合部に向けてズームアップしはじめた。
股間にズームした画面には、避妊具を装着していない男性器が荒々しく
挿抜される様子と、少女の股間から白いシーツに垂れている赤い液体が
収められていた。
少女からは相当量の出血が認められ、シーツの汚れが生々しさを強めていた。
やがてビデオがら流れる『ギシギシ』という音はピッチを早め始めた。
それに合せて、『むぐぐ…』というような呻き声も大きくなる。
そして、ベッドの軋み音がピークに達すると、男の腰が痙攣したかのように
波打ちそのまま動かなくなった。

母親であり妻である園美には、男のその行為の意味を理解することができた。
やがてゆっくりと男は体を動かし、立ち上がった。
カメラはズームしたままなので、男の下敷きになっていた少女の股間を映し
だすことになる。
無毛で色素が沈着していない女性器からは、はっきりと破瓜の血が流れてており
ややあって白濁した液体が中から溢れてきた。
「…」
無言で画面を凝視め続ける園美。
そして、カメラはゆっくりとズームアウトしはじめる。
映像は、ゆっくりと少女とおぼしき白い身体や、幼い乳房などを映し出して
ゆき、やがてズームアウトで引ききった画面には泣き濡れた少女の表情が映しだされた。
園美が最も愛し、最も慈しんできた愛娘がそこにいた。


猿轡を噛まされ、長い黒髪を乱してはいたが、ベッド上に横たわる少女は
まぎれもなく、娘の知世だった。
「うそ…うそでしょ…」
呆然と画面を凝視める園美をよそに、ビデオは無情に映像を流し続ける。
知世はベッドで仰向けに縛られて、脚を閉じることもままならない状態で
泣いている。
そんな知世の前に、覆面をした全裸の男が現われ、涙を流している知世の身体
を起こして、足のロープを取り去った後に、荒々しく俯せにした。
覆面男はひきしまった筋肉質の体型をしており、先程まで知世を犯していた男
とは別人のようだ。
男は知世の腰を引き寄せると、問答無用で腰を密着して身体を揺すりはじめる。
ベッドに俯せにされた知世は、後ろ手に縛られており、なす術もなく男に
されるがままの状態だ。
そして、覆面男は知世の黒髪を鷲掴みにして、カメラに向けて知世の泣き顔
を晒している。
やはり、他人の空似ではない。間違いなく愛娘の苦悶に満ちた表情がそこに
あった。
カメラに自らの姿が撮られていることを意識しているのか、猿轡から漏れてくる
少女の呻き声が一層大きくなる。
そこで画面には黒い文字でテロップが挿入された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>本日の商品: 大道寺知世
>仕様: 11歳、非処女(新品同様)
>本体価格: 4000万円(税込み)
>商品に関する御質問などは以下の電話番号にお問い合せ下さい。
>Tel:090-xxxx-xxxx
>なお、警察等の関係機関に通報した場合は、取り引きは即刻中止されますので
>御注意下さい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
そこに載せられた電話番号は、知世に持たせてある携帯電話のものだ。
数秒後に画面は砂嵐に切り変わり、呆然とモニターの前で立ちつくす園美が残された。


しばらく呆然自失としていた園美だが、我に返ると慌てて携帯電話を手にして
知世の携帯電話に掛ける。
数回の呼出し音の後に、電話が通じた。
「もしもし、もしもし…」
『………』
園美の呼び掛けに対して、何の返事も返ってこない。

「もしもし、知世ちゃん! 電話に出て!!」
『………』
園美は声を荒げて、話しかけるが、知世の携帯電話からの返答はない。
何回か呼び掛けている内に、微かな声が聞こえてくる。
『むむぅ…うぅっ…むぐっ!!』
ビデオの声とそっくりの、何かを咥えさせられたような、くぐもった呻き声だ。
「知世!」
『うぐっ…んむぅっ!!』
園美の呼び掛けに対して、苦悶に満ちた声が応える。
そして、唐突に低い男の声が流れた。
『明日の朝8時に電話しろ、それまでにブツを用意して車で待機しておけ』
「ちょっと、知世、知世ちゃんを出して!!」
園美の悲痛な呼び掛けも空しく、電話は相手から一方的に切られた。
すぐにリダイアルをする園美だったが、それに応えたのは、電源が切れているか
電波が届かないという旨のアナウンスだけだった。
「知世…そんな…」
呆然とする園美を嘲笑するかの様に、ビデオは砂嵐のノイズを流し続けていた。



◆Scene.2: 受渡し
悪夢のような脅迫ビデオが届いてから、園美は知世の警護をしているチームに
知世の足取りを探らせた。
だが、数時間経っても警備員チームからの報告は上がってこない。
そして、あのビデオ…とても合成などで作りだせるものではない上に
知世の携帯電話に出た男の声…
現時点では、依然として知世の携帯には電波は通じていない。
園美は震える手で"110"のボタンを押した。

すぐに駆けつけた刑事達の事情聴取や捜査協力に答えた後、不安で一睡もでき
ないまま園美は一夜を過した。
先日送りつけられた脅迫状に書いてあった要求は、金塊で20Kgつまりおおよそ
3000万円相当であり、現金1000万円との合計で4000万円。
この金額は、ビデオの『本体価格:4000万円』に合致する。
4000万円程度であれば、大道寺コーポレーションの経営者である園美にとって
は、十分工面できる金額だった。
園美と刑事たちは、用意した金塊と現金の詰ったボストンバッグを車のトランク
に積み込み、時刻が8時になるのを待って、知世へと電話を掛けた。
刑事や録音機材が静かにその通話を見守る。
数回の呼出し音の後に、電話は通じた。
「…もしもし…知世ちゃん?」
《いやっ、やめて、痛い。いやっ、いやぁ〜》
刑事が聴きとる中、知世のものと思われる悲鳴が電話から流れてくる。
「知世!!」
園美は悲痛な呼び掛けをするが、それに応えたのは先日の男と同一人物と
思われる、感情の無い声だった。。
『金は用意したか?』


「知世を電話に出して下さい」
園美は知世の安否を気遣って犯人に対して要求をしてみたが、それに応えたの
は知世の悲鳴だった。
《やっ、やめて…熱いっ熱いぃ!! いやあぁっ!!》
電話の向うでは、知世に対して何らかの仕打ちが行われている気配がする。
声だけが聞こえて目に見えない分、余計に凄惨なイメージが園美や刑事たちの
脳裏をよぎる。
『………もう一度だけ言う。金は用意したか?』
男の声に混って、知世の悲鳴が絶えることなく聞こえてくる。
「お金は用意しました。言うとおりにしますから、知世にひどいことはやめて」
『金を積んだ車で、高速道路で○×サービスエリアへ、お前が一人で来い。』
「知世と話をさせて下さい」
『娘のためにもできるだけ早く来ることだ。遅ければそれだけ娘が苦しむこと
になる』
《ゆるして…もうゆるして…》
知世の哀願する声を最後に電話は切られた。
園美はすぐにリダイアルしたが、やはり昨日同様に電源が切られていた。
逆探知担当の刑事が首を横に振っているのを見て、園美はすぐに車のキーを
手に取った。

やがて園美一人で運転する車が、指定された、最初のサービスエリアに付くと、
園美の携帯電話にメールが届いた。
犯人が知世から奪った携帯電話からメールしているようだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>From: 知世ちゃん
>件名: 携帯を変えろ
>本文: 女子トイレの洗面台の裏に貼りつけてある携帯電話を受けとり、自分の
>携帯電話は捨てろ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


メールの指示通りの位置に置かれていた携帯電話は発信機能がロックされて
おり、受信専用にしか使えないものだった。
園美は犯人の要求通りに自分の携帯電話をその場に捨てて、犯人の用意した
携帯電話を手にした。
犯人が用意した携帯電話には既にメールが着信していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>From: xxx-xxxx-xxxx
>件名: 次の場所
>本文: ××サービスエリアに戻れ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
園美が指示された場所につくと、別の場所へと移動せよと再びメールが届いた。
そういった何本かのメールの指示に従い、園美が辿り着いた所は郊外の山中
にある廃ビルだった。
どうやら、数年前に廃業したホテルのようだが人の気配は無く、辺りには
不気味な感じが漂っている。
犯人の指示で受信専用の携帯電話に差し替えられた園美には、連絡手段は残さ
れていない。
周囲に刑事達がいる様子も無い。誘拐犯の指示に翻弄されて園美を見失ったの
だろう。
つい先程届いた最後のメールの指示では、このホテルの地下室に来いとあった。
「知世、今すぐ助けてあげるわ」
園美は、とりあえず車のトランクに金塊と現金を残したまま、ロックをした
上で懐中電灯を手にして、地下室へと向った。

園美が辿り着いた地下室には発電器とモニターが設置されていた。
発電器から供給される電力で灯った白熱灯がコンクリートの床面を照らして
おり、そこに一通の紙切れが落ちていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>モニターを見て次の指示に従え。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


園美がモニターの電源を入れると、そこには先日のビデオと同様に無機質な
コンクリートの部屋が映っていた。
昨日の脅迫ビデオとの違いは、ベッドの代わりに病院の診療台のようなものが
設置されており、そこに全裸の知世が仰向けに固定されているということだ。
「知世ちゃん!」
園美の悲鳴が地下室に響く。
知世が拘束されているストレッチャーは、L字型に曲げられており、上体が
起された形で、知世の上半身がモニターに映し出されている。
知世は先日のビデオ同様に猿轡を噛まされ、真っ赤に泣き腫らした目を
している。
昨日から絶え間無い責め苦を受けているのか、知世の表情は憔悴しきっている。
ストレッチャーに縛りつけられた知世の腕には無数の水疱や小さな火傷があり、
床には煙草の吸い殻や蝋燭が何本も落ちている。
その上、覆面男がゴム紐のようなものを火傷だらけの知世の腕に巻きつけ、
注射器で何かを投与している。
何らかの薬物を知世に静脈注射しているようだ。
いたって健康体で育ち盛りの知世に対して、一体なにを与えているというのか…

「知世に何するの!やめて!」
園美の懇願をよそにモニターでは男がゆっくりと注射器のシリンダーを押し
込んでゆく。
シリンダーの動きに合わせて、知世の目が大きく見開かれ、身体を震わせて
いるのがモニター越しに判る。

やがて、カメラはゆっくりとズームアウトし、知世の全体像を映し出す。
知世の下半身はストレッチャーに沿って、やや"八"の字に開いた状態で固定
されている。
腰と足首に皮ベルトが巻かれているために、足を動かすことができない知世。
その閉じることを許されない陰部には、黒いバイブレーターが蠢いていた。


覆面男は、知世への注射を終えると、糸鋸のような工具を手にした。
そしてゆっくりと知世の足首に添えて力強く前後に動かし始めた。
『ブチブチ…ゾリゾリ…』「うむぅ、うぅぅぅっ」
糸鋸が肉を引き裂く音と知世の悲鳴のハーモニーがスピーカーから聞こえる。

「やめて、知世を傷付けないで!! やめて! やめてよ!!」
モニターの前の園美の懇願をよそに、モニターの中では、まるでマグロを解体
するかのように、男が鋸を動かし知世の足首を曳き切ってゆく。
知世の血肉によって、ストレッチャーの白いシーツが真っ赤に彩られる。
上半身をのけ反らせ、大きく痙攣しながら猿轡越しの悲鳴を漏らす知世。
先程知世に射った注射は、どうやら麻酔のようなものでは無く、むしろ意識を
保たせるために投与しているようだ。
気絶する猶予さえ与えられず、破壊されていく自らの身体に絶望の悲鳴を上げ
る知世の姿が地下室のモニターに映し出されていく。
それを見ることしかできない園美。
画面では、震えて泣き叫ぶ知世を楽しむかのように、男は破壊を続けており
今や、知世の両足首は僅かな皮と肉で、かろうじて繋がっているだけだ。

と、そこで唐突に映像は切られ、画面にはテロップが表示された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>販売中止のお知らせ。
>バイヤーの契約違反(通報)が発覚致しましたので、本契約は破棄されました。
>またのご利用をお待ちしております。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「え、うそ。知世!! 知世を返して!!」
うろたえる園美をよそに、部屋の奥の扉の向う側が騒がしくなってきた。
モニターからの音声出力が途絶えたため生音声が聞こえるようになったようだ。
扉の向うから『ガチャガチャ』という音や、知世の悲鳴まで聞こえてくる。
それは、園美が居るこの地下室の向う側にも部屋があることを示している。


「そこに居るの? 知世!!」
園美は扉へと駆け寄り、ドアに手を掛ける。
しかし、ドアには3桁のナンバーロック錠がしてあり、開くことができない。
「知世!待って、待ちなさい!!」
園美の呼び掛けに応える声はなく、次第に隣室の悲鳴は遠ざかっていく。

数分後、なんとかナンバーロックを解除して、隣室に入った園美は絶句した。
まず園美が感じたのは異様な匂いだった。
床に撤き散らされているのは、吐瀉物に違いない。
胃液や、未消化物が放つ吐き気を催す匂いが辺りに充満している。
部屋を見渡すと、壁のそばに敷いてある新聞紙や洗面器に、液状の排泄物が
捨てられている。
洗面器やガラス製の浣腸器と共に、牛乳パックや食用酢の空瓶、トマト
ケチャップやマヨネーズの容器なども放置されている。
排泄物や吐瀉物から漂う匂いに酢の匂いが混っていたり、白や赤色の下痢状の
排泄物が大量に捨て置かれているのと無関係ではないだろう。
24時間あまりの監禁において、知世は何を食べさせられ、何を吐き、
何を体内に入れられ、そして何を排泄したというのだろうか。

部屋の右隅に据えられたベッドは、先日のビデオの舞台に違いない。
ベッドの白いシーツに残された赤い染みが、知世の純潔が汚されたことの
証明であることは容易に想像できる。
ベッドサイドには、怪しげな粉薬や錠剤、注射器そして赤く汚れたティッシュ
ペーパーなどが散乱している。
そしてテーブルの上には、ハート型に綺麗に並べられた石のようなものが
置かれていた。
良く見ると、それらは血肉が付着した人間の歯と手の爪であることが判る。
知世に残された最後の武器である歯や爪は、とうに全てがもぎ取られていた
ということになる。


「知世!! どこなの!! 返事をしてっ!!」
園美の呼び掛けに応える者はいなかった。

部屋の奥には、先程までモニターに映し出されていた診療台が設置されており
足を押えていた部分のベルトの付近は血まみれになっている。
その血痕は、引き摺られたような痕跡を残して、突きあたりにある鉄のドア
へと続いている。
モニターで流された映像と同じだとすれば、知世は奥のドアから連れ去られた
ことになる。
エンジン音が、その突きあたりのドアの向う側から聞こえてくる。
園美は無我夢中で鉄のドアを開け、階段を上る。
園美が息を切らして、階段を上りきって出た場所は、廃ビルの駐車場だった。
見渡すと、黒い車がゆっくりと発進し、駐車場を出て行こうとしている。

「知世ちゃん!!」
園美は車に向かって全力で走る。
だが、車は徐々に加速し園美との距離を空けてゆく。
当初、車が停車していた位置まで園美が来た頃には、知世を乗せた犯人の車は
既に駐車場を出ていこうとしていた。もはや追い付くのは困難だった。
そんな絶望に沈む園美の足元、つまり車が去ったその位置には大きな血溜りが
できていた。その血溜りの中には捨て置かれた二つの『物体』があった。
それは、まるで行儀良く靴を脱いで、そこに置いていったかのように残された足首だった。
先程のモニターの中では、皮一枚で繋がっていた知世のものに違いない。
一部に引きちぎられた痕跡があるということは、ここで車に乗るとき
に誘拐犯達によって、もぎ取られ、捨てていかれたのだろう。
《土足厳禁》という文字が、塗装スプレーによって駐車場の地面に殴り書き
されているが、それは犯人達が残した悪趣味なメッセージに違いない。

「そんな、そんな…」
呆然と立ち尽す園美を残し、知世を乗せた車は血臭漂う廃ビルからゆっくりと
遠ざかっていった。



◆Scene.3: 再販
季節は秋を迎え、知世が失踪してから、すでに半年が経とうとしていた。
園美は大道寺家の人脈を利用し、半年前の当時の捜査報告書を入手していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[大道寺家令嬢営利誘拐事件 金品受渡現場概要報告書]
4月2日に行われた金品受渡しにおいて、犯人グループは金品の受取を拒否し
監禁場所である△□ホテル跡の廃ビルから逃走した。
現場には、遺棄された大道寺知世の身体の一部、そして拷問に用いられた器具
や薬品等の大量の遺留品が発見されている。
・被害者の着衣:
 友枝小制服上下衣、キャミソール、ショーツ、靴下、ヘアバンド
・被害者の所持品:
 鞄、教科書、ノート、筆記用具、ビデオカメラ、手鏡、ハンカチ、生理用品
・被害者の身体部:
 踝以下の両足首、両手指爪部、前歯、犬歯、奥歯など永久歯28本
・被害者の生理遺留物:
 吐瀉物、液状便、尿液、血液、体液、毛髪など
・容疑者遺留品:
 ロープ、モニター、ベッド、医療寝台、携帯電話、ビデオテープ
 電動式ローター、アナルビーズ、注射器、食用酢、各種調味料、鞭、蝋燭
 待ち針、釣り針、煙草、止血剤、火傷薬、下剤、浣腸薬、向精神剤など

生理遺留物や薬物に関しては、現在鑑識にて解析中だが暴行の上に身体の一部
を切除されており、吐瀉物や排泄物から検出された向精神薬には、習慣性の
高い媚薬や覚醒剤なども含まれていると見られており、犯人グループに連れ
去られた被害者の健康状態が気遣われる。
犯人グループは、大道寺園美の車に積んであったマーカー付きの金塊や札束
には目もくれず逃走しており、当初から捜査陣の存在を見知していた恐れあり。
鑑定結果は追って詳細報告書にて記述する。
以上
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


この報告書が事実であれば、数々の慰留品があるにも関わらず、未だに
知世の行方や安否は不明であることがわかる。
半年を経ても成果が出ない捜査陣に失望した園美は、警備チームや探偵などを
雇い入れ、湯水のように金を使い半ば狂ったように知世の捜索を続けていた。

そんな園美の元に、再び小包が届いたのは10月13日の夕方だった。
チラシのようなカラー紙と、ビデオテープが一本入ったそれは、半年前の
悪夢を思い出させるのに十分だった。

《最終販売決定!! 大道寺知世 12歳 最終販売価格:8000万円》
…とチラシに大仰に印刷された悪趣味な売り文句が単なる脅しではない
ということが園美には良くわかっていた。
カラー印刷されたチラシには、男女が絡みあう写真が印刷されており、まるで
アダルトビデオのようだった。
普通のビデオと違う点は、女優があまりに幼く、そして愛しい娘であるという
点に他ならない。

「知世…ごめんね知世…」
園美はチラシの写真に涙を浮かべ独り呟いたが、すぐに気を取り直し
《大道寺知世 The Final 販促ビデオ 》とラベルされたビデオテープを
覚悟を決めて再生した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[7/2 09:05]
この、画面右下の撮影日付が正しければ、誘拐から3ヶ月後の映像ということ
になる。

ビデオには、太ももに注射を射たれている知世の姿が映し出された。
透明な薬液を満たしたシリンダーは男の手によって無造作に押し込まれて行く。
太腿に残された注射痕の多さが知世に与えられた投薬量の多さを物語っている。
カメラが知世の表情を捉える。
『あ、あああ…』
だらし無くよだれを垂らして呆けている姿が、あの聰明だった知世なの
だろうか?

知世の黒髪は、少女らしい感じでツインテール状に束ねられており、別の男が
両方のテールを片手で握って顔をのけぞらせていた。
髪を束ねたことで晒されている左の耳の上部は、まるで喰い千切られたような
歯型のような傷痕を残して大きく欠け損なわれている。
もう一方の右の耳には何本もの針が刺されており、今もまさに男がハサミの
ようなもので、水平に切れ目を入れようとしている。
ザクザクと切り裂かれていく耳の傷口からは赤い血が流れ出し、知世の頬や
頚筋を伝って流れ落ちてゆく。
だが、耳を痛めつけられても、悲鳴すら上げない知世。
相当量の向精神薬が与えられているようだ。
そんな知世の口元へと屹立した男根がねじこまれてゆく。
男にされるがままに、頭を前後に揺らす知世の姿を映した画面にテロップが
流れていく。
《《キメ過ぎて、オーバードーズ気味の知世。それでも、毎朝のミルクは
欠かしません。》》


[9/3 03:02]
画面は暗転し、新たな撮影日付けが表示されている。
そして、画面下部をテロップが流れている。
《《今日は知世の誕生日》》

『知世ちゃん。プレゼントには何が欲しい?』
覆面姿の男が知世と抱き合いながら、問い掛ける様子が録られている。
そしてビデオには、それに答える知世の表情も収められていた。
『おくすり、おくすり下さいっ、キモチイイくすり下さい!!』
これが、無垢で素直だった知世の姿だろうか?
演技とは思えない程、真剣に懇願する知世。
だが、知世の哀願は聞き入れられず、代りに覆面男は知世と唇を重ね
激しく吸い始める。
知世は嫌がる風でもなく、男と舌を絡めたり、涎を飲みこんだりしながら
しきりに薬をねだっている。
『知世のおっぱいもあげるから、おくすりちょうだい。なんでもするから〜』
表情や言動からして、禁断症状の気配が強い。

《《当商品は、1ヶ月前からドラッグの投与を中止し、ホルモン剤を投与して
おり妊娠5ヶ月にして、十分な母乳を採ることが可能です。》》
と、画面下を流れるテロップの文字が、知世の症状を裏付けていた。
知世はマタニティドレスのようなゆったりとしたワンピースを着ている。
半年前には殆ど無かった知世の胸の膨らみは、今はかなり大きくなっており
男が服の上から強く揉むたびに、乳首から乳液が滲み出ているように見える。
腹部の膨らみも、知世の胎内に宿っている生命の存在を示唆していた。

『このボトルをおっぱいで満したらプレゼントしてあげるよ』
男が知世に差出したのは、空の1.5Lのペットボトルだった。
初妊娠で、しかも幼い知世には到底不可能な量に思える。
《《 搾乳しますか、それとも人間やめますか》》
テロップが流れ、画面は暗転した。


[10/13 10:07]
表示日付は今日を示しており、数時間前の映像ということになる。

静かにピアノのメロディが流れ、画面にテロップがインサートされた。
《《禁断症状を乗り越え、精神状態が落ち着いた知世が贈るメッセージ》》

コーラス部で練習に励み、コーラス大会で受賞した知世の美声がビデオから
流れてくる。
『♪ハッピー・バースデイ・トゥユー ♪ハッピー・バースデイ・トゥユー』
ビデオの映像の中で歌う知世。
着用したワンピースの腹部は大きく膨らんでおり、清楚な知世の表情に対して
アンバランスな体型で切なく歌う姿が異様な雰囲気を醸し出していた。
『♪ハッピー・バースデイ・ディアお母さん』

そう、今日の10月13日は園美の誕生日だった。
「知世…どうしてこんなことに…」
無惨に変わり果てた娘の姿と美しい歌声のギャップに園美は大粒の涙を流した。

『♪ハッピー・バースデイ・トゥユー』
このシーンでは、先程までのビデオ映像で見られた、薬物による痴呆や
狂乱ぶりは見られない。
知世は禁断症状を克服し、正常な精神を取り戻したのかもしれない。
あの狂わんばかりの反応を示していた依存症から回復するために、知世は
いったいどれだけの苦しみを味わったのだろうか。
ただし、精神異常は見えないが、知世の表情には少し怯えが感じられ、
なにか強制的に歌わされている気配が伝わってくる。


1コーラスを歌い終わると、知世の怯えはピークに達した。
『約束通り歌いましたから、ゆるして。ゆるしてぇっ』
そして、画面には注射器を手にした男が映し出された。
『やめて、もうおくすりはいやぁ、そのくすりはもういやぁっ!!』
知世の哀願は無視され、半年前のビデオのように猿轡を噛まされてしまった。
『むむぅっ、むぅぅ!!』
男達は、苦しみの果てに中毒症状から回復したばかりの知世に、再び薬物を
射とうというのか。

「ひどい…どうして知世にこんな…」
ビデオの映像を前に怒りに震える園美。
しかし、傍観者たる園美にはビデオの流れを止めることはできない。
怯える知世に対して強制的な投薬が完了すると、次第に知世の目は光を失いはじめた。
やがて、知世はとろんとした眼差しで呆然とカメラを眺めるだけとなった。
そして、つい先程まで美しい歌声を奏でていた口を塞いでいる猿轡からは、
だらしなくよだれを垂れ流し始めている。
そんな哀れな知世の姿が静止画に切り替わると、半年前のビデオ同様の
宣伝文句と脅迫文が表示された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
>本日の商品: 大道寺知世
>仕様: 12歳、非処女(使用期間約半年)、妊娠6ヶ月、薬物依存、一部身体欠損。
>本体価格: 8000万円
>なお、商品に関する御質問などは受けつけません。
>ノークレーム、ノーリターンでお願いします。
>警察等に通報した場合は、取り引きは即刻中止され、再販はありません。
>御注意下さい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
もう園美は警察には連絡しなかった。
「知世…今度は絶対に離さないわ」
園美の言葉には、娘を取り戻す決意が秘められており、最後の取り引きに臨む
覚悟も十分にできていた。



◆Scene.4: 納品
ビデオが届いた翌日、犯人達が園美を呼び寄せたのは、なんと半年前と
同じ廃ビルの地下室だった。
警察が封鎖した黄色いテープを剥しながら辿りついた地下室には
半年前と同様にモニターが置いてあった。
すでに電源が投入されているモニターの中には、知世の姿があった。
やはり半年前と同じように、ストレッチャーに拘束されている。
だが今回は、知世は純白のノースリーブのワンピースを着せられており
猿轡も嵌められていない。

『出荷前検査と梱包を行いますので、いましばらくお待ち下さい』
男の声がスピーカーから流れ、画面にはガスバーナーの炎に煽られた
鉄の器具のようなものが映しだされた。
《売約済》という文字の形をしたそれは、木箱に焼き入れる時に使う
焼き鏝に違いなかった。
男は赤く焼けたその鉄塊を、ゆっくりと知世の腹部へと近付けてゆく。
「やめ、やめて…あつい…ぎゃあぁぁ、あつい。あついっ」
知世の悲鳴が延々と続く。

「知世、いま助けてあげるから!!」
扉の向うで知世が責められているのは分かっている。
園美は、この日のために秘かに用意していたオートマチックピストルを
ハンドバッグから取り出すと、鉄扉のナンバーロック式の錠前に向かって
発砲した。
マガジン内の弾丸を射ち尽しスライドストップしたピストルを投げ捨て
力を込めて鉄扉を開ける園美。
銃弾を受けて錠前が破壊された扉はゆっくりと開いていく。
扉の向うの部屋からは、絶え間ない知世の悲鳴と嗚咽が聞こえてくる。
「早く、早く開きなさいよ」
園美は渾身の力を込めたその時《ガタン》という音と共に扉の動きが止まった。
扉は丁度15cm程度開いたところで、動かなくなった。


良く扉を見るとチェーンロックのようなものが掛けられており、これ以上
は園美の力では開きそうにない。
その内側のチェーンは、4桁のナンバー式のロックで施錠されていた。
開いた扉の隙間から、知世の姿が園美の視界に入った。
知世に着せられていたワンピースは腹部が焼け落ち《売約済》の火傷が生々しく
残されていた。
そして、ついに知世の瞳が扉を開けようともがく園美の姿を捉えた。
「お母さん!! お母さん!!」
「知世!」
そんな扉越しの母娘の会話など何も聞こえないかのように犯人の男達は
鋸を手に取って宣言した。
『それでは、梱包用に分解します』
鋸は知世の両腕の付け根に添えられ、やがてゆっくりと動き始めた。
「や、やめっ…いたいっ! おかあさ〜ん!!」

「何? 何なのよ!」
届きそうで届かない知世の姿に園美は焦燥し苛立った。
これでは半年前の悪夢の再現ではないか。
もう弾丸は射ち尽くしており、バッグの中にはナイフとスタンガンしか
残されていない。
「開けなさい!! ここを開けなさいよっ!!」

園美の叫びを無視して、男達は着々と知世の解体作業を進めていく。
もう既に知世の両腕は床に転がっており、今度は男達は知世の太ももの切断に
着手しはじめていた。
『ゾリゾリ…ゴリゴリ』
「いたい、いたいぃぃ。おかあさん、たすけて。たすけて。」
肉や骨を挽き切る音に知世の悲痛な叫びが重なる。


「お金はあります、ちゃんと持ってきたのよ…もうやめて、やめて下さい」
園美は犯人達に懇願するが、鉄の扉を狭んで黙々と作業を進める男達に
聞く耳は無いようだ。
やがて、『ドサッ』という音と共に知世の両足が床に落ちた。

「最後に、付属品を取り外します」
犯人達は、今度はメスのような物を手に取り、大きく張り出した知世の
腹部に刺し込んでゆく。そう、まるで胎児を帝王切開するかのように…
犯人達が言う『付属品』が意味する所は明白だった。

「いやぁぁっ!」
知世は腹部を裂かれる恐怖に駆られ、いっそう大きな悲鳴を上げ始めた。

「何でもします、何でも差し上げますから、知世に酷いことしないで…」
園美の悲痛な願いをよそに、既に男達は子宮ごと『付属品』を取り出していた。
そして、男達は子宮のみならず、腹部をさらに切開し、卵巣、小腸、胃袋
といった器官を次々に取り出して床にばらまいてゆく。
『ビシャッ、ベチャッ』
という音と共になにか肉塊のようなものが次々と床にぶちまけられてゆく。

知世が着ていた白いワンピースは、下腹部を切り裂かれ、もはや赤いワンピース
と言って差し支えないほどに血に染まっていた。
「あ、あっ、うぅぅ…」
消化器官や生殖器といった腹腔の中身の大部分を失い、もはや声にならない
知世の呻きが地下室に響く。だが、それも次第に力が弱くなってきている。
「お…おかぁ…ん」

「知世、しっかりして。いまいくから、いまいくから!!」
園美は必死でナンバーロックを回して開錠を試みているが、知世の身体は衰弱
が進行し、園美の声が届いているかどうかすら怪しい。


そんな母娘二人に我関せずというかのように、犯人達は、切除されたばかりの
両腕、両足、子宮、そして同時に引き出された臓物を手際良く段ボール箱に
詰めこんでゆく。
段ボールには《大道寺知世 パーツ類》と記されている。
そして、最後に犯人達は、切り分けられ、軽くなった知世の身体を
《大道寺知世 本体》と記され別の段ボールに詰め込み、園美に語り掛けた。

『納品が完了致しました。それではごゆっくりお楽しみ下さい』
事務的な言葉を残し、犯人達は半年前と同じように反対側の扉から去って
いった、園美と知世だけを残して。

「知世、もうちょっとよ。すぐに助けてあげるから…返事して!!」
狂ったようにロックを操作し、知世に呼び掛け、励まし続ける園美。
「ぉ…ぁ……ぁ…………」
だがそれに応える知世の声は次第に小さくなり、やがて聞こえなくなった。
ロックが解けて、箱の中に収められた少女だったモノと母親が再会したの
は、男達が去ってから2時間後のことだった。

「知世、お家へ帰りましょう…」
変り果てた娘を箱から取り出し、語り掛ける園美の目には狂気の色合いが
色濃く現われていた。
園美は冷たくなった知世を抱え、ブツブツとなにかを囁きながら、地上へと
続く階段をゆっくりと上がっていった。
知世が詰められていた箱の上には一枚の紙切れが貼り付けられていたのだが、
果して園美の目にとまったかどうかは定かではない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
[取扱説明書]
生物ですので、開封後はなるべくお早めにお召しあがり下さい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<了>



323 :おにたけ ◆UtuOniTAKE :04/06/23 20:08 ID:vDg0257k
あとがき。

知世と言えば、「カメラお嬢」ということで、カメラを小道具にしてみました。

やや変化球勝負かもしれませんが、いかがでしょうか。
長々と失礼致しました。

管理人/副管理人のみ編集できます