極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

春の柔らかい夕日の中、マリア様の像の前を二人の少女が過ぎ去って行く。
一人は三年生になった祐巳だ。トレードマークのツインテールは下ろされすっかり大人びたふいんき(何故か変換できない)になった。
けれども・・・
「も〜う、お姉さまって呼ばないと返事はしないよ?」
「もぉ、子どもじみた事を。・・・・祐巳お姉さまってば。」
「やったぁ〜!瞳子ちゃんに初めてお姉さまって呼ばれた〜。」
はしゃぐ祐巳を尻目に瞳子は口を尖らせ精一杯の照れ隠しをしてみせる。けれども内心彼女は嬉しくてたまらないのだ。
あの祐巳が自分を彼女の妹にしてくれた事が。憎まれ口ばかり叩いているが、瞳子は祐巳が自分を選んでくれたことを
本当に幸せなことだと思っている。 

「もう、祐・・・お姉さまはロサ・キネンシスとしての自覚がちっともありませんのね。
子ども子どもしていてお見苦しい限りです。」
「ふえぇ、瞳子ちゃんたら酷いぃ・・・・。」
つんと祐巳を無視して瞳子は先を急ぐ。
そんな瞳子を呼ぶ声がする。乃梨子だ。何か紙切れを手に息を切らしながら走りよって来る。
「もう、二人とも何をしているの!!??」
「あら、確か今日は薔薇の館に集合しなくても良い日では?それにスカートのプリ・・・」
瞳子の前に一枚の紙が突き出される。瞳子越しに覗き込んできた祐巳は驚愕の表情を浮かべる。

そこには大きな見出しでこう書かれていた。
『リリアンかわら版緊急スクープ!!
ロサ・フェティダ”私の妹にならない?”不純同性交友の全て!!!』


山百合会に対し悪意を持ったような記事が書かれ始めたのは、旧・薔薇様たちがこの学園を去ってからだった。
前々から薔薇の館での出来事をセンセーショナルに取り扱う記事が、
かわら版に何度か掲載されていたが悪意を持った文章は初めてである。
乃梨子は校外の男子生徒と遊び歩いている、祐巳の父親の設計事務所の経営状態が悪い、
エキセントリックな見出しで他の生徒の目を引かせた。
自分たちが薔薇様として頼りないゆえにこのような噂が立つのであろう、祐巳たちはこの事について言及はしなかった。

しかし今回の内容は目に余る。
『ロサ・フェティダとはブゥトンの頃から肉体関係がありました。部活が終わった後私たちは・・・』
『恥ずかしがる私のアソコに由乃様は下を這わせて・・・』
下卑た内容の文書が続々と連なる。
志摩子は途中まで読むとかわら版を机に置いた。ため息すらつく気力がない。
由乃にはまだ妹ができていない。祐巳はそのことを密かに心配していた。
口には出さないが由乃も気にしている。
自分の姉もまた一学年年下の妹は作らなかった。遅くても良い。自分に見合った妹を見つければ良い。
祐巳と由乃にそう語った矢先の出来事だった。
・・・薔薇の館にはまだ誰も来ていない。

「・・・酷い。酷いよ!!こんなことって・・・!!」
祥子と自分が姉妹になった時とても喜んでくれた由乃、祥子との間に何かあった時いつも親身になってくれた由乃。
こんな時に彼女の何の力にもなってやれない祐巳は、ただ涙を流すことしかできなかった。
「お姉さま・・・。」
瞳子と乃梨子もまたそんな祐巳の背中をただ見つめるしかなかった。


真美が薔薇の館に呼び出されたのはその一時間後だった。真美は分かっていたのだろう。すぐにしかし何も言わずに祐巳たちの前に立った。
普段とまったく変わらない落ち着いたふいんき(なんで変換できないんだろ・・・)の白薔薇姉妹。泣き濡れた姉を妹がいたわっている紅薔薇姉妹。
「新聞部の部長としてのあなたに尋ねます。最近の・・・特にこの新聞のロサ・フェティダについての記事について少々尋ねたいことがあるのだけれど・・・。」
志摩子がまっすぐに真美を見つめる。
「ロサ・ギガンティア、何をおっしゃっているの?」
白々しく答える真美。少し眉を寄せる志摩子。
「ロサ・フェティダについての記事を訂正して欲しいの。・・・最初から訂正する事実すらないのだけれど。」
「そうよ。訂正の必要がない真実ですもの。」
「どうしてそんな事ばかり言うの!!??真美さん!真美さんがそんな新聞ばかり作っているとわかると・・・真美さんのお姉さまだって・・・・。」
涙を浮かべながら祐巳が叫ぶ。真美はまるでおかしいものを見たかのように笑い出した。
「あはははは。あんな女がお姉さまですって!!??薔薇様とやらをパパラッチするくらいしか能がないくせに!!」


「あたしはねぇ山百合会の連中が大嫌いなのよ!ちょっと姉が偉いくらいで選ばれた存在のような顔をしちゃってさ。
調子に乗ってるんじゃないわよ!!見てなさいよ。今にかわら版を使ってあんたたちの化けの皮を引っぺがしてやるわ!
あたしの姉だって・・・・いつもいつもあたしよりも山百合会の連中の妹の方ばっかり見てたんだ!!
畜生!畜生!!ふざけやがって!!!!」
志摩子が大きなため息をついた後、一言呟いた。
「あなたが私たちを憎んでいる事、あなたがこれからも新聞部の方針を変えない事はよく分かりました。
・・・けれども私たちの大切な山百合会の仲間を侮辱したのは許せない。」
  び  し   っ
突如真美の後頭部に衝撃が走った。いつの間にか後ろに構えていた瞳子と乃梨子が掃除用具(主にモップとか)の柄で真美を殴りつけたのだ。
さっきまで泣き崩れていた祐巳が高圧的に真美に言い放つ。
「これより山百合会の今回の件の対処法を言います。
あの新聞は変態性欲者の新聞部部長が自分の自慰のために書いた記事を集めたものだと山百合会で後日発表を行います。」
「そのための写真やら何やらをこれから撮影しますね(はぁと。」
瞳子が2発目のモップの柄を真美にお見舞いしながら、なんとも楽しそうに言葉を放った。


「ぐっ・・・あんた達ィ〜〜!!」
  ご  す  っ
容赦なくモップの先端を真美の鳩尾(みぞおち)にくらわせる乃梨子。
奇妙な声を立てて床にへばり付く真美に追い討ちをかけるように瞳子は水に濡れたモップを真美の顔にお見舞いした。
「うmmm・・・ぶ〜〜〜〜〜。」
金具が鼻に命中したのだろう。大量の鼻血が溢れ出している。そのような状態の真美の顔を容赦なくモップで撫でながら瞳子は言った。
「瞳子のお姉さまに感謝してくださいね?真美さまのお顔を綺麗にしてから写真に収めてくれるみたいよ。」
汚れたモップを何度も真美の顔の上でこねくり回す。乃梨子の方は先程と同様に何度もモップの先端で真美の鳩尾を突いている。
見物を決め込んでいる祐巳と志摩子。祐巳は蔦子から借りた一眼レフをいじり始めた。
「瞳子ちゃん、もっと力を込めなきゃちっとも綺麗にならないよ。」
「大切な所がもともとが汚れているから駄目よ。乃梨子、そろそろ・・・。」
「はい。」
モップの柄で乃梨子が真美のスカートをたくし上げる。そして布越しにまたもモップの柄を使い、真美の性器を弄び始めた。
「ン・・・ンアアアアアア!!イアアアアアアアアア!!!!やァ・・・・めてェェェ!!!」
「ようっし!!シャッターチャンス!変態新聞部部長、モップの柄でオナニーをする!!」
うるさい真美の口をモップで塞ぎながら瞳子が呟いた。
「お姉さまったら下品な言葉を使わないで・・・。」

「あっ。真美さんたら下着越しに中が見える。」
何度もフラッシュを光らせながら祐巳が呟く。涙と鼻血が混ざり合った顔で真美が白い光の中にいる。
「お姉さま。瞳子は気持ち悪くてたまりません。こんな事をされて悦ぶ人がいるだなんて。」
「祐巳様の仰る事は間違っていなかったんでしょうね。」
乃梨子はそう言いな分泌物でらどろどろに汚れた下着を脱がせ、柄の先端を真美の小さな割れ目に差し入れた。


「もういいわ、瞳子ちゃん。口からモップを出してあげて。」
「瞳子ちゃんもこっちにおいで。一緒に真美さんの汚い割れ目がこれからどうなるかを見よう。」
真美は必死に声を振り絞った。というよりもこの状況では声を出すくらいしか抵抗しかできない。
「お・・・おおおお、お願い。止め・・て・・・・・・・。やめてぇぇぇぇえええ!!!」
その時だった。真美の股間から黄金色のしぶきが上がった。あまりの恐怖に耐え切れず、真美は失禁してしまったのだった。
「きゃあぁ!」
反射的に乃梨子は全ての力をモップに込めてしまった。
「か゜・・・。・・・・・あぎぃイイイイいいイイいい!!!!ヒぁいイイイ・・・イいィいイ!!!!!」
刹那の間を置いて真美が叫び狂う。破瓜の血と尿が混ざり合い薔薇の館の床を汚してゆく。その様子を祐巳は余す所なくカメラに収める。
「乃梨子、制服は汚れていない?」
「は・・・はい。でもゆっくり時間をかけて挿れなさいと言われていたのに。」
「一回破れちゃったらどうしようもないよ。乃梨子ちゃん、ゆっくり8の字に大きく回すんだよ。」

唐突に純潔を(しかもモップの柄に)奪われた真美は何が何だか分からなくなっていた。
しかし何かが自分の下腹の中で暴れまわっていることだけは理解できた。
「ぁゴ・・・。ぅひひひぃ。や”め”で・・・・・・・。」
「なにか仰ってますよ。」
「気持ちいいからもっとして、と言っているのよ。浅ましいわ。」
蔑みの目で白薔薇姉妹は真美を見下ろす。一方紅薔薇姉妹は
「ここのボタンでシャッターが切れるからね。」
「見ていてください。瞳子はお姉さまよりも素敵な写真を撮ってみます。」
目の前の悲惨な光景をまるで写真大会を行うかのように連写していた。


「あっ、そうだ。祐麒の隠し持っていたエッチな本で見たんだけど・・・。」
「えええええええぇぇぇぇぇ!!??祐麒さんが!!!!????」
何故か必要以上に驚く瞳子に祐巳は指示する。瞳子は言われたとおりにもう一本のモップの柄を真美の蕾に突きたてた。
「あああああぁあがっ!!」
自分の排泄器官に物を突き立てられる屈辱と苦痛に、真美はより一層甲高い声を出す。
「確か2本挿しって言うんだよ。」
「祐巳様はとても詳しいんですね。」
「そうだ、乃梨子ちゃん。瞳子ちゃん。モップの先をもっと持ち上げるように突き刺してみて。」
「えぎぃ・・・くううアぁぁァアアアア!ぃ・・・いだぁぁぁあい!!」
真美の腹が裂けそうなほど膨らむ。
「赤ちゃんが入るんですもの。お腹はもっと膨らむはずよ。」
「こんなお腹からは生まれたくないな。」
無駄口を叩きながら相変わらず祐巳はシャッターを切り続ける。柄の間から真美の性器の中を撮りながら呟く。
「うえぇ。気持ち悪いよぉ。」

「どんな気分?真美さん。」
「あがぁ・ぁぁあ嗚呼!!」
祐巳は2年生にもっと力をこめて突くように指示した。
「やぁぁめえぇてぇぇ!!いた・・・・い、痛いようぉ!!!!!」
「由乃さんはもっと辛い思いをしたんだよ。相手にその辛い行為を止めなかったのに自分は止めて欲しいっておかしいよ。」
真美の知的な外観を作っている額を祐巳は憎々しげに踏みつけた。真美も反対に祐巳を憎々しげに睨みつけてくる。
「ちっとも反省ができていないのね。本当に呆れ返るわ。」
柄にも合わず志摩子は真美の白く愛らしい頬を小刻みに蹴りつけた。
  が  っ
「あひゅいぃ!!」
  び す っ
「げひぃ!!!」


一時間近く真美の性器と排泄器官を攻めあげ、瞳子と乃梨子は大分疲れたようだ。
「ちょっと休憩を入れましょうか。お茶を沸かしたわ。乃梨子が買ってきてくれた四国のお土産もあるわ。」
「春休み中に四国八十八ヵ所巡りをしてきたんです。」
血と分泌液、排泄物に汚れた柄を二人は真美の中から引き抜いた。ひくんひくんと真美の体は大きく痙攣している。
「あのメス豚はどうされます?動けないとは思うんですが。」
「もちろん私たちがお茶をしている間にも罰は受けてもらうつもりよ。」
祐巳たちは真美の脚に何かをくくりつけている。それは教科書が満タンに入った通学鞄だった。
「ェぅぁ・・・貴方たち、何を・・・・。」
「今に分かるわ。」


「嫌ァァァ!!止めて〜ェ!!!裂けるぅ!!!!!!」
薔薇の館のメンバーたちは真美の制服を破り捨て館の窓のサッシに跨らせた。
少しでも動くと2階から地面に落ちてしまいそうな恐怖、と下肢から体を二つに引き裂かれそうな強烈な激痛に真美は泣き叫んだ。
「うるさいわね。」
「まだあんなに叫ぶ力が残っているだなんて流石はゴキブリ並の精神を持った新聞部ですわ。」
不快そうな志摩子に瞳子が真美の腹に拳を入れながら答える。何回目か瞳子の拳が真美の腹に命中したときだった。
「ゴブう゛え゛ェ・・・・。」
真美が腹の中のものを吐き出した。咄嗟(とっさ)に身を引いた瞳子は何とか難を逃れた。
「もういいよ。瞳子ちゃん。金●まんじゅう、美味しいよ。」
●島銘菓●長まんじゅうを差し出しながら祐巳が瞳子に声をかける。
「阿波の名物は確か狸でしたね。」
乃梨子の発言に薔薇の館は笑いに包まれた。



「あぁ、お茶の美味しかったこと。」
「瞳子さんはもういらないの?」
「えぇ、お土産美味しかったわ。乃梨子さん。ところで、私たちだけでお茶を楽しんでしまって・・・
あの牝豚にもおいしいお茶をご馳走してあげては?」
瞳子が意地悪く真美を見つめる。真美の粘膜の皮膚は裂け、サッシから床まで血が滴っている。しかし意識ははっきりしているらしく
相変わらず山百合会の面々を睨みつけている。
「いい考えね。どうされますか。」
「とてもいい考えだわ。祐巳さん。」
大きく祐巳も頷く。

「い・・・いあぁ・・・・・・。」
真美の目の前に大きな漏斗が2つ用意された。下肢を血まみれにした真美が床に引きずり倒された。
祐巳は顔を掴むと一つの漏斗を口に、志摩子がもう一つを肛門につきたてた。
「ム・・・ぐぅ!!!!!」
一体自分が何をされるか瞬時に理解した真美がくぐもった声を出す。志摩子が沸き立った薬缶をコンロから外してきた。
「お白湯だけど、とても美味しいからたっぷりと召し上がってね。」
「ム・・・・ムギュウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!」
ゆっくりと志摩子が真美の漏斗に熱湯をたっぷりと注いだ。


「むぐっ!むうぐぅう!!ぐゥゥウウウ!!!!!!」
漏斗から白い湯気が立ち上がる。真美が体を大きくびくつかせる。
「う〜ん。動くところを見るのは面白いけど、これは写真にしてもなぁ。」
「祐巳さん、これからが面白くなります。カメラを・・・・。」
志摩子が茶目っ気ある顔で答えた。
真美はまるで芋虫のように体をひねらせる。言葉にならない言葉を必死にあげている。いや、あげようとしているのかもしれない。
「消化の穴を全部使用して山百合会のお茶を楽しめるだなんて真美さまはとてもラッキーですわね。」
「あら、えっと・・・そのお尻の穴が・・・・。」
乃梨子が頬を染めながら指差す。後ろにささった漏斗が大きく動いている。

「乃梨子、悪いけど漏斗を抜いて代わりにさっきのモップをできるだけ挿れてあげて。祐巳さんは窓の外の下へ。」
「・・・はい。」
真美はいつの間にか白目を剥きかけている。まだまだこれからよ・・・。志摩子は柔らかい笑みを浮かべながら次の展開を考えていた。
「二人とも、ゴキブリを逆さ吊りにして窓の外へ吊るしてあげてね。手が疲れたら地面につかないくらい力を緩めていいから。」

階段を下りながら祐巳は由乃のことをずっと考えていた。許せない、人の最も辛い部分を面白おかしくした記事を書いたこと・・・。
きっと由乃は一生かけても消えない心の傷をつけられただろう。あの牝豚には絶対に消えない痕をつけてやる、と。




まだかろうじて夕日は空に残っている。いつの間にかできた春の夜の影は真っ赤な空と相容れてこれからの惨劇を予想させた。
薔薇の館の窓から奇妙なモニュメントが吊るされていた。裂かれた木に他の木を継ぎ足したような姿だ。
裸に剥かれありとあらゆる責めに遭った真美だが、まだかろうじて意識は残っている。すぐにでも失いそうな意識の中で彼女は戦っていた。
湯を腸(はらわた)に注がれることで起きてきた排泄の予感と。
「モップの柄、抜けないようにしてね。」
「はい、ロサ・フェティダ。」
舌は湯に焼けきって上手く回らない。しかし奇妙な声を発することにより真美は排泄を願った。
「何か言ってらっしゃいますわよ。」
「元気な先輩ですね。感心します。」
瞳子と乃梨子はロープを揺らしながらおしゃべりをしている。
「お尻の穴からモップを入れているということは、そのまま突き刺せば排泄器官を通って口から出るのかしら。」
「乃梨子、あんまり奥に突き立てて殺しては駄目よ。神は無駄な死は喜ばれないわ。」
「だって、真美様とてもびくびくされてモップが抜けそうです。」
モップの先端が大きく揺らぐ姿を志摩子も確認した。祐巳は下でカメラを構えた。

突然モップが抜けた。途端に春の空気を汚す強烈な悪臭があたりを包んだ。真美が腹の中で抱え込んでいた汚物を一気に噴射したのだ。
「ぁ・・・・あ・・・・・・!!!!!!!!」
声にならない声を上げ真美はひたすらに排泄する。その様子を祐巳はひたすらに撮影した。
涙で濡れる真美の頬を排泄物が悪臭を放ちながら隠してゆく。口にも鼻の穴にも耳の穴にも尻の穴から垂れ流した排泄物が流れ込む。
さかさまにつられた状態で真美は嘔吐した。
新聞部の冷静で愛らしかった少女はあっという間に自らが体内から出した汚物で二目と見れない姿に変わり果てた。


「さて、そろそろ私たちも仕事に取り掛かろうよ。」
「ええ、今まで乃梨子たちが頑張ってくれてたから。」
肉切り包丁を構える祐巳と鋸を構える志摩子。驚愕に目を見開く真美だったがそれ以外の反応はなかった。
もう真美にはそのくらいの反応しか出来なかったのだ。祐巳たちの凶器が真美の腕の付け根に乗ったときだった。
「お待ちになってお姉さま。」
瞳子が二人を制止した。
「紅薔薇と白薔薇でどちらが早く腕を切り落とせるか競い合って見てはいかがかしら。」
「え、お姉さまったら大丈夫かしら・・・・。」
祐巳に比べて儚げに見える志摩子を乃梨子は心配した。
「大丈夫よ。いつも廊下を掃除するのは私の仕事だもの。」
「じゃあ、そろそろ始めようか。最後に声を振り絞ってね。真美さん。」
「それでは・・・・・・始め!!!」
元気よく瞳子が合図を送った。

「ひぎゃ。・・・・うぎゃああああ・・・ぁぁぁぁ・・・っぁああああぎゅううううう!!!!!」
真美の腕の肉を切るのは祐巳のほうが優勢だった。床は真美の新鮮な血液で真っ赤に染まっていった。そんな様子を見ながら瞳子が呟いた。
「肉切り包丁を用意するだなんて、お姉さま冴えていますわ。」
大量の血液は祐巳のスカートの端を汚していく。しかし祐巳はそんな事は全く気にせずに真美の腕を切り落とすことに躍起であった。
「えぐぅ・・・・・・ぐぎゃあああぁあぁぁああっぁ!!」
志摩子は大分苦戦しており、何度も同じ箇所入ったり来たりしていた。
「意外と切れにくいものなのねぇ・・・・。」
「お姉さま、丸太を切るようにしてみてはいかがですか?」
白薔薇姉妹にとって真美はもう人間ではなかった。道端に転がっている棒切れに等しかった。
「あびぃ!!ぐがぁぁぁ!!!!」
「ぶぁあああぁっぁ!!!!!!ああぁぁぁぁぁああぎぃぃぃぃ!!!!ひぎぃぃぃぃぃ!!!!!」
真美の生存本能が出す獣のような叫び声と生臭い血の匂いが、薔薇の館を包んでいった。


「えぶぃ、えぎぃぃぃ・・・・。」
其処には両腕をもぎ取られた真美が転がっていた。奇妙な声を出しながら真美は剥きようがないほどに白目を剥いていた。
「ですから骨を切るのは圧倒的に鋸の方が有利と言うものです。」
勝負の結果について瞳子と乃梨子が言い争っていた。祐巳と志摩子の凶器は同時に地面についたのだった。
「もう、つまらない事で喧嘩をしない!まだ脚が残っていることだし・・・・ねぇ志摩子さん?」
「いいわ。受けて立つわ。祐巳さん。」
真美の腕の肉や血がまだ生々しく残っている凶器を、祐巳と志摩子は再び真美の方に向けた。
「・・・・ぁぁぁぃ・・・・・・・・」
相変わらず分けの分からない言葉を発しながら、真美はおそらく彼女の人生で最後になるであろう涙を流した。

「なんだかもう声を出さなくなったからつまらないわね。祐巳さん。」
脚を切り終えた志摩子がつまらなそうに呟く。息をしてはいるがもう真美は生きる屍なのだ。かすかに息をしている事くらいしか分からない・
「そろそろ帰りましょうか。もう遅くなってしまったしね。」
「お姉さま、これはどうされますか?」
「あぁ・・・・それね。マリア様に向かって懺悔をさせようと思っているの。」
「流石はお姉さま。お優しいんですね。」
だから運ぶのを手伝ってね、と乃梨子たちに志摩子は言った。

   ご  とっ
   ど   こ  っ
奇妙な音が薔薇の館に響く。祐巳たちが真美だったものを引き摺っているのだ。今は階段を下りている。
真美が引き摺られた後には赤黒い血の痕がついている。
このまま真美を引き摺ってマリア像の前まで連れて行くのだ。その状況はまるでゴルゴダの丘へ連れまわされるキリストの様だった。


春の夜には大きな満月が輝いていた。眩しい白き光は数人の少女を映し出していた。
「ハァハァ。以外と重いのね。」
祐巳たちは真美の前髪を引き摺りここまでやって来た。ずっと引き摺られてきたせいか、真美の薄皮は所々裂けて血が噴出している。
マリア様は月光のせいで昼とは全く違った表情をしているように見えた。
「マリア様。どうかこの哀れな子羊をお許しください。」
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「そうですか。マリア様。」
「残念ね。マリア様は貴方の行いを許すことはできないそうよ。」
4人の少女たちは真美の胴体しか残っていない体を持ち上げた。そしてその真美の塊をマリア像を守る柵の鋭利な先端へ運び・・・・・。



「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
帰りの挨拶が、幻想的な春の満月の下にこだまする。
マリア様のお庭に集う乙女たちが、天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けて家路に着く。
深い色の制服はすっかり汚物と体液に穢れてしまっても、彼女たちはスカートのプリーツは乱さないように、
白いセーラーカラーは翻さないようにゆっくりと歩いてゆく。もちろん今宵の惨劇を明日の朝誇らしげに話すなどといった、
はしたない生徒など存在していようはずもない。

私立リリアン女学園。ここは乙女の庭。
そして、正義の名の下に惨劇が繰り返される箱庭の楽園。



660 :誘いうけ:04/09/23 20:15:43 ID:CYdMTaHk
何とか終わりましたです。
おつおつ言ってくださった皆様、どうも有難う御座いました。
ダラダラと素人のssでスレを消費してしまい正直すみませんでした。
よろしければまた此処でリターンマッチさせて下さいませ。

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