極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

「ちょっと……タイム……」
志摩子達が修学旅行から帰って2週間ほどしたある晩。
小寓寺の一室に二人はいた。
1週間の長きにわたり志摩子と会えなかった乃梨子は、
二人きりになれるチャンスを今日まで待った。
今日は、乃梨子の父が檀家のところへ呼ばれ、帰らないと
わかっていたから、さらにこの2週間を耐えた。

学校が終わって志摩子の家に直行した二人は、夕食もとらずに
愛し合った。
そしてその四回戦が終わったところで、先に音を上げたのは、乃梨子のほうであった。
「もう無理。限界……志摩子さん、私ちょっとシャワー浴びて何かつくってくる。お腹もすいたしね」「乃梨子……いかないで」
起き上がろうとする乃梨子の手を志摩子がつかむ。
「だって……もう汗びっしょりで匂いもすごいし。さっぱりしてから……うわっ」
半分体を起こしたところで乃梨子は志摩子に引っ張られて体制を崩した。
そして再び志摩子の胸の中に倒れこむ。
「私……乃梨子の匂い好きよ。お姉さまも、静さまの匂いも素敵だったけれど。でもやっぱり乗りこの匂いが一番好き」
「私も志摩子さんの匂いがすき……でも、こんなときに他の女の人の名前はあんまり聞きたくないんだけど?」
「あ、そうね。ごめんなさい」
「まぁいいけど。そんなに私の匂いが好きだって言ってくれるんならシャワーはパス」
「でも、お腹はすいたからやっぱり何か作ってくるわ。志摩子さん、なにがいい?」
障子からわずかに差し込んでくる薄明かりの中、起き上がった乃梨子を志摩子はうっとりとみつめていた。


「志摩子さん?」
「ああ、ごめんなさい。そうね……ええと、じゃあ……」
「じゃあ?」
「……なにか美味しいものを」
「美味しいもの?じゃあ世界で一番美味しいものとか」
「あ、でも世界で一番とかいってもなんだかわかんないね」
「そうね。乃梨子は……何だと思う?」
「世界で一番ねぇ。世界の三大珍味と言えば……キャビアにフォアグラ、トリュフだっけ?」
「でもあれってどう考えたってフランス料理の定義よね」
「志摩子さんは三大珍味……って感じじゃないし。ひょっとして……銀杏?」
おそるおそる顔を覗き込む乃梨子をみて志摩子はクスリと笑う。
「確かに銀杏は好きだけれど。それは世界で一番じゃないわ」
「世界で一番。それは……」
「それは?」
「それは……………………」


「世界で一番美味しいものって……志摩子さんは何だと思う?」
「世界で一番……ですか?」
「そう」
私は静さまのこういう質問がちょっと苦手だ。
修学旅行の二日目。ピサの街で静さまにお会いしてから私は夜に外泊をした。
本当は規則違反なのだけれどイタリアに知り合いがいるから、といって許可をもらったのだ。
幸い三日目はフィレンツェの見学。
静さまの家はフィレンツェに程近い場所だと言うこともあって案外すんなりと許可が下りた。
私は静さまの家で一晩を共過ごし、そして静さまに愛されもした。
そうしている時の小休止の最中、静さまはいつものように言葉を私に投げかけてきた。
「それは……こう……私にとって、ということでいいのでしょうか」
質問の意味を掴みかねて私は逆に静さまに質問を返してしまう。
そんな私を微笑みながら静さまは見ている。
「そうね、志摩子さんにとって、という言い方でもいいわ」
「それでしたら……銀杏とかユリ根とか。そういったものが一番美味しいと思うのですけれど」
「銀杏に……ユリ根ね」
「ええ……昔から、そういうものが大好きなんです」
「志摩子さんは、銀杏って何だと思う?」
まただ。
銀杏はイチョウの種子だ。
でも静さまはきっとそんなことを聞きたいんじゃないんだと思う。
「私はね、銀杏はイチョウの卵だとおもうの」
「卵、ですか」
「銀杏は、秋にその実を地面に落として春にイチョウの芽を吹かせる。それは植物だから種、とよばれるだけであってイチョウも生物だと考えればそれは卵だってことになるわ」
「ええ……それは確かにそうですけれど」
「銀杏が美味しいのはそれが卵であって生命のすべてが詰まった命の源だからだと思うの」
「じゃあ、静さまが世界で一番だとおもっているものというのは……」
「そう、大きく言ってしまえば卵、と言うことになるわね」
そんなことが言いたくてわざわざこんな回りくどいことを静さまはしていたのだろうか。
私はちょっと腑に落ちなかった。
「志摩子さんたちがイタリアに来るとわかったときに、私はどうしたら一番のもてなしが出来るだろう、って考えたの」


「静さまは私たちを歌でもてなしてくださいました」
「そうね。でもあれは祐巳さんたちに送った歌。志摩子さんには今日、別のものをとかんがえていたのよ」
「それで……どうなさるおつもりなのですか」
「世界で一番美味しいものを振舞おうって決めたの。思えば志摩子さんとの最初のデートもたべてばかりだったしね」
「それが……さっきの卵の話なんですか?」
「そう。私はその答えに自信がある。いいえ、あった、と言うべきかも知れないわね」
「でも今は……私が世界で一番美味しいものを用意できたのか。と言うことを志摩子さんに確認して欲しいだけなのかもしれない」
「静さまが、用意……ですか?」
「そう」
「見て」
そういわれて振り向いた志摩子の視線の先で、静は自らの女性器を限界まで開いて見せた。
静の指によって限界まで開かれた膣のさらにその奥。
静の愛液にまみれてキラキラと光る丸くぷっくりとした肉の口が志摩子の視界に飛び込んできた


「え……それって……」
「そう……それは静さまの子宮口だったの」
「私、知らなかった。女性のあそこがあんなに可憐で美しいなんて」
「静さまの子宮をはじめて見て……そこにキスしたいと思う気持ちを止められなかった……」


静さまは言った。
この肉の口の向こうに私のために用意した最高の卵があるのだと。
静さまの子宮口に口付けをしながら私は夢現でその言葉を聴いていた。
この向こうに、最高がある。
静さまに促されるまま、私は静さまの子宮を口に含んだ。
「噛んで。思い切り。私の子宮を喰いちぎって」
その言葉を合図に、私の中で何かが切れた。
グギュッ……ゴリッ……
私が歯を立てる度、硬いゴムのような感触が伝わってくる。
そして悲鳴にならない押し殺したような静さまの声。
ゴギュ……グギュゴギュッ!
ひときわ大きく口の中に音が響いたと同時に
静さまの押し殺した悲鳴も聞こえたような気がする。
気が付くと、私の口の中にゴムで出来た輪のような肉の塊が転がっていた。
何度も何度もそれを租借し、私は飲み込んだ。


そこから先は、夢中だった。
もう私を遮るものはなにもない。
静さまの女性器に手を入れ、接合部を失い不安定に揺れる子宮をまさぐる。
子宮のそのさらに奥。
薄い膜に包まれた左右1対の卵。
静さまが私のために用意してくれた最高が手に触れると、
それが靭帯で固定されていることも忘れて力任せに引っ張っていた。
そうして気が付くと、血まみれになった私の手の上には、
入り口が欠けてしまった子宮に繋がった静さまの二つの卵巣が乗っていた。
そして、それを私はためらいもなく口に含んだ。


「あれが……私が食べた世界で一番のもの」
「…………」
「でもね、あれは私にとっては世界で一番ではなかったのよ」
「え……それは……どういう……」
「あの後、息も絶え絶えの静さまに聞かれたの。美味しかった?って」
「そして、私とひとつになりたいって言われて……」
「後は、もう私の中の何かが望むままに静さまとひとつになったの」
「…………」
「ね、乃梨子知ってた?クリトリスって実は身体の中にずっとつながってて二股の根があるの。
それがゴムみたいに弾力があってね……」
「…………」
「……そんなふうにして切り取ったクリトリスも。あの柔らかな乳房も。私が欲しいと思うものはみんな、ひとつになったの」
「……………………」
「でもね。その次の日の晩わかってしまったの。静さまは、本当は私のためになにかを準備したんじゃないって……」
「あの日、イタリアには、やっぱりお姉さまがいたのよ」
「お姉さまっていうと……佐藤……聖…さま?」
「そう。そして、こともあろうにお姉さまは別の女性の方と一緒だったの」
「別の……女の人?」
「祐巳さんは加東さんじゃないか……っていっていたけれど……」
「でもそれが誰だったにしても静さまにはわかってしまったんだわ。お姉さまは決して静さまには振り向かないって。だから……」
「せめて妹である志摩子さんに……ってこと?」
「決して私が怨念返しを……ということではないにしてもね」
「私がお姉さまと一緒になれば……という期待はなかったわけではないと思うの」
「だから……志摩子さんとひとつになった……」
「そう。だからね……アレはやっぱり私にとって一番ではなかったのよ」
「アレは、お姉さまに、佐藤聖さまにとって一番になるべきものであって私のためのものではなかったのに……」
「だからね、乃梨子。私もそのとき気付いたの。私にとって世界で一番美味しいであろう物を」
「……志摩子さん」
「私にとっての最高、それは………………」

Fin

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