蜉蝣時代における艦隊とは、それまでの旧式な手漕ぎ船から急激な進化を遂げたばかりであり、まだ「海軍」という概念は国によってバラバラで、ほとんどの国が「部隊の中の1つ」として扱い、普段は陸上部隊を指揮している将軍が(専門家の技術的な補佐をうけるものの)そのまま艦隊を指揮することが多かった。(
ロードレア国や
ロー・レアルス国においても同様であった)
そんな中、
アル国、
ゲーリー国、
シーザルス国(後に産まれるその流れを汲む
ベルザフィリス国)は艦隊司令官を置き、海軍という独立組織として運営していた。
コウは、
ゲーリー国の艦隊司令官として海軍を統括し、686年に
ゲーリー、
ゾリメック連合軍による
アゾル国領侵攻作戦がはじまると、彼は艦隊を率いて海路から
アゾル国に侵入する。
バラドが防波堤を築いていた
グルス城に接近するが、予期せぬ嵐に遭遇し、戦わずして多くの艦を失い撤退する。
この時、想像以上に損害を出したのは、彼の撤退の決断が遅れたためであったが、地上部隊が快進撃を続けたこともあり、このことは問題にならなかった。
しかし、
マラが帝位を名乗ったことからはじまった
偽帝討伐連合軍との戦いにおいて、
フェリアザード海戦が勃発。
艦隊司令官として四ヶ国連合軍に挑むが、
レイディック、
カルディスの、本来なら最後の手段にしていた艦隊同士の接近戦を序盤に仕掛けられるという、普段陸上部隊を指揮している将だからこそ思いついた戦法の前に完敗し、轟沈していく旗艦と運命を共にした。