ヒモロギは、北、東、西は山脈に守られ、南は大河が流れ、そこへたどり着く道は数本の橋しか存在しない。
ラグライナ帝国軍は、橋を落とされた大河を中央突破するしかなく、10周期22日目に攻撃を開始。守りやすい
クレアムーン軍は、迫り来る帝国軍に矢の雨を降らせた。
それでも、兵力の差に物を言わせて正面から突撃する帝国軍、更に
紅に密かに渡河部隊を指揮させるが、
柊飛鳥がこれに対応、水際で撃退する。
10周期25日目、昼夜問わず続いていた総攻撃は、この日、帝国軍の猛攻に切り替わる。
「1日で流された血は戦史上最大」とまで呼ばれた激戦が繰り広げられ、地形を利用し、帝国軍を4日に渡って押し戻した
クレアムーン軍もついに力尽き、これ以上戦えば、全軍が崩壊すると判断、その日の夜に夜陰に乗じて全軍首都にまで後退、籠城によって最後の決戦を挑むこととなった。
ヒモロギを完全包囲した
ラグライナ帝国軍。
援軍のあてのない籠城に未来はなく、勝敗は決したかに思えたが、その翌日から突然の大吹雪が吹き荒れ、補給部隊すらたどり着けずに遭難し、
ラグライナ帝国軍に凍死者、餓死者が続出。
その吹雪に乗じて
クレアムーン軍が出陣し、損害を与えては撤退する一撃離脱作戦を慣行した為、帝国軍の包囲網は徐々に遠のいていった。
吹雪は止まることを知らず、不作もあって兵糧に問題のあった
クレアムーン軍にすら被害が出る。
結局、帝国軍は自然には勝てず、撤退を余儀なくされる。