――銃身が焼き付くまで撃ち続けてやる――

――わおわおーん――






「あのぉ〜……あのぉ〜」
「……っ、どうした?」
「どうかしたんですかぁ? あ、もしかして、私下手ですか?」
「……」

 寝起きで未だにボーっとする頭。脳内に繰り返し流れるさっきまで見ていた妙な夢の台詞。
 ここは自分が艦長をしている地上戦艦”ツァイト・クロコディール”の艦内で、自分の部屋。
 寝ている間も絶えず送られていたであろう、快感と言う名の感覚が流れて体が震える。
 何故か裸になっている自分の下半身。
 頭の中で状況を順に整理していくが、とりあえず普段よりも増してあられもない姿になっている娘の頭を撫でる。
 なんか泣きそうだから。
 数回撫でてやると、嬉しそうな笑顔を見せる娘。名は楠舞神夜(ナンブ カグヤ)
 神楽天原の皇族、楠舞家のお姫様。
 そんな姫様が、何故か自分の完全覚醒した男根をその豊富すぎる胸の間に挟みこんでいるのか……
 どういった経由でこんな状況になったのか、姫様に奉仕されている男、ハーケン・ブロウニングは夢の内容と同等なくらい分からなかった。
 相手は18歳。こういった行為を知らない歳でもないと思うが、教えた覚えもない。ハーケンは教える気もない。
 まだうまく思考回路が働かない。
 とにかく先決される事は状況整理……と思った矢先、止まっていた神夜の動きが再開された。
 ハーケンは吐息と共に小さな声を零し眉根をしかめ、状況を考えなければならないのに頭の中が真っ白になっていく。

「ひめ、なにを……ッ……」
「よいしょっと……んッ……むずかしい……」

 乳の間から顔を出す男根の先端を、神夜は咥えて唾液と共に吸い上げる。
 口から離すと男根は彼女の唾液で満たされ、それが潤滑油となって胸での扱きはよりスムーズに動くようになっていた。
 ねっとりとまとわり付くような肌の感触、暖かな体温、包み込むような乳圧はハーケンの言葉を止めさせる。
 その刺激に、しばらくご無沙汰だったハーケンは耐えられない。
 ハーケンは体の奥から沸き起こる絶頂感を感じていた。

「ッ……もう、やめ……っ!」
「んッ……ぇ、きゃあッ!」

 ハーケンは上体を起こし、神夜を引き離そうとするが思うように力が入らない。
 そして男根から白濁した液体が噴射され、神夜は思わず驚きの声をあげる。
 体を痙攣させながら、ハーケンは射精感に身をゆだねる。
 白濁液は神夜の胸や顔、赤のメッシュが入った黒髪を汚していく。
 なんかやっちまった感が拭えないハーケン。妙な後悔に襲われる。
 神夜は神夜で、起き上がって内股で座りつつ、髪や頬や胸に付着した白濁液を指で掬い、人差し指と親指で伸ばしたりしている。
 とても強烈な臭いがして、粘々している液体。
 舐めてみると、何とも言えない味がするけど不味くはない。
 神夜は自分に付着した白濁液を指で救っては何度も舐める。
 室内にピチャピチャという水音が流れ、白濁液を舐める神夜の官能的な姿に、ハーケンの男根は本人の意思とは関係なく反応していた。
 本人の理性も一撃粉砕。元々薄れつつあった理性が完全に光になった。
 気が付けば、神夜の肩を押さえて押し倒していた。
 痛そうに眉をしかめて上げた神夜の声が聞こえるが、ハーケンは気にすることなく彼女の下半身に手を伸ばす。
 相変わらず隠すべき部分をギリギリ隠しているような服装、だから少し捲りあげただけで彼女の大事な部分が丸見えである。

「……」
「あぅッ、んッ……な、なにッ?」

 神夜の秘部は既に濡れていた。
 それは彼女がハーケンを攻めている中、無意識に彼女が感じていたことによって濡れているのだ。
 よってハーケンの中指はスムーズに彼女の中へ入れていく。
 自分の中に何かが入ってくる感触、そして身体中に電気が流れるような感覚に神夜は体を震わせる。
 瞳から涙が流れるのが分かるが、ハーケンの行為が嫌だとは感じない。
 室内に再び卑猥な水音が流れ、ハーケンは指を前後にゆっくりと動かしている。
 神夜の膣内はハーケンの指を容赦なく締め付け、指が動くたびに愛液を溢れさせた。

「ぁッ、んッ、あッんッ」

 そして神夜も甘い声を聞かせる。その声によってハーケンの興奮も高まっていく。
 無意識に出てしまう自分の変な声に神夜は少し戸惑うが、それもハーケンから絶えず送られてくる変な感覚で薄れていった。
 ハーケンは指で神夜を攻めるのを止め、彼女の膣から指を引き抜いた。
 二人の荒くなった呼吸だけが聞こえる中、彼女の脚を左右に開き愛液でグッショリ濡れている秘部に、限界近くまで覚醒した自分の男根をあてがった。
 
「悪い我慢できない、入れるぞ、姫」
「……は、い……」

 これからハーケンに何をされるのかは、先ほどまでの彼の行為を振り返ると神夜でも何となく理解できた。
 指の代わりにそそり立っているモノを入れるのだろう。話もそれなりに聞かされていた。
 しかしやっぱり、本当にあんな物が入るのだろうかと少し不安になったが、相手はハーケンだからきっと大丈夫だと思い、潤みを含んだ瞳で彼を見つめて頷く。
 ハーケンも神夜の返事を受け取ると、秘部の襞を割って神夜の求めていたものを挿し込んだ。

「……っぁ、ぁあッ!!」

 再び神夜の膣内が満たされていく、指よりも遥かに太く大きなモノに。
 神夜はベッドの白いシーツを掴みながら、眉をしかめて下唇を軽く噛んでその感触を耐えている。
 その姿は辛そうだが、ハーケンも自分自身の制御が利かなくなっているので腰の動きを止めることができない。
 男根が根元まで神夜の膣に収まると、ハーケンは何か気が付いた。
 血が、出ていない。

「姫、これが、はじめてではないのか?」
「んッ……ぁぅ……」

 腰を微弱に動かしながら、神夜に問いかける。
 神夜は答えようとした。しかし快感の渦に飲まれてまともな声が出ない。
 それでも答えようと口を開くも、ハーケンの腰のリズムによって喘ぎ声が漏れる。
 既に神夜はいっぱいいっぱいなのだ。
 ハーケンは神夜の答えを聞かないまま、激しく男根を出し入れし始めた。

「……ッぅ……!」
「――ッ! いぁッ、あぁッ!!」

 二人の肌がぶつかり合うリズムに合わせ神夜の豊富な胸は揺れ、彼女は大きな喘ぎ声を上げる。
 攻める側のハーケンも、快感の渦に飲まれて声を漏らす。
 指の時もそうだが締め付けが凄く、それでいてまるで別の生き物がいるかのようにうねうねと蠢いている。
 その感覚は一度射精してしまったハーケンには耐えられるものではなかった。
 今にも達してしまいそうな快感に、歯を食いしばって耐えながらハーケンは腰を動かし神夜を攻め続けた。

「んあッ、あッ、ハー、ケ、さん……ッ!」
「っ……」

 ハーケンが抜き差しするたびに、粘着質な卑猥な水音が流れる。
 涙を一筋流しながら、神夜はハーケンを見つめて腕を伸ばす。
 何か更に欲しているような眼差し。ハーケンは腰を使いながらながら神夜と唇を重ねる。
 お互いの口内に舌を入れ絡め合う、唾液を交換する。
 神夜の口の端からは唾液が一筋流れてた。 

「んんッ……んぅッ、はぁ、んぁッ!」
「……ッ! もう、限界だ……ッ!」

 一度唇を離した刹那、ハーケンは限界を感じた。
 こみ上げてくる絶頂感を感じながら、ラストスパートと言わんばかりに神夜を攻め立てる。
 また攻められている側の神夜も、ハーケンの攻めに耐えられない。
 頭の中が何度もスパークし、沸き起こってくる絶頂感に恐怖すら感じる。
 神夜は腕を伸ばしてハーケンの背中に回し、自分に密着させて、再び唇を重ねた。
 そして、男根が神夜の膣の最奥に触れた瞬間、彼女の中の絶頂感が一気に爆発した。

「――――――ッ!!」

 神夜の絶頂に続くようにハーケンも彼女の中に欲望の塊を注いだ。
 神夜は言葉を失い、ハーケンに縋り付く。
 自分の中を何か熱い物が注がれていき、頭が真っ白になって怖くなったから。
 ハーケンの絶頂はまだ続いていた。
 結合部からは溢れた白濁液がベッドを汚していた。
 二人は絶頂が治まるまで、抱き合い、唇も重ねていた……


 数十分経って、ようやく冷静になって、ハーケンは後悔の念に襲われていた。
 理性を失ったとはいえ、自分は何と言うことをしてしまったのだろうか。
 とりあえず着替えて、神夜に付着していた白濁液もタオルで拭き、乱れた服も調えた。

「あのぉ〜、どうしたんですか?」

 どうしたもこうしたもない。ハーケンは必死に言葉を探す。
 とにかく謝らなければならないと思い、横を向くと神夜の顔がすぐ近くにあってまた彼女から顔を逸らす。

「えっと……すまん」

 ボソッと呟いたような小声でハーケンは謝った。
 それはしっかり神夜に聞こえていたのだが、彼女自身首をかしげ困惑した表情を浮かべている。

「どうして謝るんですかぁ?」
「は? いや……どうしてって……俺は姫を……」
「もしかしてさっきの事ですか? それなら大丈夫です、気にしてません。最後のほうはちょっと怖かったですけど」

 神夜はハーケンをあっさり許した、というより最初から怒ってもいなかったらしい。
 まぁ、よく考えれば仕掛けてきたのは神夜からだし。
 それでも簡単に理性を失うあたり、自分はまだ未熟だとハーケンは思い知らされている。
 そしてしばらく沈黙が流れた後、ハーケンが口を開く。
 神夜に寝込みを襲われた当初から気になっていた事を訊く為に。

「そもそも、何故あんな事を?」
「ぇ、え、えーっとぉ……将来の為に経験を積んだほうがいいと、錫華が……」
「……そうか」

 この瞬間、あの貧乳鬼は何を勧めているんだと思いながら、神夜の世話役である錫華姫の飯抜きが確定した。
 ハーケンはバウンティハンター、神夜は神楽天原の皇族で姫様。
 立場が違い過ぎる……と言っても、結局自分は最後までしてしまったと、ハーケンは再び後悔の渦に飲み込まれた。
 そして後悔しつつ、もう一つ疑問に思っていたことを訊く事にした。

「姫……下着は、付けていないのか?」
「え、下着って……なんですか?」
「……」

 彼女の服を調える際に分かったのだが、神夜はどうやら下着をつけていないようだ。
 脱ぎ捨てられたならそこ等辺に落ちているのだが、タオルを取る際に少し探したが見つからなかった。
 神楽天原には下着を身に付ける風習がないのだろうかとハーケンは思うも、これ以上追求はしない。
 追求はしないが、とりあえず下着の使用目的とちょっとした説教と性教育が開始された。
 微妙に神夜の将来的なものが心配になったから。


 翌日になって、錫華姫の飯抜きの刑が執行された。
 
「私の朝食がない!! 何故だ!?」
「ボーヤだからでございますです」
「自分の胸に聞いてみろ……」
「艦長、錫華姫に胸は無いであります」
「くっ……良いではないか、姫様もまた一歩大人になり、お前もスッキリ……」
「よし、今日一日飯抜きだ」
「鬼!!」
「鬼はお前だ」

 ハーケンに正論を言われ、思わず言葉を濁らせる錫華姫。
 危うく一線を越えてしまいそうになった。彼女の罪は重いのである。
 眼に涙を浮かべ、反論できず悔しそうにハーケンを睨む錫華姫は、神夜の隣に寄り彼女の手を引いた。

「姫様、こんな外道がいる艦など今すぐ降りましょう!」
「え……でも、私は降りる気なんてぇ……」

 錫華姫の言葉を神夜は拒否した。
 その反応に錫華姫は驚いて、何故かと問い質した。

「だって、ハーケンさんが今夜も色々教えてくれると、約束してくれましたしぃ」
「んな! 姫様に何と言うことを……!!」
「根本的な原因はお前だろ……」
「艦長、一体何を教えてやるのですの?」
「今日は勇気と愛について……」

 ハーケン・ブロウニング氏による神夜の教育はまだ続きそうです。
 ちなみにこのあと、徐に外に出たと思ったらハーケンと邪鬼銃王が戦っていたそうな。


【終わーれ】

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