「ん…ふ…んぅ…ふぅ」
深い深い口付けを交わし、彼女の口腔を舌で愛撫する。
彼女の舌と自分の舌がぴちゃぴちゃと音を立てて絡み合う。部屋は口付けを交わす二人の吐息と唾液の絡み合う音だけが響いている。ソフィアは自分の口腔から響く淫猥な音に恥ずかしさを感じながらも、愛する男−ゼンガーの背中に腕をまわし、きゅぅ、と抱きしめ、彼の唇を強く吸う。
彼の頬の内側を舌でなぞると、「う…」という声が吐息とともに聞こえ、腰もとを抱く彼の手にさらに力がこもる。
どく、どくと高鳴る心臓の心地良いリズムが吐息と舌の絡み合う音とともに耳に入ってくる。
その音が二人をより興奮の高みへ運んでゆく。
唇を離すと、つっと唾液が糸を引き、部屋の明かりにてらてらと輝く。まるでお互いの唇がもっともっと重なり合っていたい、と名残惜しそうにしているようだった。
お互い顔を見合わせ、クスリ、と笑う。小さな子供がこれからどんな悪戯をしようか、という風に。
首もとのホックを外すと彼女の豊満な乳房がプルッと露になる。プクリと盛り上がり、屹立している乳首は外気に晒されさらに硬さを増してゆく。快感によって膨らんだその蕾を舌先でつんとつつくと、
「ふぅん…ッ」とため息にも似た切ない声が頭上から聞こえてくる。乳首を乳輪ごと口に含み、ちゅっと音を立てて吸いながら片方の乳房の先端を親指と人差し指でくりくりとしごき、くっ…と乳首を乳房に埋める様に押し込むと硬い針金のような自分の髪の毛に絡める指の動きがぎこちなくなってくる。
そんな愛する女の可愛らしい仕草がこそばゆく感じて、小さくフ…と笑う。口内の乳首をちるちると舌で転がすと
「あぁ…!は…あぅ…」と艶を帯びた声で啼き、びくん、と体を強張らせる。
そうした彼女からの刺激に興奮を高めたゼンガーは愛撫を乳房から別の場所へと変えようと手を離すがソフィアは「待って」と彼を制する。
突然の制止にゼンガーは乳房から顔を上げ、ソフィアの方を見る。
「…嫌なのか?」
「いいえ、嫌じゃなくて、その…」
見上げたソフィアの顔は普段よりも朱に染まっていた。
「私も、貴方のことを気持ちよくしたい…」
潤んだ瞳に見つめられ、哀願にも聞こえる彼女の要求にゼンガーはどくり、と胸を高鳴らせた。

ゼンガーをベッドに座らせ、ソフィアは彼の前に跪きファスナーを開ける。双方何も語らずジィッという音だけが部屋に響く。
ソフィアは開いたファスナーの間に指を滑らせる。下着越しでも分かる位に彼の分身はすっかり硬く大きくなっていて、窮屈そうにしている。
つぅと人差し指で筋に当たる部分を下から上に滑らせると、「お…ぅ」と言う声がため息交じりに聞こえてくる。右手で彼自身を包むと、まるで熱された鉄のように熱く、硬い。どくん、どくんと脈を打つそれははやく外に出たいと催促しているようだった。
そういえば…と彼女はふと思う。彼はいつも褌という日本の伝統的な下着を身に着けていたわね、と。今ではもうすっかり慣れて当たり前になっていたが、最初に見たときは何ともいえず、絶句した記憶がある。そんな自分の顔を見て彼はすまなそうな、少しがっかりしたような、そんな顔をしていた。
あの時の彼の顔を思い出し、フフッと小さく笑う。褌の前袋を横にずらすと、ぶるんっと勢いよく彼の分身が顔を出す。太く大きな彼のペニスは隆々と天を突くように屹立し、ようやく外に出られたとでも言っているかのように存在を表わしている。むわっとした雄の臭いが彼女の鼻をつんと突きぬけ、頭をくらくらとさせる。
ソフィアは彼の分身の根元を軽く握り、先端に向かってゆっくりと扱きあげると、「うぁ」という小さなうめき声が彼女の耳に入ってきた。
亀頭の先端を親指でくいっと軽くこすると、一層ゼンガーの息が荒くなる。鈴口への愛撫を繰り返しているうちにその先端から先走りが溢れてきた。ソフィアはその大きく膨らんだ鈴口の先端に手のひらを当て、溢れ出る透明な液で滑らせるように撫で擦ると、喘ぎとも呻きともつかない声が彼の口から漏れる。
ふと、彼女の両肩に彼の両手がかかる。頭を上げて彼の顔を仰ぎ見ると、顔を赤らめ、もどかしそうな表情をしてこちらを見ていた。
「ソフィア…」
上ずった、追い詰められたような切ない声で名前を呼ばれ、彼女の熱が上がる。
「上手くできるか、分からないけれど…」
そう答えると、鈴口にちゅ…と口付ける。
「ぬぉ…ッ!」
柔らかい唇の感触に驚く。先ほど貪る様に味わっていた彼女の唇が自分の一物に口付けている。その様に強い劣情を感じる。
「ん…む…んぅ…は…あぅ…」
熱を帯びた息を漏らしながら彼女は一物を舐めあげる。赤い舌が逞しい竿に這う。ぬら…ぬら…といやらしく這いずる。
根元から先端までゆっくりゆっくり舐め上げ、袋を手のひらで転がしながら尿道を舌先でつつくと、肩に置かれた両手の指先に力が篭り、
「おぉ…う!」
と快感に声を上げる。
「ん…ふぁ…っ、ゼンガぁ…」
裏筋を舐めあげ、カリを舌でなぞり、袋を吸い上げるたびに喘ぎ、息を荒くする。自分の与える快感に素直に反応するゼンガーを彼女はいとおしく感じ、彼をもっと気持ちよくさせたいと思う。
先端を唇で軽く咥え、ゆっくりと彼の分身を飲み込んでゆく。
「くぅ…ん、ん、んぅん、んっ、ふ…っ、ふ…」
太く大きな彼の幹を口内で愛撫するのは些か難儀ではあったが、頭上からもれ聞こえる彼の荒く熱い吐息に突き動かされ、頭を上下に動かす動作を繰り返す。
ちゅぽっ、ちゅぽっといういやらしい音が部屋中に響く。熱くぬるぬるとした口の中で、舌が纏わりつくように絡みつく。
ソフィアの口内の心地良さに彼の剛直は更に興奮を強めていく。
普段は理知的で冷静な彼女が今はうっとりと恍惚とした表情で自分の一物を咥え、舐めあげ、しゃぶりついている。何と淫靡なことか。
彼女の肩に置いていた片方の手を彼女の頭にあて、彼女を労る様に髪を優しく撫でる。柔らかく、艶やかな若草色の髪を指に絡ませる。
口淫の動作とともにさらさらと揺れる髪の毛が部屋の明かりを反射し、きらきらと光る。そんな幻想的ともいえる光景と淫猥な行為とのギャップが彼に微かな羞恥を感じさせる。
「く…うぁっ、そ、ソフィ、ア…」
切羽詰った声が聞こえ、ソフィアは口淫の動作を更に大きく、早くする。ぢゅっ、ぢゅっ、と水音のリズムが早まり、大きくなっていく。
頭と肩に置かれた彼の手の動きがぎこちなくなる。彼に限界が近づいてきた事を悟った彼女は、根元まで咥え込み、ぢゅうぅ…と音を立てて彼のペニスに吸い付く。
「お…っ、ぅお、く…あ!」
「んぅ…!ん、ふ、んうっ!」
先端が大きく膨らんだと同時に熱く濃いマグマが爆ぜ、ソフィアはそれを口内で受け止める。どくり、どくりとのたうちながら彼の分身は精液を吐き出す。それを残さず吸い取らんばかりにソフィアは亀頭を強く吸い上げる。
「あ…ソフィ、ア…」
彼女からの初めての奉仕のあまりの良さに、彼女の口に射精してしまったことに罪悪感を感じる。
精液と唾液が混ざった糸を引きながら彼女は一物から顔を離し、ゼンガーの方に顔を向ける。すまない、と言いかけたそのとき、彼女は口を押さえ、口の中に残る彼の白濁を飲み干そうとした。
濃く、熱く粘っこい彼の精液の栗の花にも似た生臭い臭いにむせ返りそうになるが、こらえて天井を向いてコク、コクと喉を鳴らして飲み込む。その様をゼンガーは呆然と眺める。
「何も、飲み干す事は無いだろう?」
「ん…でも、貴方のですから…。」
「…」
うっとりとした表情でいじらしい事を言う彼女の姿を見て、ゼンガーは心臓をハンマーで殴られたような衝撃を受ける。
ああ、こんな表情でそんなことを言われてしまっては。滅茶苦茶に犯したくなってしまう。
うっとりと先ほどの行為の余韻を味わっている彼女をベッドに押し倒し、彼女の服越しに未だ衰えない怒張を押し付ける。
服越しからからでも感じられる彼の硬さと熱さにソフィアは「あっ…」と艶っぽい声をあげる。
「ソフィア、覚悟はいいな…?」
「ええ…、来て、下さい…」
どくり、どくりと二つの心音が響く。

彼女の首筋や耳元を愛撫しながら菫色のドレスを彼女の体から脱がす。滑らかな肌はするすると布地を滑らせる。
鎖骨あたりを強く口付けると「んふぅ」と鼻にかかった声で啼く。足の付け根から太ももあたりに手を当てる。
しっとりと柔らかな皮膚は手のひらにぴた、と吸い付く。そろそろと撫でさすると「ふぁ…」とため息のような切ない声を吐く。
ショーツの中に手を差し入れると、先ほどの行為と愛撫によって彼女の秘所はじっとりとして熱を持っていた。
大きく勃起しきった陰核を親指でくりくりと捏ね、彼女の秘唇の中央に人差し指と中指を差し入れると、びくりと体を強張らせ、ひゅうっと喉を鳴らす。
くちゃ、くちゃ、くちゃとリズミカルにかき混ぜると、そのリズムに乗って彼女は「あっ、あっ、あぁ!」と弾むように喘ぐ。
自分の愛撫に敏感に反応し、身を捩じらせ炎の息を吐いてよがる彼女の刺激にゼンガーはこらえきれなくなる。
ああ、早く彼女に自身を埋めたい。そう願う。
彼女を丹念に愛撫し、我慢の限界にあったゼンガーはそろそろ彼女の中に進もうとショーツを脱がそうと手を掛けた。その時、ソフィアは待って、と彼の胸に手を当て、
「あなたも…お願い」
と軽く諌める。逸りすぎたか―と心の中で呟き、苦笑する。どくり、どくりと胸を弾ませながら身に着けているもの全てを脱ぎ、改めてソフィアと向かい合う。透き通るような白磁の肌は興奮によって赤みをさしている。唯一身に着けているショーツの黒と彼女の白い肌とのコントラストが艶かしく、彼女の色気を引き立たせる。
黒は女を引き立たせる色だ、と誰かが言っていたが、まさにそうだとゼンガーは思う。ソフィアには黒がとてもよく似合っている。
知性と猥雑。矛盾をはらんだ黒という色はまさにソフィアそのものだと思う。
ショーツをそろそろと彼女から剥ぐとつぅ…と陰毛に絡みついた濃い愛液が糸を引く。彼女の花芯はとろとろと濡れそぼりヒクヒクとひくついている。まるで早く男を迎え入れたいと哀願しているかのようだ。その様にゼンガーは中てられ、情欲に火がつく。
彼女の細くしなやかな腕が背中に回される。蕩けた表情。荒く、甘い吐息。ソフィアの情欲に乱れた様にドク、と心臓を高鳴らせる。
ゼンガーは彼女の秘唇に剛直の先端を押し付ける。それだけで彼女の女性はくちゅり、という淫らな水音を立てる。先端からソフィアの熱を感じる。そしてソフィアもまたゼンガーの男性からドクン、ドクンという脈動を感じる。お互いに興奮を、生を感じる。
「行くぞ…」
「んっ…きて……」
快感に蕩け、潤んだ瞳。鼻にかかった甘い響き。ソフィアの哀願にゼンガーの情欲は音を立てて燃えあがる。
ゆっくり、ゆっくりと彼女の中を進む。ソフィアの花芯はゼンガーの分身の形に沿って形を変え、彼を迎え入れる。
「あ…アアァッ!」
ずん、と質量を持った彼の分身を最奥まで突き立てられ、待ち望んでいたモノがようやくやって来たとばかりに歓喜の悲鳴をあげる。眦に溜まっていた涙がつう…と彼女の頬を伝う。彼女の甘い鳴声と蕩けた表情に髪の毛一本ほどで留まってた理性がついに飛び、ゼンガーは我を忘れて激しく腰を振りたくる。
ずくん、ずくんと彼女の中を抉り、突き上げる。そのリズムに乗って彼女の白くふくよかな乳房が大きく揺れる。勃起しきった乳首の上に両の手のひらを乗せる様にして乳房を掴み、円を描くようにに揉みしだく。乳首を手のひらで擦る様にいたぶると、
「きゃん!」
と可愛らしい声で啼く。
自分の与える快楽に正直に反応するソフィアに少し加虐心がそそられたゼンガーはふと彼女を虐めたくなり、彼女の半分位で挿入を止め、ストロークを止めた。すると突然耽っていた彼の動作が急に止められた事に眉を顰め、彼女は「え…?」と驚きと抗議を含んだ声を出す。
急に動きを止められ、快感を塞き止められ、堪えきれなくなったソフィアは自分から腰を動かし始める。その表情からは急に突き上げを止めたことに対する抗議と早く快楽を与えて欲しいという懇願が見えた。
「ゼンガー…、あの…」
「どうした?腰なんか揺すったりして」
「その……う、うごいて、ほしい…ん、ですけど」
消え入りそうな声と恥ずかしそうな表情を可愛らしいと思いながらも、流石に意地悪が過ぎたと感じたゼンガーは、ストロークを再開し、彼女が一番感じる箇所を擦り、円を描くように腰を動かすとと彼女は「あぅんっ!」と先ほど以上の歓喜の篭った悲鳴をあげる。
ゆっくりと限界まで引き抜くと、形の良い美しい顎を天に突き出し、白い喉を仰け反らせ、
「あぁぁ…ぁ、あぁぁああ!」
と糸を引くような喘ぎ声を上げる。その甘い響きに中心から蕩けてしまいそうな錯覚に陥る。
更なる快感を汲み上げるように突付き、抉る。その度に彼女は彼自身をきゅうきゅうと締め付け、その柔らかな襞で彼を撫で擦り、絡みついてきて、ゼンガーは思わず「くぅっ…」と呻く。
ソフィアはゼンガーの腰に足を絡ませ、更に大きく腰を振る。そんな愛しい相手の刺激が彼の興奮を更に強める。もっと深く繋がる為にゼンガーは彼女の腰を掴み上げ、大きく大きくストロークする。彼女の花心からは蜜が止め処なく溢れ出し、ぐちゃっ、ぐちゃっと淫らな水音を立てる。
とめどない快楽のために蕩け、熱情に溺れとろんとした彼女の瞳に彼は欲情を強め、更に腰を強く激しく振りたくる。ソフィアもまた彼からの快楽に浸りながらも彼方へと意識が飛びそうなのを必死にこらえる。その表情と情欲の篭った熱く切ない吐息に熱を高め、腰の動きを更に早く大きくする。二つの異なったリズムによる動きが二人をより一層快感の高みへと登らせる。
「ソフィア……く、っ……ソフィ、ア……」
「ゼン、ガぁ……は、あ……ゼンガぁ……」
じゅぼっ、ぐちゅっ、という厭らしい水音とぎしぎしと軋むベッドの音に混じりながらお互いの名前を呼び合う。まるでこれから起こる快楽の波に呑まれ離れ離れになってしまわないように互いを繋ぎとめるかのように。口付けを交わす。舌を、吐息を絡ませる。口内に響く淫らな水音にソフィアはもはや恥ずかしさを感じない。身体が、魂が溶けて交じり合って一つになってしまうような錯覚に二人は陥る。
「ソフィア……」
頭上でゼンガーが名前を呼ぶ。まるで子供が母親に伺うように。その上ずった、切ない声が彼の限界を伝える。
「ん、ふぁっ、は……、頂戴…んっ、貴方の…。」
ゼンガーに回した腕の力を更に強め、絡みつくように彼を抱きしめる。肌と肌が更に密着し、お互いの心音を身体全体を通して響かせる。
早く、大きな命の鼓動がお互い絶頂を迎えつつある事を伝える。お互いの命を聞きながら一層深く、激しく揺さぶりあう。
「ぐ、お、……ソフィ、ア……、う、くぅ、……ぉおおおっ!!」
「ん、は、うぁ、ゼン、ガ、あ……あ、ぁあ、は…あ、アァっ!」
ゼンガーが彼女に捻り込む様に腰を押し付けると、びくん、とソフィアの身体は仰け反り、小刻みに痙攣し、彼の背中に爪を立て絶頂が来た事を知らせる。彼女の最奥にある天井を先端が叩くと同時に彼の剛直は精を勢い良く吐き出す。彼女もまた一際内壁を収縮させ、一滴残らず精を搾り取らんばかりに彼を締め上げる。彼の分身はトクン、トクンと脈打ちながら精液を彼女の中に注ぎ込み、満たしてゆく。
「……、ソフィア…」
「……、ゼンガー…」
絶頂に荒げた呼吸を整えながら、お互いの名前を呼び合う。早鐘のように高鳴っていた心音がゆっくり、ゆっくりと落ち着きを取り戻す。ソフィアはその手をゼンガーの頭に持って行き、彼の硬い銀の髪の毛に指を絡めさせながら頭を優しく撫でる。彼女に頭を撫でられて、ゼンガーは少し面映く感じ、口の端を少し歪ませる様に微笑む。そんな彼の表情に愛おしさを感じ、ソフィアも優しく微笑み返す。お互い慈しみを含んだ微笑みを交し合い、啄ばむような優しい口付けを交わし合う。
ふと、ゼンガーはソフィアの顔を見つめ、口を開いた。
「その、先程は……、すまなかった。」
「え?」
「いや…、流石に意地が悪かったな、と思ってな。すまん。反省してる。」
顔を赤らめながら謝罪の言葉を紡ぐ彼にソフィアは一層愛おしさを感じ、彼をぎゅっと強く抱きしめる。
「気にしてませんよ。」
「本当か…?」
「確かにちょっと驚きましたけれども。まさか貴方がああいうことするなんてね。」
「む…。」
ソフィアの言葉に急に恥ずかしさが込み上げてきて、更に顔を赤くする。耳まで赤くして恥ずかしがる愛しい相手をソフィアは可愛らしく感じ、ククッと小さく声を立てて笑う。彼のこういった正直で不器用な所がソフィアはとても好きだった。
ソフィアはゼンガーの頬に手を当て、宥めるように優しく撫でる。
「それにね、さっき言ったでしょう?」
「ん?」
「あなただから、何でも許せちゃうんですよ。」
ソフィアの赦しの言葉に胸がじん、と鈍く疼く。ああ、此人には敵わない。そう思いながらゼンガーはソフィアを抱きしめ返す。
「ソフィア……」
「はい…」
「…愛してる。」
いつも以上に優しい声で愛を囁かれ、ソフィアは胸が一杯になる。
「ええ、私も…」
抱きしめる腕に更に力が篭る。彼の胸からトクン、トクンと心臓の鼓動が聞こえてくる。
「愛してますよ。ゼンガー…。」
とくん…、とくん…と心音が穏やかに響く。お互いの優しい鼓動を聞きながら、二人はまどろみに身をまかせるのだった。

Fin

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