「い、いやっ、あのさ、ほらっ モニカ疲れてるみたいだし部屋に戻るわ、悪いけど調整頼む! それじゃ!」

それだけ言うとモニカをおぶったまま逃げるようにその場を後にした。





「ふぅ〜っ、危ないところだった」

何をしていたのかと追求するセニアを上手く……躱せたかどうかは別にして逃げてきたマサキは、自分達の部屋に駆け込んだ処でホッと溜息を付いた。

「ま、ヤッてたのがバレたからって何かある訳じゃないけどさ」

そう、マサキとモニカは夫婦なのだから別に今更隠すような事ではない。バレた処で「ああ、そうなんだ」で済む話しだ。
寧ろ仲睦まじい男女の関係としてごく当たり前のことをしていたに過ぎない。
それでも「セックスしてた」などと恥ずかしくて言えないし、進んで言う話しでもないだろう。
それは、彼に背負われているモニカの反応を見れば分かる事だ。

「お〜いモニカ、もう大丈夫だぞ」

マサキは自分の首筋に顔を伏せたまま沈黙しているモニカを安心させようと優しく声を掛けてみたが、彼女は返事することなく黙り込んでいる。

「お〜い、モニカさ〜ん?」

返事をしない彼女に対し、マサキは「何か言ってくれ〜」と身体を揺さぶってみるものの、肩を跨いで彼の身体の前に流れ落ちている彼女の髪の房がゆらゆら揺れるだけで依然反応はない。
(ひょっとして寝てんのか?)
モニカは抜かずにし続けたセックスで結構疲れている様子だった。
そのせいで負ぶわれたまま眠ってしまったのかもと思い、揺さぶるのを止めたマサキが肩にもたれる彼女を振り返ろうとしたとき――

ぺちょ
「ほわぁぁっ!」

首筋に生温かくぬめったものが触れるのを感じて、なんとも情けない声で悲鳴をあげてしまった。

「こっ、コラっ! お前なにやってんだッ!」
「ん……マサキの汗……」
「あ、汗?」

漸く返事をしたと思えば彼の首筋に浮かぶ汗についてだった。セニアに追求されて冷や汗を掻いていたのだ。
それがどうかしたのかと首を傾げる彼の耳に、荒い呼吸を繰り返す彼女の生温かい吐息が掛かる。

「マサキの汗を嗅いでおられますと……私……」
ぺちゃ
「ふわぁッッ!」

再び首筋に這うぬめった感触。水気を帯びた何とも言えないその感触の正体はモニカの舌だ。汗を舐めているのだ。
何のことはない。マサキの首に顔を埋めていたモニカが、その汗の匂いを嗅いで発情しているというだけのこと。

「や、やめッ おいやめろッて!」
「はぁ…、はぁ…、そんなこと言わないでくださいまし……」

「妻を拒否するなんて酷いですわ」などと口にしながら彼女は抗おうとするマサキの首筋を舐める。

れろ
「おふぅ!」

モニカは情けない声を上げるマサキを気にすることなく、ひたすらバター犬のように舐め続ける。
(せ、背筋がぞくぞくするっ)
首筋を這う舌が汗を舐め取るかわりに唾液が付着して、マサキの首は汗に濡れていたときよりも余計べちょべちょに濡らされてしまう。
だが、それは気持ち悪い物ではなく逆に快楽をもたらすものであり、されて心地良い行為でもあった。

「お、お前…っ、い、いい加減にしてくれっ、」
「んちゅ…、イヤ……ぺちょ」
「ひゃふうっ!」

心地良い行為であり愛情表現でもある行為だが今はマズイと制止する彼の言葉を拒否した上に、態とらしくぺちゃぺちゃ音を立てて舐めるモニカ。
(い、いつものモニカじゃねェ!)
モニカの第一印象は典型的なお姫様。
物腰柔らかで穏やかな性格。おかしな文法こそ使っている物の丁寧な言葉遣い。服装、仕草、作法、どこを見てもそういった印象を受ける。
誰に聞いてもそう答えるだろうし、マサキ自身(モニカは生まれつきのお姫様って感じだな)と思っていた。

だが、今のモニカは言葉や外見こそその印象を受けるが、雰囲気は全くの別物。
あえて酷い言い方をするならば痴女とも言える。
まあ男であれ女であれ、発情しているときなど皆そんなものだろう。
どんな聖人君子でも、清楚な女性でも、一皮剥けば雄と雌。
そんな状態になっているモニカにマサキは言った。

「勘弁してくれェェ!」

いつもなら「良し来た」と返すところだが、セニアの追求から逃れて一息ついたらどっと疲れが沸いてきたのだ。
これが先ほどまでしていたサイバスターの操縦席内での続きであれば、マサキ自身まだやりたいと思っていたし疲れも感じていなかったのだが今は話が別だ。
とにかく休憩したい、休みたい、というのが先に来ている。
これ以上はマズいと思ったマサキは背負っていたモニカを下ろすと、素早く彼女から距離を取った。
有り体に言えば逃げようとした。

「はぁ、はぁ、私の身体をあのように貪り尽くしておなりになられまして……ご自分はダメなどと……」

だが、マサキの背中から下ろされてしまったモニカは、頬を真っ赤に染めて発情しながらじりじりと距離を詰めてくる。
マサキに取って誤算だったのは逃げようとしつつ後ろを見なかった事だ。
彼は自分から逃げられなくなるようにしていた事に気付かなかった。

「おわっ!」

とんっ、と何かに足が当たって膝から崩れ落ちたマサキは、柔らかくふんわりとした感触がする場所に尻餅をついた。

「うふふ…、もう逃げられませんわ」

尻餅をついた場所は自分達のベッドの上だった。天蓋付きの豪奢なベッドは如何にも王侯貴族が使っているといった高級品。
普通のでいいと言ったのにモニカの嫁入り道具とか言って亡き義父のアルザールが用意したベッド。
「早く孫の顔を見せてほしい」と、事あるごとに言われたのが昨日のことのように思い出せる。
それを見ていたマサキが一瞬注意を逸らしてしまった処、隙を突いたモニカに両肩を掴まれそのままベッドに押し倒された。

ドサっ
「お、おい、モニカ、お姫様がこんなはしたない事してもいいのか?」
「はしたない…ですか? それをいつも申し上げて居られるのは私ですわ……でも、マサキはお聞き入れくださいません」

調子に乗って強引にする事があるのは確かなので何も言い返せないでいるマサキに、ニッコリ微笑むモニカには男心を擽る色気があった。

馬乗りになったモニカはマサキの身体にゆっくりと重なるように倒れ込むと、有無を言わさず彼の唇を奪った。

「んむぅ!」

さっきまでとは違って完全に攻守逆転されたマサキは、口内に入ってきた彼女の舌に自分の舌を絡め取られながらも拒絶するわけにもいかず、熱い口付けを受け入れる。

「ふむぅ… んん… くちゅ…」

絡め取られた舌に唾を塗り込まれている彼は、口の中に溜まったモニカの粘つく唾液を飲み込みながら、(キスだけで満足してくれねェかな?)と希望的観測を抱いた。
が、当然の事ながらそんな甘い考えが受け入れられるような状況ではない。

「んふう……」

短くも熱い口付けを終え、マサキの唇を解放したモニカの表情は益々熱を帯びたものになっていた。
流れ落ちたモニカの長い髪から甘い芳香が漂い、さらさら頬を撫でられて擽ったい。

「なあ、俺疲れてるんだけど…」

無駄と知りつつ今日はもう休みたいと伝えるマサキに、「先ほどまでお元気でしたわ」と返すモニカ。
更には下半身に手を伸ばしてズボンのファスナーを下ろし、股間をまさぐってくる。

「コラコラどこ触ってんだ!」
「おちんちんですわ」

悪びれることなく言うモニカの手がファスナーの隙間に入れられ、男根を求めて動き回る。
彼女の手の動きは意図せずして男根を愛撫する形になってしまい、触られるマサキに快感を与えていた。
(や、ヤベェ、勃ってきた、)
そんなふうに股間をまさぐられていれば、男なら誰しも勃起する。
その勃起した肉の棒を求めてトランクスの中にまで入ってきた彼女の手が竿の部分を掴んだ。

「マサキ、疲れているなどと嘘をお付きならないでくださいな。こんなにもお元気ではありませんか」
「アホか! そこ触られて勃たない奴は疲れてるどころじゃねェよ!」

健全な男なら女に股間を触られたら勃つのは当たり前だから勃起=元気じゃないと言うマサキだったが、モニカは「そうですの?」と首を傾げただけで取り合おうとはしない。

彼女はそうやって首を傾げつつも手で掴んだ肉の棒をファスナーの隙間から無理矢理引っ張り出す。
隙間から顔を出したモノは硬くそそり立ち、彼女の手に撫でられて嬉しそうに反応している。

「うあッ! ち、ちょっとくらい手を止めろよ!」
「お断り致しますでございますですわ♪」

(うう、手の温かさと手袋の感触が、)
モニカは手袋をしている。その手袋の生地の感触と、生地越しに伝わる温かい手の温もりが嫌でもマサキを昂ぶらせる。
その昂ぶりはすぐさま男根へと伝わり、勃起したままビクビク痙攣し始めた。

「まあっ! 口では疲れているなどとお言いになられてましても、本当は致したいとお思いでしたのね?」
「ち、違うっ、これはお前が俺のモノを…っ!」
「ああ……やはり私達はいついかなる時も、この身も心も一緒なのですわね」
「人の話聞けよ!」

愛や恋に対しては常に生来の乙女チックな感性で物事を考える傾向にあるモニカは、喚くマサキを無視して自己陶酔に浸りながら空いている手で自らのスカートをたくし上げた。

「マサキ、貴方は疲れている私に御遠慮なされて居られたようですが、私は妻としてマサキに尽くしたいのですわ……」

(遠慮なんかしてねェ〜)
一度こうなったモニカは中々引かない。引かない処か自分の考えを押し通してくる。
それも元よりしたいと思っていたのだから間違っても引いてくれないだろう。

「さあマサキ…、私と愛を育みましょう…」

操縦席でしていた時に脱がしてそのままだった為、ベルトの位置までたくし上げられたスカートの下には何も履いてない。
本来そこを隠す役目を持つ黒い布きれは現在マサキのズボンのポケットの中だ。
その守る物の無いモニカの股間の割れ目からは彼女の興奮を表しているかのように愛液が滴り落ち、マサキの男根に掛かり濡らしていく。
(うッ、モニカの愛液が俺のモノに…ッ、)

「い、いや、数え切れないくらいに愛を育んできてると思うんだけどな……き、今日もいっぱいしたし、」
「まだまだですわ、たとえ死して生まれ変わっても私達は結ばれ続けます……ですが、それでも尚足りませんわ」

どれだけ生まれ変わっても結ばれる運命にあり、永遠に愛し合い続けるのだとうっとりしながら言う彼女にマサキは(どんだけだよ)と突っ込みを入れた。
それともモニカの持つ未来見の能力が死んだ後とか転生後まで見える物だとしたら、本当にそういう物が見えているのだろうか?
そんなことを考えている間にもモニカは浮かせた腰を下ろして来て、手に掴んだままの男根を飲み込むため濡れた膣口に添えてきた。
亀頭と膣口が接触したことで溢れ出る愛液が男根を伝い落ちる。

「それでは、頂かせてもらいます……」

宣言と同時に腰を下ろしてくるモニカ。
触れていた膣口が口を開けて男根を飲み込んでいく様は、愛液が涎にも見えるせいか美味しそうに食べているようにも見える。
(うあ! くっそ…、き、気持ちいい…ッ)

「あ…、あううっ、マサキのおちんちん… とても美味しゅうございますわ…っ」

下りてくる腰に合わせて徐々に徐々に亀頭を食べていく膣口は、遠慮という言葉を知らないかのように竿の部分を飲み込んでいく。

「ほ、ホントに食べられているみてェだ…ッ」

膣に飲み込まれた男根に伝わる膣襞の蠕動は、まるで食べ物を咀嚼しているかのように感じられる。

「あっ ああ…ッ んううッ」

そして竿の根元まで飲み込み、下ろされた股間が陰嚢を押さえ込む形で停止する。
マサキの、またモニカの背筋をゾクゾクしたものが駆け巡り、完全に身体が一つに繋がっていることを自覚させられた。

「ハアッ、ハアッ、マサキのおちんちんが、全て飲み込んでしまわれました、」
「そう、だな…っ、飲み込んでしまわれたな…っ、」

相も変わらずおかしな文法で喋るモニカを真似たマサキだったが、実際の処あまり余裕はなく今にもイキそうになっていた。
その原因はいつも以上に感じる膣肉の蠕動だ。少なくとも今日一番の強く大きなうねりは、疲れの出たマサキに取って耐えられそうにないもの。
尤も、見る限りではモニカの方にも余裕はない様子だ。これで本日6回目のセックスなのだから当たり前だろう。
それなら止めておけばいいのだが、彼女の場合性欲に後押しされたのもあって半ば暴走していたのだ。

「う、動いても宜しいでしょうか?」
「あ、ああ、お手柔らかに頼む、」

マサキの了解を取ったモニカは下ろした腰をゆっくり上げて、再び沈み込ませた。

ぬるる… ぢゅぶう…
「はぁぁっ ああァ〜!」

外気に触れたと思えば、すぐまたぬめりにぬめった生温かい蜜壷に飲み込まれた男根は、奥まで入ったことで子宮口に吸い付かれる。
亀頭に吸い付いた子宮口がピクピク痙攣して、啄んでいるかのようだ。

「も、モニカッ、俺のモノ美味いかッ?」

攻守が逆転しているのもあって半ば犯されているようにも感じたマサキは、自分を犯している愛おしい妻を下から仰ぎ見る。
生理的なものだろう涙こそ浮かべてはいるが、今のモニカは明らかに捕食者と言えた。

「あッ んンッ 大変に美味であるとッ…ッッ……思われます…わ…ッ……ッッ」

マサキの問いに返事をしながらも腰を上下に動かし、膣を使って愛おしげに肉棒を食べているモニカ。
「くッ、ううッ、」
粘膜の擦れからくる快感に、モニカは疎かマサキまで喘ぎと取れる声を上げている。

ぐちゅッ ぢゅぶうッ 
「アっ…あァ〜っ…! っっ……ンあァ…っ……っっああァ〜っ!」

しっかりと男根を咥え込んだ膣口から聞こえる淫らな水音。
肉の棒を撫で擦る襞は小刻みに蠢き、絡み付いてくる。

じゅっぷ じゅっぷ
「アっ… アアっ…っっァ……っ」
「俺、お前にならッ こんなふうに食べられても…ッッ いいぜッ、」

普段は自分というオオカミに為すがままの子羊は、時折オオカミが疲れている処を見計らうかのように牙を剥いてくる。
しかし、この子羊はとても優しくオオカミを食べようとするのでオオカミは「まあいいか」という気にさせられるのだ。

「貴方をお食べになっても宜しいのはッ…ッッ、私だけでございますですわッッ」

意外と独占欲の強い子羊――モニカは、叫ぶように言い放つと腰を落としきってオオカミ――マサキに抱き付く。
この人を食べて良いのは私だけ……。私だけの大切な獲物……。
草食動物なのに捕食者となったモニカは自分の獲物たる肉食動物を抱き締め、身体全体で密着すると下の口の奥の奥まで飲み込んだ肉の塊を押し潰してしまうように締め上げた。

「くッッ、出すぞモニカッッ!」

抽挿が止まり、股間と股間が肌で触れ合いくっついたかと思えば、仰向けになっている自分を抱き締め足を絡ませてきたモニカ。
彼女はマサキの左肩に顔を押し付けたまま、脇と首から背中に腕を回してしっかりと抱き付く。
肉棒全体を飲み込んで締め付けてくる膣肉の感触に、限界を感じたマサキはモニカと同じようにして彼女の背中に腕を回して抱き合った。

「くうッッ!」
どくんッッ、
「ああぁぁァァァ〜〜〜〜ッ!!」
どくんっ…どくんっっ、
「あ、マサキ…のッ…ッ、アナタのッ…ッッ……せい…し……ッッッ あ…アナ…タ……ッ、アナタぁぁぁぁ〜〜〜ッッ!!」

マサキはこれでもかと力一杯抱き締めてくるモニカの中へと精子を解き放ち続ける。
亀頭に吸い付く子宮口が口を開いて、喉の渇きを癒すかのように白濁液をごくごくと飲んでいく。
本日6度目の膣内射精を行った蛇口は、疲労にも拘わらず大量の精をその渇いた口の中へと飲ませるのだった……。

「アナタぁ、」
「やめろって、その呼び方は」

服越しに感じる温かく柔らかい膨らみと、触れ合わされた頬。
身体の結合こそ解いた物の、依然抱き合ったままのモニカは猫なで声で「アナタ」と呼んだ。
それは明らかに妻として夫を呼ぶものであった。

「どうしてですの? 私はアナタの妻ですわ」
「それはそうだけど、恥ずかしいだろ」

モニカと攻守逆転の性交をしたときはいつもこの調子なのだ。性交の過程で独占欲が強くなっているときなどは特に。
背中を撫でさすり、頬を擦り寄せてくるモニカに(どうやってなだめるかな)と悩むマサキは、それでも意外と嬉しかったりするのだった。

「ああ〜、もうそれはまた今度だ。セニア辺りに聞かれたらまたからかわれるだろ」

だが、嬉しくても恥ずかしい物は恥ずかしいといつものようにはぐらかしたマサキは「ほら、髪結ってやるから」と誤魔化し、解いていた彼女の髪に手を掛けて梳かし始めた。

「んっ……わかりました、そのかわり綺麗に結ってくださいましね」
「わかってるって」

手慣れた手付きでモニカの髪を梳かしながらほつれを治したマサキは、続いて髪を束に分けて編んでいく。
意外と難しい三つ編みは、慣れてなければ変な形になってしまうものだが、彼は時々彼女に髪の手入れを頼まれることもあって、結構上手く結うことが出来るのだ。
尤も、腰の後ろからの三つ編みという彼女がしているいつもの髪型に限ってだが。
そんな二人の元にセニアが怒鳴り込んでくるのはマサキがモニカの髪を結い終え、二人でまったり紅茶を飲んでいるときのことなのであった……。

このページへのコメント

続きもよかったです
行為が終わったあとマサキがモニカの髪を編んであげるところはなんか微笑ましい

0
Posted by 名無し 2013年04月01日(月) 17:03:26 返信

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