突然に戦場になったその町からは、すっかり人影が消えていた。
戦禍を恐れ慌てて避難したのであろう町人の生活臭がまだわずかに残っている。
自動化された機械だけが今も忙しなく動き続ける静かな街の一角、
有力者だったのだろう、大きな屋敷が聳え立っている。
荷物を腕いっぱいに抱えてその邸宅に急ぎ入っていく少女は、名前をティスといった。
薄桃色の髪をふわりとなびかせる様は、太陽の如く明るい活発さを思わせた。

「ほら!いっぱいあったよ、食べ物!」
館で一番豪華で女の子らしいと、昨日に決めた部屋に駆け込む。
「ティス…。お帰りなさい」
その広い部屋の天蓋付きのベッドで少女――デスピニスは微笑んだ。
触れればたちまちに壊れてしまいそうな儚さを含んだ笑みで、
細身の身体と、青く流れる美しい長髪の外見からも、
ティスが太陽ならばデスピニスは月というに相応しい少女だった。

デスピニスの調子が悪いからと、人の居なくなったこの町に降りたのは昨日だった。
身体的な異常ではない。病気などといった事は、自分達には無縁のものだったからだ。
ティスは、彼女が死に支配されすぎているからだろうと思っていた。
大きな戦いの後、デスピニスは体調を崩す事がまれにあったのだ。
彼女は考えすぎ、想いを自分の内に溜めすぎるのだろう。
自分のようにもっと明るくなればもっと元気になれるだろうに。
生者と死者に縛られる事無く、もっと奔放に生きれば良いと考えていた。
だが一方で、ティスはデスピニスの事が羨ましくもあった。
男が惹かれるのは、デスピニスのような清楚可憐な娘の方だと思えたし、
自分にはどうしてもあの子のようにはなれないと分かっていたからだ。

だから結局のところ、ティスはこのガラス細工のような少女が好きだった。
仲間として、姉妹としてずっと一緒にいたのだから当然だが。
だからこそ、食料と一緒に偶然見つけてしまったこの本の内容にも、興味が出てきてしまったのだ。

「あと三時間もすればラリア―も帰ってくるだろうから、それまでゆっくりしてんのよ」
「うん…でも、もう大丈夫だから」
「だめ。あんたはいつも、そうやって強がるんだから」
食事を終え、ティスは用意した濡れタオルを持ってベッドの上のデスピニスに近寄る。
「な、なに?」
「昨日お風呂入ってないでしょ?汗拭いてあげる」
予測しなかった言葉にデスピニスの顔が赤らむ。
「えっ…?い、いいよ、だいじょうぶ、自分で出来るから」
あたふたとするデスピニスを尻目に、ティスがベッドに乗り込む。
「いいでしょ、知らない体じゃあるまいし。ほら、ばんざいして!」
「うぅ…」
迫力に負け、おずおずと両手を上げるデスピニス。
ティスが薄い水色のパジャマを脱がせると、白い素肌が露わになる。
だが羞恥に目を瞑ってしまうデスピニスに与えられた感覚は、また予想していたものではなかった。
「ひっ…!?」
「やっぱり…デスピニス、おっぱいちょっと大きくなったでしょ」
驚いて目を開けると、ティスはタオルを横に置き、デスピニスの膨らみかけた胸をふにふにと弄っていた。
「ティ、ティス…!ちょっと、だめっ、んっ」
ささやかな抗議の声も届かず、薄い肉付きの乳房をゆっくりと捏ねまわされていく。
「あたいは全然大きくならないのになぁ…。どうしてデスピニスだけ」
ティスは興味深そうに手の平全体で撫で回したり、小さな先端を指で挟んだりする。
目覚め始めたばかりのデスピニスの性は、それら一つ一つに対して過敏に反応してしまう。
やがて震える乳首がティスの唇に含まれ、ちゅうっと吸い上げられると
初めて受ける衝撃にデスピニスの頭が真っ白になり、高く嬌声が上げられる。
「ふあぁぁぁっ!!」
力が抜け、くてっとベッドに倒れこむデスピニス。
ティスはというと、予想以上のデスピニスの反応に逆に驚いてしまっていた。
「あ、あはは…平気?デスピニス…」
ぴくり、と少し身体を震わせながら、ようやくデスピニスは感覚の余韻から脱する。
「ティス…な、なに…?今の……」
はぁはぁと熱く息を吐きながらティスに尋ねる。
「本に書いてあったの。えっちな事…大好きなヒトとするんだって」
「えっちな…事…?」
「うん。…嫌だった?」
潤んだ瞳でティスを見つめるデスピニス。その表情は初めての快楽への期待と昂奮に震えていた。
「ううん……すごかったの。もっとして…えっちな事」
ティスは、目の前の少女が見せる大人の表情にどきりとしながら、吸い寄せられるようにデスピニスにくちづけた。

「デスピニス…好き…。」
「んっ、ティス……私、も…んっ」
少女達の唇が触れ合い、粘膜が擦れる。
お互いの背中に腕を回しあい、感触を確かめるように唇をつけては離す。
やがてティスの小さな舌が、デスピニスの口腔内へ侵入しようとする。
一瞬びっくりした顔を浮かべたデスピニスだったが、すぐに落ち着いて舌を絡めていく。
「ちゅ…。ん、んちゅ、ちゅう、んっ、んむ…」
姉妹のような二人が、初めてお互いの唾液を交換する。
混ざり合った唾液を咀嚼し、ゆっくりと甘露を味わうように喉に運んでいく。
そうして、しばらく静かな部屋に二人が互いの唾を啜りあう音だけが響いていた。

「はぁっ、はぁっ…」
ひとしきり唇の交わりを終え、荒く息をつく二人。
その顔には、年齢不相応ともいえる淫らな情欲があらわれていた。
と、薄い胸を上下させ、まだ夢うつつといったデスピニスの寝間着を、
ティスが下着と一緒にするっと脱がせてしまう。
「きゃっ…!?」
「ホントだ…。ここが、濡れるんだ…」
ティスに着衣を取り払われ、生まれたままの姿になったデスピニスの
緩やかな曲線を描く下半身は、確かに蜜を滴らせていた。
まだ何も生えていないそこは、誰の侵入も許さないというようにぴったりと閉じたままだ。
「だ、だめっ…!見ないでぇ…」
誰にも見せることの無かったそこを見つめられデスピニスは恥ずかしさに涙ぐんでしまう。
「すごい…こうなってるんだ。ここが一番敏感なところ?」
ティスは一本の縦すじしか見えなかったそこを指で広げ、淫核を指で擦ってやる。
「ふあ、ああああぁぁっ!?」
デスピニスを突然に予想以上の刺激の波が襲う。初めての少女には強すぎる快楽で、彼女はあっという間に初めての絶頂を迎えてしまった。

「だ…大丈夫?デスピニス」
あまりに激しい反応に、ティスは自分のやり方が間違っているのではと不安になる。
実際には、デスピニスが普通に比べてあまりに高い感度を持っているのが原因なのだが、
それは二人には分からない事であった。
「い、今の…すごすぎるから、だめぇ……」
息も絶え絶えにデスピニスが呟く。だが生まれて初めてイった娘にもその余韻に浸る時間さえも与えられなかった。
「う、うん。じゃあ、指ね…」
ティスは我慢できないという風に再びデスピニスの秘所に指を運び、淫裂につぷっと人差し指を差し込む。
「ひっ!?んっ、ああっ…!?」
初めて自分の中に異物を挿入され、デスピニスが驚きに喘ぐ。
「デスピニスの中…すごくキツ…い」
動かすのも一苦労というようにティスが挿入した指をゆっくりと動かす。
暖かい少女の膣が物欲しそうに蠢き、指の一本でさえもキツく締め付けてゆく。
「今度は平気?」
「う、うん…」
くちゅくちゅと、ティスの指とデスピニスの愛液が淫らな音を奏でる。
今度はゆっくりとした刺激がデスピニスを襲う。先ほど絶頂に達したばかりにも関わらず
すぐに快楽の高みへ押し戻されていく。
「あのさ、デスピニス…ホントはここは、指を入れるところじゃないんだって」
「……?」
「ホントは男の人のね、おちんちんを入れるんだって。
 大人の人のは指なんかよりずっと大きくて、凄いって」
「男の人…?」
デスピニスはきょとんとしてしまう。
昔ラリア―のものを一度見た事があるだけの彼女には、男性の勃起など想像しようも無かった。
「それで、あたい達のお腹の奥に、熱いのをドクドクって注ぎ込むの。
 …それが女の子の一番の幸せなんだって書いてあった」
先ほど読んだ本で仕入れただけの知識だったが、それは真実だろうとティスにも思えた。
こうして指を入れているだけでも、自分の最奥が熱く疼いてしまっているのを感じるから。
「そうなんだ…でも、私はティスだけでいいわ」
「え?」
「だって、男の人にもっと凄い事されたら、きっと私壊れちゃうから。だから、私はティスだけ」
これも、正直な真実であった。
感じ過ぎる彼女が男性に激しくされ、膣奥に多く欲望を注がれてしまったなら、
きっと幼い彼女には耐えられないほどの悦びだろう。
「デスピニス…」
「…うん。ティス…好き」
二人は再びキスをして、互いの体温が少しでも多く伝わるように抱き合った。
何回目かももう分からない、唾液交換でデスピニスが達するまで二人はそのままでいた。

と、ティスはこれで終わったと思っていたのだが。

「ね、私は気持ちよくなったけど…ティスはまだでしょう?」
「え、ええ?あ、あたいはいいよ…十分気持ちよかったからさ」
「嘘。それに、私だけ見られるのはずるいわ」
「うぅ…」
「ふぅん、これがティスのあそこ…やっぱり私と同じで、つるつるなのね」
「す、すぐ大人になるわよ!胸以外は、あたいの方が成長早いんだから」
「…本当かしら?ね、ほら…ここをこうして擦り合わせれば、きっとすごく気持ちいいわよ」
「わっ、ちょっと!?デスピニス、いきなりそんな…あん、きゃうっ!?」
「ふあっ、んっ、ほら、ね?ん、くうん、あんっ…」

「も、もう駄目だってば!ラリア―が帰ってきちゃうよ…!」
「後1回くらい、平気よ…ほら、ティス?ここでしょう?」
「あんっ、やあああっ!!」


「ただいま!そろそろ二人とも、出発でき…あれ?」
「クスクス。お帰りなさい、ラリア―」
「うー、あうー………」
「…なんでデスピニスが元気で、ティスが疲れ果ててるんだい?」
少年ラリア―には、まだ少女の神秘など理解は出来なかった。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

編集にはIDが必要です