「あのぉ〜…その節は大変ご迷惑をおかけしましたぁ。
 今後は心機一転・新装開店、精進いたしますー」

腕を組む零児の無言のまま首を横に振る。

「許していただけませんか〜? 琥魔のお・ね・が・い♪」
「駄目だ」
「…ちっ」

駄猫は愛想良く媚びを売っても結果が変わらないとみるや悪態をつく。
マーカス・タウン特製の宿泊施設・ナイトガイズ。
琥魔は現在、零児の膝の上。
ルボールの用心棒では飽きたらず、在らぬ罪で戦闘をふっかけられたハーケン達。
そのまま笑顔で許すほど彼らは優しくないのだ。
お仕置き執行人は有栖零児、付添い人は小牟。

「観念せぇよ悪行商人! 零児のお仕置きはきっついぞー。
 なんせ、一度喰らえばもう病みつきじゃからのぅ」
「…お前も後でお仕置きだ駄狐」
「なーっ! なんでじゃーっ!」

夫婦漫才の掛け合いを見せる中、琥魔の尻尾が揺らめく。
彼女特有の武器の一つ…猫又の二本尻尾。
高速で振り回せば十分な打撃も可能であろうがそれが読めない零児ではない。

「うにゃッ!」
「仮にも対妖物のエージェントだ…こういった武器を使う奴も
 少なくは無い。当然ながら対応は心得ている」
「そっ…そんなに強く握るにゃッ! 指跡がっ…クウウゥ!」

振り回そうとしていた二本尻尾の根元を確りと握り締める。
やわらかな獣毛に包まれた尻尾を捕らわれ、腰を軽く震わせながら、
もがくように尻尾をうねらせる琥魔。

「ウッ…うぅ…この…ドスケベ! ムッツリ! 変態!」

零児は無言のまま尻尾を強く握りしめる。
その度に引っ張られるような感覚が琥魔を襲い、臀部を突き上げてしまう駄猫。

「いたっ…いたいっ! しっぽ…尻尾が取れるニャッ…ぁあ」

突然の開放感…零児の指が尻尾を離すと尻尾もくたんと垂れてゆく。
小牟はその様をニヤニヤと楽しむように、そして少々羨むように眺めている。

「ホント…お仕置きとなると目の色を変えるのぉ零児…」
「どこかの誰かさんのおかげでな」
「ッ…こら…いまその眼でわしをみるでない…」

ツッコミ役とは別のサディスティックな瞳…
夜の時にだけ見せるホンキな零児の視線に太股をもじもじとさせてしまう小牟。
彼の指先は琥魔のミニスカートを巻くり上げ、臀部を剥き出しにしてゆく。

「ひやぁっ! これ以上やったら、うっ…うったえてやる!」
「酌量の余地無し…か、まずは百発」
「ひぎゃっ! いたっ! いやあぁ!」

始まる臀部へのスパンキング。
小牟はあちゃーとした顔を指で覆いつつも、
指の間からは嬉しそうに叩かれる駄猫の様を堪能し、甘いため息を漏らす。
零児の指先はやわらかなヒップをたたき上げるたびに、
尻肉はじんわりと紅くなり、卑猥な牝尻をはれ上がらせてゆく。
一発打たれるたびに肺から空気が吐き出され、彼女の苦痛を唇から滑らせてしまう。
その痛みや痺れが段々と尻尾をつたって、
快楽信号となって脳内に駆け巡りだしたのは五十発目から。

「いっ! んあぅ! やっ…なにぃ…ひっ! ふみぃ!」

自分でも無意識だったのだろう…
二本の尻尾がその平手の刺激を欲してるようにくねる中、
その息が乱れてきてる事に驚く琥魔。
眼前の雌猫の鳴き声やいつも味わう零児のスパンキングの音を聞かされて、
小牟はいてもたっても居られなくなる。
小牟の荷物入れからお気に入りの一つを取り出し二人に歩み寄ってきた。

「フフッ…援護しようかのぉ零児?」
「そいつは重畳…いいお仕置きになりそうだ」
「はぁ…あぁ…あ…れ? ひいっ!」

許可を下ろした所で零児のスパンキングも動きを止めた。

不意に刺激が無くなり、琥魔は少々戸惑うがソレも束の間。
小牟の細い指先が腫れた尻肉をなで上げ、
親指で花弁を広げてじっとりと濡れ始めた膣穴を広げられてしまう。

「ネコ科はスパンキングに弱いと聞いておったが…
 とんだマゾネコじゃなぁ…お汁が駄々漏れじゃぞぉ」
「うっ…うるさいにゃぁ…この変態コンビッイイイイイッ!」

罵声をかき乱したのは小牟お気に入りのディルドー。
琥魔は不意の追撃に舌を延ばし、魚類のように口をパクパクさせる。
だが、疼き出した雌猫の膣肉は浅ましく異物をくわえ込み、締め付けてしまう。

「零児せんせー、琥魔のやつまだ反省しておらんぞー」
「そうか…なら、もう百叩きだな」
「うにゃあっ! そんなにされたら、死んじゃうにゃ!」

遂に琥魔の涙腺から涙が溢れ、懇願するような目で零児を見上げる。

「ごっごめんなさいぃ! もう、ボッタクッたり逆らったりしませんッ!
 だっ…だから、これ以上は堪忍してェ!」
「そうか…だが、ペナルティは百発…まだ、五十残ってる」

乱れた雌猫の前髪を掻き上げながら、零児は丁寧な手つきで臀部を摩ってゆく。
彼は尻尾の付け根を弄ってやりながら瞳を覗き込み、息を切らした琥魔の顎を指先で捕らえる。

「逆に言えば、五十発我慢すればお前は自由だ…いいな琥魔」
「はっ…は…い…うにゃッ!」
「あと…これは付けたままだ」

痛みと涙で頬が赤くなっていた琥魔の膣に突き立てられたままのディルドー。
零児はその張り型を握り、雌肉にぐりぐりと抉りこんでゆく。

「にゃぁ…ああああっ…うごさないでぇ…きゃう!」
「これがもし、五十発中に落ちたら…解るな?」
「はいッ…残り五十…がんばり…ます…にゃぁ」

ディルドーから指を離し、臀部に指が添えられた瞬間、
再び軽快な打撃音が部屋中に響いてゆく。
先ほどは痛いと叫ぶばかりであった琥魔であるが、
段々とその味にハマりだしていた。

「はあぁ…やんっ! うにっ! いたッ! アアっ!」

尻を叩かれる度、その刺激でディルドーをくねらせるほど膣壁を蠢かせる牝猫。
すっかり服も肌蹴、着物からこぼれた乳房が弾んでいる。
猫耳もくたんと下がり、心なしかお仕置きをおねだりするように、
牝猫の商人は臀部を仕置き人に差し出している。
傍観者である駄狐も食い入るようにスパンキングの音と嬌声を味わい、
チャイナのスリットの中に指を滑り込ませて彼に育てられた乳房を弄んで震えていた。

「ふうぅ…相変わらずッ…いい躾をしよるのう…ほぅ…」
「やぁあ…もうっ! 何発か…ニャウッ! わから…アッ!」
「あと十発だ琥魔…もう少しだぞ」
「ぅあ…はいっ…零児さまぁ…」

痛みと刺激に満ちた仕置きから解放される。
琥魔は思わず零児に様つけをするほどに変貌してしまった。
真っ赤に腫れ上がった臀部をくねらせながら、
まるで交尾をせがむ発情期の猫のように、尻尾も踊っている。
しかし、激しい揺れとスパンキングの打撃、
あふれ出る愛液が奥まで突き入れていたディルドーを不安定にぐらつかせる。
一回一回残りをカウントする中、その勢いも激しくなり、
琥魔が異変に気がついた時には既に遅かった。

「んっ! ハアァア…だめぇ! でちゃ…だめぇ!」

零児に九十九発目を打ち込まれた瞬間、愛液で溢れ返る膣孔からディルドーが滑り落ちてしまう。
床に転がる淫具の音、物足りなさで疼く肉壷の感覚に、
怯えた牝猫はゆっくりと仕置き人である零児の顔を見上げた。

「あっ…あの…これは…ンニャアァ!」

零児の指先はぽっかり空いた膣穴に突き入れられ、
ビクビク震える雌襞をいじりまわして愛液を掻き出してゆく。
不意の刺激に琥魔の尻尾がピンと張りつめ、背筋も反り返る。

「ああぁッ…掻き…まわさ…イッ! いいぃ…うにゃあぁ…」
「随分反応してるな琥魔…尻を叩かれて感じるとは、とんだ変態だ…だが」
「ンキャゥ!」

愛液で濡れた零児の指先が陰核をむき出し、指で挟みあげる。
ドロリとした蜜を膣から溢れさせ、牝猫は軽い絶頂を重ねながら尻尾をくねらせる。

「お仕置きは続けるぞ…」

その言葉を受けた琥魔は恐怖よりも苦痛よりも…
仕置きという名の甘い蜜を求めて潤みきった瞳で呟いた。

「はぁ…ぁ…はぃ…」

小牟はその様に軽く頬杖を突きながら息をもらす。

(ほんと…零児は人外キラーっぷりは以上じゃな…
 ま、わしが育てたんじゃが…零児、恐ろしい子…)

駄猫の懐き具合や乱れ具合を自分と重ねてしまい、
微かに顔を赤くする駄狐であった。


駄猫SPANKING!〜終劇!〜

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