カチーナ隊に配属されたアクセル・アルマーは、いつしか部隊の中心人物となるほど馴染んできて、既に自分がここへ来る事になった経緯の事など忘れかけていた。いや、必死で忘れようとしていたのかも知れない。
タスクとの独特の掛け合い(漫才?)もヒリュウ改の新たな名物となりつつある。
「ソルジャ〜〜〜〜〜〜〜、インザスペ〜〜〜〜〜〜〜〜ス!! ってな感じでやっぱり宇宙はテンション上がるねぇ…」
「ほほぅ、また渋いところをついてきますねぇアクセルの旦那」
「渋いかねぇ…? 結構メジャーなところをついたつもりなんだけどな」
(もう既に殆どの人が理解できない領域なのにまだメジャーとか言い張るかこの人は)
相変わらず謎の歌を連発するアクセルに対し、唯一ネタを理解できるタスクがすぐさまツッコミを入れる。
そして呆れ顔でその掛け合いを見守るレオナとラッセル。この状況がもはや定番となっていた。

そして隊長のカチーナはと言うと、アクセルとの一件以降、あまり神経質にならずにメンバーをまとめられるようになってきていた。
まぁ他のメンバーからすれば『いつも通り』なのではあるが。そのカチーナの声が艦内に響く。
「またアインストが出やがったぞ! すぐに出撃だ!」
しかし、出撃の度に憂鬱になるメンバーが一人いた。ラッセルだ。
カチーナとの関係は少しは進展したはずだが、出撃の時だけはテンションが下がる。
「あの、中尉…。やっぱりコードネーム変えていただけませんかね…」
「バッキャロー!タスクの野郎も言ってるが、サイ2じゃ語呂が悪すぎるだろーが!」
「そうそう。それに英語にしたらライノセラスと被るしな」
アクセルとタスクの提案で、某戦隊に準えてコードネームを以前の『オクト〜』から変更したのだが、ラッセルにはそれが気に入らないらしい。いつの間にか、カチーナも随分とアクセルとタスクに感化されているようだ。
「だからと言って、ジュンイチ2ってのは流石に…」
「グリーンと言えばジュンイチって相場が決まってるんだっての。なぁタスク?」
「まぁな。ファルコン1、ライオン3、ドルフィン4、バイソン5と来てジュンイチ2なら全員4〜5文字でバランスいいしな。
一人だけ場違いって感は否めないが、この構成ではこれ以外考えられないね。レオナもそう思うだろ?」
「その話を私に振らないでくれない? 隊長、出撃します…。
(正直これ以上このネタを引っ張るのはいかがなものかと思うけど…)」
もはやヒリュウ改は彼らでなっているようなもの。多少のゴタゴタで出撃が遅れても艦長のレフィーナは何も言わない。
いや、言っても無駄と思われているのかも知れない。ただ信頼されているのだけは確かだ。

そんなこんなでアクセルはすっかり部隊に馴染んでいる。彼にとって重要な関わりを持っているはずのラミア・ラヴレス、キョウスケ・ナンブに対しても素知らぬ顔で対応。ただの同僚としての扱いである。
とにかくやりたい放題のアクセルではあったが、カチーナに大して肉欲獣ぶりを発揮したにも関わらず、なぜかそれ以降は女性関係のトラブルには見舞われていない。軽くアプローチを掛けて見るも
カップルの多いこの艦だけあってそう簡単に上手くはいかず、未だ物色中といったところか。
アインストとの交戦を終え、艦内に戻ってきたアクセルにとある男が声を掛けてくる。
アクセルに声を掛けてきたのはヒリュウ改の副長、ショーン・ウェブリーであった。彼はアクセルに興味を持ち、よく話しかけてくる。
「どうしました? 最近大人しいじゃないですか」
「何を言いますかねぇ…。俺はいつもと変わりないですよ」
「私にはお見通しですよ。何か人に言えないような悩みがあるのでしょう?」
「は、はぁ…」
「ここで話しにくいと言うなら、今夜一緒に一杯やりながらでも…」
「酒…っすか? 飲めないって事はないけど、な〜んかいやな予感がするんだな。これが」
結局はショーンの誘いを断れずに、その夜ショーンの部屋の前に来たアクセル。
この出来事がアクセルを思わぬ方向へ引き寄せる事になるとはこの時は知る由もなかった。

ショーンはどちらかというと自分が飲むよりも相手に飲ませるのが得意な方で、気づけば部屋には空のボトルや瓶が散乱していた。しかしアクセルもなかなか強い。
「いやいや、なかなかどうして強いですな。しかしこれ以上私のコレクションに手を出されても困りますので、本題に入りましょうか」
「本題? ああ、そんな事も言ってたねぇ…。ヨッシャヨッシャ、何でも話しちゃうよ〜!」
さすがに酔いが回っているのか、いつも以上にテンションの高いアクセル。
「まぁあなたが悩むとなると、女性関係ぐらいしか思い当たる節がないですよねぇ…」
「そうそう、やっぱここはカップルも多いみたいだし他の娘もガードが堅い訳よ」
「結果が出ないのはそこが問題なのではなく、あなたのやり方が良くないんじゃないかと思いますね」
「全く持って正攻法だと思うんだけど」
「確かにそうとも言えますが、下心が見え見えな分女性に悪い印象を与えてしまう訳です」
ショーンの助言に対し、明らかに納得がいかない様子のアクセル。ただ自分の行動に口出しされたくないだけだろう。
「でも、下心のない男なんている訳ないでしょ?」
「ごもっともですが、あなたのような下心の塊のような方にはもう少し指導が必要ですねぇ…」
先程までのハイテンションとはうってかわってアクセルは表情を曇らせる。
「あれも駄目、これも駄目じゃもうお手上げだっての!」
「ふむ。やはり無理矢理押し倒す方がお得意ですかな?」
「………………はい?」
ショーンの一言によりすっかり酔いが覚めてしまい、アクセルは我に返って『もしや』と思い血の気が引いたような表情を浮かべる。
それに対しショーンは勝ち誇ったような表情で不敵な笑みを浮かべていた。
「フフフ…、あなたがこの艦へ初めて来た日にトレーニングルームであった事、私が知らないとでもお思いでしたか?」
「…………………」
もはや反論する術もない。ここまでアクセルを手玉に取るとはヒリュウ改副長ショーン・ウェブリー、侮れない。
「証拠はバッチリ残ってますからねぇ。これをハガネの女性陣にでも見せたら相手にされなくなる事は間違いないでしょうね」
「カ〜ッ、こりゃ参ったね。…じゃなくてこれ盗撮! 犯罪行為だって!」
ショーンは独断で艦内の各所に監視カメラを設置し、偶然とは言えそのカメラが行為の一部始終を捉えていたのだ。
「そちらこそ、カチーナ中尉の同意が得られていなかったら立派な犯罪行為ですぞ」
「副長さん、アンタ俺に恨みでもある訳?」
「別にそんな事はありませんが、あなたが女性を粗雑に扱った事が少々気になりましてね。それに、あなた艦長の事がお気に入りなのでしょう?」
思いっきり図星だ。アクセルは顔合わせの時、いの一番にレフィーナ艦長に目を付けていたのだった。
「全てお見通しですかい? アハハハハハハ…」
「どうです? 私の元で修行してみる気ありますかね? 断った場合はこのテープをばらまかれるモノと思って頂きます」
「ひでえ! それって実質強制じゃないの!」
「艦長云々は別として、正直な話女性をモノ扱いするようなあなたの態度には少し頭に来ているので、その根性を叩き直すという意味合いも込めてです。全てはあなたのためですよ。これから失敗しないためにね」
半ば副長権限完全公使のような気もするが、アクセルは結果的にショーンに弟子入りという形を取る事になってしまった。

それから数週間が経過した。どんな指導を受けたのだろうか、アクセルはそれ以降女性に自分から話しかける事をショーンから固く禁じられており、そんな日々が続き、明らかに苛立ちを隠せなくなっていた。
「あの…。そろそろお許しを貰えませんかねぇ…。副長の言わんとする事はもう充分分かったからさ」
「そう焦る事もありますまい。焦ってしくじって、あのテープをばらまかれても構わないのですか?」
「ん〜、それ言われるとなぁ…。やっぱ俺も権力には弱いのね。トホホ…」
「あなたのためだけではありませんよ。これは艦長のためでもあるのです。レフィーナ中佐は艦長として随分と成長されましたが、いかんせんまだ若い。艦長と部下ではなく、男女として接する事で更に成長する点があるかも知れませんしね」
「そのために、俺をダシに使ってる訳? 人使い荒いよ全く…」
「本来なら私が調教…ゴホン、直接指導すべきなのですが。不自然にならないように若いあなたに任せることにしました」
(今、調教って言ったよな…? もしかしてこのおっさん、相当怪しい趣味の持ち主なんじゃないか?)
アクセルは、これ以上ショーンの言いなりにはなっていたくないと感じ、覚悟を決めて言い放った。
「ん〜〜〜、…よし決めた! ダメもと特攻、かけてやろうじゃないの! しくじった場合、この艦を降りる覚悟も出来てる」
「勝負に出ようという訳ですか…。艦長は予想以上に手強いですぞ。覚悟が出来てるのなら止めはしませんが」
「それよりさ、まさか副長、艦長の部屋にもカメラ仕込んでたりしないでしょうねぇ…」
「まさか。さすがの私でも艦長のプライベートにまで介入したりはしませんよ」
(これまで散々人のプライベートに踏み込んでおきながらよく言うな、この人は)
「わざわざ覗いたり結果を聞いたりはしませんよ。私ならば、明朝艦長を一目見れば分かりますし」
「へへっ、失敗なんか考えちゃいないんだな、これが。ハートを狙い撃ち! ってね」
「止めてももう無駄でしょうな。それでは御武運を祈っておりますよ」
その言葉を聞く前に、既にアクセルはショーンの前から姿を消していた。
ついにアクセルが一番のお目当てであるレフィーナ艦長をモノにするべく特攻する日が来たのだ。

その日、食事を済ませ、身支度を整えた後すぐさま艦長室へ向かったアクセルだが、さすがに一人の若い女性とは言えこれだけの規模の戦艦の艦長だけに、敷居は高そうと感じ、
気軽に声を掛ける、と言うのはさすがに気が引けるようだ。
しかし、ここ数週間、出撃時にカチーナ中尉に声を掛けられるぐらいで、女性と話す機会を殆ど与えられなかったアクセルだ。さすがに我慢の限界だけあって、決断を下すのに時間はさほどかからなかった。恐る恐る艦長室のドアをノックする。
「あの…アクセルっすけど、少々艦長に相談したい事があってきたんだな、これが」
「どうしました? 私に相談なんて…」
「あの…プライベートな話なんで、部屋へ入れてもらいたいんスけど」
レフィーナは一瞬躊躇うも、何か深い事情があるのだろうと感じ、そっと部屋のドアを開ける。
「あの…、私でいいんですか? 相談ならショーン副長の方がアテになると思いますけど…」
「アハハハ…。あの人の場合、アテになる時とならない時の差が激しいんで。
そんでやっぱり信頼性で考えたなら、やっぱり艦長しかいないかなって思って…」
アクセルは柄にもなく緊張している様子で、喋りも何処かぎこちない。
女性と面と向かって話すのは一月以上ぶりなので仕方のないところかも知れないが。
「分かりました。艦長としてクルーの相談くらいは聞いてあげないといけませんよね。中へどうぞ」
あまりにも無警戒というか何というか、レフィーナはあっさりとアクセルを自室へ招き入れた。

さすがに艦長室なだけあり、いつでも対応の取れるように置かれたいくつかの通信設備、大量の資料が散乱しているデスクとベッドだけが置かれた無機質な空間。
その部屋を見ただけでは利用しているのが女性だとは誰も思わないだろう。
肝心のレフィーナはと言うと、薄手のシャツにハーフパンツとラフな出で立ちだ。このアンバランス感がたまらん。
「それで、相談というのは一体…?」
レフィーナは椅子に腰掛けて足を組み、そっとアクセルの方へ目を向ける。
いつもとは少し違った雰囲気だ。ショーンと一緒の時はいくらかやりにくさを感じているのかも知れない。
緊張と興奮で訳の分からない精神状態のアクセルは、意を決して話し始めた。
「えっと…何とか忘れようとしてたんだけど、俺って記憶がないじゃないスか?もしその記憶が戻ったら、もうこの艦には居られないんじゃないかって思うと、怖くなってくるんスよ」
「…そうですか。記憶がないんですもの、不安にならない訳ないですよね…」
「もしも…もしもだけどさ、俺の正体がここのみんなの敵だった場合、戦わなきゃならない。でも…今の俺にはそんな事出来る訳ない。それくらいここの居心地が良くなってしまったんだな、これが」
ヴィンデルやレモンを信用した訳ではないが、真実である可能性は高いと感じ始めているアクセル。
その不安はその場しのぎの出任せなどではなく、紛れもなく本心から出た言葉だった。

「ごめんなさいね…。私達、あなたの記憶を取り戻す手助けも出来ず、それどころか戦闘まで参加させてしまって…」
「そ、そんな! 艦長が謝る事なんて…。使えるもんならどんどん使ってもらえれば。俺にはヴァイサーガもあるし」
目に涙を浮かべながら謝るレフィーナ。それに対しアクセルは慌てふためいている。
女性を相手にこんなにあたふたするなどアクセルにとっては初めてかも知れない。それだけ『本気』だと言うことか。
「私…艦長失格ですね…。艦を指揮する事ばかりに気を取られて、皆さんに何もしてあげられてないし…」
「いやいや、今のヒリュウ改があるのも艦長が色々と頑張ってくれてるから…」
「そんな…、私はいつまでたっても副長に頼ってばかりで…」
「あの…えっと…、これじゃどっちが相談を受けてるか分からないんだな。これが」
アクセルのその一言でレフィーナは我に返り、落ち着きを取り戻し再び話し出した。
「そ、そうでしたね。私ったら、また自分の事ばかり考えて…。私の意見を言わせてもらうと、もし記憶が戻ってその通りになってしまった時は、…現実をしっかりと受け止めるべきです。あとはアクセル自身の意志が大事じゃないかと思います。でも、私達はあなたを信じてますから」
「俺の…意志、か…。結局はそうなるよな」
アクセルはレフィーナの『信じてる』の一言で随分と気が楽になったようだ。
しかし表情はまだ堅い。そんならしくない表情でいるのが気に掛かったのか、デスク備え付けの椅子に座っていたレフィーナは急に立ち上がりアクセルの隣に腰掛けてきた。
「そんな顔はアクセルには似合いませんよ。あなたはヒリュウ改のムードメーカーなんですから」
そう言うとレフィーナはアクセルの肩に手を掛け、じっと見つめてくる。
憧れの女性が眼前にいる。そう思うと再び緊張と興奮で落ち着きがなくなってくる。
自分が思っている展開に持っていきたいアクセルは、何とか重い口を開く。
「艦長…、ありがとう。自分が必要とされてるって事が分かってちょっと安心したと言うか…」
アクセルは無意識のうちに、レフィーナを強く抱きしめていた。

「いけね! つい…」
早まったマネをした、と思いアクセルは急いでその手を離そうとするも、レフィーナが制止する。
「待って! もう少し、もう少しだけ…このままでいてくれませんか?」
レフィーナの思わぬ反応にアクセルは戸惑いを見せるも、黙って頷き言われる通りにする。
「お礼を言うべきは私の方です。あなたにそう言ってもらえて少し自信が持てました」
それからしばらくの間、二人の抱擁が続いていたが、レフィーナが自分の素足に当たる感触に気づきそちらに目を向ける。
レフィーナの素足に当たっていた感触は、ズボン越しにも分かる程に直立したアクセルの陰茎に他ならなかった。
股間を直視され初めてその状態に気づいたアクセル。もはや弁解する事もままならない。
「か、艦長! こ、これは、その…(やべぇ、今度こそ嫌われたか…?)」
「ふふ、そんなに我慢する事ありませんよ?」
半ば諦めの入ったアクセルにとっては今のレフィーナの一言は衝撃的なものだった。アクセルはもうパニック状態だ。
「えっ…? い、いきなり何を…!」
「そう言う事なら早く言って下さればいいのに…」
そう言うとレフィーナはおもむろにアクセルの股間に手を伸ばし、ズボンの上から陰茎をなぞり出した。
ショーンからは『その展開はまず あ り 得 な い 』とまで言われていたため、その衝撃は大きい。
「べ、別に俺はそんなつもりでここにきたんじゃないし…」
「いいんですよ。クルーの欲求を満たしてあげるのも艦長の務めと副長もおっしゃってましたし」
極度の緊張で抵抗する事も出来ないアクセルは『副長、言ってる事矛盾しすぎだろ』と思いつつも、心の片隅で『GJ! 副長、超GJです!』と叫んでしまっている自分が情けなくて仕方なかった。
そう心の中で葛藤を繰り広げている中、レフィーナはズボンのジッパーを下ろしアクセルの陰茎に直に触れ、扱き始めた。

いつものアクセルなら今すぐにでもレフィーナの身体にかぶりついてしまいたい、と言う衝動に負けているところだが、レフィーナがそれを望んでいるとは限らないため、今はただ彼女に身を任せるしかなかった。
気づけばアクセルは仰向けに寝かしつけられており、レフィーナの手の動きは更にエスカレートしている。
「くっ……んはぁっ…! 艦長…!」
本当ならばもっと段階を経てここまで来るはずが、突然やってきたこの状況。
もともと興奮状態だったうえに、レフィーナが与えてくる刺激で更に大きくなるアクセルのモノ。
元々『攻め』のタイプなアクセル。単純な話、『奉仕』を施された経験は少ない。
その新鮮な感覚により、それまでの緊張も吹き飛び、レフィーナの刺激で更なる快感へと変化していく。
「こんな時くらいは、名前で呼んでくれてもいいですよ…」
まさか本当にショーンに調教されたのではないか?と思うくらい普段のレフィーナとは違う。もしやこれが素なのだろうか。
ただただされるがままなアクセルを、更なる快感が支配する。レフィーナが極限まで膨張した陰茎を口に含んできたのだ。
「んあっ…! か、レフィーナさん…い、いきなり…」
ピチャピチャと淫猥な音がその場を支配する。レフィーナの奉仕による刺激でさすがに心のリミッターが解除されたようだ。
アクセルはこれまで我慢していたが、突如大きな声をあげる。それに答えるかのようにレフィーナは舌先で亀頭の先端部を刺激し、更に各所へ舌を這わせてくる。レフィーナの舌使いはなかなかのもので、早くもアクセルは射精感に包まれる。
「うはっ!!そ、そりゃまずいって…。で、出そうなんだな…」
アクセルが射精寸前の状況だと理解しつつも、レフィーナはモノを深く口に含んだまま、更なる刺激を与えてくる。
「くっ、もう…限界だ…。出ちまうから、離して…」
そう言ってレフィーナの方を見やると、軽く首を振り、『どうぞこのまま出して下さい』とばかりに目で訴えてくる。
さすがに無理に引き離す訳にもいかない、もうレフィーナの望む通りにするほかない、とアクセルも半ば覚悟を決めた。
「くはっ、…で、出る…」
遂に限界を超え、咥内にドクドクと注ぎ込まれる白濁液。レフィーナは一瞬精液にむせ返るも、放出を続けるアクセルのモノは未だ口に含んだままだ。一体何日分溜め込んでいたのか、その量は半端ではない。
「んあっ…やっべぇ、こんなに出るとは…。幾ら何でももう離した方が…ハァ…ハァ…」
これ以上はレフィーナが苦しむだろうと感じ、仰向けの状態から何とか起きあがり様子をうかがう。
レフィーナはあふれ出る精液を既に相当量に嚥下していたが、あまりに大量だ。全てを飲み干せるはずもなかった。
「んぁ……ぐ……んふぅっ……」
さすがに呼吸も厳しくなり、ようやくレフィーナは口に含んだアクセルの陰茎を離す。
そうなると、当然残ったアクセルの精液がレフィーナの顔面めがけて発射される。
まだ出るか。顔面だけでなく、彼女の衣服にまでこぼれ落ちていく。
「ハァ…ハァ…、やっと止まったか…?」
ようやく放出を終え、精根尽き果てたかのように再び仰向けに倒れ込んだ。
そんな中、レフィーナは顔面にこびりついた精液を指ですくい取り、口へ運んでいた。
「れ、レフィーナさん! そ、そこまでしなくても…!」
アクセルは急いでデスクの上に置いてあったティッシュでレフィーナの顔面の精液を拭き取る。
「当然の事をしたまでですよ。それより、…どうでしたか?」
「どうって、そりゃあ…気持ちよかったけど、何でいきなりそんな」
「こんな形でしかあなたの力になれなくてごめんなさいね…」
もはや、レフィーナが自分の事をどう思っているのか訳が分からなくなってきた。しかし今は余韻に浸るほかなかった。

「もしかして、他の連中にもこんな事を…?」
「まさか。アクセルは私の悩みを消し去ってくれたから、特別ですよ…」
勘違いも甚だしいと思いつつ、『特別ですよ』という一言に異常に反応するアクセル。
心の中で『艦長は自分の事まんざらでもないと思ってるのかも』と勝手に妄想していた。
この状況にきて、初めてアクセルはいわゆる『分の悪い賭け』というのを実行する決意を固めた。
人は一度だけ全て捨て去って賭けてみたくなる、とよく言いますしね。

「あの…。俺にも、お返しさせてもらえませんかね…」
「お返し…と言いますと?」
覚悟を決めた割には表現はやけに遠回しである。レフィーナは白々しく聞き返す。
「いやその…相談を聞いてもらったのは俺の方だってのに、俺ばっかり気持ちいい思いして…」
アクセルの言う事はまあ間違いではないのだが、これでは体目当てと取られても仕方がない。
それを微妙に感じ取ったのか、アクセルはすぐに言葉を付け加えた。
「いや、別に体目当てって訳じゃないッスよ! 艦長としてでなく、一人の女性として魅力的だって思うしさ…」
やっぱり遠回しな表現な上、今度はやけに言い訳じみている。
それでもレフィーナはアクセルの言わんとする事を何とか理解したようだ。
「ふふ…、もう少しはっきり言って下さってもいいのに」
予想外なレフィーナの発言に呆気にとられるアクセル。どうやらアクセルの予感は的中したらしい。
「私も実は、出撃の時とかにたまに見せるキリッとした表情とか、素敵だなって思っていたんです」
少なからずともレフィーナはアクセルの事を悪くは思っていなかったようだ。それを聞いたアクセルは結論を急ぐ。
「それで、お返事の方は…?」
レフィーナの方は少々戸惑いを見せていたが、アクセルに奉仕を施した事により、体が疼き始めており、
アクセルのモノを受け入れなければ収まりのつかないような状況になっていた。
「私の勝手な判断であんな事までしてしまったんですもの…。あなたにならこの体、預けても構いません」

その言葉を聞き終わると同時に、アクセルは目で合図のようなものを送り、レフィーナはコクリと頷く。
レフィーナは自らベッドに仰向けになって、受けの体勢に入り、アクセルはそっとレフィーナの服を脱がせにかかる。
服が薄着のため、しなやかなボディラインがクッキリと浮かんでいるが、その服には先程の精液がこびりついている。
「こんなに汚しちまったのか。申し訳ない…」
「部屋着は何枚もありますから、別に構いませんよ。それより早く…」
申し訳なさにかられながら、一つずつシャツのボタンを外し、その肌を外気にさらけ出す。
レフィーナは下着を纏っておらず、シャツを脱がすと小振りながら整った形の乳房が現れた。
もう遠慮する必要もないとアクセルは一気に乳房に手を伸ばし、同時にレフィーナの唇を奪う。
「んぁ……んふぁ…」
先程とは違い攻守交代だ。速攻で舌を絡め、同時に両手でレフィーナの乳房を激しく刺激する。
レフィーナもそれに答えるかのように舌を絡ませながら、アクセルの腰に手を回し、刺激に耐えている。
先程のレフィーナによる一方的な奉仕と違い、お互いに同意を得た上での行為だ。こうなると展開は早い。
長い口づけを終え、耳、首筋と順に敏感な箇所へ舌を這わせ、やがて先端をツンと起てている乳首に吸い付き始めた。
「ひあぁぁっ、そ、そんなに強く吸わないで…!」
もはやアクセルを阻む障壁はない。その安心感からか、彼の攻めは更に激しさを増している。
「さぁて、お次は…!」
乳首への攻撃を終えたアクセルは、ショーツごとレフィーナのショートパンツを引きずり下ろし、体勢を入れ替える。いわゆるシックスナインの体勢である。そうなると当然レフィーナの眼前にはアクセルの股間がある。
先程相当量の射精を行ったばかりだというのに、もう既にアクセルのソレは元気を取り戻していた。
「レフィーナさん、もっかい頼むぜ…! 俺もお返しするからさ」
間髪入れずにレフィーナはアクセルのズボンを下ろし、先程と同じように陰茎を口に含み、
先端部にまだ残っていた精液の残りを吸い出し、更に激しく舌を這わせて行く。
「うはっ…、いきなりやってくれるぜ」
こちらも反撃とばかりにアクセルも既に愛液で濡れている秘部に指を侵入させる。
「んぁ、あぁぁぁぁっ…! そんないきなりっ…」
突然の刺激により、思わずレフィーナはくわえていたアクセルのモノを離してしまう。
「遠慮はしませんよ、っと…そっちも頼むぜ…!」
アクセルはとめどなく溢れる愛液を拭い舐め取りながらも、手を休めることなく指で秘部への刺激を続ける。
快感で体が言う事を聞かないレフィーナも、何とかアクセルのモノへ手を伸ばし、再び口に含む。
「ハァ…ハァ…、い…いいじゃないの…」
さすがのアクセルも大量に搾り取られた(推定6発分)直後だけあって体力が低下しており、そう長くは持たなそうだ。
対するレフィーナは、度重なる秘部への刺激も相まって、もはや絶頂直前だ。
「あんっ……、あぁぁぁぁっ! もう…限…界…っ」
「んんっ、俺もそろそろしんどくなってきた…。それじゃ仕上げ行きますか…!」
そう言うとアクセルは再び元の体勢に戻し、己のモノをレフィーナの秘部にあてがう。
「こっちはいつでも構いませんよ…っと」
「んはぁ……っ、大丈夫だから…、き、来て下さい…!」

その直後にアクセルのモノが勢いよくレフィーナの中へ侵入する。アクセルは最後の力を振り絞り、力強く置くまでソレを突き入れる。レフィーナも巨大なモノの侵入に必死で耐える。
「んんっ…、俺の股間は爆発寸前…! で、出るぞ…、いいのかい?」
「はぁぁぁぁぁんっ……! いいわ、出してぇぇぇっ!!」
次の瞬間、レフィーナの中に白濁液が勢いよく放出され、二人は共に絶頂に達した。
さすがに先程よりは量は少ないが、それでも常人のそれとは比べものにならない量だった。

それから小一時間ほどが経過し、レフィーナは目を覚ました。
通常の10発分相当を搾り取られたアクセルは、精根尽き果てたのか、グッタリとして目を覚ます様子がない。
彼が目を覚ますまでの間、レフィーナはずっとアクセルの側に寄り添っていた。

アクセルが目を覚ますと、そこには既に着替えを終え普段の艦長服に身を包んだレフィーナの姿があった。
「ん…? 俺はあの後ずっと…」
「あの、大丈夫…ですか?」
「無問題無問題。溜め込んでた俺が悪いんだからさ…」
それを聞いて安心したレフィーナは、何かを決意したかのような表情を浮かべ、アクセルに語りかけてくる。
「何というか、こんな気持ち…初めてなんです」
「どうしたんスか? そんな神妙な顔しちゃって…」
「本当は心の中にしまっておきたかったんですけど…。あの…」
顔を真っ赤にさせながらも必死で言葉を繋ぐレフィーナ。アクセルは口を大きく広げたまま聞き入っている。
「アクセル…、わ、私だけのものになって頂けませんか?」

思わぬ一言だった。本来ならアクセルが告げるはずだった言葉だ。『まさかこんな事になろうとは』と思いつつ、返答の言葉を考えていたが、彼の脳裏に一人の女性の姿が浮かんだ。レモン・ブロウニングだ。
なぜ彼女の姿が浮かんでくるのか、彼女は赤の他人のハズだ、と自分に言い聞かせつつ、長考を重ね、遂に重い口を開いた。
「返事は、少し待って欲しい。やっぱり俺がどこの何者かも分からない今の状態では、その判断は下す訳にはいかないと思うんだな、これが」
「そう、ですよね…。出過ぎた真似して済みません」
紛れもなく、アクセルはレフィーナのハートを射止めた。しかし彼はそれをあえて良しとしなかったのだ。
脳裏に浮かんだレモンのことも、この判断を下した一因となっているのは明らかだった。

次の日も、いつもの通りショーンと朝一番で顔を合わせる。昨日言った通り、彼は結果を尋ねようとはしてこない。
「あの…副長…? それで、俺の処遇は…」
しばらくショーンは黙り込んでいたが、不敵な笑みを浮かべていきなり喋り始める。
「作戦放棄、ですか…? 艦長を見る限り、何の変化も伺えませんでしたが」
言ったとおり、レフィーナの顔を見て、結果を探り当てたのだろうか。しかしショーンは構わず喋り続ける。
「失敗したらこのテープをばらまくという約束、忘れていませんよね?」
「げっ! やっぱり…ばらまいちゃうの?」
「と言いたいところですが、艦長の意外な一面が垣間見れたので、この件はなしにしてあげましょう。
いや〜、実に面白いものを見せて頂きましたよ。しかし実に君も絶r(ry」
「ふぅ…、助かったぁ〜。……って結局見てたんじゃないの! しかも艦長に妙な事教え込みやがって」
またしてもショーンに一本とられたアクセル。しかし次の瞬間、艦内に敵機出現の警告音が鳴り響く。

「多数の敵機がこちらへ接近中! 数は20、うち未確認機2機、例の特機も確認しました!」
ヒリュウ改オペレーターのユンの声が艦内に流れる。カチーナ隊が出撃準備に入る。
(未確認機2体…まさかレモン達か? 遂にこの時が来てしまったのか…)
そんな予感を感じつつ、アクセルもヴァイサーガに乗り込み発進する。その直後に敵機より通信が入る。
「久しぶりね、アクセル…。あなたを迎えに来たわ」
予感通り、レモン・ブロウニングも未確認機の1体に乗り込んでいたのだ。
レモンにより、アクセルの運命は更に弄ばれる事となるが、彼はまだそれを知らない…。

〜第三部 完〜

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

編集にはIDが必要です