最終更新:ID:btKdEbz4Qw 2016年05月13日(金) 01:23:45履歴
俺の脳細胞は、定期的に大規模な変異をする。
ゴトリと入れ変わる記憶の中で...その時にだけ一瞬横切る影がある。
変異が作りだした偶然の影か。それとも、俺の本当の正体の記憶か...
未だにその真実は掴めていない。
だからこそ、俺は『俺』という正体(なかみ)を探し続ける。
いまも、そしてこれからも―――
☆
「魔人皇、か」
身の丈より大きな布を纏った少年はポツリと呟いた。
通称、怪盗X(サイ)。
幾多の人間を、その細胞から隅まで観察するために、正方形の赤い箱に『入れて』殺してきた怪物の強盗だ。
『魔人皇』というワードから、少年の脳裏に宿敵の魔人の姿がよぎる。
あの"謎"を喰らう『魔人』の『皇』を名乗るのなら、彼の正体(なかみ)にも期待できるかもしれない。
それに、この自分をこうも容易く連れてこられる程の実力者なら尚更だ。
しかし...
「その割りにはあまり夢中になれないのはなんでだろうね」
宿敵である魔人―――脳噛ネウロを殺すことを考える時。
自らの正体を探すうえでの過程にすぎないはずの、ネウロを殺すという作業の時は、自分の正体がわからない不安など忘れられるほどに夢中になっていた。
だが、あの魔人皇という少年には多少なり興味は惹かれるが、ネウロに比べれば全然夢中になれやしない。
あの少年が、実はたいしたことはない存在なのか、それともネウロの存在が異常なのか...
「まあいいや。集められた奴らはいっぱいいるみたいだし、俺はいつも通り正体(なかみ)を探すとするかな」
"X"は、人を殺すことに躊躇はしない。
情報網が必要だと思ったらその首領を殺してすげ変わることや、何となく気になった者を殺し成り済ますことにも罪悪感など覚えない。
全ては己の正体を知るために。
ただ、それだけのために無数の人間を殺してきた。
なればこそ、この殺し合いにおいてもそのスタンスを変えないのはある種必然だった。
"X"は、己に与えられた支給品をとりあえず確認する。
真っ先に手にしたのは、球体の何かだった。
「えーっと、『モンスターボ−ル型COMP』...ボタンを押しながら投げれば悪魔が出てくる、か」
悪魔。
それは、人間とはかけ離れ、ネウロともおそらく違う種だ。
―――もしかしたら。
もしかしたら、この悪魔たちなら自分が求める"なかみ"を見つけられるかもしれない。
そんな淡い期待を込めて。
"X"は、躊躇いなくCOMPを投げて悪魔を召還した。
「あれ...?」
"X"は目を疑った。
なぜなら。
「俺と...同じ?」
出てきた"悪魔"は、彼の相棒が"好き"だといった顔(アイコン)を持っていたから。
―――変装などというチャチなものではなく。いま、ここにいる"X"と同じ姿かたちをしていたのだから。
ピピッ
COMPに悪魔のデータが表示される。
『メタモン
へんしんポケモン
たかさ 0.3m
おもさ 4.0kg
ノーマルタイプ
からだの さいぼうの つくりを じぶんで くみかえて ほかの せいめいたいに へんしんする』
自分の正体(なかみ)を探して生きてきた怪物(かいぶつごうとう)が一人。
その怪盗と似通った能力を持つ怪物(モンスター)が一匹。
彼らの出会いがこの殺し合いになにをもたらすか―――それは、誰にもわからない。
【?????/1日目/朝】
【怪盗X@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態]:健康
[装備]:モンスターボール型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:より多くの参加者の正体(なかみ)を観察する。
0:こいつは...?
[COMP]
1:メタモン@ポケットモンスターシリーズ
[状態]:健康
ゴトリと入れ変わる記憶の中で...その時にだけ一瞬横切る影がある。
変異が作りだした偶然の影か。それとも、俺の本当の正体の記憶か...
未だにその真実は掴めていない。
だからこそ、俺は『俺』という正体(なかみ)を探し続ける。
いまも、そしてこれからも―――
☆
「魔人皇、か」
身の丈より大きな布を纏った少年はポツリと呟いた。
通称、怪盗X(サイ)。
幾多の人間を、その細胞から隅まで観察するために、正方形の赤い箱に『入れて』殺してきた怪物の強盗だ。
『魔人皇』というワードから、少年の脳裏に宿敵の魔人の姿がよぎる。
あの"謎"を喰らう『魔人』の『皇』を名乗るのなら、彼の正体(なかみ)にも期待できるかもしれない。
それに、この自分をこうも容易く連れてこられる程の実力者なら尚更だ。
しかし...
「その割りにはあまり夢中になれないのはなんでだろうね」
宿敵である魔人―――脳噛ネウロを殺すことを考える時。
自らの正体を探すうえでの過程にすぎないはずの、ネウロを殺すという作業の時は、自分の正体がわからない不安など忘れられるほどに夢中になっていた。
だが、あの魔人皇という少年には多少なり興味は惹かれるが、ネウロに比べれば全然夢中になれやしない。
あの少年が、実はたいしたことはない存在なのか、それともネウロの存在が異常なのか...
「まあいいや。集められた奴らはいっぱいいるみたいだし、俺はいつも通り正体(なかみ)を探すとするかな」
"X"は、人を殺すことに躊躇はしない。
情報網が必要だと思ったらその首領を殺してすげ変わることや、何となく気になった者を殺し成り済ますことにも罪悪感など覚えない。
全ては己の正体を知るために。
ただ、それだけのために無数の人間を殺してきた。
なればこそ、この殺し合いにおいてもそのスタンスを変えないのはある種必然だった。
"X"は、己に与えられた支給品をとりあえず確認する。
真っ先に手にしたのは、球体の何かだった。
「えーっと、『モンスターボ−ル型COMP』...ボタンを押しながら投げれば悪魔が出てくる、か」
悪魔。
それは、人間とはかけ離れ、ネウロともおそらく違う種だ。
―――もしかしたら。
もしかしたら、この悪魔たちなら自分が求める"なかみ"を見つけられるかもしれない。
そんな淡い期待を込めて。
"X"は、躊躇いなくCOMPを投げて悪魔を召還した。
「あれ...?」
"X"は目を疑った。
なぜなら。
「俺と...同じ?」
出てきた"悪魔"は、彼の相棒が"好き"だといった顔(アイコン)を持っていたから。
―――変装などというチャチなものではなく。いま、ここにいる"X"と同じ姿かたちをしていたのだから。
ピピッ
COMPに悪魔のデータが表示される。
『メタモン
へんしんポケモン
たかさ 0.3m
おもさ 4.0kg
ノーマルタイプ
からだの さいぼうの つくりを じぶんで くみかえて ほかの せいめいたいに へんしんする』
自分の正体(なかみ)を探して生きてきた怪物(かいぶつごうとう)が一人。
その怪盗と似通った能力を持つ怪物(モンスター)が一匹。
彼らの出会いがこの殺し合いになにをもたらすか―――それは、誰にもわからない。
【?????/1日目/朝】
【怪盗X@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態]:健康
[装備]:モンスターボール型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:より多くの参加者の正体(なかみ)を観察する。
0:こいつは...?
[COMP]
1:メタモン@ポケットモンスターシリーズ
[状態]:健康
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