最終更新:ID:ZVeNEKlbcg 2016年05月16日(月) 21:09:39履歴
「へぇー。ぜんぜんようきをかんじねー」
参加者の一人に襲いかかった悪魔は狼狽している。
3つ数えるうちに爪が届く――という瞬間、巨大な腕に掴まれた。
掴まれたのは、往年の栄華を求めて蘇ったゾンビ・ボディコニアンである。
真紅のボディコンワンピースは彼女の艶美な肉体を衆目に誇示するが、生地から覗く腕や腿は血が通っていない。
「どぉらぁ!」
気合と共に宙を横切る右腕が、ボディコニアンの内臓を京子の前に晒す。
京子が目を向けると、そこに巨人が座っている。
背を丸めているが身長は隣のビルと変わらず、筋肉の鎧を上から甲殻で覆っていた。
「おーい、さまなー。だれもこないぞ」
大きな顔で京子を睨みつける。咎めているが威圧的な印象を受けない。
外見を除けば子供のように感じる、間延びした口調だった。
「・・・ええ、東京も広いですから」
京子は淡々とした様子で、道路の彼方を指差す。
悪魔も指が示した方向に顔を向ける。
「次は向こうに見える赤い看板を目指しましょう」
「わかった」
京子に頷くと、看板を目指して歩き始めた。
一歩ごとに、見かけに違わぬ重量を感じさせる震動音が周囲に響く。
悪魔が起こす地鳴りを聞きながら、さっきの彼女は何も思わなかったのか、京子には疑問だった。
大した関心も無かったので推るのやめ、悪魔の後について歩く。
「・・・・・・!」
途中で中学校の前を通る。校門が視界に入った時、脳裏に京子を取り囲む学生達がフラッシュバックした。
喉にせり上がってきたものを、顔を逸らして飲み下そうとする。
☆
京子は大津馬中学校を卒業できなかった。
一度目は生徒として、ただ卒業証書をもらうだけで終わった。
母校の教師になって、生徒達を「友達」にして卒業式を迎える目前で除雪車に轢かれる・・・時点で彼女は東京に連れてこられた。
何気なく、手が首に嵌められた金属の輪に触れる。
――卒業できるかな?
母の弁当を台無しにされて、卒業アルバムに独りで載って、一緒に帰る相手がいないまま大人になった。
これが私の過去・・・・・・私は何もしていない。
――卒業できるよね?
「今度」こそ友達をたくさん作って、笑顔で卒業式を迎えたい。
そのためには悪魔を集めて優勝する。今度はうまくやる。
「おーい、なんかあったか?」
声に振り向くと、悪魔がそばに来ていた。
校舎の方に目を凝らしていることから見て、自分は立ち止まっていたらしい。
吐き気はもう治まっている。
「・・・・・・いえ、行きましょう」
大きく深呼吸をすると、京子は校門には目を向けずに先を歩く。
悪魔はちょっと首をひねると、また看板を目指して歩き始めた。
【?????/1日目/朝】
【南京子@ミスミソウ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ガントレット型)
[道具]:基本支給品、ベレッタM92(装弾数15)
[思考・状況]
基本:優勝して、中学生時代をやり直す。
[COMP]
1:ダフ@CLAYMORE
[種族]:妖魔
[状態]:健康
参加者の一人に襲いかかった悪魔は狼狽している。
3つ数えるうちに爪が届く――という瞬間、巨大な腕に掴まれた。
掴まれたのは、往年の栄華を求めて蘇ったゾンビ・ボディコニアンである。
真紅のボディコンワンピースは彼女の艶美な肉体を衆目に誇示するが、生地から覗く腕や腿は血が通っていない。
「どぉらぁ!」
気合と共に宙を横切る右腕が、ボディコニアンの内臓を京子の前に晒す。
京子が目を向けると、そこに巨人が座っている。
背を丸めているが身長は隣のビルと変わらず、筋肉の鎧を上から甲殻で覆っていた。
「おーい、さまなー。だれもこないぞ」
大きな顔で京子を睨みつける。咎めているが威圧的な印象を受けない。
外見を除けば子供のように感じる、間延びした口調だった。
「・・・ええ、東京も広いですから」
京子は淡々とした様子で、道路の彼方を指差す。
悪魔も指が示した方向に顔を向ける。
「次は向こうに見える赤い看板を目指しましょう」
「わかった」
京子に頷くと、看板を目指して歩き始めた。
一歩ごとに、見かけに違わぬ重量を感じさせる震動音が周囲に響く。
悪魔が起こす地鳴りを聞きながら、さっきの彼女は何も思わなかったのか、京子には疑問だった。
大した関心も無かったので推るのやめ、悪魔の後について歩く。
「・・・・・・!」
途中で中学校の前を通る。校門が視界に入った時、脳裏に京子を取り囲む学生達がフラッシュバックした。
喉にせり上がってきたものを、顔を逸らして飲み下そうとする。
☆
京子は大津馬中学校を卒業できなかった。
一度目は生徒として、ただ卒業証書をもらうだけで終わった。
母校の教師になって、生徒達を「友達」にして卒業式を迎える目前で除雪車に轢かれる・・・時点で彼女は東京に連れてこられた。
何気なく、手が首に嵌められた金属の輪に触れる。
――卒業できるかな?
母の弁当を台無しにされて、卒業アルバムに独りで載って、一緒に帰る相手がいないまま大人になった。
これが私の過去・・・・・・私は何もしていない。
――卒業できるよね?
「今度」こそ友達をたくさん作って、笑顔で卒業式を迎えたい。
そのためには悪魔を集めて優勝する。今度はうまくやる。
「おーい、なんかあったか?」
声に振り向くと、悪魔がそばに来ていた。
校舎の方に目を凝らしていることから見て、自分は立ち止まっていたらしい。
吐き気はもう治まっている。
「・・・・・・いえ、行きましょう」
大きく深呼吸をすると、京子は校門には目を向けずに先を歩く。
悪魔はちょっと首をひねると、また看板を目指して歩き始めた。
【?????/1日目/朝】
【南京子@ミスミソウ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ガントレット型)
[道具]:基本支給品、ベレッタM92(装弾数15)
[思考・状況]
基本:優勝して、中学生時代をやり直す。
[COMP]
1:ダフ@CLAYMORE
[種族]:妖魔
[状態]:健康
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