最終更新:ID:IPBI1mFqBQ 2016年05月11日(水) 22:41:57履歴
「ドッキリとかじゃなさそうだね……」
朝の陽射しで目を覚ます。
洗面台で顔を洗い、頭をすっきりさせる。
夢ならばよかったが、どうやらそうではないらしい。
「はぁ、せっかくCDデビューもしたのになぁ……
ドームでライブもしたかったなぁ……
キャッツとスターズの開幕戦で始球式したかったなぁ……」
殺し合いというこの異常事態に彼女はとりあえず【逃げた】。
物理的ではなく、精神的に【逃げた】。
彼女のCOMPは彼女が大好きなスポーツ【野球】のグローブを模していた。
彼女、姫川友紀はアイドルである。
将来的にはゴー○ングのキャスターのカメナシ君みたいに野球ができるアイドルになりたかった。
しかし、今のこの状況じゃどうにもならなかった。
一先ず、COMPをいじって悪魔召喚プログラムを起動してみる。
だが、特に何か起きた気配はなかった。
友紀はしばらく待つと部屋のドアが開き、その男は現れた。
「やあ」
「誰……?」
普通にドアから入ってきたその男。
あまりの出来事に一瞬だけ、友紀は我を忘れかけたがすぐに正気に戻った。
友紀は一先ず、目の前の男が何者なのか確認することにした。
「えっと、君があたしが召喚した悪魔……?」
「いや、十四松だよ」
「え、悪魔じゃないの?」
「うん、十四松だよ……よろしくお願いしマッスルマッスル、ハッスルハッスル!」
「…………………」
元気そうに口を大きく開けた、バットと野球グラブを持った男。
野球帽に背番号14の野球のユニフォームを着た男。
十四……『14といえばキャッツの永久欠番』だ。
そう思うのは野球ファンとして当然であった。
伝説の名投手サワムラ。
サワムラといっても『筋肉が動きを獲得し始めている』との迷言を世に残した方のサワムラではない。
背番号14が日本プロ野球史上初の永久欠番になり、後に沢村賞という特別賞が作られるほどの名投手だ。
もしかすると、あの伝説の名投手サワムラの関係者かもしれない。
しかし、『マッスル』とか言っていたので筋肉の方のサワムラ投手の関係者かもしれない。
とりあえず、友紀は十四松に話しかけてみる。
「えっと、十四松君でいいんだよね……」
「うん、十四松だよ」
「単刀直入に聞くけど、君ってもしかしてあのサワムラ投手の関係者?」
「違うよ、十四松だよ」
「ふーん……」
ちょっと友紀はがっかりした。
気を取り直して再び、十四松に話しかける。
「プロ野球選手ではなさそうだから、もしかして、メジャーリーガーかなにか?」
「メジャーリーガーじゃないよ、十四松だよ」
「違うんだ……」
「ごめん、僕……十四松なんだ」
「そっか……」
「そう」
その後も何度も言葉を交わした。
どうみても悪魔には見えなかった。
しかし、自分のCOMPの悪魔辞典に悪魔と記されている。
なんというか純真無垢で普通の人間のようにしか見えない。
だがしかし、一つだけわかったことはある。
彼は――――
「十四松くん、野球好き?」
「うん!」
何よりも――――。
「野球する?」
「うん!!」
野球が好きであるということである。
「じゃあやろっか!!」
「プレイボール!!!」
野球好きに悪い子はいない。
とりあえず、二人はキャッチボールから始めた。
先のことはまたあとで汗を流した後にでも考えよう。
そう思う友紀であった。
【?????/1日目/朝】
【姫川友紀@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(グローブ型)
[道具]:基本支給品、野球ボール
[思考・状況]
基本:まだ決めてない
[COMP]
1:松野十四松@おそ松さん
[種族]:十四松
[状態]:ビンビン
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