最終更新:ID:EKWuBu0nzQ 2016年05月15日(日) 14:01:12履歴
「嫌だよ……こんなの嫌……」
市街地にあるビルの一つ。
パソコンが乗せられたデスクが均等に並んだオフィス。
その隅にあるデスクの下に、その少女はいた。
膝を抱え、耳を塞ぎ、顔をうずめて、押し殺すように涙を流す。
それはまるで外界の全てを拒絶するかのよう。
そうしてたえちゃんは恐怖に身を震わせ、ただただ泣いていた。
寂しい。怖い。死にたくない。
それは、殺し合いという異常事態に巻き込まれた者の反応としては至極まっとうなもの。
だが、それで何かが解決する訳でもない。
事態は何ら変わらずに少女を包み込み、まるで押しつぶすかのように苦しめる。
「助けて……助けてよ、コロちゃん……」
ひたすらに呼ぶその名前は、彼女が施設に預けられてから肌身離さず過ごしてきた、母から貰った大切な『友達』のもの
友達が施設を去って、孤独だった自分をいつも慰めてくれたコロちゃん
伯父さんが自分を引き取りたいと申し出てきたとき、「家族が増えるよ」と一緒になって喜んでくれたコロちゃん
「嫌だ……死にたくないよぉ……」
今、自分は一人だ。
自分を励ましてくれたコロちゃんは何処にもいない。
自分はひとりぼっちだという孤独感に、胸が押し潰されそうだ
その時だった
ふと気配を感じて顔をあげると、そこにはーー
「コロちゃん!?」
否
何時からそこにいたのか、茶色のクマのぬいぐるみが、じっと少女を見つめていた
涙で滲んだ少女とぬいぐるみの視線が交差する。
クマのぬいぐるみはトテトテと彼女の方に歩いていく。そして優しく抱きつき、彼女を見上げる。その愛らしい動作に、たえちゃんは心が暖かくなっていくのを感じた
「……ありがとう、慰めてくれてるのね」
こくりと頷いたクマのぬいぐるみを抱きしめて、彼女は隠れていたデスクから出てきた
「私はたえ。ねぇ、一緒にコロちゃんを探すのを手伝ってくれない?」
そう言いながらテディベアを抱えたたえちゃんは、不思議と恐怖が和らいでいました。
多分、コロちゃんではないけども、とっても素敵なお友達が出来たからでしょう
先程から一転、可愛らしい笑顔を浮かべるたえちゃんの腕のなかで、テディベアーーSCP-1048が一体何を考えているのかは彼にしかわからない
【?????/1日目/朝】
【たえちゃん@コロちゃん】
[状態]:健康
[装備]:COMP(携帯型)
[道具]:基本支給品、確認済支給品
[思考・状況]
基本:この子(SCP-1048)とコロちゃんを探す
[COMP]
1:SCP-1048@SCP Foundation
[種族]:SCP
[状態]:健康
【捕捉】
クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0に従い、
SCP FoundationにおいてResearcher Dios氏が創作されたSCP-1048のキャラクターを二次使用させて頂きました
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