俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「まいったな…… こんな所で……」

 俳優、堤真一。
 数多くの映像作品に出演し、表彰も幾度と無くされたことがある名優である。
 そんな彼は理不尽に巻き込まれた、魔神皇と名乗った少年によって。

 殺し合い。
 なんてふざけたことだ。
 現代日本においてそんなことが許されるはずがない。
 確かに人生とは戦いだ、役者という職業でさえもそうだ。
 それでもこんな非人道的で悪意に満ちたことではない。
 それも、自分のような初老の人間だけではなく無垢な子供達までも巻き込んで。
 
 堤真一は決意した。
 絶対にこの殺し合いを打破してみせる。
 あの少年が一体何をしてここに自分を呼び寄せたのかはわからない。
 しかし少年にだって知らない事が山程あるであろう、なぜならば少年なのだから。
 その力を利用すれば首輪や殺し合いを破壊できるかもしれない。

 ならば大人として自分が行動すべきこととはなにか。
 まずこの殺し合いに乗れない人を保護し共に行動する。
 次に乗ってしまった者を説得して思いとどまらせ仲間にする。
 最後に絶対に説得できない奴を倒す。
 恐らくかなり厳しい現実であろうが、やるしかない。
 その不可能に近い壁も越えていかなければ、殺し合いの打破など不可能だ。

 行動方針を手早く決めた堤真一。
 だがここで彼にとってはとてもついていない不運が襲う。
 それは彼の現在地だ。

 辺り一面一軒家、挙句畑もチラホラと見える、人が集うとは到底思えない。
 ならばここから人がいそうな場所に移動しよう。
 だがその前にとCOMPと呼んでいたタブレットを起動する。
 地図アプリかここがどこか確認できるかもしれないと

 堤真一は愕然とした。
 地図は東京都23区であったのもそうだが、何よりも自分の現在地だ。
 あまりにも中心部、山手線沿線とはかけ離れていた。
 これでは不味い、徒歩で行動したのならば午後になってしまうであろう。
 ならば移動手段を先に探そう。
 辺りは一軒家が多い、そこから車を拝借させてもらおうか。
 この非常事態だ、窃盗やら軽犯罪などを考える必要もない。
 幸運にも一軒目の家屋で車は調達出来た、エンジンを吹かしてアクセルを踏む。
 ガソリンは少し物足りないが、往路分は余裕にある。
 一般道でも一時間はかからないが高速道路を使えば30分ほどで着けるであろう。
 少し回り道になるが結果的に早くつくのならばとそちらのルートで行くことに決めた。

 しかし高速道路に入り数分後悲劇が襲う。
 別に余所見運転していたわけではない。
 ただもしかしたら人がいるかもしれないと周囲に気にかけた分、運転自体は散漫になっていたかもしれない。
 とにかく事故は起きた。

 突如止まるエンジン。
 段々と遅まり、完全停止には一分かからなかった。
 動け動けと念じながら何回もキーを回すも反応はなし。
 ボンネットから煙が上がっていた、爆発したら不味いと堤真一は車から降りる。

 一体何が起こったのか、堤真一は一応は考えてみる。
 もしかしたら最初から故障中だったのかもしれない、だから鍵が挿しっぱなしだったんであろうか。
 と、考えていても車は蘇らない、殺し合いは続く。
 高速道路を選んでしまったことによって異なる車の調達も難しい。
 さらにここは一般道に戻るには時間が掛かりそうな位置。
 溜息を吐く、こんな所で足止めを食らっていたはいけないのに。
 天を見上げ思わず大声を上げてしまう。


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☆ ☆ ☆

「あ、そうだ」
 
 大声を上げた堤真一は思い出す。
 そう言えばあの少年は私達に『COMP』と呼ばれるものに『悪魔』を封じ込めていたと言ってた。
 あいつの言う通りに行動するのも癪に触るが、早急に山手線沿線に行くためには致し方ない。
 羽が生えた悪魔が現れたら少なくとも高速道路の柵を越えて一般道へ降りられる。
 藁にも縋る思いでCOMPを取り出し悪魔召喚プログラムを起動する。
 
 そうして現れた『悪魔』は堤真一が想定した『悪魔』とはかけ離れていた。
 それはタイヤだった。 誰がどう見てもタイヤと呼ばれるものが出てきた。
 だがホイールの両面に大きな目玉がついていた。
 そして上部にはバイクに付いている座面とハンドル、後方部らしき所にはマフラーが付いている。
 これが自分に渡された悪魔であろうか? 。
 困惑した様子の彼を見て、タイヤの悪魔の目が光ったよう煌めいて目線で告げてくる。

 乗りなよ、居心地いいぜ?

 無論喋ったわけではない。
 だが堤真一はただ長年役者をやっていたわけではない。
 目と雰囲気でそれくらいは当り前に察せた。
 
 タイヤはエンジン音を立てる。
 それを合図に堤真一はタイヤの座面に跨る。。
 なるほど、確かに悪くはない、まるでSFの世界の住人になったかのようだ。
 ハンドルを握りアクセルを全開にする。
 殺し合い最中にここまで爽やかな風を浴びて良いものかというくらい快適だった。
 これならば事故を起こすこともない。
 
 タイヤの悪魔、ウィリーを操り高速道路をひた走る堤真一。
 ここからは大人として、一人の男として、この殺し合いを打破しなければならない。
 
 彼はこれからも誰かに頼る人間のままなのか、
 それとも誰かに頼られる人間になるのか。
 そればかりは今は誰もわからない。
 
【?????/1日目/朝】

【堤真一@現実】
[状態]:健康 ウィリーに乗車中
[装備]:タブレット型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いを打破するために同じ志を持つ誰かと合流する

[COMP]
1:ウィリー@星のカービィシリーズ
[状態]:健康

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