俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

魔王。

その二文字は三香織――虹の魔法少女レイン・ポゥにとって色々な意味で特別な意味を持つ。
魔神皇によって捻じ曲げられた因果の中でも、それは変わらない。
何故なら。

「ひゅー、オジイチャンやるぅ」
「うむ、だがやはり…聊か不便さは感じるな。本来の余の数割程の魔力しか出せておらん」

彼女が引いた悪魔は、大魔王だったからだ。
豪奢なローブの裾の先には、ニ十体程の悪魔だった残骸が転がっている。
全て、大魔王の性能テストのための供物となった者たちだ。
その光景を仰ぎ、レイン・ポゥは頼もしさを、大魔王の威厳と言うものを肌で感じていた。
魔法少女たる自分でもこの程度の悪魔なら一蹴できたが、指先一つ動かさず、と言うのは難しいだろう。
これで本来の力の数割と言うのなら、この枯れたジジイの本気は一体どれほどのものとなるのだろうか。

「残念ながら、今の余ではそなたの期待に応える事は出来んな…鬼眼はおろか、真の肉体へと至ることもままならぬのでは」
「てことは、あんまりおおっぴらに暴れるのは不味いって事?」
「真の余ならば、比肩しうる者は竜の騎士を除き存在しない、だがここまで使える力が抑えられているとなると慎重に動く必要がある」


レイン・ポゥは一瞬このジジイ使えないかもと思ったが、即座にこの悪魔は十分な力を有していると認識を切り替える。
元より、派手に暴れるよりも、一人一人殺していくほうが慣れているし、自分にもあっているのだ。
問題は無い。

そして、こんな悪魔をポンと渡す魔神皇。
どうみても友達の居ない陰気くさいぼっちだったが、力は本物らしい。
彼ならば、優勝した時魔法の国に自分に手を出さない様働きかけることもできるかもしれない。
まぁ、彼女は腐りきった現実主義者なので、願いがどうたらには期待はしていないが。

(ま、精々、利用できるもんは利用させてもらうだけだよね、トコ)



(…などと思っているのであろうな)

大魔王は自らの主の思惑を早々に看破していた。
本心を隠す事を得意とするレイン・ポゥの魂胆を見抜くのはさすがの大魔王と言った所だろうか。

(だが、まぁ…死神を懐に飼っていたのだから今更暗殺者(アサシン)一人飼うのにどうと言う事もあるまい)

彼女が弱きものとして淘汰されるか、
それとも魔界の神たる自分を見事に御し勝利を収めるか。
見届けるのもまた一興。
この、彼の思想が形作られた様な遊戯、バトルロワイアルで。

「ガンバローね、お爺ちゃん」

その手の魔法の端末型COMPを弄りながらレイン・ポゥは微笑む。
一見すれば美しく邪念無き笑みを此方に向けてくる少女。
そんな少女を見て、大魔王もまた静かに嗤うのだった。

それはまるで、孫娘を見る祖父の様に見えたかもしれない。

B市にて、魔王と謳われた最強の魔法少女を殺すはずだった少女。
魔界の神と謳われし大魔王。

そんな二人の殺し合いは、こうして幕を上げたのだった。

【?????/1日目/朝】
【レイン・ポゥ@魔法少女育成計画Limited】         
[状態]:健康
[装備]:COMP(魔法の端末型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[所持マッカ]:三万
[思考・状況]
基本:全ての者を利用し、楽しく生きる。
[COMP]
1:大魔王バーン@ダイの大冒険
[種族]:大魔王
[状態]:健康
※真の肉体、及び鬼眼王になることは現時点では不可能です。
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