俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「あんな身勝手な理由で人を殺すなんて…許せない」

魔神皇から殺し合いを言い渡され、そこで二名の犠牲者がでて会場に転移させられた直後で、犬吠埼樹は主催者に対する義憤を禁じえなかった。
一人は殺し合いに反対するという常人なら誰もが思うであろうことを明確に口にしただけで殺された。もう一人は首輪を他の参加者に見せびらかすためだけに殺された。
そんな簡単に人が殺されていいものか。野望のために他人の命を弄ぶなど、吐き気を催すほどの邪悪に他ならない。
魔神皇も、殺し合いも絶対に認めるわけにはいかない。
犬吠埼樹は勇者である。神樹に選ばれて外部の敵から神樹を、ひいては四国を守るお役目にあった彼女は、魔神皇へ刃向かう意志を固めた。

「みんな…私、がんばってみるね」

もちろん、樹はまだ中学一年生でまだ少女であり、元々の気が弱い臆病な性分もあってその心にはもちろん恐怖もある。
だが、恐怖に怯えたまま何もできなくなるほど樹は弱くない。
恐怖こそあれど、それとは別に勇気も持ち合わせているのが勇者たる所以である。
思い出すのは勇者部五箇条。頼りになる姉に隠れがちで弱かった樹も、勇者部のみんなのおかげで自分に自信を持てるようになったのだ。
それだけではない。神樹を守るために駆り出される先々で、様々な人達に出会い、別れ、時には共闘し、敵対した。
勇者部に入って勇者になってからの記憶は、樹にとってかけがえのない宝物になっていた。

「お姉ちゃんも、友奈さんも…勇者部だけじゃない、今まで会って来た人達も一生懸命生きてるんだから。私も負けてられない」

首輪をかけられ、魔神皇に命を握られているけれども、樹は諦めない。
だがこの状況を一人だけでどうにかする、とも言わない。
これまでの戦いでも勇者、勇者でないに限らず、共に戦ってくれる心強い存在がいた。
仲間。みんなの力を一つにすれば、魔神皇を打ち倒せると、樹は信じている。

「“友”になってくれる悪魔なら、きっと協力してくれるはず…だよね?」

そう言って樹は悪魔の力を借りるべく、自身のスマートフォンにアプリとして追加されていたCOMPを起動する。
魔神皇の言うことは信じたくなかったが、支給された自分のスマートフォンに見たこともないアプリが追加されているとなれば信じざるを得ない。
なせば大抵なんとかなる。不安もあったが、それだけで何もしないよりはマシだ。
樹はその悪魔が協力してくれることを祈りながら、召喚の過程を見守っていた。

「あ――」

悪魔召喚が完了した直後で、樹は声を漏らした。
それは眼前の悪魔があまりにも凶悪だったことによる恐怖ではなく、あまりに神秘的な美しさに見とれてしまい漏れ出た声だった。
その悪魔は人外の姿をしているどころか人間の少女にしか見えず、大きなリボンをして腰に宝刀を携えており、汚れの無い巫女服が少女に清楚な雰囲気を纏わせていた。
悪魔と呼称されるにはあまりにも違和感のある巫女そのものだった。
神樹の力を受けていた樹にはおぼろげながら、目の前の彼女もきっと自分達と同じような存在であることが分かった。
樹がその姿を目にした瞬間、抱いていた不安が心の中で浄化されていく感覚を覚えた。

「この地に凶大な気を感じる。この邪気はきっと自然を傷つけるわ。…あなたが私のサモナーさんですか?」
「は、はい!」
「私はナコルル。ここを支配しているウェンカムイを倒すために、あなたの力が必要なんです!一緒に戦ってくれませんか?」

樹に召喚された悪魔はアイヌの巫女であり、自然の声を受けて世を乱す者を討つ勇者、ナコルルだった。
なんとナコルルは、樹が言う前に願ってもない協力を申し出てきたのだ。


【?????/1日目/朝】
【犬吠埼樹@結城友奈は勇者である】
[状態]:健康
[装備]:樹のスマートフォン(アプリ型COMP入り)
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らず、魔神皇を倒す。
※現代に生息する同姓同名の似たような性格の勇者のため、バーテックスの知識はありません。
※神世紀の人間とも、多少の認識のズレがあるかもしれません。
※現代に生息している(と描写のあった)勇者部員並びに四国民とは面識があるかもしれません。
※以前に共闘したことがある者とは面識があるかもしれません。
[COMP]
1:ナコルル@サムライスピリッツ
[種族]:聖霊
[状態]:健康
※COMPは樹のスマートフォンにアプリとなって勇者システムと一緒に入っています

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