「ったく、何だってこんなことに巻き込まれなきゃならねぇんだ」
青いバンダナの壮年の男、バドラックは悪態をつきながら、自動販売機に蹴りを入れる。
一度ならず二度、三度と蹴りを入れたところで、自動販売機から吐き出された煙草を拾う。
ふんっ、と怒りを交えたため息をついた後、手に入れた煙草に火を付けて、状況を振り返る。
天罰、だとしたらなんて横暴な神なのだろうか。
確かに、自分は悪党だ。
治安の悪いあの国では、盗みに誘拐なんて日常茶飯事、それで手にした金で酒と女に溺れる。
そんな毎日を送っていたとは言え、突然命を握られて、殺しあえというのはあんまりではないか。
「いや、あんな青臭いガキが神な訳がねぇ」
そこまで考えて、ふと我に返る。
魔神皇だかなんだか知らないが、あの子供はそう名乗っていた。
ぱっと見は只の子供だ、まかり間違ってもありがたそうな存在には見えない。
大人数の誘拐なんて、何ら不可能な話ではない。
人一人の首を吹き飛ばすだけの首輪型爆弾なんて、このご時世珍しくも無いだろう。
だが一つだけ、たった一つだけ、信じられない出来事があった。
それは、あの少年から放たれた紫色の炎だ。
よく出来た作り物、だと思えればどんなに楽だっただろうか。
あれに包まれた一人の子供が炭になっていく途中、そこで嗅ぎつけたのは、確かに"人の肉が焼ける匂い"だった。
噂には聞いていたが、流石に本物の"魔法"を見るのは初めてだった。
「クソ……何が魔神皇だ」
気に食わないが、今はあの少年に命を握られている。
あれの機嫌を損なえばどうなるかは、もう十二分に見せつけられている。
ならば、手当たりしだいに殺して回るのか?
答えはノー、長年の経験があるとは言え、多くの人間を相手に正面からやり合えるほど、もう若くもない。
ならば、誰かとつるんで反旗を翻す? いや、冗談じゃない。
誰が好き好んで、他人と手をつないで仲良くやらなくてはならないのか。
ならば、ならば、ならば。
「……死んでたまるかってんだ」
ぼそりと呟いた本音が、コンクリートに吸い込まれていく。
命あっての物種、なんて言葉を聞いたことがある。
そうだ、死んでしまっては、元も子もない。
今大事なのは、カッコつけることでも、頭をイカれさせることでもない、生き残ることだ。
じゃあ、具体的にどうするかと言われれば、それはそれで困るのだが。
「クソったれ……」
再度悪態をつきながら、配られた袋から電子機器を取り出す。
魔神皇曰く、この機械で悪魔を呼び出せるらしい。
なんとも眉唾な話だ、と思いながら、あまり馴染みのない電子機器を、おぼつかない手で操作していく。
「さあ出てきやがれ、俺様を助けてくれるような、うんと強ぇ奴!!」
願わくば、全てを掌握せんとする力を。
そんなことを願いながら、彼は光を見つめ。
「なッ……」
そして、驚愕する。
「やっほー! おじさんがお友達? あたし、ちょこだよ!」
現れたのは、可愛らしい服に身を包み、黄色いリボンでツインテールを結った、年端も行かない少女であった。
「ガ、ガキじゃねぇか……」
バドラックは、見たままの正直の感想を告げる。
しかし、彼は気づいていない。
自分の願いが叶ったこと……そう、目の前の少女が"力"を持つものであるということに。
【?????/1日目/朝】
【バドラック@ヴァルキリープロファイル】
[状態]:健康
[装備]:COMP(型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:とにかく死なない、生き残る。
[COMP]
1:ちょこ@アーク・ザ・ラッド2
[種族]:人間……?
[状態]:健康
青いバンダナの壮年の男、バドラックは悪態をつきながら、自動販売機に蹴りを入れる。
一度ならず二度、三度と蹴りを入れたところで、自動販売機から吐き出された煙草を拾う。
ふんっ、と怒りを交えたため息をついた後、手に入れた煙草に火を付けて、状況を振り返る。
天罰、だとしたらなんて横暴な神なのだろうか。
確かに、自分は悪党だ。
治安の悪いあの国では、盗みに誘拐なんて日常茶飯事、それで手にした金で酒と女に溺れる。
そんな毎日を送っていたとは言え、突然命を握られて、殺しあえというのはあんまりではないか。
「いや、あんな青臭いガキが神な訳がねぇ」
そこまで考えて、ふと我に返る。
魔神皇だかなんだか知らないが、あの子供はそう名乗っていた。
ぱっと見は只の子供だ、まかり間違ってもありがたそうな存在には見えない。
大人数の誘拐なんて、何ら不可能な話ではない。
人一人の首を吹き飛ばすだけの首輪型爆弾なんて、このご時世珍しくも無いだろう。
だが一つだけ、たった一つだけ、信じられない出来事があった。
それは、あの少年から放たれた紫色の炎だ。
よく出来た作り物、だと思えればどんなに楽だっただろうか。
あれに包まれた一人の子供が炭になっていく途中、そこで嗅ぎつけたのは、確かに"人の肉が焼ける匂い"だった。
噂には聞いていたが、流石に本物の"魔法"を見るのは初めてだった。
「クソ……何が魔神皇だ」
気に食わないが、今はあの少年に命を握られている。
あれの機嫌を損なえばどうなるかは、もう十二分に見せつけられている。
ならば、手当たりしだいに殺して回るのか?
答えはノー、長年の経験があるとは言え、多くの人間を相手に正面からやり合えるほど、もう若くもない。
ならば、誰かとつるんで反旗を翻す? いや、冗談じゃない。
誰が好き好んで、他人と手をつないで仲良くやらなくてはならないのか。
ならば、ならば、ならば。
「……死んでたまるかってんだ」
ぼそりと呟いた本音が、コンクリートに吸い込まれていく。
命あっての物種、なんて言葉を聞いたことがある。
そうだ、死んでしまっては、元も子もない。
今大事なのは、カッコつけることでも、頭をイカれさせることでもない、生き残ることだ。
じゃあ、具体的にどうするかと言われれば、それはそれで困るのだが。
「クソったれ……」
再度悪態をつきながら、配られた袋から電子機器を取り出す。
魔神皇曰く、この機械で悪魔を呼び出せるらしい。
なんとも眉唾な話だ、と思いながら、あまり馴染みのない電子機器を、おぼつかない手で操作していく。
「さあ出てきやがれ、俺様を助けてくれるような、うんと強ぇ奴!!」
願わくば、全てを掌握せんとする力を。
そんなことを願いながら、彼は光を見つめ。
「なッ……」
そして、驚愕する。
「やっほー! おじさんがお友達? あたし、ちょこだよ!」
現れたのは、可愛らしい服に身を包み、黄色いリボンでツインテールを結った、年端も行かない少女であった。
「ガ、ガキじゃねぇか……」
バドラックは、見たままの正直の感想を告げる。
しかし、彼は気づいていない。
自分の願いが叶ったこと……そう、目の前の少女が"力"を持つものであるということに。
【?????/1日目/朝】
【バドラック@ヴァルキリープロファイル】
[状態]:健康
[装備]:COMP(型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:とにかく死なない、生き残る。
[COMP]
1:ちょこ@アーク・ザ・ラッド2
[種族]:人間……?
[状態]:健康
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