俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「全く、不運極まりないというか……」

 ぺしっ、と頭を叩いて憂う、セミロングの少女。
 彼女の名は本郷唯、四つ葉台高校の一年生だ。
 一見、普通の女子高生にしか見えない彼女が、なぜ殺し合いという場に巻き込まれても、平静を保っていられるのか。
 それには、理由がある。

「こういうのに巻き込まれやすいのかな、私」

 そう、かつて彼女は一冊の本の中に吸い込まれ、青龍の巫女として朱雀七星士たちと対立したことがある。
 それだけではない、現実世界に戻ってからも、全てを支配しようとする妙な奴と戦いを繰り広げたことがある。
 だが、流石に突然拉致された上に命を握られ、殺し合いを命じられたのは初めてであった。
 こうも立て続けに突拍子もない事に巻き込まれたせいで、少し感覚も麻痺してきてしまったのだろうか。
 嫌に落ち着いていられるのも、そのせいかもしれない。

 だが、怖い、怖くないで言えば、怖い。
 いつどこで誰に襲われて、命を落とすことになるかなんて、分からない。
 襲われる恐怖、それは時が経った今でも、はっきりと覚えている。
 ふと気がつけば、手には携帯電話を握りしめていた。
 落ち着いているとは思っても、奥底に刻まれた恐怖だけは拭えない。

「"悪魔"、かぁ……」

 だから、その恐怖から逃れるように、携帯電話を触り始めた。
 妖怪の類だって見てきた、今更"悪魔"に驚くこともない。
 何より、戦いは得意ではない自分の力になるのであれば、それに越したことはない。

 そう思いながら、彼女は携帯電話を操作し、生まれゆく光を眺めた。

「あら、随分と可愛いサマナーさんね」

 そんな言葉とともに現れたのは、少しウェーブのかかった黒のロングヘアーの少女。
 ワンポイントとして飾られたリボンは愛らしく、"悪魔"と名乗られるには少し違和感があった。
 少し、驚いた顔をしていると、現れた彼女はふっと微笑み、唯へと手を差し伸べた。

「ブレイク、ブレイク・ベラドンナよ。よろしくね」
「あ、と……唯、本郷唯よ。よろしく」

 名乗りに対し、ワンテンポ遅れながらも名乗り返し、手をにぎる。
 その温もりは、人間と変わらない。
 何気ないことだけれど、今の唯にはそれがありがたかった。

「……どうしたの?」
「ううん、なんだか新鮮だな、って」

 そういえば、誰かと共に何かと戦うのは、初めてかも知れない。
 誰かに利用されるわけでもなく、自分の足で選ぶのだから、なおさらだ。
 そう思いながら、唯は足をすすめる。

 不思議と、もう怖くはなかった。

【?????/1日目/朝】
【本郷唯@ふしぎ遊戯】
[状態]:健康
[装備]:COMP(携帯電話型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
[備考]
※本編終了後
[COMP]
1:ブレイク・ベラドンナ@RWBY
[種族]:獣人
[状態]:健康

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます