最終更新:ID:/Fl/cvtjiQ 2016年05月06日(金) 18:29:35履歴
「魔神皇を逮捕する」
一言、サマナーは自らの悪魔に対してそう言った。
やや浅黒い肌の若い男。その身体はよく鍛えられていると見え、しなやかに引き締まっている。
まるで軍人のようだと悪魔は思った。
「逮捕? 手ぬるいのではないかね。私が言うのも何だが、アレはもはや人間の範疇に収まる存在ではないぞ」
「彼が異常な力を備えているのは理解している。だが、彼はまだ未成年だ。罪を犯したとはいえ、問答無用で殺害するなど許されるべきことではない」
「では殺さずに制圧すると? 何ともはや……無謀だ。君にはいまいち実感しにくいかもしれないが、彼の力はそれこそ神、神霊の域にある。
私も己の力に自信はあるが、それとてアレに比べれば小火もいいところだ。勝てんぞ?」
「ならば、仲間を集める。俺たちだけではない、殺し合いを拒む志を同じくする者を探し、力を束ねて大きな炎とする!
一人ひとりは小さな火でも、その火が集まり燃え広がれば、必ずや魔神皇すら呑み込む炎となるだろう!」
根拠なく言い切るサマナー。悪魔はやや呆気に取られ口を開きかけたものの、何も発することなく苦笑した。
サマナーは何のためらいもなく「俺たち」といった。まるで、自分と悪魔の意見は既に同一だと確信しているかのように。
「やれやれ、これは無謀なサマナーに召喚されたものだ。悪魔に団結を求めるなど。私が唯々諾々と従うとでも思っているのか?」
「いや、お前は俺に手を貸してくれるさ。従うのではなく、ともに並び立つ友として、な」
サマナーは悪魔の瞳を正面から見据える。視線を合わせているだけでこの男の熱さが伝わってくる、そんな瞳。
自らの内にもかつてあったモノ。いつしか燻り、目を逸らし、それでも捨てることはできない魂のカタチ。
「お前を召喚した瞬間、俺にはわかった。お前はきっと、俺と同じく正義を愛する者だと。
悪逆を憎み、弱き者を守る盾となる。俺は常にそうありたいと思っているし、お前もきっとそうだろう」
「正義……か。そんなものがまだ、私の中にあるとは思えないがね」
「忘れてしまったのなら、思い出せばいい! 何度だって火は灯る……それが正義というものだ!」
暑苦しい、そして無謀な若者だ。理想に燃えていたかつての自分を見ているようで気恥ずかしくもなる。
だが、ひとまずは合格点だ。悪魔は契約によって使役される以上、おおっぴらにサマナーへ反逆することはできない。
このサマナーならば、望まない行動――たとえば無抵抗の市民を虐殺する、あの殲滅戦のような――を強いられることは、なさそうだ。
悪魔が決して口にする資格のない、許されない、「正義」という言葉、信念。このサマナーとならば、貫けるかもしれない。
「俺の名は栗木ロナウド。一介の刑事だが、この事件を解決するために全力を尽くす! 手を貸してくれるか、俺の悪魔よ」
COMPを介した命令ではなく、悪魔自身の判断に己の命を懸ける。
そう表明し、差し伸ばされた手を。
「私の名はロイ・マスタングだ。今後ともよろしく……若き、そして熱きサマナーよ」
握手の代わりに名乗ることで、受け入れた。
かつて失い、過去の罪と未来への贖罪を背負うことで取り戻した瞳に若きサマナーを映し、ロイ・マスタングは再び戦場へと舞い戻る。
【?????/1日目/朝】
【栗木ロナウド@デビルサバイバー2】
[状態]:健康
[装備]:携帯電話型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品(1)
[思考・状況]
基本:魔神皇を逮捕し、事態を収拾する。
[COMP]
1:ロイ・マスタング@鋼の錬金術師
[種族]:超人
[状態]:健康
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