俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「誰かいませんかー?」

無人の商店街を、仏頂面の少女が歩いていた。
彼女の名は初音ミク。
世界の音楽シーンに変革をもたらしたとまで言われる「ボーカロイド」の一人である。

「やっぱり誰もいないか……。ちょっと休憩しよう」

ミクはずっと、人を探して商店街を歩き回っていた。
しかし、誰一人として彼女の声に反応してくれる人間はいなかった。
若干の疲労を感じた彼女は、たまたま目に入ったベンチに座り込む。

(なんでも願いが叶う、かあ……)

ぼんやりと空を眺めながら、ミクは魔神皇と名乗った少年の言葉を思い出す。
願いと聞いて思い浮かぶのは、自分たちが暮らす町の人々だ。
一生懸命楽曲を作ってくれるプロデューサーたち。
ボーカロイドであろうとなかろうと、自然体で受け入れてくれる住人たち。
その全てが、ミクにとって宝物だ。
だが彼らとも、いつかは別れなくてはならない。それが自分の運命だ。
もしみんなとの時間を、永遠のものにできたら……。

(いや、そういうわけにもいかないよね)

自分の願いを、ミクは否定する。
いびつな方法で運命をねじ曲げるのは、やはりよくないことだ。
そのために他人を傷つけなければいけないのなら、なおさらだ。
運命は、自分で努力して変えてこそ意味があるのだから。

(よし、決めた。歌おう。私はボーカロイドだもんね)

歌には、人の心を動かす力がある。ボーカロイドとして活動し続けてきたミクは、そのことをよく知っていた。
あの魔神皇の心も、ひょっとしたら歌で変えられるかもしれない。

(そうなると……。まずPになってくれる人を探さないとなあ)

ボーカロイドは、自分で曲を作ることはできない。
作詞作曲するPがいて、初めて歌うことができるのだ。

(あ、そうだ。悪魔だっけ? もしかすると、曲を作れるようなのが入ってるかも。
 そうじゃなくても、人捜しの役には立つでしょ)

そう思い立ったミクは、支給されたネギ型COMPを操作して悪魔を召喚する。
すると彼女の眼前に、二頭身の少女が出現した。

「やあ……」

挨拶を交わそうとしたミクであったが、その瞬間何かを第六感で察知して大きくのけぞる。
その直後、彼女の眼前をネギが通過していった。

「はちゅねまして! って、鼻ネギがかわされた! やるね、お姉さん……!」
「ふふ……そっちこそね……」

こうして、二人の間には瞬く間に友情が芽生えた。
なお、彼女達がお互いにやたら共通点が多いことに気づくのはもう少し後のことである。


【?????/1日目/朝】
【初音ミク@週刊はじめての初音ミク】
[状態]:健康
[装備]:ネギ型COMP(食べられません)
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:歌で殺し合いを止める
1:Pになってくれる人を探す
[COMP]
1:はちゅねミク@はちゅねミクの日常 ろいぱら!
[種族]:電霊
[状態]:健康

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