俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

殺し合いだとか、悪魔だとか、理解が追いつかなくなって、頭がいっぱいいっぱいになって――私は、地面に座り込んだ。

小森ユイ。
十七歳。いたって普通の、女子高生。――だった。少し前までは。
教会の持ち主である父が海外の教会に召喚され、日本に取り残された私は、父のメモに従って遠い親戚だというお屋敷に行った。
私の想像を超えた大きなお屋敷で、何だか薄暗い空気を纏っていて、まさかここが私の親戚の家だなんてそう簡単には思えなかった。

――実際、私のその直感は正しかった。
私を待ち受けていたのは、父のように優しくて慈悲深い神の信徒……からは程遠い、残酷で、無慈悲で、冷淡な闇の世界の住人の六人兄弟。
ヴァンパイア。

信じられなかった。当然初めは、この人たちは私をからかって遊んでるのだろうと思った。
ただ――実際、血を吸われそうになって……私は、足を踏み入れてはいけない場所に来てしまったんだと、理解したのだ。

そんな中でも、私は神の信徒だし、くよくよしててもいけないと思って。気を入れ替えて(警戒は怠らずに)新しい環境でも頑張っていこう――

と、思った矢先のことなのだ。これは。

「もう、わけがわからないよ……っ」

堪えきれずに、手の中のロザリオをきつく握りしめた。
助けて。神様。助けに来て、お父さん。
こんなのやだよ。
どうして私ばかりこんな目にあうの……っ?


「――お嬢さんかな。私を喚んだのは」
「ひっ!?」

予想もしていなかった背後からの声に、聞き慣れない外国の響きに、情けない声が漏れてしまった。
恐る恐る振り向いた先に居たのは、真っ黒な男の人。
初めの場所にいた男の子が言ってた言葉をぼんやりと思い出す。
この人が……悪魔、なのだろうか。

まるで中世の貴族のような服装をして、死人のように白い顔をして、腕に、女の子の人形を抱きかかえて。
その姿に、思わず脳裏に浮かんだのが一人。
いつも機嫌が悪くて、目の下に濃いクマを作って、腕にはいつもテディベアを抱いて――
だから、初対面なのになんだか初めて見たような気もしなくて。ただ、突然の登場に呆然としていたら。

「アハハハハ!ネエ、メル。コノ子、死ンデナイワヨ?ドウスルノ?」

し、ししし喋った!?女の子の人形が、高い声で――

「困ったね、エリーゼ……ここは、潔く死んでから出直してくれたまえ――と、言いたいところだが……」

男の人が顔をぐっと近づけてきた。腰が抜けてしまったのか、身動きもままならない私。怖い。

「……君も、唄えそうだね」

どういうこと。聞きたいのに、声が出ない。
その代わりに――心臓が痛み出した。逆巻のお屋敷に居た時と同じ、蹲るくらいの苦痛。
なんで。今……っ。

「私の指揮にのせて、さあ、唄ってご覧。復讐の想いを、痛みの唄を――」
「そ、んな、こと」
「どうしてかな?君の瞳からは――嫉妬の緑だ、良いね――怨み、憎しみが伝わってくる……」
「アラ、死ンデナイ子ノ復讐モ手伝ウノ?メル。デモマア……コノ子、ソウネ、死ンデナイトモ、言イ難イワ――」
「何を、言ってる……の……?」

私の瞳は緑色なんかじゃない。
私は誰かを怨んだこともない。
私を見ながら、まるで私じゃない誰かの話をされているかのようで気持ちが悪い。
心臓はまだ痛んでいる。お前の意思なんか関係ない、とでも言っているかのように。

「復讐に迷いがあるのかい?それとも――」

メルと呼ばれた男の人は言う。

「――今はまだ、思い出せないのかもしれないね。大丈夫だ。私の指揮に従ってご覧。思い出させて、唄わせて、復讐させてあげよう――」
「……ッ」
「ウフフ、自分ノ憎シミモ思イ出セナイオ馬鹿サン。私タチガココマデスルノハ滅多ニナイコト。感謝シテホシイワ、アハハハハ!」

痛みに蹲る私の頭の中に人形――エリーゼの笑い声が響き渡り、私は――意識を暗闇へと委ねた。


【?????/1日目/朝】

【小森ユイ@DIABOLIK LOVERS】

[状態]:気絶
[装備]:ロザリオ型COMP
[道具]:基本支給品、未確認支給品
[思考・状況]
基本:混乱、わけがわからないよ……

[COMP]

1メルとエリーゼ:@Märchen
[状態]:健康

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