俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「出でよ、我が下僕となる悪魔よ!」
 会場に飛ばされ早速、黒衣の男は悪魔召喚を実行した。
 悪魔召喚の方法は、左腕に装着された盾――否、決闘者の体の一部とも言うべき決闘盤に、召喚プログラムが内蔵されたカードをセットし、発動すること。
 召喚に応じて現れた悪魔もまた、黒衣。黒い鎧、黒い兜、黒いマントを身に纏い、白い仮面で顔を隠した、鎧武者のような出で立ちの魔人。
「我が名はタクティモン。魔人型デジモンだ。我が剣を捧げるに値する主には、我が泉の湧くが如き智謀にて、完璧(パーフェクト)な勝利を約束しよう」
「完璧(パーフェクト)」……」
 悪魔――タクティモンの名乗りを聞き、黒き決闘者はつい言葉をこぼす。
 完璧(パーフェクト)。かつて自らに冠された称号であり、肩書きであり、誇りであり、自負であり、栄光の象徴だった。
 それが崩れ去り、捨て去った今に、それを標榜するものと邂逅するとは、あの魔神皇とやらも随分アジな真似をしてくれる。
「どうされた?」
 タクティモンに声を掛けられ、男は物思いから抜け出し、自らも名乗りを上げる。
「昔を思い出したまでのこと。タクティモンだったな、俺の名は丸藤亮。サイバー流の表を喰らい、今は裏サイバー流を磨いている」
「サイバー流……? 兵法の流派か?」
「そんなところだ。それで、俺を完璧なる勝利に導く、だったか?」
「然り」
 自信と覇気に満ちた返事に、つい口角が上がる。
「面白い。見せてもらおうか、貴様の“完璧”を。だが、俺は求める勝利の為ならば、汚れることも無様を晒すことも厭わんぞ」
 偽らざる本心を、亮はタクティモンへと伝える。
 完璧など、どれだけの自信や自負があろうと、不意に容易く崩れるものと知っていればこそ。
「何故、そこまで勝利に執着するのだ?」
「鬼にならねば、見えぬ地平がある。その地平の先へと進むには、この地獄を生き抜くためには、勝ち続ける以外に無いというだけの事。
故に、人は俺を“ヘルカイザー”と呼ぶ」
 言い切り、地獄の皇帝は目の前に立つ魔人の武人を、牙剥く笑みを浮かべて睨みつける。
「……面白い。我が主、丸藤亮よ。お前のその身に宿した修羅の赴くまま戦い抜くがいい。
我が智と剣にて、地獄の地平の彼方までの道筋、切り拓いて見せよう」
 タクティモンは亮と同じく、相手の信念に見届ける価値ありと認めた。
 最初の名乗りは、悪魔としての挨拶のようなものだった。
 不甲斐無い、剣を捧げるに値しない主ならば、真の主たるバグラモンの名誉を穢さぬためにも切り捨てることも考えていた。
 だが、この男に限ってはその必要はない。
 寧ろ、人の身でありながら、敢えて鬼に身を窶し地獄に堕ちてまで、真理を追い求めるその姿勢は、バグラモンと重なるものがある。
 ただの召喚者ではなく、仮初とはいえ主に相応しき男へと、跪き礼を取る。
「頼むぞ、タクティモン」
「今後とも宜しく、我が主よ」
 地獄の皇帝の下に、今、蛇神の剣を携えし魔人が参上した。
 彼らがこれより往くは修羅道、目指すは地獄の果て。
 求めるは勝利、目指すは完璧。
 彼らの心に、尊重・尊敬――『リスペクト』の理念など必要なし。


【?????/1日目/朝】
【丸藤亮@遊戯王デュエルモンスターズGX】
[状態]:健康
[装備]:デュエルディスク型COMP
[道具]:基本支給品、裏サイバー流デッキ@遊戯王デュエルモンスターズGX
[思考・状況]
基本:勝利を求め、地獄の果てまで往く
[備考]:ジェネックス終了後からの参戦です
[COMP]
1:タクティモン@漫画版デジモンクロスウォーズ
[種族]:魔人型デジモン
[状態]:完璧な健康状態

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