俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「あらあら……これは、事件の香りがしますね……」

 登る朝日、立ち並ぶビル、都会の冷たさ。
 これがいつも運んでくるのは、事件の香り。
 そして、それは今回も例外ではない。

「魔神皇くん、でしたか。この私を出し抜いてくるとは、なかなかやりますね」

 割烹着にエプロンの、少し淡い赤の髪の少女、琥珀はそう言いながら笑う。
 色んな怪事件に巻き込まれてきたが、流石にこのパターンは初めてだ。
 タタリではないとしても、あの少年が持つ力は異常だ。

「しっかぁ〜〜し! 魔法少女マジカルアンバーにかかればこの程度のコトなど!!」

 だが、彼女は屈しない。
 科学、魔術、医術。その全てを駆使した技術がアレば、このような事件でもちょちょいのちょい。
 そう意気込んだところで、勢い良く懐に――――

「ってあらぁ!? 何もかもが奪われているじゃありませんか!!」

 差し込んだ手は、何も掴まない。掴めない。
 何故なら、そこにあるはずのものは、綺麗サッパリと無くなっていたからだ。
 慌てて所々を探ってみるが、何もない。
 傍にあった袋も探ってみるが、中に入っていたのは食料と一本の箒。
 しかし、その箒はただの箒ではなく、彼女のよく知る箒であった。

「はぁ、そんなことなら没収せずに持たせてくれればよかったのに」

 そんな愚痴をこぼしながら、いつもの様に箒を握り、手触りを確かめる。
 そして、箒には相応しくない持ち方をして、"それ"を一気に振りぬいた。
 そう、その箒はただの箒ではなく、中に刀が仕込まれている、仕込み箒だったのだ。
 しゃきん、と金属音とともに、太刀筋が光る。
 その時、彼女は一つの"違和感"に気がついた。

「んんんんん〜〜〜〜!!! 私の箒を勝手に改造しおって!!! 許るさ〜〜〜〜ん!!!」

 そう、太刀筋など本来は光るわけがない。
 それが、光っているということは、愛用のこの箒に、何かが仕組まれているということ。
 差し詰め、彼が言っていた"COMP"とやらに改造されていたのだろう。
 私物を改造されていることを知った怒りを少し覚えつつ、琥珀はその光を見つめ続けていた。

「……誰?」

 現れたのは、白いポニーテールの褐色の少女だった。
 あまり肌を隠さない白の装束に身を包み、そばには大きな弓を構えている。
 その瞳には、光がない。

「おやおや、これは可愛らしいお嬢さん。安心してください、私は――――」

 現れた少女に対し、琥珀は優しく手を伸ばそうとする。

「近寄らないで」

 だが、少女はそれを拒絶する。
 一本の矢、即座に放たれたそれは、その意志を明確に示していた。
 頬の横をかすめた矢は、琥珀の頬を傷つける。
 ぱっくりと開いた傷口から、つつ、と血が流れる。
 琥珀はそれを、ゆっくりと腕で拭ってから。

「何がおかしいの」

 彼女に向けて、くつくつと笑った。

「いえ、その目を見たら、思い出したんです」

 変わらない、笑顔。
 けれどそれは、先ほどとは違う、もう一つの仮面。

「私の、ことを」

 それは、いつかの自分と似て非なる姿。

【?????/1日目/朝】
【琥珀@MELTY BLOOD Actress Again】
[状態]:健康
[装備]:COMP(仕込み箒型)
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:魔神皇くんのオイタを止めるぞ☆
[COMP]
1:真鏡名ミナ@サムライスピリッツシリーズ
[種族]:人間
[状態]:健康

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