俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

三文判ビンタは、不動産調査会社「四畳半企画KK」の社長である。
とはいえ、経営能力が高いわけではない。
フラフラしていたのを見かねたヤクザの組長である父親が会社を持たせただけだし、社員は自分を含めて3人だけだ。
それでも、仕事は真っ当にしている。いや、しようとしている。
どういうわけか、彼の元に来る依頼は呪いだの都市伝説だのオカルト的な事件がくっついてくることが異様に多いのだ。
最近では端からオカルト事件の解決を目的とした依頼が持ち込まれることがあるくらいである。
そんなわけで、ビンタは不本意ながらオカルトに強い接点を持つ人間となっていた。


◇ ◇ ◇


「なんでこう、俺はめんどくさいことにばっかり巻き込まれるのかね……」

独り言を漏らしながら道の真ん中を歩く、90年代くらいのヤクザファッションに身を包んだそこそこイケメンの男が一人。
彼こそが、三文判ビンタその人である。

「また面白霊能おじさんの仕業か? いや、あいつじゃ俺たちだけならともかくあんな大勢の人間を拉致することはできねえか……」

以前、自分たちに恨みを持つインチキ霊能力者の罠で呪われた洋館に監禁された事件を思い出し、ビンタはまた呟く。

「狐太郎と外宮は無事かねえ……。
 あいつらも自分の身を守るくらいはできるだろうが、強くはねえからな……」

次に頭に浮かぶのは、共に修羅場をくぐり抜けてきた仲間のこと。

「まあ、巻き込まれたかどうかもわからねえのに心配してもしょうがねえな。
 まずは、俺が生き残る努力をしねえと」

歩き続けながら、ビンタはポケットにしまっていたものを取り出す。
それは彼に支給された拳銃型COMP、GUMPだった。

「悪魔ねえ……。まあ幽霊ともゾンビともやり合ったんだ。
 今さらそんなものいねえなんて思わねえが……。
 こっちの言うこと聞いてくれるのかねえ」

GUMPを手で弄びながら、ビンタは呟く。

「まあ、逆らうようならぶっ殺せばいいだけの話か」

あっさりと考えるのをやめ、ビンタはGUMPの引き金を引いた。
GUMPから射出された光は、彼から1メートルほど離れた場所で実体化する。

「桜咲刹那、参上いたしました」

現れたのは、長い刀を携えた幼さの残る少女だった。
だが最も目を引くのは、刀でも顔でもない。
その背中から生えた、白い翼だった。

「ふーん、これが悪魔か……。とりあえず、協力的みたいで安心したわ。
 まあ、よろしく頼むぜ」
「え、ええ。よろしくお願いします。
 ……なんだか、ずいぶんあっさりした反応ですね」
「まあ、こういうのは慣れててな。もっと大げさに驚いた方がよかったか?」
「いえ、そんなことは……」

額に汗を浮かべながら対応していた刹那だったが、ふいにその言葉が途切れる。
その理由は、すぐにビンタも理解した。
いかにも悪霊といった風貌の野良悪魔が数体、彼らに近づいてきていたのだ。

「下がっていてください、主。やつらは私が……」
「いや、俺もやるぜ。守られるのなんざ、性に合わねえ」

そう言い放つと、ビンタは荷物から支給されたチェーンソーを取り出した。
そして電源を入れ、悪霊たちに突っ込んでいく。

「お待ちください! そんな武器では……え?」

刹那の目が、点になった。ビンタの振るうチェーンソーが、あっけなく悪霊を切り裂いたのだ。
さらに1体、2体と、悪霊たちはチェーンソーのサビになっていく。
あっという間に、ビンタは無傷で悪霊を全滅させてしまっていた。

「なんだ、全然たいしたことねえじゃねえか。
 悪いな、俺一人で片付けちまって」
「いえ……それはかまわないのですが……。
 主は、退魔の術のようなものを修得しておられるので?」
「ああ? 持ってねえよ、んなもん。
 幽霊だろうとゾンビだろうと、恐れず攻撃すれば撃てるし斬れる。
 大阪では常識だ」
「いやいや! 大阪、そんなところちゃうよ!?」

自分はずいぶん破天荒なサマナーを引き当ててしまったらしいと、その時刹那は確信したのであった。


【?????/1日目/朝】
【三文判ビンタ@サタスペ ホラーリプレイシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:GUMP、チェーンソー
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:生きて帰る
[COMP]
1:桜咲刹那@魔法先生ネギま!
[種族]:鳥人
[状態]:健康

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